地上波テレビ放送(地上デジタル放送)を見る方法:スマホやPCでの地デジ視聴からアンテナ設置、今日の番組表まで完全ガイド
21世紀、2025年(令和7年)の今日も、普段から地上デジタル放送(地デジ放送)をよくご覧になる方は多いでしょう。
2000年代初頭に、従来のアナログ放送から転換する形でスタートした地デジ放送は、映像信号のデジタル化で、フルハイビジョンの高画質化や高音質化、データ放送や双方向通信、ワンセグ放送など、さまざまな新機能を実現したテレビ放送です。
そして地デジ放送では放送されるテレビ番組やチャンネル(放送局)はアナログ放送から引き継いでいるため、テレビアンテナを設置するだけで無料(NHK受信料を除く)で視聴できます。
さらにアナログ放送時代からの人気番組、最新のドラマやアニメ、スポーツやバラエティ、ニュース、映画などさまざまな番組を視聴できるのが、現在の地上デジタル放送の魅力です。
しかし近年では、インターネット動画配信サービスなどの普及から、お住まいではチューナーレステレビ(スマートモニター)を利用しており、普段は地上波テレビ放送(地デジ放送)をあまり見ないという方も増えています。
そのため、いつもはほとんど見ていない地デジ放送で、スポーツ中継や話題のドラマ、アニメなど、見たい番組が放送されるときに、いざ地デジを見たくとも、視聴の方法が分からず、困ってしまうことも少なくはありません。
他にも、お住まいに設置しているアンテナで急に地デジの画面が乱れる、テレビ画面にエラーコードが表示されて映らなくなった。引っ越し後、それまで利用していたテレビで、地デジ放送が映らなくなってしまった。新しく地デジアンテナを設置したいけど、どのようなアンテナ機種や設置方法がいいかわからない、地上波テレビ放送と衛星放送(BS放送、CS放送、4K8K放送)はどう違うのか、など……
この記事では、そのような地上波テレビに関するさまざまなお悩みを解決するために、地上波テレビ(地デジ放送)の基礎知識や視聴方法を網羅的に解説していきます。
ご自宅にテレビや地デジアンテナがない方向けの、スマートフォンやパソコンでの地デジ放送の視聴方法から、地デジ用テレビアンテナの設置、映らない時のトラブル対処法まで、専門的な知識がない方でも、わかりやすいように丁寧にご説明します。
あなたのライフスタイルに合った地デジ放送の視聴方法を見つけて、地上波テレビ放送をもっと気軽に楽しんでください。
あなたの状況に合った地上波テレビ放送の視聴方法は?3つのパターンを比較
まずは、動画配信サイトなどが流行している現在、お客様の環境やご希望に最適となる、地上波テレビ(地デジ放送)のテレビ番組を見る方法についてご紹介していきます。
現在、地上波テレビで放送されるテレビ番組の視聴方法は、主に以下の3つのパターンに分けられます。
それぞれの特徴を比較して、自分に合った方法を見つける参考にしてください。
視聴方法 | メリット | デメリット | 費用目安 | 手軽さ |
---|---|---|---|---|
①テレビなしで見る (スマホ・PC) | ・場所を選ばない ・初期費用がほぼ不要 ・登録不要ですぐ見られる |
・全番組が見られるわけではない ・CMが入る ・通信量がかかる |
ほぼ無料 | ★★★★★ |
②テレビ受像機で見る (アンテナ) | ・高画質で安定している ・全チャンネルを視聴できる ・通信量を気にしなくてよい |
・テレビ本体やアンテナが必要 ・設置に費用や手間がかかる ・視聴場所が固定される |
約2万円〜 | ★★★☆☆ |
③PCチューナーで見る | ・PCで視聴・録画ができる ・「ながら見」に最適 |
・アンテナの設置が必要 ・PCにある程度のスペックが必要 |
約1万円〜 (チューナー代) |
★★☆☆☆ |
手軽さを最優先するなら、テレビがなくても視聴できる①の方法がおすすめです。
一方で、家族と大画面で楽しみたい、画質や安定性を重視したい方には②の方法が向いています。
それでは、それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
【一番手軽】アプリやネットでOK!テレビなしで地上波を視聴する方法
「地デジ放送を受信できるテレビ本体を持っていない」「自室のパソコンや移動中のスマホなどでテレビ番組を見たい」という方に最適な方法が、インターネットを利用したテレビ番組の視聴方法です。
お住まいにインターネット回線とスマートフォンなどがあれば、専用のアプリやWebサイトによって、工事や難しい設定などは行わずとも、さまざまなテレビ番組を楽しむことができます。
ここでは、インターネット経由で利用できる、代表的なテレビ番組の配信サービスを、いくつかご紹介します。
基本はコレ!公式無料アプリ「TVer(ティーバー)」で見逃し・リアルタイム視聴
最近よく知られている「TVer(ティーバー)」は、民放テレビ局が共同で運営している、公式の動画配信サービスです。
「テレビや地デジの受信環境がないけど、地上波放送の番組が見たい」という場合に、まず試すべきもっとも代表的な選択肢と言えるでしょう。
こちらのサービスでは、見逃してしまったドラマやアニメ、バラエティ番組などのコンテンツを放送後の約1週間、無料で視聴できるほか、一部の番組についてはリアルタイムでの配信にも対応しています。
TVerのメリット:登録不要で無料、スマホもPCも対応
TVerには、ユーザーにとって嬉しいメリットがたくさんあります。
- 基本料金が無料
- 費用を一切かけずに、多くのテレビ番組コンテンツを楽しむことができます。
- 会員登録が不要
- パソコンやスマートフォンにアプリをインストールするか、サイトにアクセスするだけで、すぐに視聴をスタートできます。
- 多様なデバイスに対応
- スマートフォン、タブレット、パソコンなどはもちろん、コネクテッドTV(スマートテレビ)などにも対応しており、好きな画面で視聴できます。タブレットやスマートフォンを持ち歩いて、移動しながらの視聴も可能になります。
- 公式なので安心・安全
- 各テレビ局が公式で運営しているため、違法なアップロードサイトのようなウイルス感染や個人情報漏洩など、インターネットにつきまとうリスクがありません。
TVerのデメリット:全番組が対象ではない、CMがある
このようにTVerは非常に便利なサービスですが、いくつかの注意点もあります。
- 配信対象外の番組がある
- 権利上の都合などから、すべての番組が見逃し配信やリアルタイム配信の対象になっているわけではありません。主にスポーツ中継や劇場映画の放送、再放送などは配信されないほか、ニュース番組や地方局によるローカル番組などは、一部の番組、もしくは番組内容の一部しか配信されない場合もあります。
- CM(広告)が入る
- 無料で提供される代わりに、番組の途中でCMが再生されます。このCMはスキップすることができません。
- データ通信量を消費する
- Wi-Fi環境がない場所で視聴すると、スマートフォンのデータ通信量を消費します。長時間の視聴には注意が必要です。
TVerで視聴できるリアルタイム配信の対応チャンネル
TVerにてリアルタイム配信されるテレビ番組コンテンツとしては、主に以下のテレビ局の番組を、地デジでの放送と同時に楽しむことができます。
特に、夜7時から11時頃のゴールデン・プライムタイムの番組が充実しています。
- 日本テレビ系
- テレビ朝日系
- TBS系
- テレビ東京系
- フジテレビ系
TVerの使い方|インストールから視聴開始までの3ステップ
TVerの使い方は非常にシンプルで、誰でも簡単に始められます。
- アプリをインストールまたはサイトにアクセス
- お使いのスマートフォンやタブレットに「TVer」アプリをインストールします。
- PCの場合は、TVerの公式サイトにブラウザでアクセスします。
- 見たい番組を探す
- 「リアルタイム」タブで今放送中の番組コンテンツを選んだり、「さがす」機能で番組名や出演者名で検索したりする操作ができます。
- 視聴を開始する
- 見たい番組コンテンツのサムネイルをクリックすれば、すぐに番組の再生が始まります。
ニュースや災害時に強い「NHKプラス」
上記のTVerはご説明した通り、各民放局のテレビ番組を配信するサービスですが、NHKの番組をリアルタイムでご視聴になりたい場合には、「NHKプラス」が便利です。
NHKプラスでは、NHK総合テレビとEテレの番組を、放送と同時にインターネットで視聴できます。
また、放送後1週間の見逃し配信にも対応しています。
人気の朝ドラや大河ドラマなどの他、特に、正確な情報が求められるニュースや災害報道などを、場所を選ばずに確認できるのは大きなメリットです。
なお、利用にあたってはNHKの受信契約情報を登録する必要があります。そのため、NHK受信料のお支払いが必須になるのでご注意ください。
各テレビ局の公式動画サービス
TVer以外にも、各テレビ局は独自の動画配信サービスを運営しています。
これらのサービスでは、TVerでは配信されていない過去の名作ドラマや、サービス限定のオリジナルコンテンツが楽しめることがあります。
その多くは有料ですが、サービスによっては最新話のみ無料で見られる場合もあります。
以下、各テレビ局の主な公式動画サービスと、その特徴をご紹介します。
サービス名 | 運営局 | 特徴 |
---|---|---|
FOD | フジテレビ | フジテレビ系のドラマやバラエティが豊富 |
TELASA | テレビ朝日 | テレビ朝日系のドラマ、特撮ヒーロー作品に強い |
Hulu | 日本テレビ | 日本テレビ系の番組に加え、海外ドラマも充実 |
U-NEXT | TBS | TBS・テレビ東京系の番組、映画やアニメも多数有料動画配信サービス(Huluなど)のライブTV機能 |
すでにHuluのような有料の動画配信サービスに加入している方は、追加料金なしで利用できるライブTV機能も選択肢のひとつです。
例えばHuluでは、日テレNEWS24などのニュースチャンネルや、一部のスポーツ中継などをリアルタイムで視聴することができます。
ご自身が契約されているサービスに同様の機能がないか、一度ご確認されるのもよいでしょう。
【注意】違法な動画配信サイトのリスクとは?
インターネット上には、非公式にテレビ番組をアップロードしている違法なサイトも存在します。
これらは無料で視聴できるため魅力的に思われるかもしれませんが、利用には大きなリスクが伴います。
以下で、その主なリスクをご紹介します。
- ウイルス感染のリスク:悪意のある広告やソフトウェアが仕込まれており、パソコンやスマホがウイルスに感染する危険性があります。
- 個人情報漏洩のリスク:フィッシング詐欺サイトへ誘導されるなど、個人情報やクレジットカード情報が盗まれる可能性があります。
- 法的なリスク:違法にアップロードされたものと知りながらダウンロードする行為は、著作権法に違反します。
テレビ番組の動画を安全にお楽しみいただくためにも、必ずTVerやNHKプラスといった、公式の配信サービスをご利用なさってください。
【高画質・安定】テレビ受像機で地上波を見るための準備と手順
以上は、インターネットの動画配信サービスを通じて、視聴する機材(パソコンやスマートフォンなど)や時間、場所を気にせず地デジ放送の番組を視聴する方法をご紹介いたしました。
しかしお客様の中には「やはり毎週、決まった時間に人気のドラマやアニメを観たい」「リビングの大画面テレビで家族とテレビ番組を見たい」「通信量を気にせず、安定した高画質で楽しみたい」「好きな番組はBDメディアなどに録画しておきたい」「再放送で昔のドラマなどを見たい」という方もいらっしゃるでしょう。
そういった方には、テレビアンテナを使って地デジ電波を受信し、チューナーを持つテレビ受像機(いわゆる一般的なテレビ機器)で視聴する方法が最適です。
ここでは、地デジアンテナを使って地上波テレビを見るための基本的な知識から、具体的な手順、トラブルシューティングまでを分かりやすく解説していきます。
豊富な専門知識と施工実績を誇るアンテナ工事のプロ、当「あさひアンテナ」の知見も交えながら、詳しく見ていきましょう。
STEP1:まずは基本から:「地上波」「地デジ」って何が違うの?
本記事でも何度も出てきていますが、テレビ放送の話でよく出てくる「地上波(放送)」と「地デジ(放送)」という言葉、これらの意味の違いをご存知でしょうか。
簡単に申し上げますと、以下のような違いがあります。
用語 | 意味 |
---|---|
地上波放送 | 地上にある放送局から、電波塔を通じて各家庭に電波を送る放送の種類のこと。 民放各局やNHKなどの一般的なテレビ放送やラジオ放送などを指します。 |
地デジ | 「地上デジタル放送」の略。地上波放送をデジタル信号で送る放送の方式のこと。 2011年にアナログ放送から完全移行した現在の主なテレビ放送方式です。 |
※上記はそれぞれの言葉の概要になります。
つまり地上波放送とは、主に電波塔などを用いて、地上にある設備から、地上の空間でテレビやラジオなどの電波を伝送する放送の形式全般を指します。したがって現在の地デジ放送だけでなく、それ以前のアナログテレビ放送や、AM、FMなどのラジオ放送も「地上波放送」に含まれます。
対して地デジ放送(地上波デジタル放送)とは、同じく地上波放送で、テレビ放送の映像信号をそのまま電波の強弱に変換して放送していたかつてのアナログ放送から、「0」「1」のデジタル信号に変換して情報量を圧縮した映像信号を、電波の波長に変換して送るデジタル放送の形式に転換した、現在の主なテレビ放送(衛星放送を除く)を指します。
この地デジ放送は、アナログ放送からの転換を前提に、2003年(平成15年)12月1日に、昭和期から続いてきたアナログ放送と並行して放送をスタート。その後のアナログ放送からの移行期間を経て、2011年(平成23年)7月24日に従来のアナログ放送が終了(完全停波)することで、現在の地デジ放送へと転換されたのです。
昭和期より長く続いたアナログ放送から、地デジ放送(デジタル放送)へと転換された理由は、当時、世界的に従来のアナログ技術から、デジタル技術への転換が進んでいたこと。そして携帯電話の大幅な普及から、それまでアナログ放送が多くを使っていた電波の周波数帯を、大きく削減する必要が出てきたためです。
アナログ放送の時代では、主なテレビ電波にVHF(超短波)と、地方チャンネル用にはUHF(極超短波)の周波数帯が使われていました。一方、現在の地デジ放送では、映像信号をデジタル化で圧縮することにより、使用する周波数帯をUHFでも470MHzから710MHzまでと大幅に削減することに成功しています。
また地デジ放送では信号のデジタル化により、アナログ放送よりより少ない周波数帯で、約4.5倍の大要領の情報を送信することが可能になっています。この情報量により地デジ放送では、従来のアナログ放送では考えられなかった、映像のハイビジョン(高画質)化や音声品質の向上、またデータ放送、番組表(EPG)、ワンセグ放送など多くの便利な機能を実現しています。
さらにノイズ(雑音)の混入などによる信号のエラーも、デジタル信号であれば受信機側である程度は修復できるため、一定の受信レベルを確保できるエリアでは、アナログ放送に比べて、画面のちらつきやゴースト(映像の二重映り)などののない、常にクリアな映像品質を確保できるようになっています。
簡単にまとめると、地上波放送とは、テレビに限らず、放送電波が地上の基地から地上を伝わって送信される放送形式の総称。地デジ放送とは、地上波放送のひとつで、映像信号をデジタル化して送信している、21世紀現在の地上波テレビ放送の名称ということになります。
STEP2:テレビで地上波放送(地デジ放送)を見るために必要なものリスト
ご家庭のテレビで地デジ放送を視聴するためには、基本的に以下の4つの機材、道具が必要です。
お引っ越しや新規テレビご購入の際に、すべて揃っているかをご確認ください。
- テレビ本体(地デジ対応)
- B-CASカードまたはACASチップ
- テレビアンテナ
- アンテナケーブル
以下では、各製品について解説していきます。
テレビ本体(地デジ対応)
現在、国内で販売されている新品のテレビでは、ほぼすべての製品に、地デジ電波の映像信号を、地デジの映像・音声に変換する「地デジチューナー」が内蔵されています。
そのため、特に意識する必要はありません。ただ近年、多くなっている、インターネットの動画配信サイトなどに特化した「チューナーレステレビ(スマートモニター)」はその名の通り、テレビのチューナーが内蔵されていないため、地デジなどテレビ放送のの視聴には、後述する外付けのテレビチューナーが必要になります。
またテレビ本体も、中古品や海外製品を購入する際には、日本の地デジ放送に対応できるチューナーが内蔵されているかどうかを、きちんとご確認ください。
B-CASカードまたはACASチップ
テレビ本体のスロットに挿入される、赤や青の「B-CASカード」や、近年の4K、8Kテレビでは本体に内蔵されている「ACASチップ」は、デジタル放送の番組の著作権を保護するため、デジタル放送における映像信号の暗号化を解くキーの役割を持っているほか、有料放送の契約情報などを記録する機能も備えています。なお赤いB-CASカードは地デジとBS放送、CS放送などに対応。青いカードは地デジ放送のみに対応するカードになります。
B-CASカードを使用するテレビの場合、このカードが専用のスロットに正しく挿入、または内蔵されていないと、映像信号のテレビ画面ににエラーメッセージが表示されて番組を見ることができません。
このB-CASカードは、新品のテレビ購入時に同梱されていますが、上記チューナーと同じく、中古や海外製のテレビ機器などを購入される際には、注意が必要です。
テレビアンテナ
地デジ放送の電波をご家庭で受信するためのテレビアンテナ(UHFアンテナ)です。
戸建て住宅の場合は屋根の上や壁面、集合住宅の場合は共用のアンテナが設置されているのが一般的です。
もし住宅に地デジアンテナがない場合は、各部屋への配線工事や、配線部に必要に応じて設置されるブースター(増幅器)や分配器などの設置も含めた、新規の設置工事が必要になります。
アンテナケーブル
住宅の壁にあるアンテナ端子(アンテナコンセント)と、テレビ本体の入力端子を接続するためのケーブル(同軸ケーブル)です。
長さや端子の形状に種類があるため、設置場所に合わせて適切なものを選びましょう。室内の広さに必要な長さより、過度に長すぎるケーブルを使用すると、送信される電波の減衰(弱まり)によって地デジ画面が乱れる可能性もあるため、ご注意ください。
STEP3:アンテナの種類と選び方【アンテナ工事のプロが解説】
テレビアンテナには地デジ用と衛星放送用をはじめ、地デジアンテナだけでもいくつかの種類(機種)の違いがあり、お住まいの地域の地デジ電波状況や、建物の外観、台風や積雪といった自然環境の影響などについての対応や、お客様のご希望によって最適なものが異なります。
ここでは、アンテナ工事の専門家である当あさひアンテナの視点から、代表的なアンテナの特徴と選び方のポイントを解説します。
まずは以下に、主な地デジアンテナの種類と、その特徴を一覧でご紹介します。
アンテナの種類 | 受信性能 | 外観 | 費用目安 | こんな人におすすめ |
---|---|---|---|---|
八木式アンテナ | ◎ | △ | 25,000円〜 | ・電波が弱い地域に住んでいる ・とにかくコストを抑えたい |
デザインアンテナ | ○ | ◎ | 27,500円〜 | ・家の外観を損ねたくない ・経年劣化を抑えたい |
ユニコーンアンテナ | ◎ | ○ | 要問合せ | ・外観性と受信性能を両立したい ・デザインアンテナが対応できない |
室内アンテナ | △ | ◎ | 3,000円〜 | ・工事不要で手軽に試したい ・電波が非常に強い地域で使用する |
※以上は主な特徴になります。
【受信感度No.1】八木式アンテナ(UHFアンテナ)
アナログ放送時代の昔から、屋根の上のマストに固定される形でよく見かける、金属の骨組みによる魚の骨のような形をした、シンプルな構造の古典的なテレビアンテナです。
地デジアンテナはどの機種も地デジ電波のUHFを受信することから「UHFアンテナ」とも総称されますが、特に八木式アンテナは古くからの基本的なテレビアンテナであるため、現在ではUHFアンテナと呼ばれることもあります。
アンテナ本体で魚の小骨に見える短い横棒は「素子(エレメント)」と呼ばれる、地デジ電波を受信するパーツであり、八木式アンテナはこの数(素子数)が多いモデルほど受信性能が高くなります。他にも設置位置が高い、指向性が高いなどの特性があり、他の地デジアンテナ機種に比べても受信性能が高いながら、本体や設置の価格は比較的、安くなるという特徴があります。
そのため八木式アンテナは、素子数(受信性能)別のモデルにより、電波塔の付近で電波レベルが強い地域から、距離が遠く電波レベルが弱まる地域など、もっとも幅広いエリアに対応できる機種になります。さらに受信性能の高さから十分なレベルの電波をキャッチすることで、地デジ放送を安定して視聴できるため、21世紀の現在でも、多くのご家庭で利用されている機種です。
一方で、現在のデザイン性の高い住宅では、屋根の上で独特の見た目が目立ってしまい、住宅の外観や周囲の景観を乱しやすいこと。また風雨や雪、臨海エリアの潮風、野鳥など自然環境の影響を受けた老朽化が進みやいため、他の機種に比べて寿命(耐用年数)が短くなり、老朽化によるトラブルが生じやすくなるというデメリットもあります。
【外観スッキリ】デザインアンテナ
デザインアンテナとは、地デジ放送のスタート後、2009年(平成21年)前後に普及しはじめた、地デジアンテナの新モデルです。地上波テレビ放送の地デジ化により、使用される電波の周波数帯が削減され、波長の幅が短くなったことにより実現した、長方形で薄いパネル状の箱のような、スリムな形状の地デジアンテナになります。その形状から、近年では新築住宅を中心に人気が高まっています。
デザインアンテナは「平面アンテナ」とも呼ばれるその形状から、住宅の壁やベランダの手すりなどに設置することを前提としたアンテナであり、その最大のメリットは、設置場所から家の外壁などに設置できるため、建物の外観にすっきりと溶け込み、住宅のデザイン性や周辺の景観を損なわないことです。さらに同じメーカーの同モデルでも4色から6色程度などカラーバリエーションも豊富で、外壁の色に合わせて選べます。
また機器部が薄型のケースに覆われた形状や設置方法から、風雨や雪などの自然環境にも強く、耐用年数が長くなりトラブルが生じにくいというメリットもあります。
このようなメリットの豊富さから人気を集めるデザインアンテナですが、八木式アンテナに比べると、本体の構造や設置位置の低さから受信感度はやや劣るため、電波塔から一定範囲内の距離で、一定以上の電波レベルを確保できるエリアでないと使用できないという弱点があります。
さらにデザインアンテナの対応エリア内でも、高層建築の付近や住宅密集地など、電波が遮られやすい周辺環境では、受信レベルを確保できず設置が難しくなる場合がありますので、デザインアンテナの設置に当たっては、設置する位置で事前の地デジ電波調査が重要になります。
【デザインと受信性能の両立】ユニコーンアンテナ
ユニコーンアンテナとは、日本三大アンテナメーカーに数えられる国産大手メーカー「マスプロ電工」製の「U2CN」というアンテナ機種の商品名です。八木式アンテナの受信性能と、デザインアンテナの外観性や風雨への強さを兼ね備えた、2025年現在の地デジアンテナ最新モデルです。
ユニコーンアンテナはポール状のスタイリッシュな形状で、主に屋根の上や破風板(屋根の張り出し部)、壁面などに固定したマストの先端で、アンテナが屋根より高い位置に来るように設置されます。
ユニコーンアンテナは、マスプロ電工では「デザインアンテナ」のカテゴリとされている通り、外観がスタイリッシュなため、屋根の上に設置しても、住宅のデザインや景観に悪影響を与えにくい。また風雨を受け流せる形状でアンテナの経年劣化が進みにくく、耐用年数が長くなってトラブルも生じにくいなど、デザインアンテナと同等のメリットを持ちます。
そしてユニコーンアンテナ独自の特徴としては、受信環境が高まる屋根の上に設置されるため、平面型のデザインアンテナに比べて、受信感度を確保しやすくなるという点です。
上記の通り、平面型のデザインアンテナには、設置する壁の付近に高層建築や隣家などがあると、受信が難しくなり設置できない弱点があります。しかしユニコーンアンテナであれば、設置位置が高くなるため、そのような現場でも特に問題なく設置できる可能性が非常に高くなります。
すなわちユニコーンアンテナは、デザイン性と設置位置の工夫により、アンテナの受信性能と、外観性、耐久性を高いレベルで兼ね備えた機種であり、特に周辺の環境から平面型のデザインアンテナが対応できない現場で、同等のメリットを確保して設置できるニューモデルと言えます。
一方でユニコーンアンテナの弱点としては、最新モデルであるため、本体や設置工事の価格が他の機種に比べてやや割高であること。20素子など高性能の八木式アンテナに比べると受信性能はやや及ばず、設置に対応できるエリアが、電波塔の周辺でやや狭くなるなどの点が挙げられます。
【手軽ながら注意が必要】室内アンテナ
テレビの室内アンテナとは、非常にコンパクトで、テレビの近く、室内の窓際などに置いて、アンテナケーブルでテレビと接続するだけで、一般の方でも工事不要で使える手軽な地デジアンテナです。
本体価格も1000円台から購入できるなど非常に安く、賃貸住宅で規約上、アンテナなどの工事ができない場合に便利です。
ただ、その受信性能は、屋外へ工事で設置される本格的な地デジアンテナに比べると非常に低いため、電波塔が視認できるほど近くにあり、地デジ受信の周辺環境にも恵まれた、電波レベルの非常に強い地域(強電界地域)でしか、安定した地デジ受信は望めません。
基本的に室内アンテナは、地デジ電波レベルが非常に高いエリアで、一時的に地デジ放送を視聴する場合などに適した、簡易的な地デジアンテナだと言えます。したがって、室内アンテナを購入したが、設置しても正常に映らなかったというケースも多く、安易な購入はあまりおすすめできません。
BS/CS放送も見たい場合は?4K8K対応アンテナも
以上でご紹介したアンテナはすべて、現在の地上波テレビ放送である地デジ放送の電波(UHF)を受信するための地デジアンテナになります。
ただ現在では、地上波テレビ放送の他に、宇宙空間の人工衛星(静止衛星)から電波を送信する衛星放送も広く普及しています。衛星放送であるBS放送、CS放送などでは、地デジ放送にはない有料、無料のチャンネルが豊富で、映画や海外ドラマ、アニメ、時代劇、スポーツなど、より専門的なチャンネル(放送)を楽しむことができす。
そして衛星放送では、地デジ電波とは周波数帯も方向も異なる、BS放送の放送衛星、CS放送の通信衛星から送られる、12GHz帯の電波を受信する必要があります。そのため衛星放送を視聴するには、地デジアンテナとは別に、衛星放送を受信するための「BS/CSアンテナ」の設置が必要です。
BS/CSアンテナは、直進的に送られる12GHz帯の電波をキャッチするお皿のような形の「ディッシュ(放物面反射器)」を持つアンテナで、静止衛星が位置する東経110度の方向(南西の空)にディッシュを向けて設置します。BS放送の放送衛星と、110度CS放送(スカパー!)の通信衛星は同じ方向に位置するため、一基のBS/CSアンテナでBS、CS双方の放送を受信できます。
このBS/CSアンテナの設置は、地デジアンテナの設置工事と同時に業者へと依頼すると、作業の手間などが省けることから、セット割引でお得になるケースが多くなります。
また、2018年(平成30年)より新4K8K衛星放送がスタートして、BS放送、CS放送にそれぞれ4K、8Kのチャンネルが追加されています。この4K8K放送では一部のチャンネルを除いて、従来の衛星放送の電波「右旋円偏波」ではなく、新しく追加された「左旋円偏波」が使用されているため、高精細な4K8K放送をご自宅の4K、8Kテレビ(対応モニター)でお楽しみになりたい場合は、専用の2K4K8K(右旋左旋)対応のBS/CSアンテナが必要になります。
現在、市販されているBS/CSアンテナはすべて2K4K8K対応のモデルになっていますが、2018年よりも以前に設置されたBS/CSアンテナでは、2K(右旋)のみ対応モデルで、左旋の4K8K放送は受信できない場合もあります。また4K8K放送を視聴するためには、アンテナから室内のテレビまでをつなぐアンテナケーブル(同軸ケーブル)配線や、その間に設置されるブースター、分配器などの機器も、4K8K(3224MHz)に対応している必要があるためご注意ください。
STEP4:アンテナ設置は自分で行う?専門業者に依頼する?
地デジ、BS/CSアンテナなどのテレビアンテナをお住まいに設置するには、ご自身で必要なアンテナを購入して取り付ける「DIY」と、アンテナ工事を「専門業者に依頼する」という2つの選択肢があります。
この項目では、それぞれのメリット・デメリットを比較して、ご自身に合った方法をお選びいただくための情報をご紹介します。
以下ではまず、それぞれの方法の主なメリット、デメリットを一覧でまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
自分で設置(DIY) ・業者に依頼する場合の工事費用を節約できる。 |
・高所作業による落下の危険性が非常に高くなる。 ・専門知識がないと正しく設置できず、結局映らないこともある。 ・必要な工具を揃えるのに費用と手間がかかり、業者への依頼と大差なくなる場合もある。 |
専門業者への依頼 ・電波調査を行い、安全かつ確実に設置してもらえる。 ・最適なアンテナと設置場所を提案してくれる。 ・作業がスピーディー。 ・工事後の保証があり、万が一の時も安心。 |
・ある程度の工事費用がかかる。 |
※以上のメリット・デメリットは主なポイントになります。
結論として、特にアンテナを屋根の上など高所に設置する場合は、安全面と確実性から、決してDIYは行われず、アンテナ工事の専門業者へのご依頼を強く推奨します。
ご自分でテレビアンテナをDIY設置する場合の手順とリスク
もしご自身で地デジアンテナ設置に挑戦される場合は、細心の注意が必要です。
主な手順は「設置場所の決定」「アンテナの組み立て」「固定」「ケーブル配線」となりますが、最大の難関は、現場で受信できる電波レベルの確認と、電波塔に向けてアンテナの角度を正確に合わせる「方向調整」になります。この方向調整を怠ると、電波をうまく受信できずテレビが映りません。
近隣にある電波塔の位置や、現場に到達する地デジの電波レベルについて、詳しくは「A-PAB:一般社団法人放送サービス高度化推進協会」公式サイトや、特にサイト内の「地デジ電波レベルのめやす」ページで確認できます。ただこれもおおよその目安であり、実際のお住まいで受信できる地デジ電波レベルについては、周辺環境の影響を受けて変動することもありますのでご注意ください。
そして何より、屋根の上など、慣れない高所での作業は、アンテナ等機材の落下、作業者の転落などの危険が常に伴うことを忘れないでください。そのため、事故の危険性を排除できない高所でのアンテナ設置作業については、DIY作業は絶対に行わないでください。
専門業者に依頼するメリットと費用相場
アンテナ取り付け工事については、専門業者に依頼すれば、安全・確実・スピーディーにアンテナを設置してもらえます。
プロの業者は専用の測定器(アンテナレベルチェッカー)を使って、ご自宅で地デジ電波状況の良い場所を見つけ出し、現場での安定した受信と、お客様のご要望に最適なアンテナ工事を提案してくれます。
費用の相場はアンテナの種類や工事内容によっても異なりますが、アンテナを設置して同軸ケーブルだけによる配線を行う「基本設置工事」の目安は以下の通りです。
- 八木式アンテナ設置工事:25,000円~
- デザインアンテナ設置工事:27,500円~
- BS/CSアンテナ追加設置工事:19,800円~
※上記の費用の目安は、担当する業者によっても変わってまいります。
失敗しない!信頼できるアンテナ工事業者の選び方5つのポイント
アンテナ工事業者を選ぶ際は、料金の安さだけではなく、以下の5つのポイントをチェックされた上で、優良な業者をお選びになることがオススメです。
- 料金体系が明確か:見積もりの内訳が詳細で、見積もり後の追加料金が発生する条件なども事前にしっかり説明してくれる業者を選んでください。複数の業者に「相見積もり」を出すことでも、価格相場の確認や、業者ごとの施工内容の違いも確認して、最適な業者を選ぶことができます。
- 工事は完全自社施工か:実際の工事を下請け業者に丸投げせず、自社の技術者(アンテナ職人)が責任を持って工事を行う業者の方が、担当者が経験豊富である分だけ品質が安定しており、万が一の際の対応もスムーズです。
- 施工実績が豊富か:年間の工事件数など、実績が豊富な業者は、担当する職人や会社がそれだけ多くの経験とノウハウを持っています。
- 長期保証とアフターサポートがあるか:工事後の保証期間が長く、台風などでアンテナに不具合が出た際にも迅速に対応してくれるサービス制度があるかどうかをご確認ください。
- 口コミや評判が良いか:実際にその業者を利用された人の口コミは、業者の対応や技術力を知る上で貴重な情報源になります。ただネットの口コミは、執筆者の主観が混じる、他業者による偽情報が混じるなどのケースもありますので、あまり個々の口コミを鵜呑みにせず、全体的な傾向などからご判断されることがオススメです。
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下請けを使わない完全自社施工に加え、アンテナ本体などの機材も、国際大手アンテナメーカーからの大量仕入れによるスケールメリット(大幅値引き)など専門業者ならではの、コストを抑える企業努力で、高品質な工事を低価格にてご提供しております。
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その他、完全無料(出張料、キャンセル料など含む)の電波調査とお見積もりの実施、相見積もりへのご対応はもちろん、お電話一本での即日工事対応。また工事料金のお支払いは現金だけではなく、各種クレジットカード、電子マネーなどにもご対応しております。
当あさひアンテナでは、上記でご紹介した各種テレビアンテナの取り付けに、国産の高品質アンテナ本体と基本の設置具、同軸ケーブル、防水処理を合わせた「基本設置工事」でご案内いたします。
まず八木式アンテナでは、DXアンテナ製20素子「UA20」による工事を、22,000円(税込み24,200円)からでご案内しております。
デザインアンテナは、DXアンテナ製20素子相当「UAH201」による工事は同じく22,000円(税込み24,200円)から。
またサン電子製の最新20素子相当モデル「WG-20」に、背面のケーブルやブースターなどを隠せる別売り「背面スッキリカバー」のセットによる工事は、25,000円(税込み27,500円)からでご案内いたします。
他にも強電界地域専用ながら、マスプロ電工の業界最小級コンパクトモデルで、付属のスタンドによる室内設置も可能となる、スカイウォーリーミニ「U2SWLC3」の工事も「WG-20」セットと同価格で御提供しております。
ユニコーンアンテナ工事は、現在、弊社では業界最安に挑む「キャンペーン価格」にて承ります。
そして、上記の地デジアンテナと同時にBS/CSアンテナも設置する場合は、DXアンテナ製の45型・2K4K8K対応「BC45AS」による工事を18,000円(税込み19,800円)から。 同じくDXアンテナ製の同性能モデルで、さらに業界最高級の耐風性能を実現した高耐風型「BC453SG」の工事は「特別価格」にて承ります。
上記の他にも、八木式アンテナでは各素子数モデル、高性能パラスタックアンテナ、ローチャンネル用。塩害用、雪害用、ステンレスモデルなど。デザインアンテナでは26素子相当モデル。
BS/CSアンテナではブラックのカラーバリエーション。マンション・アパートなど集合住宅の共同受信用も含めた各ディッシュサイズのモデルもご用意しておりますので、さまざまな現場でのアンテナ工事にご対応が可能です。
またデザインアンテナの屋根裏や天井裏空間への設置も、現場の条件から施工が可能であれば、追加工事費はご無用のデザインアンテナ基本設置工事費にてお引き受けいたします。
テレビアンテナに関するお困りごとや取り付けのご希望は、ぜひお気軽に「あさひアンテナ」までご相談ください。
STEP5:アンテナケーブルの正しい接続方法
テレビアンテナの準備ができたら、あとはテレビと繋ぐだけです。
ここでは意外と間違いやすいテレビとアンテナケーブルの接続方法(テレビとアンテナの繋げ方)を、図をイメージしながら確認していきましょう。
壁のアンテナ端子とテレビの入力端子を確認しよう
まず、お部屋の壁にあるテレビのアンテナコンセント端子と、テレビの裏側にある入力端子を確認します。
通常、テレビの地デジ端子には「地上デジタル」や「UHF」と書かれています。
壁のアンテナ端子と、この「地上デジタル」入力端子をアンテナケーブルで接続すればOKです。
テレビ側にもうひとつ「BS/CS」などと書かれた端子がある場合は、衛星放送(BS放送、CS放送)の端子です。衛星放送もご覧になる場合は、こちらの端子に、衛星放送の電波を送るケーブルを接続します。
「分配器」と「分波器」の違いと使い方
テレビの配線で利用される機器として混同しやすいのが「分配器」と「分波器」です。
役割がまったく異なるので、間違えないようにしましょう。
- 分配器:一基のアンテナから送られるテレビ電波(ケーブル)を、複数のテレビに均等に分けるための機器です。「リビングと寝室、両方にある別々のテレビで地デジ放送を見たい」「同じ部屋でテレビとレコーダーに電波を送りたい」などの場合にテレビの分配器を使います。
- 分波器:壁のアンテナコンセント端子まで地デジと衛星放送の電波が、1本のケーブルに混ざって届いている場合に、それを地デジと衛星放送のの2種類の電波(ケーブル)に分けるための機器です。
ご自宅で設置されているアンテナの種類や、テレビを設置する部屋の数、一部屋に設置するテレビやブースターの数など、お住まいの環境に合わせて、必要な機器を使用してください。
STEP6:テレビの初期設定とチャンネルスキャン
すべての配線が完了したら、最後にテレビ本体の設定を行います。
テレビの電源を入れると、多くの場合、初回起動時に「初期設定」のガイド画面が表示されるので、画面の指示に従って進めてください。
このとき、もっとも重要な作業が「チャンネルスキャン(またはチャンネル設定)」になります。
このチャンネルスキャンとは、お住まいの地域で受信できる地デジ放送のチャンネルを、テレビが受信している電波から自動で検索し、テレビの各チャンネルに登録していく作業です。
リモコンの「メニュー」や「設定」ボタンから、「チャンネル設定」>「地上デジタル」>「チャンネルスキャン」といった項目を選択して実行していきます。
これが完了すれば、お住まいのテレビで、いよいよ地上波テレビ放送、地デジの視聴が可能になります。
【トラブル解決】地上波テレビが映らない!原因と対処法Q&A
上記で適切なステップを重ねて、地上波テレビ放送を受信、視聴できる準備を整えたはずなのに、地上波(地デジ)のテレビ放送が映らないというケースも起こり得ます。
そのようなときは、あわてることなく、まずは以下の項目をひとつずつチェックしてみてください。
非常に簡単なことが原因であり、簡単な対処で解決できる場合も少なくありません。
Q1. テレビにエラーコード「E201」「E202」「E203」が表示される
テレビ放送が正常に映らない場合に、テレビ画面に表示されるエラーコードとメッセージは、テレビなどの機器が、トラブルの原因を自己診断して、その結果を表示しているもので、テレビが正常に映らない原因を特定する大きな手がかりになります。
エラーコードにはさまざまな種類がありますが、テレビに届いている電波(映像信号)に問題があり、テレビ電波を正常に受信できない場合には、主に「E201」「E202」「E203」のエラーコードが表示されます。
以下では、この3つのエラーコードについて解説していきます。
- E201:信号レベルの低下
- 原因:大雨や大雪など、悪天候で電波が弱まっている。アンテナケーブルの接触不良などで、テレビなどの本体に十分なレベルの電波(映像信号)が届いていない。
- 対処法:天候が回復するのを待つ。アンテナケーブルがしっかり挿さっているか確認する。
- E202:信号が受信できません
- 原因:アンテナの向きがズレている、アンテナやケーブルの故障・断線などで、テレビなどの機器に電波(映像信号)がまったく届いていない。または極端な微弱さになっている。
- 対処法:配線部の接続状況、ケーブルに異常はないかなど確認する。アンテナの向きの調整や故障が疑われる場合は、専門業者に相談してください。
- E203:放送休止
- 原因:そのチャンネル(放送局)が放送を休止している。
- 対処法:他のチャンネルが映るか確認する。しばらく待つか、番組表を確認する。
なお、このエラーコードはテレビなど機器の自己診断によるものなので、実際はテレビに電波が届いていない場合でも「E203」が表示されるなど、実際の原因とエラーコードの内容にわずかなずれが生じる場合もありますので、ご注意ください。
Q2. B-CASカードを認識しない・エラーが出る
現在の地上デジタル放送やBS/CSデジタル放送など、デジタルテレビ放送を受信するためのテレビなど機器には「B-CASカード」というICカードが専用のスロットに挿入されています。(同じ役割を持つ「A-CASチップ」を内蔵する一部の4K、8Kテレビを除く)
このB-CASカードは、デジタル放送の著作権保護のため、デジタル信号の暗号化を解除するキーのような役割を持つもので、このカードが挿入されていない、または挿入方法やカードそのものに不具合があると、地デジなどのデジタル放送を視聴できなくなります。
そして「E100」「E101」「E102」など、B-CASカードに関するエラーが出た場合は、まずカードを一度抜き、乾いた布でICチップ部分を優しく拭いてから、正しい向きで奥までしっかりと挿し直してみてください。
それでも状況が改善しない場合は、カード自体の不具合や、テレビ本体のカードリーダーの故障が考えられますので、カードを制作、発行するB-CAS社や、メーカーなどへの問い合わせが必要となります。
Q3. 引っ越しをしたら急に映らなくなった
お住まいを引っ越された際に、元のお住まいから移設したテレビが映らない場合は、以下の点を確認してみてください。
- チャンネルスキャンの再実行:お住まいの地域や受信できる地デジ電波塔が変わったため、チャンネル設定をやり直す必要があります。
- アンテナ端子の確認:新居にあるアンテナ端子の場所を確認し、ケーブルが正しく接続されているか見直します。
- アンテナ設備の有無:そもそも新居にアンテナが設置されているか、不動産管理会社や大家さんなどにご確認ください。
Q4. 特定のチャンネルだけが映らない
すべてのチャンネルではなく、特定の局だけが映らない場合は、そのチャンネルの電波だけが弱く、受信できていない可能性があります。地デジ放送などの各チャンネルにも、チャンネルごとに割り当てられる周波数帯の違いがあり、周波数帯が高いほど、空間やケーブルを送信される際に、減衰(電波の弱まり)しやすい性質があります。
このような場合は、地デジアンテナの方向を少し調整することで改善する場合がありますが、特に高所のアンテナの場合には、個人での調整は危険が伴います。
またアンテナが受信した電波を増幅させる「ブースター」という機器の設置も有効ですが、これも正確な調整には専門的な知識が必要です。
詳しくは当あさひアンテナなど、アンテナ工事の専門業者にご相談ください。
Q5. アンテナレベルを確認する方法は?
多くのテレビなど受信機器には、機器まで届いている電波の強度(アンテナレベル)を確認する機能が付いています。
リモコンの設定メニューから「アンテナ設定」などの項目を探すと、現在の受信レベルを数値やグラフで確認できます。
この数値がメーカーの推奨レベルより低い場合、安定した視聴は難しくなります。その場合、アンテナの角度調整やブースターの設置、生じているトラブルの解消などの対処が必要となります。
アンテナレベルの確認方法や画面の見方などは、テレビの取扱説明書やメーカーの公式サイトなどでご確認ください。
どうしても直らない……そんな時はプロの専門業者に相談!
ご自分で上記のポイントをチェックしても、テレビが映らない原因が分からない、屋根の上のアンテナの調整が必要と思われるなどの場合は、ご無理をなさらず専門業者に相談するのが最善です。
特にアンテナ本体の故障や向きの調整、ブースターなどの設置、調整、高所での危険な作業となり、専門知識も必要なため、やはりプロの業者に任せることが安全・確実です。
当「あさひアンテナ」では、アンテナトラブルの場合も、弊社フリーダイヤルへのお電話一本で迅速に現場まで駆けつけ、原因の調査から修理・交換までご対応いたします。
【PCで録画も!】テレビチューナーを使ってパソコンで地上波を見る方法
お住まいに通常のテレビ受像機はないけれど、パソコンのモニターやチューナーレステレビ(スマートモニター)で、地上波テレビ放送を受信、視聴したり、録画したりして楽しみたいという方には「PC用テレビチューナー」という選択肢があります。
少し専門的になりますが、パソコンやチューナーのないモニターをテレビ代わりにご活用なさりたい方には非常に便利なアイテムです。
PC用テレビチューナーとは?そのメリット・デメリット
PC用テレビチューナーとは、テレビアンテナから受信した地デジの電波を、PCで表示できるように変換してくれる機器です。
チューナーとは、電波に乗せて送られるテレビの映像信号を映像・音声に変換する装置のことで、通常のテレビ受信機器には最初から内蔵されているため、テレビアンテナからのアンテナケーブルを、テレビ本体のチューナー端子に接続するだけで、地デジや衛星放送などのテレビ放送を視聴できるのです。
パソコンのモニターやチューナーレステレビにはこのチューナーが内蔵されておらず、それだけではテレビ放送を視聴することができません。しかしPC用テレビチューナーを用いて映像信号を映像・音声に変換し、モニターなどの入力端子に送ることで、テレビと同様に地デジなどのテレビ放送を視聴することができます。
このPC用テレビチューナーには、主に以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット | デメリット |
---|---|
・PCで作業しながら「ながら見」ができる。 ・HDDに大容量の録画が可能。 ・詳細な録画予約など高機能なモデルもある。 |
・アンテナ設備が別途必要。 ・PCにある程度のスペックが求められることがある。 ・セットアップに多少の手間がかかる。 |
※以上は主なメリット・デメリットです。
PC用テレビチューナーの種類と選び方
PC用テレビチューナーは、主に3つのタイプに分かれます。
- USB外付け型:USB端子でパソコン本体に接続するだけなので手軽に使用できます。ノートPCにもデスクトップPCにも使えます。
- 内蔵型:デスクトップPCの内部スロット(PCI Express)に取り付けるタイプ。PCケース内がすっきりします。
- ネットワーク型:ルーターに接続し、宅内のWi-Fi経由でスマホやタブレットなど複数の端末で視聴できるタイプです。
ご自身のPC環境や、お住まいのどこでテレビを視聴したいかに合わせてお選びください。
おすすめのPC用テレビチューナー3選
この項目では、信頼性が高く人気のあるPC用テレビチューナーを3種類ご紹介いたします。
メーカー・製品名 | タイプ | 特徴 | 価格帯 |
---|---|---|---|
ピクセラ Xit Stick | USB外付け型 | スティックタイプで超小型。ノートPCでのご視聴に最適です。 | 1万円強 |
I-O DATA GV-MVP/AZ | USB外付け型 | 安定した性能で定評あり。デスクトップPCでのご利用にも適しています。 | 1.5万円前後 |
ピクセラ Xit AirBox | ネットワーク型 | スマホやタブレットでも視聴可能。外出先からの視聴にも対応できます。 | 2万円前後 |
地上波テレビ視聴に関するよくある質問
最後に、現在の地上波テレビ(地デジ放送)の視聴に関して、多くの方が抱く疑問について、それぞれお答えしてゆきます。
Q.地上波テレビの視聴は本当に無料?NHK受信料について教えて
現在の地デジ放送は、災害謎の非常時に緊急情報を送信する役割も持つ基幹放送であるため、日本国内であれば、アンテナや受信機器の利用により、不特定多数の誰でも視聴できます。そして地デジ放送の中でも、民放テレビ局(日本テレビ、フジテレビなど)のチャンネルや番組は、広告収入によって運営されているため、視聴者が直接、視聴料金を支払う必要はありません。
一方で、ご自宅にテレビチューナーが内蔵された機器(テレビ、PCチューナーなど)を設置した場合、放送法によりNHKとの受信契約を結び、受信料を支払う義務が発生します。これはNHKの番組を見る・見ないに関わらず適用されます。
Q.「ワンセグ」って何?今でも使える?
「ワンセグ」とは、地上デジタル放送で、各チャンネルに割り当てられる周波数帯の、13個のセグメント(周波数帯を分けたもの)のうち、放送に使われない1個のセグメント(ワンセグメント)を使って、画面の小さなかつての携帯端末(ガラケーなど)向けに放送されるサービスのことです。これに対し、通常の地デジ放送は、他のすべてのセグメントを使うため、フルセグ(フルセグメント)と呼ばれます。
かつては多くの携帯電話やスマートフォンにワンセグ機能が搭載されていましたが、現在では画面の大きなスマートフォンや、TVerなどのインターネット配信が主流となり、ワンセグ対応の端末はほとんど販売されていません。
ただワンセグ放送には、地デジ放送と同じ放送内容を携帯端末で視聴できる。フルセグより受信しやすいなどのメリットがあるため、非常用など含むポータブルテレビ・ラジオ受信機器などにワンセグ受信が採用されていることもあり、現在でもワンセグ放送は続いています。
Q.地域の放送局(ローカル局)の番組を見る方法は?
東京都の東京MX、千葉県の千葉テレビなど、特定の都府県だけに存在する独立放送局により、その都府県内のみを対象に放送されるローカル局(地方局、地方チャンネル)の番組は、基本的にはその地域内(または隣接する都府県の境界付近)で、地デジアンテナを設置して受信、視聴する必要があります。
ただし、近年ではTVerや各局の独自サービスで、一部のローカル番組が見逃し配信されているケースも増えています。
ローカル局でご覧になりたいテレビ番組がある場合は、一度公式サイトなどで配信状況を確認してみるとよいでしょう。
Q.今日のテレビ番組表はどこで確認できる?
地デジ放送の各チャンネルで放送される、今日の番組表を確認するには、いくつかの方法があります。
- テレビのリモコン:「番組表」ボタンを押せば、電子番組表(EPG)が表示されます。
- Webサイト:「Yahoo!テレビ.Gガイド」などのサイトで、地域ごとの詳細な番組表をPCやスマホから確認できます。
- 専用アプリ:「Gガイド番組表」などのアプリをスマホにインストールしておくと、いつでも手軽に確認・検索ができて便利です。
まとめ:ライフスタイルに合わせて地上波テレビを楽しもう
今回の記事では、地上波テレビ放送、いわゆる地デジ放送を視聴するための、さまざまな方法をご紹介しました。以下、主な視聴方法を簡単にまとめます。
- 手軽さ重視なら:テレビなしでもスマホやPCで見られる「TVer」がおすすめ。
- 画質・安定性重視なら:ご自宅に「テレビアンテナ」を設置するのが最適。
- PCを活用したいなら:「PC用テレビチューナー」という選択肢も。
インターネット動画が全盛の時代ですが、世の中の出来事をリアルタイムで知る、連続の人気ドラマ、アニメなどをを週一で楽しむ、家族や友人、もしくはインターネット上にて共通の話題で盛り上がるなど、地上波テレビ放送には、今も昔も変わらない独自の魅力があります。
お客様のライフスタイルに合った地デジ放送のご視聴方法を見つけていただき、テレビコンテンツを自由に楽しんでいただければ幸いです。
そして、もしテレビアンテナの設置や修理などの工事、テレビが映らないといったトラブルでお困りの際は、当「あさひアンテナ」にお任せください。
アンテナ工事のプロ集団として、専門知識と豊富な経験で、お客様の快適なテレビ視聴環境を実現すべくサポートします。
アンテナ工事や地デジ、衛星放送のトラブルなど、アンテナやテレビのご視聴に関するご相談は、どのようなことでも、弊社フリーダイヤルへのお電話。また弊社メールフォーム、LINEアカウントまで、まずはお気軽にお問い合わせくださいませ。