BS/CS衛星放送は映るのに地デジ放送が映らない場合の対処法

2022年08月02日

21世紀現在のテレビ放送では、地上派放送だけでなく衛星放送もすっかり定着しています。

一般の幅広い層向けのニュースや娯楽番組を放送する地上波デジタル放送(地デジ)に対し、衛星放送のBS/CSは、映画並みのクオリティを誇るドラマやより専門的な番組を放送する他、有料の専門チャンネルでは、映画、テレビドラマ、時代劇、アニメ、スポーツ、お笑いなど、多彩なジャンルでより細分化した、個人の嗜好に合わせた番組を楽しむこともできます。

 

現在ではご自宅の大画面テレビで、日常の娯楽や身近な情報のための地デジ放送、そしてより高品質な作品や個人の趣味に合わせた番組を楽しむための衛星放送と、両方を楽しんでおられる方も多いと思われます。

ただ皆様もよくご存じとは思いますが、地デジ放送とBS/CSの衛星放送では、テレビ放送の受信方法が根本的に異なります。テレビアンテナも地デジ用とBS/CS用は別個になります。そのためときにご自宅のテレビで、地デジ放送、衛星放送のどちらか一方はきちんと視聴できるのに、一方だけが映らないといったトラブルに見舞われることもございます、

 

当コラムでは主に、ご自宅のテレビで、BS/CSの衛星放送は映るのに、地デジ放送のチャンネルだけが映らなくなった、という事態について、その原因と、ご自宅で可能な対処方法について、2022年(令和4年)度の最新データを元にご説明いたします。

やや特殊なトラブルであるだけに、その原因は限られてまいります。このコラムを元に、地デジと衛星放送、それぞれの基礎知識と考えられる原因をご理解なされた上で、適切な対処を取っていただければ幸いです。

 

【テレビ放送「地デジ」「BS/CS(衛星放送)」の違い】

まず基本事項として、地デジ放送と、BS/CSの衛星放送についての基本的な違いをご説明しておきます。

 

・地上波デジタル放送

地上波デジタル放送は、従来の地上波アナログ放送から2011年(平成23年)7月24日、完全に切り替わった新たな地上波のテレビ放送です。テレビ電波で送られる放送データが従来のアナログからデジタルに転換されたことでデータの圧縮が可能となり、同じ電波でより大量かつクリアな情報を送ることが可能になりました。そのためハイビジョン放送の高画質、高音質や、データ放送、副音声、画面分割など、従来にはなかったさまざまな性能が追加されました。

地デジ放送は、従来のアナログ放送と同じく、東京都墨田区に位置し、東京都の大半や、周辺の神奈川県、埼玉県、千葉県その他、広範なエリアに電波を送信する東京スカイツリー。関西では大阪府と奈良県の中間、生駒山山頂に位置し、大阪府の大半や京都府、兵庫県、奈良県の一部などをカバーする大阪局。その他、日本各地の要所に設置された地デジの「中継局」から電波を発信しています。

日本国内では、電波が届きにくい山間部や過疎地などを除く、多くの地域に中継局が設置されており、人口の多い市街地、住宅地など主要地域であれば、おおむね地デジ電波が受信できます。

ただ前述のように、人口が少ない一部エリアの付近には中継局が存在しないことがある他、中継局から距離が遠く、地デジ電波を受信しにくいなどの地デジ難視聴地域も、日本の各地に存在します。

また地デジ放送の視聴には、自宅に地デジアンテナを設置して地デジ電波を受信する必要がございます。また視聴のために必要な地デジチューナーは、現在のテレビやレコーダーなど視聴機器のほぼすべてに最初から内蔵されています、

現在の地デジアンテナ機種は、主に「八木式アンテナ」「デザインアンテナ」「ユニコーンアンテナ」の3種類になります。基本的に地デジ放送は、アンテナやテレビなど機器の設置費用を除けば、無料で視聴できるのが最大のメリットです。

 

・衛星放送(BS/CS)

いわゆるBS、CS放送の衛星放送は、赤道上空、約36,000キロに位置し、地球周回軌道を回り続ける人工衛星から、地球上へと放送電波を送るテレビ放送のことです。放送用の人工衛星の静止軌道からは、地球のほぼ半球が常に一定の方向で捕捉され続けるため、地上の電波塔を用いる地上波デジタル放送に比べて、はるかに広範囲で受信することが可能です。

そのため衛星放送は、地デジ放送に比べて、山や建物など障害物が多い地域でも電波が乱れない。大容量の情報を効率よく広域に送信できる。地球上で起こる災害などにも強いなどのメリットがございます。

日本国内での衛星放送には、BS放送と、CS放送の2種類があります。

BS放送は「Broadcasting Satellites放送」の略で「放送衛星」を利用した衛星放送になります。一般家庭での視聴を目的とした衛星放送であり、現在は東経110度に打ち上げられた放送衛星が運用されています。

一般視聴を目的とするBS放送には「NHK-BS1」「NHKBSプレミアム」や「BS日テレ」「BS朝日」など、地上波と同じくNHK、広域民放のチャンネルがあり、これらは地デジ放送と同じくアンテナや機器の設置により無料でご視聴いただけます。他にも「WOWOW」「BSスカパー!」など有料の専門チャンネルが多数あり、これらはチャンネルごとに契約を結び、月額料金を支払うことで視聴できます。

CS放送は「Communication Satellites放送」の略で、BS放送とは異なる「通信衛星」を利用した放送のことです。現在、CS放送で視聴できるテレビ放送サービスは、110度CSデジタル放送「スカパー!」と、124/128度CSデジタル放送「スカパー!プレミアムサービス」の2種類です。CS放送の特徴はその多チャンネル性にあります。映画、アニメ、テレビドラマ、海外ドラマ、スポーツ、音楽、お笑いなどの幅広い専門チャンネルから、さらには「時代劇専門チャンネル」「日本映画専門チャンネル」「東映チャンネル」など、よりジャンルが細分化されたチャンネルも存在するため、幅広い趣味に合わせた番組を視聴できます。

2022年現在、「スカパー!」は80チャンネル以上の多チャンネルで多くがハイビジョンに対応。「スカパー!プレミアムサービス」はより多い140チャンネルで、すべてがハイビジョンに対応しています。ただ両サービスとも一部を除き、ほぼすべてが有料チャンネルで、視聴するためには各サービス専用のアンテナや機器を設置した上、それぞれの基本料金および、各チャンネル単位、または数チャンネルパックの月額契約料金が必要です。

BSおよびCS(スカパー!)の衛星放送を視聴するためには、パラボラアンテナであるBS/CS110度アンテナおよびBS、CS対応チューナーの設置が必要です。ただ現在のテレビ、レコーダーなどの多くには、やはり最初からBS、CS対応のチューナーが内蔵されています。

また「スカパー!プレミアムサービス」は通信衛星の位置が異なるため、視聴には専用のアンテナとチューナーが必要となります。ただ一台のアンテナで、BSおよび110度CS(スカパー!)、124/128度CS(スカパー!プレミアムサービス)のすべてを受信できる「3波対応アンテナ」も用意されています。

ただBS/CS110度アンテナは、人口衛星からの電波が届く東経110度の角度に向けることが必須のため、その方向に山や建物などの障害物がある場合には受信不良となり、障害物を避けるアンテナ設置が必要となります。他にも豪雨、豪雪などの際には、雨や雪による乱反射で衛星電波が乱れ、受信不良、受信不能などが生じることもございます。

 

また地デジ、衛星放送とも、アンテナで放送電波を受信する他、光回線を使った光テレビや、ケーブルテレビでも視聴できます。これらの視聴方法には月額料金が必要ですが、地デジと衛星放送の多くのチャンネルをまとめて視聴できる。地デジ電波の受信が難しいエリアでも安定して視聴できるなどのメリットがございます。

 

【地デジ受信不良の原因とその対処方法】

前述のように地デジとBS/CS放送は、受信や視聴のために使用するアンテナやチューナーが異なります。ただご自宅に両方のアンテナを設置し、両方のチューナー、または内蔵された機器を使用することで、一台のテレビで両方の放送を視聴できます。

ただ、地デジ、衛星放送とも、それぞれテレビ電波から、使用するアンテナやチューナーが異なるため、どちらか一方は正常に視聴できても、もう一方の視聴に問題が出るケースもございます。

 

ここで解説する、BS/CS放送は正常に映るのに、地デジ放送のみが映らない、映像に問題が出るといったケースでは、主に地デジ電波や自然環境などの影響による外的要因と、自宅にある機器の不備、不調などによる内的要因が考えられます。

 

(外的要因で考えられる原因)

1:一般的な地デジ電波障害。

これまで安定して地デジ電波が受信できていた現場で、急に電波状態が悪化した場合には、何らかの形で電波障害が発生している可能性が考えられます。例えばこれまで中継局から自宅のアンテナまでの間、地デジ電波が送られていた空間に高層マンションなどが建設され、地デジ電波が遮断されてしまうと、自宅に届く地デジの電波状態が悪化します。

また逆に地デジ中継局の直近など地デジ電波が強いエリアなどで、周辺環境の変化により、受信できる地デジ電波が強くなりすぎた場合も、かえって地デジ放送の画面の乱れや、映らないなどの問題が生じてまいります。

このような場合は快適な受信が可能になるよう、地デジアンテナの位置の調整や、別の場所に再設置する。また受信したテレビ電波を適切な強度に増幅するアンテナブースター(電波増幅器)を設置するといった対策がございます。逆に地デジ電波が強すぎて視聴に問題が出る場合は、テレビ電波を適切な強度にまで弱めるアッテネーター(減衰器)を設置するという方法がございます。

その他、電波障害の詳細に関しては、以下のコラムをご確認ください。
地デジ、衛星放送で起こりえる電波障害の種類とその対処法

2:悪天候や自然災害などによる不具合。

地デジ、衛星放送などのテレビ電波は、一年を通して、天候、気候などによってもある程度、変化いたします。

そのため、もともと一帯の地デジ電波状態がよくなく、アンテナが受信する地デジ電波が弱い現場では、天候などの影響により、地デジ受信に問題が起こるケースもございます。このような場合は、高性能アンテナの設置やブースターの設置によって改善が見込めます。

さらに設置から年月が長く、老朽化が進んだアンテナで、豪雨や豪雪、また台風や地震などに見舞われると、急に地デジ放送が映らなくなるなどの問題が生じるケースもございます。これは自然災害により、地デジアンテナの位置がずれる、倒れるなどのトラブルが発生し、正常に受信できなくなった可能性が考えられます。

このような場合では、台風や地震などの災害が収まった時点で、すぐに屋根の上などの地デジアンテナを確認する必要がございます。そして特にアンテナが倒れるなど、大きな破損が発生していた場合は、アンテナの落下による重大な事故などが発生する危険性もあるため、専門のテレビアンテナ工事業者に依頼するなどして、早急な復旧が必要です。

なお地デジアンテナが台風、地震などによって倒れても、地デジ電波状態がよい現場では、そのまま地デジ電波を受信できるケースもございます。ただいずれにせよ倒れたアンテナは大きな事故を招くリスクがあるため。大きな自然災害の後は、念のためにテレビアンテナを確認することが必須といえます。

 

3:チャンネルの放送中止。

テレビ画面に「E203」のエラーコードが表示されている場合は、選んだ放送局がチャンネル放送を休止しているという意味になります。番組表などを確認して、そのチャンネルが放送を休止していないか確かめてください。このような場合は、同じ地デジ放送で別のチャンネルを選択し、そちらがきちんと視聴できるようであれば、特に問題はございません。

ただ、放送局が放送休止を行っていないのに「E203」が表示される場合は、地デジ電波の受信状態が良くないことも考えられるため、アンテナやケーブルの状態を見直します。また一度テレビの電源を切り、コンセントを抜く、そして1分ほど待ってからふたたび電源を入れて、チャンネル設定を行うことで改善される可能性もあります。

地デジ放送の問題に関係する、その他のエラーコードには、主に以下のようなものがございます。

「E100」

後述する「B-CASカード」が挿入されていない場合に表示されます。カードを抜いて汚れを落とし、設置しなおすなどで改善されることがございます。

「E101」

B-CASカードがうまく読み取れていない場合に表示されます。やはり同じ方法で改善されることがございます。

「E102」

B-CASカードが認識されていない場合に表示されます。B-CASカードがきちんと挿入されているかどうかを確認してください。

「E103」

契約されていない有料放送のチャンネルを選択している場合に表示されます。無料放送や契約しているチャンネルに切り替えて、きちんと映れば特に問題はございません。

「E200」

放送されていないチャンネルを選択した場合に表示されます。やはり視聴できるチャンネルに切り替えて映れば問題はございません。

「E209」

テレビとアンテナの接続に不具合が生じている場合に表示されます。この場合は、アンテナケーブルをいったん外し、ケーブルとテレビ側の接続端子の汚れを落とす。またテレビの電源を切ってしばらく置き、アンテナケーブルを接続しなおして、テレビの電源も入れ直すことで改善されるケースがございます。

 

(内的要因で考えられる原因)

1:アンテナケーブルの接続不良。

アンテナからテレビなどのチューナーまで延びるアンテナケーブルの配線が正しく接続されていない場合や、極端に折れ曲がるなどして負荷がかかっている。接続が緩くなっている。また接続部に汚れがたまっているなどの要因で地デジ放送が映らないこともございます。

テレビ本体に接続されているアンテナケーブルや、壁のアンテナ端子を確認してみてください。ケーブルをいったん外して、ケーブルおよび機器の接続部を、掃除用クロスで丁寧に拭いて汚れを落とし、しっかりと接続しなおすなどの処置も行ってください。またケーブル自体が劣化している場合もあるため、その場合はケーブルの交換が必要です。

またテレビにブルーレイ/HDDレコーダーなどの録画再生機器を接続している場合は、まずアンテナケーブルをレコーダーのアンテナ端子に接続し、レコーダー側のアンテナ出力端子から短いアンテナケーブルで、テレビのアンテナ端子へと接続している、またはその逆になります。このような複雑な経由の途中でトラブルが発生するケースもございますので、すべてのアンテナケーブルと接続部の確認が必要となります。

アンテナケーブルの種類や接続方法などに関しては、以下のコラムをご確認ください。
アンテナとテレビを結ぶアンテナケーブル、その種類と性能を徹底解説!

2:テレビ本体のチャンネル設定が正しくない。

前述のように地デジ放送の中継局は地域によって異なるため、テレビを設置する際には、最初にそのエリアに合わせたチャンネル設定が必要となります。このチャンネル設定が地域と一致していないと、地デジ放送はきちんと映りません。

新品のテレビを設置した際の他、引っ越してテレビを違う地域に設置した、テレビのリセットを行いチャンネル設定も初期化されたなどの場合は、あらためてチャンネル設定が必要となります。テレビのメニュー画面から設定画面などを選択し、エリアに合わせたチャンネル設定をやり直してみてください。

 

3:アンテナの受診強度が弱すぎる、または強すぎる。

前述のように地デジ電波は、適度なアンテナレベルより弱くとも、逆に強すぎても画像が乱れる原因となります。

地デジ電波が弱い場合は高性能アンテナブースター、強すぎる場合はアッテネーターの設置により問題の解決を望めます。特にマンションに住んでいる場合は、地デジ電波が強すぎる不具合が多く出る傾向にあるため、その場合はまず管理会社にご相談ください。

 

4:アンテナの角度や向きが変わっている。

やはり前述のように、台風や地震など自然現象の影響、その他の要因により、地デジアンテナの角度や向きが変わった場合も、地デジ電波が十分に受信できなくなることがございます。この不具合は基本的にアンテナの角度や向きを修正することで改善します。

地デジアンテナがベランダなど、安全に作業できる位置に設置されている場合は、自分でアンテナの方向を調整することも可能です。ただアンテナの方向調整はミリ単位で受信感度が大きく変化する微妙な作業であり、またアンテナを落下させる危険性などもございます。

特に屋根の上に設置されている地デジアンテナの場合、一般の方による調整作業には大きな危険が伴います。地デジアンテナの調整作業は、基本的に専門のアンテナ工事業者に依頼するのがおすすめといえます。

 

5:アンテナからテレビなどの間にあるブースター分配器、混合器・分波器などの問題。

通常、テレビアンテナから、テレビ本体などのチューナーとの間には、ケーブルだけでなく、さまざまな機器が設置されています。

まずアンテナのすぐ近くには、前述したテレビ電波を増幅するブースターが設置されます。そして現代では住宅内の多くの部屋で複数台のテレビが設置されるため、アンテナとブースターからのケーブルを各部屋に分け、テレビ電波を等分に分配する分配器も設置されます。

このブースターを通した時点で、個々の部屋に送られるテレビ電波が部屋数分で割られて弱くなるため、現代の住宅にブースターの設置は必須となります。他にも地デジとBS/CSアンテナなど、二台以上のアンテナが設置されている場合には、それらのテレビ電波を一本のケーブルにまとめ、チューナーの前で分離する混合器/分波器(機器そのものは同じ)などがございます。

これらの機器に老朽化などでトラブルが生じた場合は、ブースターであればテレビ電波が必要な強度に増幅されず、テレビなどの側で受信できない。分配器であれば一部、またはすべての部屋に電波が届かないなどの問題が生じます。

特に混合器・分波器のトラブルでは、合わさった地デジ、衛星放送など二種類のテレビ電波のうち、チューナー側でどちらか一方しか受信できなくなることがあり、まさにタイトル通り「BS/CS放送は視聴できても地デジが映らない」状態も起こりえます。

これら機器のトラブルについては、機器ごとに自宅でできる対策もございますが、詳細は長くなりますので、それぞれ別コラムにまとめています。ただアンテナ機器のどこでトラブルが起きているかわからない、対処が難しいなどの場合は、専門のアンテナ工事業者に点検、修理を依頼することをおすすめします。

各機器についての詳細は、以下のコラムをご確認ください。
ブースターの役割とは
アンテナ工事の「分配器」とは何?「分波器」「分岐器」との違い
テレビアンテナの分配器の設置・接続、交換方法と注意点

 

6:テレビ本体の故障。

テレビ本体の故障で地デジ放送だけが映らないケースも考えられます。特に長期間、使い続けたテレビは、基盤などの各部に劣化が生じて、さまざまな部分に不具合が生じることがございます。テレビの不具合によって地デジ放送が映らないと思われる場合は、テレビのメーカーや修理業者に相談するか、古いテレビであれば買い替えを検討するという方法がございます。

また比較的、新しいテレビで不具合が起きた場合は、メーカーおよび、購入した大手家電店での長期有償保証の期間中であることも考えられます。保障により無償で修理が受けられるケースが多くなりますので、該当するテレビの保証期間についてご確認ください。

テレビの不具合とその確認法や対処法、また故障を避ける使用法などは、詳しく解説すると長くなるため、やはり別のコラムにまとめております。そちらをご参照ください。

テレビ本体の不具合・故障とその原因、症状別の対処法と修理費用

7:B-CASカードの不具合。

前述したB-CASカードとは、デジタル放送受信機、テレビやレコーダーなど、地デジ、衛星放送のチューナーが内蔵される機器に同梱されているICカードです。BS・110度CS・地上デジタル対応受信機には赤色の「BS・CS・地上共用カード」。地上派デジタル専用受信機には青色の「地上デジタル専用カード」が同梱されます。またケーブルテレビの場合は橙色のB-CASカードが使用されます。

このカードは、地デジ、衛星放送などの著作権保護や有料放送、双方向サービスのために利用されるものです。そのためB-CASカードが挿入されていないテレビなどの機器では、テレビ放送を視聴できません。

このB-CASカードの不具合により、地デジなどのテレビ放送が視聴できないケースもございます。その場合は前述したエラーコードが表示されることが多くなります。

一度、B-CASカードを外してICチップ部などの汚れを落とし、正しい方向にしっかりと挿入しなおしてください。それでも回復しない場合は、B-CASカードそのものか、機器側のカード読み取り部が故障している可能性も考えられます。放送がきちんと映る機器のB-CASカードと入れ替えて正常に映る場合は、B-CASカードに問題があるとみられ、カード再発行の手続きが必要となります。

 

8:テレビの放送チャンネルが地上派アナログにセットされている。

かつての地上波アナログ放送は、現在の地デジ放送へ完全に切り替って以降、現在ではまったく視聴できなくなっております。しかし現在でも、10年以上前のテレビやレコーダーなどの機器のリモコンには「地上波アナログ」のボタンがついております。

2022年現在、このアナログボタンを押して、テレビなどを地上波アナログ放送の受信に合わせても、放送が行われていないため、画面には何も映りません。

そして古い機種のテレビなどでリモコンの操作を誤り、気づかないうちに「アナログ放送」に合わせていることもございます。その場合は「(地上波)デジタル」や「BS」「CS」など、ご自宅で視聴できるテレビ放送のボタンに合わせることで、地デジなどの放送をきちんと視聴できるようになります。

 

9:室内環境や配線に問題がある。

アンテナからの地デジ電波の受信に問題がない場合は、ケーブル類などの問題が考えられます。

テレビなどテレビ放送の視聴機器にはアンテナケーブルの他に、コンセントに接続する電源ケーブル。またレコーダーやゲーム機など、他機器と接続して、1本で他機器と高品質な映像と音声をやり取りできる「High-Definition Multimedia Interface(高精細度マルチメディアインターフェース)」の略、HDMIケーブルなど、さまざまなケーブルが接続されています。

特にレコーダーやゲーム機などの各種機器と接続している場合は、配線が複雑になります。そしてテレビの向きを変えるなど、部屋の模様替えを行った際に、これらのケーブルの接続が緩む、抜けるといった可能性もございます。特に地デジ放送は、配線が少しゆるんだだけでも急に映らなくなることがございます。

これら各種ケーブルについても、接続具合や極端に折れ曲がっていないかなどをチェックし、接続部分を外して双方の汚れを落とした後、しっかり接続しなおす。劣化している場合は交換するなどの対処が必要です。またテレビ本体や接続している機器、また周辺の家具などを動かした際には、ケーブルが引っ張られる、折れ曲がるなどの影響にも気を付けてください。

 

(地デジ放送でも特定の番組、チャンネルだけが映らない場合)

前述した地デジの放送局は、スカイツリーなど大型のものであれば、一か所からNHK、広域民放、その都道府県ごとの地方局のすべての地デジ電波を送信していることが多くなります。しかし地方によっては、NHKや民放、地方局が別々の中継局から送信されており、それぞれのテレビ電波の方向が異なることもございます。また地デジ電波の強度も中継局によって異なるため、同じ現場でも、特定の局の地デジ電波だけが受信できないケースも考えられます。

このようなエリアの場合、すべての地デジ局を受信するためには、NHK、広域民放用と地方局用、二台の地デジアンテナ設置が必要なこともございます。

 

【地デジが映らない場合には「アンテナレベル」をチェック】

自宅にあるテレビで地デジ受信に難が出た場合には、そのテレビでの受信状態を確認するため「アンテナレベル」のチェックが必要となります。アンテナレベルとは、アンテナが受信しているテレビ電波の強度を、主に0から100の数字で表現したものです。

アンテナが設置されているエリアの電波状態が良く、アンテナが的確に設置されているほど、この数値は大きくなります。

機種やメーカーによって、表示方法や数値の基準などに違いはありますが、快適なテレビ放送の視聴のためには、アンテナレベルで45から60以上の数値が必要とされています。

 

アンテナレベルの確認は、テレビからの操作により簡単に可能です。具体的な確認方法は、ご自宅のテレビのメーカー、機種などにより細かい違いがございますが、おおまかな流れはほぼ共通しています。自宅にあるテレビの正確なアンテナレベル確認方法は、テレビ内のガイダンスや、付属のマニュアルなどで確認して行ってください。

 

基本的なアンテナレベルの確認方法は、

・テレビの電源を入れ、「メニュー」「スタート」画面などから「本体設定」などに類する項目を選択する。

・「アンテナ設定」「放送受信設定」などの項目を選択する。

・「電波、受信強度」に類する項目を選択する。

・画面に表示される「アンテナレベル」を確認する。

というものになります。

 

表示されるアンテナレベルの数値も、基準はメーカーによってやや異なりますが、各メーカーの目安としては、おおむね以下の通りです。

・パナソニック:44以上。

・シャープ:60以上。

・東芝:22以上。

・三菱:50以上。

・日立:60以上。

・ソニー:緑。(色で表示)

 

各メーカーの機種で以上のレベルを超えていれば、安定してテレビ電波が受信できるアンテナレベルにあります。

テレビ受信が不安定になるほどアンテナレベルが低い場合は、周辺の電波状態が悪化しているか、テレビアンテナ、また各種機器にトラブルが出ていると考えられます。「0」であればアンテナや各種機器の大きな故障、また接続やケーブルがどこかで途切れている可能性もございます。逆にアンテナレベルが高すぎる場合は、前述のアッテネーターの設置で対応します。

 

【まとめ】

現在、使用しているテレビで、BS、CSの衛星放送は別として、地デジ放送のみが映らなくなった場合の基本的な対処法を、もう一度まとめておきます。

 

1:テレビの電源ケーブルがコンセントに接続されているか、主電源が入っているかを確認する。

2:B-CASカードの挿入、ケーブルの接続に問題はないかを確認する。

3:番組表などで該当する放送局の放送が休止していないかを確認する。

4:テレビの本体設定からアンテナレベルを確認する。

5:アンテナレベルが低い場合はアンテナ本体や関連機器の確認、調整や、ブースターの設置、交換などを行う。高すぎる場合はアッテネーターを設置する。

 

以上の確認を経ても回復しない場合は、地デジアンテナ本体や関連する機器などに問題がある可能性が高くなります。

アンテナ本体や機器の点検は、専門の知識や機器、また危険な高所での作業などが必要となり、個人での修復は難しくなります。当コラムを参考にした対処で回復できない場合は、当あさひアンテナフリーダイヤルメールフォームLINEをはじめ、お住いのエリアに対応するアンテナ工事の専門業者などにお問い合わせください。

 

また当コラムとは正反対に、BS/CS放送は映るのに地デジが映らなくなった場合も、その原因や対処方法には共通点が多くなります。

そちらの場合は以下のコラムをご参照の上、対処法などをご確認ください。

地デジ放送は映るのにBS/CS衛星放送が映らない場合の対処法

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アンテナ本体 型番

  • デザインアンテナ

    型番:UAH201(最新モデル)
    (同軸ケーブル:白か黒の2色のうち、おすすめは外壁になじむ色)

    工事費込み 25,000円(27,500円税込)

    カラーバリエーションはオフホワイトライトブラウンスーパーブラックブラックブラウンの4色から現場で選択することが可能です。同じUHF20素子相当のデザインアンテナを比較した場合、業界トップクラスの受信性能、高利得を誇る大手DXアンテナ社製。本体の厚みはわずか119mm、サイズは高さ590mm×幅220mmで業界最小クラス。コンパクトサイズのため狭い屋根裏や天井裏などへの取り付けも最適。壁面に取り付けの場合は、極細のビスを6箇所打ち込んで金具を取り付け、金具にガチャンと本体をはめ込みボルトを締めるだけの簡単施工が可能なため建物へのダメージを極力軽減できます。ブースターが必要な場合はUAH201の背面にスッキリ取り付けられる構造になっており、表にブースターが露出しないので外観もキレイに保てます(弊社では電波状況が悪くない限り、なるべくブースターも屋内の、分配器の近くに隠してしております)。修理の場合、ブースター内蔵タイプのデザインアンテナとは異なり、ブースターだけの交換をできるメリットがあります。太陽光発電システムや片流れ屋根で屋根上に屋根馬を立てられず昔ながらの八木アンテナを設置できない住宅にも最適。耐風速(破戒風速)50m/sですが、屋内や外壁など、強風の影響を受けにくい取り付け位置と形状をしているため、災害にも強いアンテナとなっております。当店人気ナンバー1の地デジアンテナでございます。

  • 八木アンテナ

    型番:UA20(最新モデル)
    工事費込み 22,000円(24,200円税込)

    その昔、八木秀次博士が発明した形状(魚の骨のような形状)からマイナーチェンジを繰り返し洗練されたフォルムとなり、中・弱電界エリアにも対応可能な安心のDXアンテナ社製。UHF20素子アンテナの性能で、吹きさらしで障害物の少ない屋根上に設置することが多いため利得が高くなっております。万が一、壁面や屋内でデザインアンテナを取り付けられない物件 にも最適。従来の鉄製の太いワイヤーとは異なり、ステンレス製の丈夫で錆びにくいワイヤー(支線)を採用。アンテナマストから屋根の四隅に向けて4本の支線を張り巡らせ、さらに張り巡らせた支線の途中からも屋根馬に向けて4本の支線をバランスよく張り、合計8本の支線で頑丈に設置しております。サイズは51.8cm×34cm×101.4cmとなっており、VHF(アナログアンテナ)と比較して、大幅なサイズダウンと軽量化がなされています。しかも耐風速(破壊風速)50m/s。地デジ放送が始まる前の時代より、屋根上に設置するアンテナは災害に強くなっていると言えるでしょう。当店で人気ナンバー2の地デジアンテナでございます。

  • 2K4K8K対応 BS/CS110度アンテナ

    型番:BC45AS(最新モデル)
    工事費込み 18,000円(19,800円税込)

    2018年12月1日以降、実用放送開始予定の4K8K衛星放送(NHKのみ4K&8Kを同時配信)に備えてオールマイティーなDXアンテナ社製のBC453をBS放送、CS放送をご覧になりたいすべての方へ提供しております(大規模な集合住宅は例外)。従来の2K専用BS/CS110 度アンテナと同じでサイズで円盤の直径は45センチ。そうでありながら、電送周波数の帯域が広いため、従来のフルハイビジョン(2K放送・約200万画素)からスーパーハイビジョン(4K放送・約800万画素/8K放送・約3,300万画素)まで受信可能です。「大は小を兼ねる」と言えます。2020年のオリンピックに向けて4K8Kの実用放送がますます拡充されるということが総務省より発表され、各メーカーの4K8Kテレビは増産がはじまり、その価格も落ち着いてきました。そのような状況のなか、あさひアンテナにも2K4K8K対応BS/CS110度アンテナの問合せが数多く寄せられております。最新式のアンテナでも、大量仕入れでコストをおさえて仕入れておりますので、低価格を実現できました。