テレビアンテナコンセントの交換・増設ガイド:映らない原因から端子の種類・DIYの方法・業者依頼の費用まで完全解説

2025年06月16日

現在の戸建て住宅では、テレビが設置される複数のお部屋に、アンテナからのテレビ電波を届けるアンテナ端子のついた「アンテナコンセント」が用意されています。

このアンテナコンセントと、室内に置いたテレビ、レコーダーなどの機器を、市販のアンテナケーブルで接続するだけで、手軽にテレビを視聴できる準備が整います。

ただ、このアンテナコンセントとテレビを結ぶまでの配線でも、ときにさまざまなトラブルや問題がが発生することもあります。

「部屋の中でテレビの映りが急に悪くなった」
「部屋の模様替えをしたら、アンテナコンセントがないためテレビを置けない」
「壁から出ている古いテレビ端子を、どうにかスッキリさせたい」

お住まいのアンテナコンセントやその配線について、このようなお悩みはありませんか。

実はその問題、テレビアンテナコンセントの種類を見直すことで、意外と簡単に解決できるかもしれません。

この記事では、豊富な施工実績と高い技術力を誇るアンテナ工事のプロ集団、当あさひアンテナが、その技術と知識を総動員して、アンテナコンセントに関する、あらゆる疑問にお答えします。

例えば、アンテナコンセントの端子の種類や、対応できるテレビ放送(地デジ、BS/CS、4K8Kなど)の概要、アンテナコンセントにまつわるトラブルの対処法から、旧式のアンテナコンセントを最新のものに交換する方法、アンテナコンセント交換や増設を専門業者に依頼する場合のポイントなど……

皆様がアンテナコンセントについて知りたい関連の情報を、専門知識がない方でも分かりやすいように、写真や図を交えながら丁寧に解説していきますので、ご安心ください。

この記事ページを最後まで読んでいただければ、アンテナコンセントに関して、皆様のお住まいで、テレビのご視聴環境を快適にするため、もっとも適した方法がきっと見つかることでしょう。

この記事でわかること

  • 自宅のテレビアンテナコンセントの種類と見分け方、対応できる放送。
  • 室内でテレビが映らない、乱れるといったトラブルの簡単な対処法。
  • 古いアンテナコンセントを自分で交換するDIYの手順と注意点。
  • アンテナコンセントがない部屋に増設する方法。
  • 専門業者に工事を依頼する場合の費用相場と、信頼できる業者の選び方。
  • アンテナ配線を使わずにテレビを視聴する新しい選択肢。

まずは確認!あなたの家のテレビアンテナコンセントはどのタイプ?

テレビ画面のトラブル解決や、お部屋のレイアウト変更、また新4K8K衛星放送など新しいテレビ放送に対応するための第一歩は、まずご自宅の壁にあるテレビアンテナのコンセントの取付場所や形状を確認することから始まります。
アンテナコンセントについている、地デジや衛星放送のアンテナからのテレビ電波(映像信号)を各部屋に送るアンテナ端子は、一見どれも同じように見えるかもしれませんが、実は設置された年代などによって、いくつかの種類があり、そのタイプによって性能やトラブル時の対処法が大きく異なってくるからです。

ご自宅、お部屋の壁面にあるアンテナコンセントの端子がどのタイプかを知ることで、問題解決への最短ルートが見えてきます。

アンテナコンセント端子の種類と見分け方|交換が必要なケースとは

現在、テレビアンテナコンセントのケーブル差込口(端子)は、主に以下の5種類のタイプに分けられます。
このタイプの違いは、多くがその住宅が建てられた時期、当時のテレビ受信環境によるもので、端子が古いタイプの場合は、現在の地デジ、衛星放送などデジタル放送の電波をうまく受信できず、映りの悪さやノイズの原因になっている可能性があります。

端子タイプ 特徴 見分け方 交換の必要性
F型端子 現在もっとも普及している主流のタイプです。
接続がしっかりと安定して抜けにくく、信号の損失も少ないのが特徴。
地上デジタル放送はもちろん、衛星放送のBS放送、CS放送や4K8K放送にも対応しています。
丸い差込口で、差し込み部の周辺にネジ切りがあり、中心に芯線を差し込む小さな穴がある。 基本的に不要です。
ただし、4K8K放送を視聴する場合は「4K8K対応」の記載があるか確認しましょう。
プッシュ端子 F型端子よりやや古い時期の端子です。F型端子とほぼ同じ形で、ケーブルも兼用できることが多くなります。
プラグを抜き差ししやすい半面、抜けやすい弱点もあります。
多くの場合、地上デジタル放送と2K衛星放送には対応できますが、4K8K放送には対応できない場合もあります。
F型端子とほぼ同じ形ながら、ネジ切りだけがない。 中程度。
やや古い時期の端子であるため、地デジやBS、CSの衛星放送に対応しているものは多くなりますが、4K8K放送に対応していないことが多く、4K8K放送を視聴する場合には交換が必要です。
また念のため、地デジや衛星放送の周波数帯に対応しているかも確認してください。
同軸直付端子《どうじくじかづけたんし》 昭和から平成初期の古い住宅に見られるアンテナ端子です。先端を加工して芯線を露出した同軸ケーブルを直接、接続します。
金具によってしっかり固定されますが、芯線が露出しているため、電波の漏洩や混入が起こりやすくなります。
現在の地デジ放送をはじめ、より周波数帯の高い衛星放送、特に4K8K放送には適さないアンテナ端子であると言えます。
露出した芯線を差し込む穴や固定するネジ部などと、その下部にアンテナケーブルを固定するネジ式の金具がある。 高い
地デジ放送にもあまり適していないほか、衛星放送や4K8K放送には対応できません。早急なF型端子への交換をおすすめします。
直付型《ちょくづけがた》端子 昭和期などの比較的古い住宅に見られるタイプです。
壁からアンテナ線(同軸ケーブル)が直接伸びています。
内部の接続が劣化しやすく、接触不良や信号劣化の原因になりがちです。
壁のプレートから直接アンテナ線が伸びている。 高い
安定した視聴のために、F型端子への交換を強くおすすめします。
フィーダー端子 やはり昭和期など築年数の古い建物に見られる、アナログ放送時代の端子です。
2つのネジに、平たいフィーダーケーブルを固定して使用します。
現在の地上デジタル放送には対応しておらず、信号をうまく受信できません。
2つのネジ穴があるプレート。 非常に高い
地デジを視聴するためには、F型端子への交換が必須です。

ご自宅のコンセントが「同軸直付端子」や「直付型」「フィーダー端子」だった場合は、デジタル放送が主流である、快適なテレビ視聴のために「F型端子」への交換を検討してください。

これらの端子は、電波を伝える金属部が露出している、使用されるケーブルの性能が古いものであるなどの場合が多く、現在の地デジのUHF、衛星放送、4K8K放送など、周波数帯の高い電波では漏洩や外部ノイズの混入が多くなり、テレビ映像の乱れや、無線機器、Wi-Fiなどに悪影響を与える可能性も考えられます。

「プッシュ端子」の場合も、新4K8K衛星放送(2018年・平成30年12月1日スタート)の時期よりはやや古いタイプであるため、地デジや2K衛星放送には対応できても、より周波数帯の高い4K8K放送の電波には対応できない仕様の場合もあります。

そのため、アンテナコンセントにプッシュ端子が設置されているお住まいで、衛星放送の4K8K放送をご覧になる場合には、端子をシールド性能の高い4K8K(3224MHz)対応のF型端子に交換する必要があります。

また設置時期が古いプッシュ端子では、地デジや2K衛星放送のデジタル放送についても、減衰や漏洩、ノイズ混入などのトラブルが生じやすくなるため、場合によってはF型端子への交換をオススメします。

壁の中の仕組みは?「端末型」と「中間型(送り配線)」の違い

アンテナコンセントの見た目は同じF型端子でも、住宅に設置されたアンテナからのテレビアンテナ線である同軸ケーブル(アンテナケーブル)が、屋根裏や壁の中を通って、各部屋のアンテナコンセント端子まで送られる配線方法によって、使用される端子のユニット(アンテナコンセント端子部の部品)は「端末型」と「中間型」の2種類に分けられます。

これは、複数の部屋にテレビ電波を送る方式の違いによるものです。

現在の戸建て住宅で、アンテナから各部屋のアンテナ端子までアンテナケーブル(電波)を送るテレビアンテナ配線の方法は、主に「スター配線方式」と「直列配線(送り配線)方式」に分けられます。

スター配線方式は、アンテナ側から送られる一本のアンテナケーブルを「分配器」に接続し、分配器から各部屋のアンテナコンセントまで接続された複数のケーブルに、等分に電波を分配する方法です。各部屋に送る電波レベルが安定することから、現在では主流の配線方法ですが、分配器やケーブルのコストがやや割高になります。

直列配線方式は、アンテナからのアンテナケーブルを、まずアンテナに一番近い部屋にあるアンテナコンセント(端子ユニット)の入力端子に接続し、さらに端子ユニットの出力端子から、次の部屋のユニット入力端子までケーブルを接続するという配線を、最後の部屋まで数珠つなぎのように順番に行って、すべての部屋に電波を送る方法です。

直列配線方式は、分配器を使わずケーブルの長さも最小限で済むため、施工のコストを抑えられるのがメリットですが、配線の先に行くほど電波レベルが弱まってしまう。また配線の一部でトラブルが起こるとその先のすべての部屋でテレビが映らなくなるなどのデメリットもあるため、現在では採用されるケースは少なくなっています。

そして、もしお住まいにてDIYでアンテナコンセントの端子ユニットを交換する場合には、上記したご自宅の配線タイプに合った商品(端子ユニット)を選ばないと、他の部屋に電波を送ることができなくなり、テレビが映らなくなる可能性があるので注意が必要です。

以下、配線方法に応じたユニット端子のタイプの詳細について解説します。

タイプ 配線方式 役割 見分け方(内部)
端末型 スター配線 各部屋への配線の終点となる端子ユニットです。スター配線のほか、送り配線で一番最後の部屋にも使います。 部品を取り外すと、電波の入口である「IN」という端子だけがあります。
中間型(送り配線) 直列配線 1つの配線を数珠つなぎにして、次の部屋へ電波を送る中継点となる端子ユニットです。 電波の入口「IN」と、次の部屋への出口「OUT」の両方の端子があります。

ご自宅の配線方式や、アンテナコンセントに使用されている端子ユニットがどちらのタイプか分からない場合や、アンテナ配線が複雑な場合は、プロのアンテナ工事業者に相談することが、もっとも確実で安心です。

テレビが映らない・映像が乱れる!原因と自分でできる対処法

お住まいでも特定のお部屋で、昨日まで普通に映っていたテレビが、急に映像が乱れる、または「E202」エラーコードが表示されるなどして、テレビがまったく映らなくなった、というトラブルが起こることもあります。
そんなときは、あわてて業者へと修理を依頼する前に、ご自身で簡単にチェックできるポイントがいくつかあります。
業者への依頼や、アンテナコンセントの交換などを考える前に、まずは以下のトラブルシューティングを試してみてください。

トラブルシューティング5選|エラーコードE202が出たら試すこと

特定のお部屋で、テレビの画面に「E202」というエラーコードが表示されてテレビ放送が映らなくなったら、それはテレビが自己診断で「アンテナからの信号が受信できていない、または信号レベルが低い」と判断したサインです。

場合によっては、ほぼ同様の症状で「E201」「E203」のエラーコードが表示される場合もあります。これらのエラーコードも原因は違え、テレビ電波が正常に受信できていない状態を示します。いずれのエラーコードが表示された場合も、まずはトラブル解消のために、以下の5つの項目を確認してみてください。

  1. アンテナケーブルの接続を確認する
    • 壁のアンテナコンセントからテレビまで繋がっているケーブルが、しっかり差し込まれているか確認します。
    • ネジ式のF型プラグの場合は、緩んでいないか軽く締め直してください。
    • いったんケーブルをアンテナコンセントやテレビの端子から外して、接続部が汚れている場合は乾いた柔らかい布で汚れを落とし、しっかりと接続し直すのも有効です。
    • ケーブルの断線や、プラグ部分の芯線が折れていないかもチェックしてください。ケーブルを「曲げ半径」以上に極端に曲げている、家具などの下敷きになっているというケースも、断線や送信不良の原因になるため注意してください。
  2. テレビ本体やB-CASカードを再起動する
    • テレビ本体の一時的なシステムや内部基盤エラーが原因の場合もあります。
    • テレビの主電源を切り、電源プラグをコンセントから抜いて2、3分ほど待ってから、再度プラグを差し込んで、主電源を入れてみてください。これをテレビのリセットといいます。
    • 同時に、テレビに挿入されているB-CASカード(またはminiB-CASカード)を一度抜き、柔らかい布でICチップ部分を拭いてから、正しい方向にしっかり差し直すのも有効です。
    • なおB-CASカードのトラブルでテレビが映らない場合は、「E100」「E101」「E102」のエラーコードが表示されることが多くなります。
  3. チャンネルの再スキャン(再設定)を行う
    • 特に地デジ放送で、引っ越しをして受信できる電波塔やチャンネルが変わった際や、お住まいのエリアで新しくチャンネルが追加されたなど、テレビの周辺で電波の送信状況が変わった場合に有効です。
    • テレビのリモコンの「設定」メニューから「チャンネル設定」や「地域設定」を選び、チャンネルの再スキャンを実行してみてください。
  4. 分配器の接続数を見直す
    • 一本のアンテナ線(伝送される電波)を複数のテレビに分ける機能を持つ「分配器」を使っている場合、元の電波レベルを分配数に応じて、等分に各ケーブルに分けているため、分配数が多すぎると電波レベルが弱くなります。
    • 使っていないテレビへの分配器の配線を外してみるなど、分配数を減らすことで映りが改善することがあります。
  5. 悪天候の影響を考える
    • 大雨や強風、大雪の後は、屋外にあるアンテナの向きがズレてしまったり、アンテナ自体が故障したりすることがあります。
    • また大雨、大雪などの悪天候は、電波塔や静止衛星から送られる、地デジや衛星放送の電波レベルを低下させることがあります。この場合は天候の回復を待つことが対策になります。
    • 特にテレビアンテナの位置から遠く、アンテナケーブルの配線も長くなる部屋では、その分、電波の減衰《げんすい》レベル(電波の弱まり)が大きくなるため、悪天候に影響されやすくなります。
    • 天候が回復してから再度、テレビの映りを確認して、それでも映らない場合はアンテナ本体の不具合が考えられます。

これらの対処法を試しても改善しない場合は、アンテナコンセントの内部や、壁の中の配線に問題がある可能性があります。

また、お住まいのすべての部屋でテレビが正常に映っていない場合は、分配器より先の、テレビアンテナや屋外ブースターなどの問題で映らない可能性が高くなります、(スター配線の場合)

古いアンテナコンセントを交換する方法【DIY編】

「直付型のコンセントを、見た目もスッキリしてデジタル放送向きのF型端子にしたい」
「4K8K放送を見るために、プッシュ端子をシールド性能の高いF型端子に交換したい」

など、アンテナコンセントのアンテナ端子を交換したいと思われる方もいらっしゃるでしょう。専門的な知識がないと難しそうに思えるアンテナコンセントの交換ですが、ポイントさえ押さえれば、ご自宅にてDIYで行うことも可能です。
ここでは、ご自身でアンテナ端子ユニットの交換作業を行う際の手順や注意点を解説してゆきます。

交換作業の前に|必要な道具と電気工事士の資格について

アンテナコンセント(端子ユニット)交換の作業を始める前に、必要な道具を揃えて、安全に関する重要な注意点を確認しておきましょう。

  • 必要な道具一覧
    • プラスドライバー、マイナスドライバー
    • 新しいアンテナコンセント(端末型 or 中間型)
    • 室内用で必要な長さのアンテナケーブル。(F型プラグの製品)
    • 同軸ケーブルストリッパー
    • ペンチ
  • 電気工事士の資格は必要?
    • アンテナ線のみのコンセント交換は、基本的に資格は不要です。
    • ただし、コンセントプレートに電源用の差込口(100V)が一体化しているタイプの場合、その交換・修理には「電気工事士」の国家資格が必須**です。
    • 電気配線に関係する部分は、無資格での作業は法律で禁止されており、さらに感電や火災の危険が伴います。
    • 少しでも不安な場合や、電源一体型の場合は、絶対に自分で交換作業を行わずプロの業者に依頼してください。

【図解】アンテナコンセント交換の4ステップ

ここでは、一般的なアンテナコンセントで、古い端子からF型端子への交換手順を解説します。作業前には、安全のためブレーカーを切っておくとより安心です。

  1. カバープレートを取り外す
    • まず、コンセントの一番外側にあるカバープレートを外します。手で外れるタイプと、マイナスドライバーなどを隙間に差し込んでこじ開けるタイプがあります。
    • 次に、中の金具を固定しているネジをプラスドライバーで緩め、壁から金具全体を引き出します。
  2. 古い端子からアンテナ線を取り外す
    • 金具に接続されているアンテナ線(同軸ケーブル)を外します。古い端子のネジを緩めてケーブルを引き抜きます。
    • 直付型の場合は、ケーブルが直接、固定されているので、慎重に取り外してください。
  3. 新しい端子にアンテナ線を接続する
    • 同軸ケーブルの先端を、同軸ケーブルストリッパーを使って加工し、中心の銅線と周りの網線を露出させます。
    • 新しいアンテナコンセントの「IN」端子に、中心線と網線がショートしないように気を付けながら、正しく接続します。
  4. 元に戻して映りを確認する
    • アンテナ線を接続した金具を壁の中に収め、ネジで固定します。
    • 最後にカバープレートを取り付け、テレビの電源を入れて映りを確認すれば作業は完了です。

部屋にテレビ端子がない!アンテナコンセントを増設する方法

「書斎や子供部屋にもテレビを置きたいけれど、アンテナコンセントがない」
など、テレビを置きたい部屋にアンテナコンセントがない場合は、増設することで解決できます。
基本的な考え方は、現在のアンテナ配線から電波を「分配」して、新しい部屋まで配線を伸ばすというものです。

「分配器」を使った増設と電波減衰のリスク

アンテナコンセントの増設には、テレビアンテナ用「分配器」という機器が不可欠です。
分配器は前述の通り、アンテナから送られる1本のアンテナケーブルを2本や3本、4本など複数に分岐させるための装置で、分岐した各ケーブルには電波が等分に分配されます。

複数のアンテナコンセントがある一般的な住宅では、アンテナケーブル配線の途中で、屋根裏や天井裏、マルチメディアボックス(情報弱電盤)などに分配器が設置されており、これにより複数の部屋で、同時にテレビ放送を見ることが可能になります。

しかし、分配器には注意点があります。
それは、分配器で電波を分けるたびに、分配された個々の先で、それぞれの電波レベル(映像信号)が弱くなってしまう「分配損失」という現象です。

上記の通り、分配器はアンテナから届く元の電波レベルを、複数のアンテナケーブルへと、等分のレベルに分配する装置です。例えるなら、1つの水道管から2本のホースに水を分けると、それぞれの水の量や勢いが弱くなるのと同じといえます。
したがってこの分配数が多くなりすぎると、分配されたアンテナケーブルから各部屋のアンテナコンセントに届く電波レベルが弱くなり、結果としてテレビの映りが悪くなったり、「E202」エラーが表示されたりする原因にもなります。

なお、戸建て住宅で各部屋に電波を送る分配器は、通常、電波を送る部屋の数に加えて、予備の端子を一個加えた分配数のものが使われることが多くなります。しかし、もし分配器の予備端子がない、または2部屋以上にアンテナコンセントを増設したい場合は、分配器そのものを、分配数の多いものに交換する必要が出ます。

他にも、各部屋のアンテナコンセントからの配線の先に分配器を設置し、その部屋から近い部屋にアンテナケーブル(テレビ電波)を送る方法もありますが、この場合も、分配損失や、ケーブルの長さによる減衰の問題は生じます。そのため、この場合は2分配など、最小限の分配数にすることが推奨されます。

電波が弱い時に!「ブースター(増幅器)」の役割と選び方

分配器による電波レベルの減衰や、もともとテレビ電波の受信環境が良くないエリアの場合に活躍するのが、テレビアンテナ用の「ブースター」という機器です。
ブースターとは増幅器とも呼ばれ、アンテナが受信したテレビ電波レベルを増幅してくれる装置です。

  • ブースターが必要になる主なケース
    • 3台以上のテレビを設置している。(3分配以上)
    • アンテナからテレビまでの配線距離が長い。
    • 周辺に高い建物があるなど、もともと電波が弱い地域に住んでいる。

ブースター機器を選ぶ際は、以下のポイントを確認してください。

確認ポイント 内容
対応放送 地上デジタル放送だけで良いのか、衛星放送や4K8K放送にも対応している必要があるかを確認します。
利得(ゲイン) 電波を増幅する力のことで「dB(デシベル)」という単位で表されます。数値が大きいほど増幅力は高いですが、強すぎるとノイズまで増幅してしまうため、環境に合った適切なモデルを選ぶことが重要です。
設置場所 屋外のアンテナ直下に設置する「屋外用」と、屋内のテレビ近くに設置する「屋内用」があります。一般的に屋外用の方が利得は高く、家屋全体で電波を増幅する場合に適しています。一方、室内用は利得は低いものの、ご自宅でも設置が簡単で、特定の部屋で電波を増幅する場合に使われます。

適切な分配器や屋外用ブースターの選定・設置は、その組み合わせや増幅レベルの調整も含めて専門的な知識が必要なため、自信がない場合はプロのアンテナ工事業者へとご相談されることが確実です。

DIYは不安?アンテナコンセント工事をプロに依頼する全知識

DIYでのアンテナコンセント増設作業は、コストを抑えられる魅力がありますが、「配線が複雑でわからない」「壁に穴を開けるのは怖い」「高所での作業は危険」といった不安もつきものです。

特にアンテナコンセントの増設は、壁に穴を開けて新しいコンセントを取り付ける作業のため、慣れていない方の場合、失敗して壁を破損してしまう恐れも高くなります。
確実性や安全性、そして仕上がりの美しさを求めるなら、プロのアンテナ工事業者にご依頼になるのが、もっとも賢明な選択といえます。

【2025年最新】コンセント交換・増設工事の費用相場

アンテナコンセントの交換や増設を、アンテナ工事の専門業者に依頼する場合、どれくらいの費用がかかるのか、気になる点かと思われます。
工事内容ごとの、一般的な費用の相場は以下の通りになります。

工事内容 費用相場(1箇所あたり) 備考
アンテナコンセントの交換 5,000円 ~ 10,000円 部品代・作業費込みの価格です。
アンテナコンセントの増設(露出配線) 12,000円 ~ 20,000円 壁の表面にケーブルを這わせて配線する、最も簡単な方法です。
アンテナコンセントの増設(隠蔽配線) 15,000円 ~ 30,000円 壁の中や天井裏に配線を通すため、見た目がスッキリします。作業の難易度が高いため費用も上がります。

※上記はあくまで目安です。実際の費用は、担当する業者をはじめ、建物の構造や使用する部材、ブースター設置の有無によっても変動します。
正確な料金を知るためには、必ず事前に業者から見積もりを取ってください。

失敗しない!信頼できるアンテナ工事業者の選び方5つのポイント

現在ではアンテナ工事を専門とする業者も、日本各地に数多く存在するため、一般の方はどこに頼めば良いのか、迷ってしまうこともあるでしょう。
この項目では、良心的で優れたアンテナ工事の業者を選ぶ際の目安をご紹介します。

以下の5つのポイントをチェックして、信頼できる業者を選んでください。

  1. 豊富な実績と良い口コミ
    年間施工件数などの実績が多く、利用者のリアルな口コミ評価が高い業者は信頼できる可能性が高くなります。
  2. 明確な見積もりと料金体系
    作業前に無料で電波調査を行うなどして最適の工事の提案と、適切な価格の見積もりを提示し、工事の際に追加料金が発生する可能性についてもしっかりと説明してくれる業者を選んでください。「工事後に追加で高額請求された」などのトラブルを避けるためにも重要な点です。
  3. 長期保証の有無
    工事後のトラブルや不具合に対して、長期間の保証やサポート体制を付けてくれる業者は、お客様目線のサービスを提供し、自社の施工技術に自信がある証拠ともいえます。保証期間は5年から8年程度が一般的です。
  4. 完全自社施工であるか
    下請け業者に工事を委託せず、すべて自社のスタッフで対応している業者は、責任の所在が明確で、スタッフも経験豊富なため技術レベルも高く安定しています。さらに中間マージンが発生しないため、料金が比較的、安価になる傾向もあります。
  5. 損害賠償保険への加入
    万が一、工事中に建物に傷を付けてしまったなどの物損事故が発生した場合に備え、損害賠償保険に加入しているかを確認しておくと、より安心です。

【相談無料】あさひアンテナの高品質工事と安心の10年保証

信頼できるアンテナ工事業者に頼みたいけど、相見積もりなどで探すことが難しいと思われる方は、ぜひ当「あさひアンテナ」にご相談ください。
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    施工技術に高い自信があるからこそ、業界でもトップクラスの長期保証をお付けしています。
  • 無料の電波調査・お見積もり
    現地での電波状況の調査から、詳細な見積もりのご提示まで、すべて無料です。出張料や、お見積もり内容にご納得いただけない場合のキャンセル料も一切かかりません。もちろん他業者との相見積もりにもご対応しているほか、お客様のご要望によっては即日工事にもご対応いたします。
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    外壁の色に合わせたデザインアンテナや、可能な場合は屋根裏設置など、住宅の見た目を損なわない施工を得意としています。お客様のご要望を丁寧にヒアリングし、最適な設置方法をご提案いたします。

アンテナコンセントに関するお悩みについても、どんな些細なことであっても、当あさひアンテナまで、どうかお気軽にお問い合わせください。

アンテナ配線から解放!テレビ視聴の新しい選択肢

「賃貸で壁に穴を開けられない」「建物の構造上、配線工事が難しい」
などの事情で、アンテナコンセントの増設が難しいお住まいの方には、アンテナや配線工事が不要なテレビの視聴方法もあります。
ご自身のライフスタイルに合わせて、これらの選択肢を検討してみるのも良いでしょう。

光回線テレビ・ケーブルテレビ|アンテナ受信との違いを比較

光テレビとは、インターネットなどの光回線を利用して、テレビ放送の映像信号を視聴する方法です。ケーブルテレビ(CATV)は近隣のケーブルテレビから契約した住宅まで直接、ケーブルを敷設して、映像信号を送信するサービスになります。

どちらもテレビアンテナを設置しないため、天候に左右されず安定した映像を楽しめるのが最大のメリットです。その他、住宅の外装や外観に影響がなく、アンテナトラブルも生じないなど、アンテナに伴うデメリットから解放されます。

以下、テレビアンテナと光テレビ、ケーブルテレビ、それぞれのメリット・デメリットを一覧で比較しました。

視聴方法 メリット デメリット
アンテナ受信 ・一度設置すれば月額費用が不要(NHK受信料除く)。
・長期的に見るともっともコストが安い。
・台風などの悪天候時に映像が乱れることがある。
・初期費用としてアンテナ設置工事費がかかる。
光テレビ ・天候の影響を受けず、映像が安定している。
・インターネットとセットで契約すると割引がある。
・月額利用料が継続的にかかる。
・視聴には光回線の契約が必須。
ケーブルテレビ(CATV) ・悪天候に強い。
・専門チャンネルや地域密着の独自チャンネルが豊富。
・月額利用料が比較的、高めな傾向がある。
・インターネット回線の速度が光回線より遅い場合がある。

※上記は一般的なメリット・デメリットになります。

手軽な室内アンテナやネット動画サービスの活用法

工事を一切行わずにテレビ放送を見ることができる、より手軽な方法もあります。

  • 室内アンテナ
    部屋の中に置くだけで使える小型の地デジアンテナです。低価格で設置も簡単と、非常に手軽ですが、地デジ放送にしか対応できないほか、電波の強い地域(強電界地域)でないと安定した受信は難しくなります。購入前に、ご自宅が設置に適したエリアか確認が必要です。
  • ネット動画サービス(TVerなど)
    民放各局が共同で運営する「TVer」などの動画配信サービスを利用すれば、テレビ放送後の番組を、一定期間、無料で視聴できます。これらのサイトでは、視聴できる番組が限られる、対応していない番組もある、リアルタイムでの視聴はできない場合もあるなどのデメリットもありますが、「見たい番組だけ見られれば良い」という方には便利なサービスです。

テレビアンテナコンセントに関するよくある質問(Q&A)

最後に、アンテナコンセントに関して、当社はじめアンテナ工事業者によく寄せられるご質問について、お答えしてゆきます。

Q. コンセントのプレートだけ交換できますか?
A. はい、可能です。
黄ばんだり割れたりしたカバープレートは、同じ規格のものであればご自身で交換できます。ホームセンターや家電量販店、インターネット通販などで購入できます。

Q. 4K8K放送を見るにはコンセント交換が必要ですか?
A. 4K8K放送は、従来の地デジ放送や2K衛星放送よりも、さらに高い周波数の電波を使用します。
電波は周波数帯が高いほど減衰しやすくなるため、古いアンテナコンセントやケーブル、分配器のままだと、信号が減衰してうまく映らない可能性があります。4K8K放送を快適に視聴するためには、アンテナコンセントを含め、配線設備の全体を、高シールド背う脳などを備えた「4K8K(3224MHz)対応」のものに交換することを推奨します。

Q. 賃貸住宅で工事はできますか?
A. 賃貸物件の場合は、必ず大家さんや管理会社の許可が必要です。
オーナーに無断で壁に穴を開けたり、設備を変更したりすると、退去時に原状回復費用を請求される、契約違反で退去と損害賠償を求められるなど、大きなトラブルにつながる可能性があります。アンテナ工事に限らず、工事を検討する際は、必ず事前に大家さんなどに相談してください。

まとめ:快適なテレビ環境のために、まずはコンセントの見直しから

今回の記事では、テレビアンテナコンセントの種類から、トラブルの対処法、DIYでの交換・増設、業者に依頼するポイントまで、幅広く解説してきました。

  • 記事のポイント
    • テレビの不調は、まずケーブル抜けや再起動など簡単な対処法から試す。
    • 古い「同軸直付端子」「直付型」「フィーダー端子」などは、安定したF型端子への交換がおすすめ。プッシュ端子も視聴する放送によっては交換がおすすめになる。
    • アンテナコンセント交換のDIYは可能だが、電源一体型コンセントの場合、交換には「電気工事士」の資格が必須。
    • アンテナコンセント増設や分配器の利用などで電波レベルが弱くなる場合は「ブースター」の設置を検討する。
    • 業者に依頼する際は、料金の明確さや保証の有無をしっかり確認する。

快適なテレビライフを送るための第一歩は、ご自宅の壁にある小さなコンセントを見直すことともいえます。
本記事を参考に、ご自宅のアンテナコンセントの状況をご確認の上で、最適な解決策を見つけてください。

そしてDIYに少しでも不安を感じる方や、配線工事が難しい場合など、決してご無理をなさらず、アンテナ工事の専門家にご相談ください。
あさひアンテナでは、お客様のお住まいで、さまざまな状況に合わせた最適なご提案を、無料の電波調査、お見積もりから行っています。
アンテナコンセントのトラブル、交換や増設をはじめ、アンテナ工事に関するご相談は、弊社フリーダイヤルへのお電話、または当サイト内のメールフォーム、弊社LINEアカウントから、いつでも、どのようなことでも、まずはお気軽にお問い合わせください。

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アンテナ本体 型番
  • デザインアンテナ

    デザインアンテナUAH201
    型番:UAH201(最新モデル)
    (同軸ケーブル:白か黒の2色のうち、おすすめは外壁になじむ色)

    工事費込み 25,000円(27,500円税込)

    カラーバリエーションはオフホワイトライトブラウンスーパーブラックブラックブラウンの4色から現場で選択することが可能です。同じUHF20素子相当のデザインアンテナを比較した場合、業界トップクラスの受信性能、高利得を誇る大手DXアンテナ社製。本体の厚みはわずか119mm、サイズは高さ590mm×幅220mmで業界最小クラス。コンパクトサイズのため狭い屋根裏や天井裏などへの取り付けも最適。壁面に取り付けの場合は、極細のビスを6箇所打ち込んで金具を取り付け、金具にガチャンと本体をはめ込みボルトを締めるだけの簡単施工が可能なため建物へのダメージを極力軽減できます。ブースターが必要な場合はUAH201の背面にスッキリ取り付けられる構造になっており、表にブースターが露出しないので外観もキレイに保てます(弊社では電波状況が悪くない限り、なるべくブースターも屋内の、分配器の近くに隠してしております)。修理の場合、ブースター内蔵タイプのデザインアンテナとは異なり、ブースターだけの交換をできるメリットがあります。太陽光発電システムや片流れ屋根で屋根上に屋根馬を立てられず昔ながらの八木アンテナを設置できない住宅にも最適。耐風速(破戒風速)50m/sですが、屋内や外壁など、強風の影響を受けにくい取り付け位置と形状をしているため、災害にも強いアンテナとなっております。当店人気ナンバー1の地デジアンテナでございます。

  • 八木式アンテナ

    八木式アンテナUA20
    型番:UA20(最新モデル)
    工事費込み 22,000円(24,200円税込)

    その昔、八木秀次博士が発明した形状(魚の骨のような形状)からマイナーチェンジを繰り返し洗練されたフォルムとなり、中・弱電界エリアにも対応可能な安心のDXアンテナ社製。UHF20素子アンテナの性能で、吹きさらしで障害物の少ない屋根上に設置することが多いため利得が高くなっております。万が一、壁面や屋内でデザインアンテナを取り付けられない物件 にも最適。従来の鉄製の太いワイヤーとは異なり、ステンレス製の丈夫で錆びにくいワイヤー(支線)を採用。アンテナマストから屋根の四隅に向けて4本の支線を張り巡らせ、さらに張り巡らせた支線の途中からも屋根馬に向けて4本の支線をバランスよく張り、合計8本の支線で頑丈に設置しております。サイズは51.8cm×34cm×101.4cmとなっており、VHF(アナログアンテナ)と比較して、大幅なサイズダウンと軽量化がなされています。しかも耐風速(破壊風速)50m/s。地デジ放送が始まる前の時代より、屋根上に設置するアンテナは災害に強くなっていると言えるでしょう。当店で人気ナンバー2の地デジアンテナでございます。

  • 2K4K8K対応 BS/CS110度アンテナ

    2K4K8K対応BS/CS110度アンテナ
    型番:BC45AS(最新モデル)
    工事費込み 18,000円(19,800円税込)

    2018年12月1日以降、実用放送開始予定の4K8K衛星放送(NHKのみ4K&8Kを同時配信)に備えてオールマイティーなDXアンテナ社製のBC453をBS放送、CS放送をご覧になりたいすべての方へ提供しております(大規模な集合住宅は例外)。従来の2K専用BS/CS110 度アンテナと同じでサイズで円盤の直径は45センチ。そうでありながら、電送周波数の帯域が広いため、従来のフルハイビジョン(2K放送・約200万画素)からスーパーハイビジョン(4K放送・約800万画素/8K放送・約3,300万画素)まで受信可能です。「大は小を兼ねる」と言えます。2020年のオリンピックに向けて4K8Kの実用放送がますます拡充されるということが総務省より発表され、各メーカーの4K8Kテレビは増産がはじまり、その価格も落ち着いてきました。そのような状況のなか、あさひアンテナにも2K4K8K対応BS/CS110度アンテナの問合せが数多く寄せられております。最新式のアンテナでも、大量仕入れでコストをおさえて仕入れておりますので、低価格を実現できました。