テレビのアンテナレベル(電波の受信レベル)が低くなる原因を徹底究明!地デジ・衛星放送別に自分でできる対処法と解決策を解説
最近、テレビ画面の映りが悪くなってお困りの方はいらっしゃいませんか?
テレビ画面にブロックノイズなどの乱れが入る、エラーコードが出て映らなくなる、特に悪天候の際にそのような症状が現れる場合は、原因はテレビアンテナで受信できるテレビ電波のレベルが低下しているせいかもしれません。
お住まいのアンテナで受信できるテレビ電波レベル、もしくは個々のテレビに届く電波のレベルを「アンテナレベル」と呼びますが、このアンテナレベルが低下すると、上記のようなテレビ画面の乱れが生じます。
そこで今回の記事では、年間施工実績6000件を誇る当あさひアンテナが、豊富な専門知識とトラブル解決の実績に基づき、テレビアンテナレベルが低下して、テレビ画面が乱れる原因を徹底的に究明して、ご自分でできる対処法とその解決策をわかりやすく解説いたします。
具体的な記事の内容としては、アンテナレベルについての基礎知識から、トラブル時などの具体的なチェックポイント。またアンテナレベルを増幅するブースターの選び方や、手早くアンテナレベルを確認できるアンテナレベルチェッカーの使い方までご紹介いたします。
さらには、ご自宅でトラブルへの対応が難しい場合の、専門業者への依頼についてまで詳しく解説、映像トラブルのない快適なテレビご視聴をサポートするための重要情報が満載です。
本記事をお読みいただければ、アンテナレベルによるテレビ画面の乱れについて、ご自宅でも解決できる可能性が高くなります。またご自宅で対処が難しい場合も、適切に依頼することが可能になります。
アンテナレベル低下による画面の乱れなどでお困りの方は、本記事を元に、安定した受信により、快適にテレビを視聴できる生活を実現してくださいませ。
テレビアンテナレベルとは?知っておくべき基礎知識
テレビのアンテナレベルとは、テレビ映像の乱れなどがない、快適なテレビのご視聴に欠かせない重要な指標です。
ここではアンテナレベルの基礎知識として、電波レベルを示すデシベル(dB)の意味、地域別の地デジ受信レベルを示す電界地域、そして安定した受信の目安となる正常値など、安定したアンテナレベルの実現に必要なポイントについて解説します。
テレビ電波レベルの強さを示すデシベル(dB)とは?
一般的に地デジ放送などテレビ電波のレベル(強さ)は、通常「デシベル(dB)」で表されます。dBは、電波や音などの強さを対数によって示す単位で、数値が大きいほど電波が強いことを意味します。
特に日本各地にある地デジ電波塔の先端から、周辺の一帯に送られる地デジ電波の場合、電波塔から距離が離れるほど、徐々に届く電波レベルが低くなってゆきます。
また各住宅などに設置された地デジアンテナで受信できる電波のdB値は、アンテナの性能や周辺の障害物などの環境、住宅内の設置場所などによっても変動します。
他にも、テレビ電波はアンテナで受信された後、同軸ケーブル(アンテナケーブル)や、底に設置されたブースター、分配器などの機器を経由してテレビなどのチューナーまで送られることになりますが、このケーブル配線や接続部の抵抗により、徐々に電波レベルの減衰(弱まり)が生じます。この減衰量はケーブル配線の距離が長いほど大きくなり、そのぶんだけ電波レベルのdB数値が低下します。
さらに住宅内でも複数の部屋にテレビを設置する場合には、アンテナ側から電波を送信する一本のケーブルを「分配器」という機器に接続し、入力されたテレビ電波を、複数の出力端子に接続されたケーブルに分けて送り出すことで、複数の部屋にテレビ電波を配分します。
このテレビアンテナの分配器は、入力された電波を等分のレベルに分けて複数の出力端子から送信するため、例えば三分配の場合では、アンテナ側から入力された電波レベルは、個々の分配先では、それぞれ三分の一の電波レベルに低下することになります。
そのため実際の住宅では、アンテナの近くで配線部に電波を増幅するブースターを接続して、住宅全体で必要な電波レベルを確保することが多くなります。
テレビなど受信機器の側で安定した映像で地デジ放送を視聴するためには、受信機器の地デジチューナーに届いた時点での地デジ電波レベルが、34dBから89dBの範囲である必要があります。
チューナーに届いた地デジ電波レベルが33dB以下、もしくは90dB以上になると、電波の映像信号が乱れてしまい、地デジ放送の画面が乱れる、映らなくなるなどの問題が生じます。
ただ地デジ電波レベルは、電波塔から各アンテナに届くまでの時点で、季節による気候の状態にも影響を受けて、同じ場所でも1年を通して6㏈程度の電波レベルの変動が生じます。また雨や雪などの悪天候では、電波レベルが大きく低下します。
したがって実際の地デジアンテナ設置や配線の調整では、気候や天候などによる地デジ電波レベルの変動も計算して、各部屋のテレビなど受信機器に地デジ電波が届く時点で、47㏈から81㏈程度、最低でも40㏈以上を確保できるように調整されます。
また、基本的には地デジチューナーに届く地デジ電波レベルが高いほど、安定したテレビ視聴が可能になりますが、ただ電波レベルが高くても、ノイズの混入などで映像信号の品質が悪くなると、やはり映像が正常に映らない場合もありますので注意が必要です。
地デジ放送を安定して受信する目安「電界地域」とは?
上記のように、地域や各現場における地デジ電波の受信レベルは、電波塔からの距離や気候などに影響を受けて変動します。また電波塔から送られた地デジ電波は、山地などにぶつかると遮られてしまい、その向こう側には届きにくくなります。
このような要素から、特定の電波塔において、電波塔からの距離や、山地などの大きな地形を基準にして、受信できるおおよその電波レベル(㏈)別に、周辺の地域を分類したものを「電界地域」といいます。この電界地域は、主に強電界地域、中電界地域、弱電界地域の3種類に分類されます。
強・中・弱の電界地域の違いは、以下のようになります。
- 強電界地域::主に電波塔の周辺で山などの障害物などもなく、電波塔が視認できる一帯です。受信できる電波レベルも非常に強く、8素子以下や14素子(相当)程度など比較的、小型で受信性能も低い地デジアンテナを設置しても、十分な受信レベルを確保できます。また住宅内のアンテナ設置位置も、屋根の上の他、壁面、ベランダ内外、屋内など選択肢が広くなります。受信できる地デジ電波レベルは、80dB以上が目安になります。
- 中電界地域:電波塔から見て主に強電界地域の周辺にあたり、地デジ電波の受信レベルはやや下がるものの、主に14素子から20素子(相当)程度の一般的な機種を設置すれば、安定した地デジ受信レベルを確保できる一帯です。アンテナの設置位置も屋外であれば、現場の受信環境にもよりますが、ある程度の選択肢はあります。受信できる地デジ電波レベルの目安は、80㏈以下から60㏈以上になります。
- 弱電界地域: 電波塔から見て中電界地域よりさらに遠くや、山地などの陰にあたって到達する地デジ電波レベルが弱くなる一帯です。地デジ放送の受信は不可能ではありませんが、安定した地デジ受信のためには、屋根の上などの高所に、20素子(相当)以上やそれ以上の高性能アンテナを設置し、受信した電波を増幅するブースター(電波増幅器)の設置も必要となるなどの条件が生じます。受信できる地デジ電波レベルの目安は、60㏈以下です。
また弱電界地域でもさらに電波塔から遠く、受信できる地デジ電波レベルが55㏈から45㏈以下になる地域では、超高性能型の地デジアンテナを用いない限り、安定した地デジ受信が難しくなり、電波塔の受信範囲外となります、このような地域を「微弱電界地域」と呼びます。
ただし電界地域の分類に、統一された正式な定義はないため、電界地域が使われる場所によっては、上記の分類や電波レベルの基準とはやや異なる場合もあります。どうかご注意ください。
この電界地域は、主に各電界地域で使用できる地デジアンテナ機種や、受信性能モデル。また設置場所を選ぶ上での目安になります。
ただ電界地域は電波塔からの距離と地形のみを基準とした、広範なエリアのおおまかな受信レベルの目安にすぎません。個々の現場では、周辺の高層マンションなど障害物の影響を受けて、局地的に受信レベルが低くなるケースもあります。
地デジ電波は電波塔の先端から音が広がるような形で上空から下るようにして、周辺のエリアへと届いています。そのため個々のお住まいなどの現場においては、基本的に屋根の上などの高所に地デジアンテナを設置することで、周辺の障害物などに影響を受けにくく、受信感度を確保しやすくなります。
そのため受信感度が高い電界地域にある同じお住まいでも、周辺に高層建築がある、住宅密集地などの環境によっては、屋根の上では十分な受信レベルが確保できても、壁面など低い位置では地デジ電波が遮られ、受信レベルが低くなるというケースもあります。
なお、お住まいのエリアがどの電界地域に該当するかを確かめるには、インターネットで「A-PAB(一般社団法人放送サービス高度化推進協会)」サイトを検索して「地デジ放送エリアのめやす」ページから、日本各地の地図で、近隣にある電波塔の位置、およびその電波塔からの電波が、60㏈以上で届く範囲を確認できます。
ただ、個々のお住まいにて安定した地デジ受信を実現するためには、プロのアンテナ工事業者に依頼して、現場の屋根の上、壁面などさまざまな位置で、綿密な地デジ電波レベルのチェックを行い、安定した受信レベルを確保できるポイントを見出して、適切な機種を設置することが必要です。
当あさひアンテナでは、アンテナ工事をお考えのお客様からご依頼をいただければ、お住まいに出張しての綿密な電波調査とお見積もりを、出張料、キャンセル料など関連費用もすべて含めた「完全無料」でお引受けしております。
電波調査では、例えば壁面での受信レベルが低いお住まいでも、ピンポイントで受信レベルが安定する位置を割り出すなど、精密な電波調査で、可能な限りお客様のご要望に沿ったアンテナ機種、設置位置による工事を、業界最安に挑むお見積もり価格で御提案いたします。
地デジアンテナ工事について、お住まいの地デジ受信レベルやアンテナ設置に適した位置などがご不明の場合は、先ずは当あさひアンテナまで、お気軽にご相談いただければ幸いです。
衛星放送のアンテナレベルとは?
上記の内容は、主に地上波放送である地デジ放送についてご説明してまいりましたが、衛星放送であるBS放送、CS放送については、また違った受信や電波の特徴や注意点があります。
衛星放送はBS放送、CS放送とも、地上から空の一点に静止して見える人工衛星「静止衛星」から、日本の全域に12GHz帯と呼ばれる、非常に周波数帯が高く、光に近い直進性を持つ電波を送信しています。
そのため、日本全域で、大きな電波レベルの差はなく、どこでも安定したレベルの受信が可能になります。ただ国内の北部、南端部、離島部など、中央部に比べて静止衛星からの距離が遠くなるエリアでは、距離による減衰により、やや電波レベルが弱くなります。
この12GHz帯の電波を、お住まいに設置したパラボラアンテナのBS/CSアンテナで受信し、アンテナ内のコンバーターで、12GHz帯の電波を、テレビ電波に適したMHz帯に変換してケーブルで送信。テレビ側のBS/CSチューナーで受信することにより、衛星放送を視聴できるのです。
BS/CSアンテナの受信性能は、円盤状のディッシュ部の有効直径(電波を受け止める部分の直径)で決まります。一般の戸建て住宅では有効直径が45センチの「45型」で十分な受信性能を確保できます。(ただ上記した衛星放送の電波レベルが弱まるエリアでは、一般住宅でも受信感度が高いやや大型のモデルが必要となります)
衛星放送の電波も、各テレビで安定したご視聴に必要な電波レベルは、地デジ放送と大きな差はありません。また衛星放送は、地デジ放送に比べてアンテナで安定した受信レベルを確保しやすいため、一定のアンテナレベルを確保しやすくなります。
衛星放送で安定した受信を確保するポイント、またアンテナレベルが下がる衛星放送特有の要因は、主に以下の通りになります。
- BS/CSアンテナの角度:BS/CSアンテナでは、静止衛星から光のように直進的に送信される12GHz帯の電波を、ディッシュの内部に反射させて正面の一点に集め、固定された一次放射器で受信しています。そのため、ディッシュの仰角、方位角(上下、左右の角度)を正確に静止衛星の位置(東経110度)に向ける必要があり、この角度がミリ単位で狂っても、電波の焦点が一次放射器から外れて、受信レベルが大きく低下することがあります。
- 障害物の影響:12GHz帯の電波は光に近い性質があり、直進性が強い半面、障害物に遮られやすい性質があります。そのため地デジ電波以上に障害物に弱く、BS/CSアンテナを向けた静止衛星の方向に、山や建物はもちろん、樹木の枝や電線、洗濯物などのわずかな障害物が出ても、ディッシュに届く電波が遮られて受信感度が低下する場合があります。
- ケーブルを伝わる場合の減衰:テレビ電波は周波数帯が高いほど、空間やケーブルなどを伝わる際の減衰量が大きくなります。この減衰量の差は同じ地デジ放送のチャンネル別の周波数帯の違いでも生じますが、特にコンバーターで変換された衛星放送の電波は、地デジ電波の周波数帯より高い(右旋:1032MHzから2072MHz/左旋:2224MHzから3224MHz)ため、ケーブル送信時の減衰が生じやすくなります。そのため衛星放送の受信には、各周波数帯に適応する品質のケーブルや配線部の機器などが必要になります。
- コンバーターの設定:BS/CSアンテナで12GHz帯の電波をMHz帯に変換するコンバーターは、電波の周波数帯を変換する電子機器であるため、電源の供給が必要になります。電源設定はブースターの電源部、またテレビなど受信機側のBS電源設定でチューナー端子からBS/CSアンテナに送信する形になりますが、この電源設定に問題があると、コンバーターが作動せず周波数帯が変換されないため、テレビ側で衛星放送が受信できなくなります。
- 悪天候:衛星放送の電波は、地デジ電波に比べるとある程度、悪天候にも強くなりますが、雨や雪の粒が、12GHz帯の電波の波長の幅である25ミリに近い豪雨、大雪になると、12GHz帯の電波が雨や雪に吸収され、乱反射してBS/CSアンテナでの受信感度が低下する「降雨減衰」「降雪減衰」が生じます。この問題は基本的に天候の回復を待つことが対処になりますが、やや大型のBS/CSアンテナを使うことも対策になります。
衛星放送で安定した受信を確保するためには、主に上記のポイントに注意をして、BS/CSアンテナの設置を行う必要があります。
【初心者向け】テレビ「アンテナレベル」の目安と正常値とは?
お住まいの各お部屋にあるテレビで、地デジや衛星放送を安定してご視聴いただくためには、個々のテレビのチューナーに十分なレベルの電波が届いている必要があります。
この各テレビに、実際に届いている電波レベルを確認する方法が、地デジやBSの「アンテナレベル」画面になります。
一般的なテレビアンテナのレベルを確認する方法は、まずテレビのリモコンなどでテレビなどの「設定画面」を表示し、そこからアンテナレベル画面を確認したい放送に合わせて「地デジ設定」「BS設定」などの項目を選択。
さらに、地デジやBSの「アンテナレベル画面」の項目を選ぶことで、地デジ放送やBS放送のアンテナレベル画面が表示されます。ただこの手順や表示される項目は、実際にはテレビのメーカーやモデルによっても細かな違いがあります。
このアンテナレベル画面の見方は、やはりテレビのメーカー、モデルなどによっても異なりますが、おおむね数値や色彩、帯状のインジケーターなどで、そのテレビに届いている地デジやBS放送の電波レベルが表示されます。
このアンテナレベル画面には、一定の「正常値」があり、この正常値ラインを越えていれば、ご視聴に問題のないレベルの電波が届いていることになります。
ただ、アンテナレベル画面で表示されるアンテナレベルや正常値は、上記した㏈の単位とは別物であり、数値の基準や正常値も、メーカーや機種によって異なります。テレビに表示されるアンテナレベルの数値は、あくまで目安として捉えてください。
一般的に、テレビの取扱説明書やメーカーの公式サイトには、そのテレビにおけるアンテナレベルの表示方法や、アンテナレベルの見方、推奨値などが記載されています。正確な表示方法やアンテナレベル画面の見方をご確認の上、推奨値を参考にアンテナレベルを調整してください。アンテナレベル調整方法は、後述の項目で詳しくご説明いたします。
なお、アンテナレベルが低い場合でも、必ずしもアンテナなどの異常が生じているとは限りません。前述のように、悪天候や電波障害などが原因で、一時的にアンテナレベルが低下することもあります。
ただ、常にアンテナレベルが低下した状態が続く場合は、アンテナの向きのズレや故障、アンテナ配線部の問題、周辺環境の変化などのトラブルが考えられます。
ご自身でテレビからアンテナレベルをご確認になる際は、以下の点にご注意ください。
- テレビの取扱説明書を確認する:メーカーやテレビの機種、モデルによって、アンテナレベルの表示方法や推奨値が異なります。またマニュアルがお手元にない場合は、メーカーの公式サイトで、マニュアルや操作方法を確認できる場合もあります。
- 複数のチャンネルで確認する:テレビのチャンネルはそれぞれ周波数帯が異なり、減衰しやすさも異なるため、同じ電波塔から送られる地デジ電波でも、チャンネルによって電波レベルが異なる場合もあります。更に地域によっては、別々の電波塔からの地デジ電波を一基の地デジアンテナで受信するケースもあります。そのため特定のチャンネルだけでなく、複数のチャンネルでアンテナレベルを確認して、全体的な受信状況を把握してください。
- 時間帯を変えて確認する:時間帯によって受信できる電波状況が異なる場合があります。特に、夕方から夜間にかけては、電波が弱くなる傾向があります。そのため時間帯を変えて受信レベルを確認することで、より正確なアンテナレベル状況を把握できます。
これらの情報を参考に、ご自身のテレビアンテナレベルの状態を把握し、必要に応じて対策を講じてください。
テレビが映らない原因はアンテナレベルの低下か?:考えられる原因を徹底解説
お住まいのテレビでアンテナレベルが低下し、テレビ画面の映りが悪くなった場合には、テレビに届いている電波レベルが低下していることになります。
ここでは、テレビアンテナなどの問題でテレビが正常に映らない場合に、地デジ、衛星放送ほぼ共通で、考えられるその原因を徹底的に解説してゆきます。
原因1:テレビアンテナの向きのズレ
テレビアンテナは、地デジアンテナでは近隣の電波塔、BS/CSアンテナでは静止衛星がある方向と、特定の方向へと正確に向けて設置することで、もっとも効率良く電波を受信できます。
しかし強風や地震などの影響や、アンテナの老朽化などで、アンテナの向きがズレてしまうと、受信できる電波レベルが低下し、テレビが正常に映らなくなることがあります。
特に地デジアンテナでは指向性や受信性能の高い八木式アンテナ、また上下、左右の正確な角度調整が必要になるBS/CSアンテナでは、わずかな角度のズレでも受信レベルに大きな影響を与えるため、注意が必要です。
原因2:アンテナの老朽化や故障
テレビアンテナは基本的に屋外へと設置されるため、雨風や雪、紫外線、また海沿いでは潮風などの影響を受けやすく、経年劣化が進みやすくなります。
近年では地デジのデザインアンテナ、ユニコーンアンテナなど形状がスタイリッシュで対候性の強いアンテナ機種や、その他の機種でも設計に工夫を凝らした高耐候、高耐風モデルなどが登場しています。
ただ、一般的な地デジの八木式アンテナ、BS/CSアンテナのアンテナ寿命は10年程度とされています。設置環境によっては10年を大きく超えても特に問題は起こらないこともありますが、一方で自然環境の厳しいエリアでは、それよりも早くアンテナが劣化してしまうこともあります。
アンテナが老朽化すると、各パーツや配線部などの劣化により、アンテナの受信性能が低下し、テレビが映らなくなることがあります。さらに屋根の上でマストに固定されるアンテナの場合、マストごと傾く、倒壊するといった事態も考えられますので、やはり注意が必要と言えます。
原因3:周辺環境の変化(建物、樹木など)
アンテナが設置された周辺の環境に変化があった場合も、テレビの受信レベルに影響を与えることがあります。
例えば、アンテナを向けた方向の近隣に高い建物が建設されたり、樹木が成長したりすると、地デジや衛星放送の電波が遮られ、受信感度が低下することがあります。
特に地デジ電波が弱い地域では、わずかな障害物でもテレビの映りに影響が出てしまうこともあります。またBS/CSアンテナ(衛星放送の電波)は特に障害物の影響を受けやすくなるため、ご注意ください。
原因4:悪天候の影響(台風、大雨、雪など)
台風や大雨、雪などの悪天候も、テレビの受信レベルに影響を与えることがあります。前述のように地デジ電波は悪天候で電波レベルが低下しやすくなり。衛星放送の電波も、一定以上の激しい雨や雪では、電波が吸収されて受信レベルが大きく低下します。
特に水分は電波を吸収しやすい性質があるため、雪がアンテナ本体に付着すると、電波の受信を妨げることがあります。さらにサビや重み、水の浸透でアンテナ本体にダメージを与えることも考えられます。強風も、アンテナの向きがズレてしまう要因となります。
悪天候が原因でテレビが映らない場合は、天候の回復を待ってから、あらためて受信状況やアンテナの状態を確認してみてください。
原因5:配線や接続の問題
アンテナからテレビまでの配線や接続に問題がある場合も、テレビが映らなくなることがあります。テレビアンテナからの線(ケーブル)に使われるアンテナケーブル(同軸ケーブル)が劣化していたり、ケーブル接続端子の部分が緩んでいたりすると、電波の漏洩やノイズの混入などが生じ、テレビ側で受信レベルが低下します。
また分配器やブースターなどの機器を使用している場合は、これらの機器の故障や設定ミス、接続不良なども原因として考えられます。
原因6:ブースターの故障または設定ミス
上記の配線部の機器の中でも、ブースターは、地デジ電波が弱い地域や、複数のテレビに電波を分配する場合に、電波を増幅して、各テレビまで十分なレベルの電波を送る重要な機器となります。
しかしこのブースターも、電波を増幅する電子機器であり、電源が必要となる上、常時、作動している機器になるため、長年の使用によって徐々に劣化が進んでいきます。
ブースターは平均で設置から10年程度で寿命を迎えますが、ブースターの故障、または電波の増幅設定が設定が間違っている(例えば増幅レベルや弱い、逆に強すぎる、機器の規定性能を外れた使い方をしている)などの場合、やはり電波レベルが乱れて、逆にテレビの映りを悪くしてしまうことがあります。
ブースターのチェックに関しては、まずはきちんと電源が入っているか、電源部と本体(増幅部)配線に問題はないか、設定が適切かなどの点を確認してください。ただブースターは設置位置が高いケースもあり、確認に危険が伴う場合は、無理をなさらず業者などにお任せください。
以下、ここまでご紹介したチェックポイントのまとめになります。
原因 | 詳細 |
---|---|
アンテナの向きのズレ | 強風や地震などの影響でアンテナの向きがズレると、受信感度が低下します。 |
アンテナの老朽化や故障 | アンテナは屋外に設置されているため、経年劣化が進みやすく、老朽化により受信性能が低下します。 |
周辺環境の変化 | 近くに高い建物が建設されたり、樹木が成長したりすると、電波が遮られて受信感度が低下することがあります。 |
悪天候の影響 | 台風や大雨、雪などの悪天候は、電波レベルを低下させたり、アンテナに悪影響を及ぼしたりすることがあります。 |
配線や接続の問題 | アンテナケーブルの劣化や接続不良は、電波の伝送を妨げ、受信レベルを低下させる場合があります。 |
ブースターの故障または設定ミス | ブースターの故障や設定が間違っていると、適切な電波レベルを確保できず、逆にテレビの映りを悪くする場合もあります。 |
これらの原因をひとつずつ確認し、適切な対処を行うことで、テレビの映りを改善できる可能性もあります。
次の項目では、ご自分でも可能なアンテナレベルを上げる方法の、具体的なステップを解説してゆきます。
ご自分でもできる!テレビアンテナレベルを上げるための5つのステップ
テレビのアンテナレベルが低いままでは、映像の乱れやまったく映らないなどで、落ち着いてテレビ放送を視聴できません。特にご覧になりたい番組がある際など、一刻も早く改善したいと思われることでしょう。
そこで、この項目では、アンテナレベル低下に対して、ご自分でもできる修理や対策を、5つのステップにわけてご紹介してゆきます。
ステップ1:アンテナケーブルの接続状況を確認
まずは基本中の基本として、お部屋でアンテナコンセントからテレビまで、またはテレビやレコーダーなどの機器同士を接続するアンテナケーブルが、しっかりと接続されているかをご確認ください。
手軽で安全な確認が可能であれば、屋根裏などにあるブースターや分配器などの接続部、またアンテナ本体の接続端子などもご確認ください。
主なチェックポイントは、以下の通りになります。
- ケーブル接続部の緩み、汚れ:アンテナコンセント、テレビ、レコーダーなどの接続端子で、ケーブルが緩んでいないか確認します。また接続部を外してみて、汚れている場合は柔らかい布などで汚れを落とし、あらためてしっかり接続してください。
- ケーブルの劣化:ケーブルに傷や亀裂がないか確認します。もし劣化が見られる場合は、新しいケーブルに交換してください。特に同軸ケーブルには、太さや品質によって、適度な折り曲げ角度を示す「曲げ半径」が設定されており、この角度を越えて極端に曲げるなどすると、電波が十分に送信できない、断線などの原因にもなるため注意が必要です。
- ケーブルの適切な長さ:上記のようにテレビ電波は、ケーブルを伝わる際にも徐々に減衰します。そのため、アンテナコンセントとテレビなど受信機器をつなぐ配線部が、テレビアンテナからのケーブル延長などで過剰に長くなることも、アンテナレベル低下の原因となります。適切な接続のため、ある程度の長さの余裕は必要ですが、必要以上に長いケーブルは使用しないようにしてください。
- 接続箇所のサビや汚れ:接続端子にサビや汚れがないか確認します。サビなどある場合は、綿棒や柔らかい布などで丁寧に清掃して、あらためてしっかり接続してください。
ケーブルの接続不良は、アンテナレベルが低下する原因の中でも、比較的よくある要因のひとつになります。可能な限りすべての接続箇所を丁寧に確認して、改善を試みてください。
ステップ2:アンテナの向きを調整する
前述の通り、地デジ、衛星放送とも、テレビアンテナの向きは、電波の受信感度に大きく影響します。
基本的に、地デジアンテナは近隣の地デジ電波塔の方向へ、BS/CSアンテナは東経110度(南西方向上空)の静止衛星の方向へと正確に向ける必要があります。
もしお住まいにあるテレビアンテナが、手が届きやすく安全に作業できる位置にあるのでしたら、以下の手順でアンテナの向きを調整してみてください。
- テレビのアンテナレベル表示を確認しながら、アンテナを少しずつ動かします。
- アンテナの正面を電波塔や静止衛星の方向に向けて、もっともアンテナレベルが高くなる位置を探します。
- 適切な角度を見出せたら、アンテナが風雨などで動かないように、あらてめてしっかりと固定します。
この角度調整の注意点は、アンテナ角度を調整してから、その角度の受信レベルが、テレビのアンテナレベル画面に反映されるまで、数秒程度のタイムラグがあるという点です。そのため、特にミリ単位の調整が重要で、仰角、方位角(上下と左右)への調整が必要となるBS/CSアンテナの場合は、作業に根気が必要となります。
またアンテナとテレビの位置が離れている場合は、アンテナ調整役とアンテナレベル確認役、二人が必要で、互いが連絡しやすい環境を作る必要もあります。
なお、このアンテナ角度調整の作業に、簡易的なアンテナレベルチェッカーを使用すれば、角度調整に応じて、手元で即座にアンテナレベル(受信できている電波レベル)の確認が可能になるため、作業が楽になります。アンテナレベルチェッカーの詳細については、後の項で詳しくご紹介します。
なお、もしお住まいのアンテナ設置場所が高所であるなど、ご自身での作業が難しい場合は、決してご無理をなさらず、アンテナ工事の専門業者にご依頼になることをおすすめいたします。
ステップ3:ブースターの設置または調整
ブースターとは前述の通り、アンテナが受信したテレビ電波レベルを増幅する装置です。アンテナレベル(電波レベル)が低い場合、ブースターを設置することで改善されるケースもあります。
ブースターには大きく分けて、屋外でアンテナのすぐ近くに設置されて、増幅性能が高い屋外用ブースター。また増幅性能はやや低いものの、一般の方でも簡単に設置できる室内用ブースターの機種があります。
ブースターを設置する際には、以下の点にご注意ください。
- 対応周波数:テレビアンテナからケーブルに送られる電波の周波数帯は、地デジ放送、2K衛星放送(右旋)、4K8K衛星放送(左旋)によって異なります。受信する放送に対応したブースター機器を選んでください。
- 用途や設置位置:上記のようにブースターは屋外用や屋内用があります。住宅全体の電波レベルを底上げする場合や、一部の部屋でのみ弱まる電波レベルを補足したい場合など、用途に合わせて適切なモデルを選んでください。
- ブースター利得:ブースターの利得とは、電波レベルを増幅できる度合いのことです。元の電波レベルが弱いほど、利得の高いブースターが必要になります。
なおブースターの調整方法については、製品のマニュアルをよく読んでから行ってください。室内用ブースターは、ご自宅でも設置が簡単という特徴がありますが、ブースター利得は低めになります。
屋外用ブースターは利得が高い機種が多くなりますが、設置作業や調整に専門知識が必要となり、特に高い位置への設置作業は危険も伴うため、ご自宅で難しい場合は、アンテナ工事の専門業者にお任せになることをオススメいたします。
ステップ4:周辺環境の障害物を取り除く
テレビアンテナの設置位置、特にその前方に高い建物や樹木などがあると、テレビ電波が遮られてアンテナレベルが低下することがあります。
もし、お住まいのアンテナの前方に障害物となるものがある場合は、ご自宅の庭木など、可能な範囲であれば取り除くか、それが難しい場合は、アンテナ本体の位置を移動することをご検討ください。
特に、庭木などの樹木は成長によってアンテナの前に伸びて、電波を遮るようになるケースも想定されるため、定期的な剪定が必要となります。
ステップ5:アンテナ本体の交換を検討する
上記の方法を試してもアンテナレベルが改善しない場合は、アンテナ自体が老朽化で受信性能が低下している可能性、もしくは元々の受信性能が不足している可能性があります。前述のように、アンテナの寿命は機種にもよりますが、八木式アンテナやBS/CSアンテナでは10年程度になります。
長年、使用しているアンテナで受信感度が低下した場合、特に外観のサビや部分的な破損、マストごと傾くなど、外観から老朽化が見て取れる場合は。交換をご検討ください。
テレビアンテナを交換する際には、以下の点にご注意ください。
- アンテナの種類:地デジアンテナ、BS/CSアンテナなど、受信する放送に対応したアンテナを選びます。現場や設置位置の電波環境に応じた受信性能も必要です。また受信環境によってはデザインアンテナ、ユニコーンアンテナや高耐候モデルを選択することで、従来より取り付けの見栄えがよく、自然環境への耐性も高いアンテナ設置も可能になります。
- 設置場所:アンテナの設置場所は、電波の受信感度に大きく影響します。特に地デジアンテナの場合は、高い位置に設置するほど受信感度が安定しやすくなります。ただ一方で受信感度に問題がなければ、アンテナを壁面やベランダ内外、屋内などに設置することで、風雨などに影響されにくく、住宅の見た目も良くなり、アンテナのメンテナンスも行いやすい設置も可能となります。アンテナ機種の選択も合わせて、専門業者へとご相談の上、受信感度とその他のメリットの兼ね合いから、最適な設置場所をお選びください。
なおテレビアンテナの交換は、専門的な知識や技術が必要となるため、基本的にはアンテナ工事の専門業者に依頼することがおすすめとなります。
当あさひアンテナでは、交換を含めた各種アンテナの設置工事を、国産一流メーカー製の高品質アンテナ本体、また基本設置具やケーブルなど必要な部材の費用もセットにした、低価格の「基本設置工事費」で承っております。
またアンテナ交換にあたっては、既設アンテナの撤去工事が必要になりますが、弊社では、アンテナ設置工事に伴うアンテナ撤去については、1.8メートルまでのアンテナであれば、不要なアンテナの持ち帰り、処分もセットにして、5,000円(税込み5,500円)からでご案内いたします。
その他、既設アンテナの素子、配線接続部など、軽微な故障の修理についても、5,000円(税込み5,500円)から。角度がズレたアンテナの角度調整と再固定については、8,000円(税込み8,800円)からでお引き受けしております。
他にも、原因不明のアンテナトラブルに関しては、弊社のフリーダイヤル、またはメールフォーム、弊社LINEアカウントまでご相談いただければ、その原因を特定し、早急にトラブルを解消する各種工事をお引き受けしております。
ブースターは本当に必要?選び方と設置の注意点
上記でも少し触れた通り、テレビの映りが悪くなっている原因がアンテナレベル(電波レベル)の低下である場合、ブースターの設置が有効な解決策となるケースもあります。しかし、ブースターは必ずしもすべてのケースに必要なわけではありません。
ここではブースターの役割と効果、選び方、設置の注意点について、より詳しく深堀して解説てゆきます。
ブースターの役割と効果
ブースター(増幅器)は、テレビアンテナで受信した電波を増幅し、必要十分な電波レベルを、住宅内のテレビまで届ける役割を果たします。
ブースターが必要になる主なケースとしては、以下の通りになります。
- 電波が弱い地域:弱電界地域などアンテナで受信できる電波レベルそのものが弱く、アンテナレベルが低くなりやすいエリアでも、ブースターを使用すれば、十分な受信レベルが確保できます。
- テレビの台数が多い住宅:住宅内に複数台のテレビを設置する場合、アンテナからの電波レベルを設置する台数に応じて分配するため、個々のテレビに送られるアンテナレベルは低下します。そのためテレビの台数が多いお住まいでは、受信できる電波レベルに関係なく、ブースターが必要となります。一般的に強電界地域であっても、住宅内に三台以上のテレビを設置する場合には、ブースターの設置は必須となります。
- アンテナからテレビまでの配線が長い部屋:住宅内で一部屋だけアンテナから離れた部屋がある場合、配線が長くなる分だけ電波レベルが減衰してしまい、アンテナレベル低下でテレビの映りが悪くなることがあります。この場合は、室内用ブースターを設置して、その部屋でのみ不足する電波レベルを補足する必要があります。
以上の場合にブースターを設置することで、電波の増幅でアンテナレベルの低下を防止し、安定した映像を視聴できるようになります。
ブースターに期待できる効果は、主に以下の一覧の通りになります。
役割 | 効果 |
---|---|
電波レベルの増幅 | アンテナレベル向上で、安定した映像の視聴。 |
複数台のテレビへの分配 | 電波レベルを確保し、各テレビで安定した映像を実現。 |
CATVの利用 | CATV用のブースターにより、クリアな映像を実現。 |
※上記は主な効果の例になります。
ブースター機器の選び方:種類と対応周波数・利得
ブースターの種類は、主に「設置場所(増幅性能)」と「対応周波数帯」の2つのポイントが挙げられ、現場に適切なモデルを選ぶ必要があります。
設置場所(増幅性能)別の機種の分類は、以下の通りになります。
- 屋外用ブースター:アンテナのすぐ近くに設置される増幅性能が高く、調整機能も豊富なブースター。屋外設置が前提のため頑丈で、住宅全体(各部屋のテレビ)に送られる電波を根本的に底上げする役割を果たす基本的ブースター。
- 室内用ブースター:屋内のアンテナ配線部や特定の部屋に設置されるブースター。増幅性能はやや低い半面、一般の方でも簡単に設置が可能。増幅レベルが低くてもいい場合や、一部の部屋で電波レベルを増幅したい場合に使用。
- ラインブースター(前置ブースター):室内でテレビなど機器の前に設置される小型のブースター。増幅性能は低めで機器によって決まっており、必要な性能の機種を選ぶ。主に電波レベルが弱い部屋で簡易的に使われる他、屋外用ブースターの補助的としても利用される。
また対応周波数帯別の分類は、以下の通りです。
- UHF帯ブースター:地デジ電波であるUHF帯の電波(470MHz~710MHz)に対応できるブースターです。地デジ電波のみを増幅する場合に使用します。
- BS/CSブースター:衛星放送(BS放送、CS放送)の電波に対応するブースターです。BS放送、CS放送の電波を増幅させたい場合に使用します。
- UHF/BSCSブースター:地デジ電波のUHF波と、衛星放送の電波の双方に対応するブースターです。地デジ放送と衛星放送の双方を視聴する環境で使用されます。また屋外用ブースターの場合は、地デジと衛星放送の電波を一本のケーブルに混合する機能もある「UHF/BSCS混合ブースター」も存在します。
- 4K8K(3224MHz)対応ブースター:従来の2K衛星放送に使われていた右旋放送・1032MHz~2072MHzの周波数帯だけでなく、2018年(平成30年)にスタートした新4K8K衛星放送で新しく導入された、左旋放送・2224MHzから3224MHzの周波数帯にも対応できるブースターです。現在のBSCS対応ブースターは、このモデルが多くなっています。
ブースターの選び方としては、まず主な用途から設置位置別の機器を選んだ上で、次にUHF、BSCS、4K8Kなど、必要な周波数帯に対応できるモデルを選ぶことになります。
その他、ブースター選びのポイントや注意点には、以下の点が挙げられます。
- ブースター利得(dB):ブースターが電波を増幅できる量を示す数値が利得です。利得が高いほど、電波を強く増幅できます。一方でブースターはテレビ電波だけでなく、電波に混じるノイズ(雑音となる無関係の電波)も増幅してしまう性質があるため、過度に電波を増幅するとノイズも強くなり、かえって映像が乱れる原因となることもあります。現場の電波状況に合わせて、必要な設置場所別モデルや、適切な利得を持つブースターをお選びになると良いでしょう。
- 電源供給:ブースターは電波エネルギーを増幅する装置であるため、エネルギー源として電源が必要です。ブースターの電源供給方法は、屋外用ブースターは本体である増幅部と電源部が別で、屋根裏のブースター用コンセントから電源を供給する。室内用ブースターは屋内の電源コンセントに接続する。もしくはテレビの電源設定でチューナー端子から供給する方式が多くなります。現場の条件などに適した電源供給方式を選んでください。
- 設置場所:ブースターは、屋外用、屋内用で設置場所が分かれます。また屋外用ブースター(増幅部)は、ノイズの混入を避けるべく、できるだけアンテナの近くに設置しますが、八木式アンテナなど受信性能の高いアンテナの場合は、ブースターからのノイズが悪影響を与える場合もあるため、ある程度、アンテナから離す必要があります。また屋外用ブースターは風雨などに強い構造ですが、それでも寿命を延ばすためには、風雨を避けやすい位置に設置する方が有利となります。現場の諸条件に適した設置位置を選んでください。
以下、ブースター選択や設置の注意点をまとめると、以下の一覧の通りになります。
ポイント | 詳細 |
---|---|
対応周波数 | 地デジと衛星放送、4K8K放送など、必要な周波数帯に対応しているか。 |
利得(dB) | 電波状況に合わせて適切な利得レベルのブースターを選ぶ。 |
電源供給 | 設置場所や配線状況に合わせて適切な電源供給方法を選ぶ。 |
設置場所 | アンテナに近い場所に設置するのが理想的ながら、適切な調整も必要。 |
※以上は基本的な必要事項です。
テレビアンテナでブースターの機器、設置位置を選ぶ際には、お住まいの地域のテレビ電波状況や、アンテナからテレビまでの配線距離などを考慮し、最適な選択を行う必要があります。
ブースターの設置に当たって、適切な機種や設置方法の選び方がご不明な場合は、やはりアンテナ工事の専門業者にご相談されることがおすすめになります。
当あさひアンテナでは、アンテナ工事に伴う各種周辺機器の設置工事も、国産大手メーカーの高品質機材もセットにして、お引受けしております。
ブースターに関しては、UHF帯ブースターの設置は20,000円(税込み22,000円)、UHF/BSCS混合ブースターの設置は25,000円(税込み27,500円)からでお引き受けいたしております。
その他、弊社では各種テレビアンテナ周辺機器の設置、交換工事もお引受けしておりますので、ご必要のお客様は、弊社までどうぞお気軽にお問合せくださいませ。
テレビアンテナレベルの確認方法を図解で解説!
お住まいでテレビの映りが悪くなった際に、受信状況を確認するもっともお手軽な方法が、テレビからアンテナレベルを確認することになります。
アンテナレベルを確認することで、そのテレビに届いている実際の電波レベルの目安が明らかになります。またお住まいに複数台のテレビがある場合は、各テレビのアンテナレベルを確認することで、電波レベルが低下している部屋やポイント、その原因を特定しやすくなります。
ここでは、ご自宅で簡単にできるアンテナレベルの確認方法を、具体的にわかりやすく解説してゆきます。
テレビのリモコン操作で確認する方法
ほとんどのテレビでは、リモコン操作で簡単にアンテナレベルを確認することができます。ただし、メーカーや機種によって正確な操作方法が異なるため、お使いのテレビの取扱説明書をご確認になるか、以下の一般的な手順を参考にしてください。
アンテナレベル確認の手順
- テレビリモコンのメニューボタンを押す。
- 設定、または初期設定などの項目を選んで決定などのボタンを押す。
- アンテナ設定、または受信設定の項目(地デジ、BS別の場合もあり)を選ぶ。
- アンテナレベル、または受信強度の項目を選ぶ。
上記の手順で、現在の地デジ、またはBS放送のアンテナレベルが表示されます。メーカー、モデルによって数値やインジケーター、グラフ、色彩などで表示される場合もありますので、具体的な読み取り方も、取扱説明書などで確認してください。
メーカー別アンテナレベル確認手順(例:SONY、Panasonic、SHARP)
ここでは、日本の主要なテレビメーカーにおけるアンテナレベルの確認手順の一例をご紹介いたします。ただ該当メーカーのテレビであっても、お住まいのテレビの型番によっては、下記の手順とは異なる場合もありますので、その点はご了承ください。
メーカー | 確認手順 |
---|---|
SONY(ソニー) | ホームボタン > 設定 > 放送受信設定 > デジタル放送受信設定 > アンテナレベル |
Panasonic(パナソニック) | メニューボタン > 設定 > 設置設定 > 放送受信設定 > アンテナレベル |
SHARP(シャープ) | メニューボタン > 設定 > 放送受信設定 > アンテナレベル |
※上記は、あくまで手順の一例です。
詳細なアンテナレベル確認の手順は、お使いのテレビの取扱説明書や、メーカーの公式サイトなどをご確認ください。
アンテナレベルチェッカーの使い方
お住まいでより正確なアンテナレベルを測定したい場合は、アンテナレベルチェッカーと呼ばれる機器を使用する方法もあります。
アンテナレベルチェッカー(電波測定器)とは、その名称通り、テレビアンテナが受信している電波レベルを直接、測定する装置のことです。
アンテナレベルチェッカーは、家電量販店やインターネット通販などで購入できます。プロ仕様の製品は、高級機では数万円台と高価になり、多機能な分、電波についての専門知識がないと、その数値などの正確な意味を読み取ることは難しくなります。
一般の方では、ケーブルから送られる電波レベルを表示するだけの、簡易的なアンテナレベルチェッカーが扱いやすくオススメになります。価格的ににも、地デジ用やBS/CS用のレベルチェッカーで1,000円台から2,000円台。双方に対応するもので3,000円台から4,000円台など比較的、低価格になります。
以下、簡易的なアンテナレベルチェッカーの具体的な使い方を解説いたします。
アンテナレベルチェッカーの使い方
- テレビアンテナとテレビ本体を繋いでいるアンテナケーブルを抜きます。
- アンテナレベルチェッカーにアンテナケーブルを接続します。
- アンテナレベルチェッカーの電源を入れ、測定を開始します。
- チェッカーの画面にアンテナレベルが表示されます。
上記はアンテナレベルチェッカーの平均的な使い方になりますので、個別の機材を使用する具体的な方法は、本体の取扱説明書をご確認ください。
アンテナレベルチェッカーを使用することで、テレビのアンテナレベル画面よりも詳細な数値を、即座に確認できるため、特にアンテナ角度の微調整などを行う場合には、受信レベルが最大になる角度を見出しやすく、非常に役立ちます。
アンテナレベルが低い時のチェックポイントとトラブルシューティング
ここでは、お住まいのテレビで、アンテナレベルの低下をはじめ、さまざまなトラブルが生じた場合の、主なチェックポイントと、的確な対処法をご紹介いたします。
突然テレビが映らなくなった!まず確認すべきこと
お住まいのテレビが突然、正常に映らなくなってしまった場合、まずは以下の項目を順番にご確認ください。原因によってはこれらを確認することで、意外と簡単に解決できるケースもあります。
- アンテナケーブルの接続:アンテナケーブルがテレビとアンテナ端子にしっかりと接続されているか確認します。ケーブルが緩んでいる場合は、締め直してください。
- 電源:テレビ本体や、ブースター(使用している場合)の電源が入っているか確認します。コンセントが正常につながっているか、電源ケーブルが断線していないかも確認してください。基本的なだけに、意外と見落としがちなポイントになります。
- B-CASカード:テレビなどの受信機器に挿入されている「B-CASカード」が正しく挿入されているか確認します。一度カードを抜いて、特に接触部などの汚れを丁寧に落とし、あらためてしっかりと挿入し直すのも有効です。またB-CASカード本体が故障している場合もあるため、この場合はカードの交換が必要です。
- チャンネル設定:テレビ機器で、本体の「チャンネル設定」が適切かを確認します。チャンネル設定とは、テレビ本体がアンテナから受信できる電波のチャンネルを自動的に判断し、適切なチャンネル番号に当てはめていく作業です。お引っ越し後やテレビの新規設置、初期化後には、チャンネル設定が必要になる場合があります。
- アンテナレベル:テレビの設定画面からアンテナレベルを確認します。アンテナレベルが極端に低い場合は、アンテナ自体に問題がある可能性も考えられます。
※以上は、主なチェックポイントになります。
ご自分でもできる簡単なトラブルシューティング
お住まいにて上記の確認を行っても、テレビの映りが改善しない場合は、以下のトラブルシューティングを試してみてください。
- テレビのリセットと再起動:テレビの主電源を切り、電源プラグもコンセントから抜いて、数分待ってから再度、コンセントを指して電源を入れてみてください。テレビ本体の不具合はこのリセット作業で解消される場合もあります。なおテレビのメーカーやモデルによってはリセット手順が異なる場合もあるので、やはり取扱説明書などをご確認ください。
- アンテナケーブルの交換:古いアンテナケーブルを使用している場合は、新しいものに交換してみるのも有効です。
- 周辺機器の確認:Blu-rayレコーダーやゲーム機などの周辺機器をお使いの場合、それらの機器がテレビのアンテナ入力に干渉している可能性もあります。周辺機器の電源をいったん切り、テレビの映りを確認してみてください。
- 天候の確認:台風や大雨などの悪天候の場合、一時的にアンテナレベルが低下することもあります。天候の回復を待って、あらためて映りを確認してみてください。
- チャンネルの再スキャン:テレビのチャンネル設定メニューから、チャンネルの再スキャンを実行します。これにより受信可能なチャンネルが再設定され、テレビの映りが改善される場合があります。
以下、トラブルシューティングの方法を一覧表にまとめました。
トラブル内容 | 確認・対処方法 |
---|---|
テレビがまったく映らない | アンテナケーブルの接続確認 電源の確認 B-CASカードの確認 |
特定のチャンネルだけ映らない | チャンネル設定の確認 チャンネルの再スキャン |
映像が途切れる、ノイズが入る | アンテナケーブルの交換 周辺機器の確認 天候の確認 |
※以上は主な対処方法になります。
アンテナ工事の専門業者に依頼する前に試すべきこと
上記の、お住まいの対処方法によって、問題が改善できない場合は、プロのアンテナ専門業者へと調査、復旧を依頼する流れになります。ただその前に、以下のポイントをご確認ください。
- 近隣住民への確認: 近隣のお住まいでも、ご自宅と同様のテレビ画面の乱れなどが発生していないかをご確認ください。そのエリア一体で電波障害が発生している可能性も考えられます。
- アンテナの設置状況の確認:お住まいのアンテナ状態を目視で確認します。屋根の上でアンテナが倒れている。大きく傾いている。全体の錆びつきや老朽化、破損などが見て取れる場合は、無理にご自分で修理しようとせず、専門業者にご依頼ください。
- ブースターの設定確認:ブースターを設置している場合は、設定が適切かどうかを確認します。取扱説明書をよくご確認の上、正しい設定になっているかを、ご自宅で安全にできる範囲で確かめてください。
これらの情報を整理しておくことで、専門業者に依頼する際に状況を正確に伝えることができ、スムーズな対応にもつながります。
自分で解決できない場合は?専門業者への依頼も検討しよう
ご自分でアンテナの調整やケーブルの確認などの対処を行っても、テレビの映りが改善しない場合は、アンテナ工事の専門業者への依頼をご検討ください。
専門業者であれば、専門的な知識と技術を持っているため、原因の特定から修理、交換まで、早急かつ的確な対応が期待できます。
業者選びのポイント:実績、見積もり、保証
専門業者を選ぶ際には、以下のポイントを重視してください。
ポイント | 詳細 |
---|---|
実績 | 過去の施工実績をご確認ください。実績が豊富な業者は、さまざまなケースに対応できる経験があると考えられます。 ホームページや口コミサイトなどで、実績や評判を確認するのがおすすめです。 |
見積もり | 複数の業者から見積もりを取り、料金を比較検討しましょう。見積もりの内訳を詳しく確認し、追加料金が発生する可能性についてもきちんとご確認ください。 |
保証 | 工事後の保証があるかご確認ください。その保証期間や保証内容も詳しく確認し、万が一のトラブルに備えてください。 |
※上記は基本的な確認のポイントになります。
依頼費用の相場
テレビアンテナの修理や交換など、不具合を解消する工事を専門業者に依頼する場合、費用の相場は以下のようになります。ただし、担当する業者をはじめ、アンテナの種類や設置場所、作業内容によっても費用は変動します。
作業内容 | 費用の相場 |
---|---|
アンテナの向き調整 | 8,000円~15,000円 |
アンテナの交換 | 20,000円~50,000円 |
ブースターの設置 | 20,000円~35,000円 |
配線工事 | 10,000円~25,000円 |
※上記はあくまで目安であり、実際の費用は業者や地域によって異なります。
業者によっては、見積もり料や出張料が別途かかる場合がありますので、事前に確認しておいてください。
またアンテナ交換など大掛かりな工事の場合、複数の業者から見積もりを取り、料金だけでなく、使用する機材や施工の品質、保証制度などサービスの充実など、総合的なコストパフォーマンスで比較検討なさることが大切です。
また対応の丁寧さや説明のわかりやすさから、その業者の姿勢をご判断になり、優良な業者をお選びになることも、重要なポイントと言えます。
まとめ|テレビアンテナレベルを改善して快適なテレビライフを!
本記事では、地デジ放送や衛星放送の仕組み、テレビ電波の性質から、テレビのアンテナレベル確認放送。アンテナレベルが低くなり、画面が乱れる原因。そしてご自分でも可能な対処法や、専門業者へご依頼になる際のポイントまで、一通り解説してまいりました。
現在、アンテナトラブルにお悩みの方から、トラブルに備えた知識をお求めの方まで、ひと通りご理解いただけたのではないかと存じます。
本記事が、おすまいで地デジ放送、衛星放送のアンテナレベルを改善する一助となり、安定した快適なテレビのご視聴を実現するためのお役に立てれば幸いです。
お住まいで突然、テレビ画面が乱れる、映らない、アンテナレベルが低下するなどのトラブルが生じた場合は、まずは当あさひアンテナのフリーダイヤル(またはメールフォーム、弊社LINEアカウント)までお気軽にご相談くださいませ。
弊社ではアンテナ工事現場での研修で実践的な専門知識を習得したオペレーターが、お客様のお電話でのご相談を受け付けております。
テレビ受信トラブルに関しては、ご自宅での症状やアンテナ機種、配線の構造などをお伺いして、考えられる原因とお住まいでの対処法をご案内いたします。そしてお電話でのご説明でトラブルが解消された場合は、料金は1円たりともいただきませんので、ご安心くださいませ。
またご自宅では対処が難しいトラブルや、原因の特定が難しい場合は、そのままご依頼いただければ、弊社スタッフのアンテナ職人が即座にお住まいへと駆け付け、早急にトラブルの原因を特定して、できるだけ確実かつ、料金を抑える形での復旧工事をご提案いたします。実際の工事は、お客様に工事内容や費用をご納得いただき、正式に契約を結んでいただいた時点で開始いたします。
弊社ではアンテナ工事に関しては、業界最長クラス「10年」の長期保証をご用意しており、施工後も末永いご安心をお約束いたします。また工事料金に関しては、現金だけでなく、各種クレジットカードや電子マネーでのお支払いにも対応しておりますので、急な工事でもお客様には余計なお手数をおかけいたしません。
新規アンテナ取り付けを伴う工事に関しては、弊社では他業者との相見積もりにもご対応しております。一方で早急な工事をお求めのお客様には即日工事にもご対応いたします。さらに現在、即日工事をご依頼のお客さまには、お得な割引サービスのご用意もございます。
急なアンテナトラブルへのご対応をはじめ、アンテナ交換なども含めた各種アンテナ工事をお求めのお客様は、まずは当あさひアンテナまで、どのようなことでもお気軽にご相談くださいませ。