テレビ画面の映りが悪くなる原因とその対策
2012年に日本の地上波テレビ放送がアナログからデジタルに完全移行してから、今年(2018年)で6年目になります。
アナログ放送の時代は、ハイビジョン放送など夢のまた夢でした。また電波状態が悪いと、画像のゆがみやちらつきが見られるのも珍しくありませんでした。アナログ放送で電波が受信できなくなったときや、深夜の放送終了時などに、灰色と黒が激しくざらつく「砂嵐」という画面は、実際にはほとんど見られなくなった現代でも、鈴木光司さんのベストセラー小説を原作にしたホラー映画「リング」シリーズで有名な怨霊の「貞子」が、テレビ画面から這い出てくるシーンでよく知られています。
ただ地デジ放送に完全移行した現代では、アンテナの故障などでテレビ画面に「e202」などのエラーコードが表示され、地デジ放送が映らなくなることはあっても、アナログ時代のように画面が乱れることはないと思っている方も多いのではないでしょうか。しかし地デジ放送でも電波状態が悪くなれば、ブロックノイズなどの画像の乱れは発生します。
ここでは、ご自宅で地デジ放送の画像が乱れる、映らなくなくなるというトラブルに見舞われた方のために、地デジ映像が乱れる主な原因とその対策をご説明していきます。テレビ本体や機器などの不調であれば、ご自宅での簡単な調整で直せることもあります。もしご自宅で地デジ映像が乱れた際は、ここを参考にして対処してください。
ただ、原因がアンテナや機器の故障である場合は、作業に伴う危険も含めて、ご自宅で対処することは難しくなります。必ず専門のアンテナ業者に調査と修理を依頼してください。当あさひアンテナでは、ホームページのメールフォームとフリーダイヤルにて、アンテナトラブルに関するご相談を常時受け付けております。ご相談は無料で、現場が関東全域であれば、ご要望によっては即日で修理に駆けつけます。アンテナに関して少しでも気になることがあれば、どうかお気軽にご連絡ください。
地デジ放送の映りが悪い症状について
地デジのテレビ放送において、画面に乱れが生じる、映らないというトラブルには、いくつかのパターンがあります。
まずテレビ画面の乱れで言えば、画像がモザイク上に乱れるブロックノイズや横線などが入るといった状態です。これはほとんどが、アンテナからテレビに届く電波の受信レベルが低いことで発生します。
どのチャンネルを見ても全体的に画像が乱れる場合は、そもそも周辺の電波状態が悪い、またはアンテナ本体や途中のケーブル、機器などにトラブルが起きていて、アンテナが受信できる電波や、アンテナからテレビまで届く過程で電波が弱まっている可能性が高くなります。
特定のチャンネルのみ画像が乱れる場合は、アンテナ線の接触不良の可能性があります。原因としては、アンテナ線とテレビとの接続や、アンテナと接続するプラグのゆるみ、途中の機器との接触不良などが考えられます。
また地デジのテレビ番組がまったく映らなくなり、画面に「e201」「e202」「e203」などのエラーコードが表示される場合は、テレビに地デジ放送を表示できるレベルの電波が届いていない状態です。
「e201」は、アンテナは電波を受信しているものの、受信レベルが低いためテレビ放送を表示できない状態です。原因はアンテナの位置がずれるなどのトラブルで受信レベルが下がっている。また悪天候などの影響で電波状態が悪くなっていることが考えられます。特にBS、CS放送の場合には、豪雨や降雪のために受信感度が下がり、画像の乱れや受信不能の状態になるケースがあります。この場合は、天候の回復により、受信状態も回復することになります。
「e202」は、電波がまったく受信できていない状態を示しています。原因は、アンテナが倒れるなどして電波を受信できない。またはアンテナ線の劣化や断線、途中にある機器の故障などで、アンテナからテレビに電波が届いていないことが考えられます。
「e203」は、そのチャンネルが放送を休止しているという表示です。原因は該当する放送局が放送時間外。またはメンテナンスやトラブルなどで放送を休止しているためですが、ときに電波が受信できていない場合にこのコードが表示されることもあります。
テレビ本体の「機能」「サブメニュー」などを使ってアンテナの受信レベルを確認することも、トラブルの原因を特定する参考になります。アンテナレベルが0ならテレビに電波がまったく届いておらず、アンテナレベルが44db以下であれば、電波が弱いために番組が映らない状態です。またアンテナレベルが90dbから100db以上の場合も、電波が強すぎることでテレビ映像のノイズや地デジ放送が映らなくなるというトラブルの原因になります。
テレビの映りが悪いときはまずテレビ本体の確認を
もしご自宅のテレビで突然、テレビ番組の映像が乱れたり、画面にエラーコードが表示されて映らなくなったりした場合、まずテレビ本体の不具合ではないかを確認します。自宅に複数台のテレビがあり、その中の一部のみ映りが悪い場合は、そのテレビ本体か、直接テレビに接続されているアンテナ線の問題。そうでなければ分配器のトラブルである可能性が高くなります。逆に自宅にある、同じアンテナに接続されたすべてのテレビの画像が同じように乱れる、映像が映らないといった場合は、アンテナ本体やアンテナから伸びているアンテナ線、または途中に設置された機材のトラブルだと考えられます。
まず一度、うまく映らないテレビ本体をリセットしてみてください。手順はまずテレビ本体の電源を切り、コンセントを抜きます。その状態で5秒から10秒以上待ってください。そして再度コンセントを差し込み、電源を入れ直します。
テレビの機種によっては、テレビ本体やリモコンの電源ボタンを数秒間押し続けるなど、独自のリセット方法があります。またテレビに直接、録画用のハードディスクを接続している場合は、リセットの影響を受けないよう、テレビ本体から適切なハードディスクの操作を行う。本体から取り外すなどの手順が必要になります。詳しくはテレビ本体のマニュアルを参考にして、適切なリセットを行ってください。
B-CASカードの接触不良が原因であることも考えられます。いったんテレビ本体の電源を切ってB-CASカードを抜き、きちんと挿入し直します。カードの金属部分が汚れている場合は、柔らかい布や綿棒などで優しく拭いてください。
アンテナ線がテレビときちんと接続されていない可能性もあります。テレビ背面のアンテナ線の接続部を確認して、もう一度、しっかり接続し直してください。途中にブルーレイレコーダーなどを介している場合は、アンテナから機器に接続している部分や、機器からテレビに接続されているアンテナ線のすべてを確認します。
以上のことを行っても画像の乱れなどが直らない場合は、続いてアンテナ本体やアンテナ線、途中の機材などをチェックしてください。
アンテナ線や分配器、ブースターなどの確認方法は?
テレビをリセットしても問題が解決しない場合、アンテナ本体とテレビの間にあるアンテナ線や、その間にある機材のトラブルも考えられます。地デジアンテナ工事の際、業者が必要に応じて設置する機器としては、主に分配器とアンテナブースター(増幅器)またはアッテネータ(減衰器)になります。
分配器とはその名の通り、アンテナから伸びているアンテナ線を分配し、複数台のテレビに接続するための装置です。この機器も室外に設置されている場合は経年劣化が早くなります。また分配器を経由すると、アンテナが受信した電波を複数に分配する分、それぞれ分配された先の電波は弱くなります。分配器が確認できる位置にある場合は、接続されているアンテナからのアンテナ線や、それぞれのテレビに向かうアンテナ線がきちんと接続されているかを確認します。分配器自体に問題がある場合は交換が必要になります。
アンテナブースターとは、アンテナが受信できる電波が弱いときや、受信した電波を分配器で複数のテレビに分配するとき、アンテナケーブルが長くて電波の損失が起こるときなどに、アンテナ線の途中に設置し、受信した電波を増幅する装置です。また電波状態が良好すぎて、受信できる電波が強すぎる環境でも地デジ画像が乱れるケースもあるため、この場合は電波を適切なレベルに減衰させるアッテネータを接続します。
このブースター本体の故障や、ブースターの電源が外れているといったトラブルも、地デジ放送が映らなくなる原因になります。また基本的にブースターはアンテナの近くに接続しますが、逆に電波が増幅されすぎている、また設置の位置が悪いため、電波に混ざったノイズまで増幅している場合も、画像が乱れる要因になり得ます。
テレビアンテナ工事から何年も過ぎている場合は、これらの機器が老朽化により故障した可能性が高くなります。しかし分配器やブースターの動作確認や交換、適切な再設置を行うには、専門の知識が必要になります。アンテナ修理の専門業者に連絡して、確認と修理を依頼するほうがいいでしょう。
アンテナ本体のトラブルを確認する
地デジの映像の乱れや映らなくなる原因として、もっとも可能性が高いのは、やはりアンテナ本体のトラブルです。
現在、主要な地デジアンテナには、主に屋根の上に立てる骨組みのような形をした八木・宇田式アンテナ(八木式アンテナ)と、小型、薄型で壁面に取り付けることができるデザインアンテナ(平面アンテナ、壁面アンテナ、フラットアンテナ)の二種類があります。
八木式アンテナは指向性が高く、アンテナ工事では多くの場合、屋根の上などの高所に取り付けます。そのため電波の弱い地域でも、ご自宅に電波が来る方向を測定して、適切な方向と角度に設置することで、安定した受信感度が期待できるという特徴があります。反面、ほとんどの場合、屋外の吹きさらしに立てるため、風雨などの影響による経年劣化は避けられず、強風や大雪などでアンテナが傾く、倒れるなどのトラブルが起こる可能性もある、といった難点があります。
デザインアンテナば主に壁面に取り付けることになるため、ご自宅のデザイン性を損ねないことと、風雨などによるダメージを軽減できる点や、もしトラブルがあった場合も修理やメンテナンスが簡単になるのが利点です。そのため、最近の地デジ工事では人気の高いアンテナになっています。反面、取り付ける位置や高さに制約が出るため、電波が弱い地域では、家屋の条件などによっては設置できない、アンテナブースターなどの追加機材が必要なケースもあるという難点があります。
アンテナのトラブルでテレビ画像が乱れていると思われる際は、まずアンテナの状態を実際に目で見て確認してください。八木式アンテナであれば、アンテナを固定するワイヤーが切れてアンテナが傾いていたり、アンテナそのものが倒れていていることがあります。このような状態を放置すると、ただテレビが映らないだけでなく、アンテナが屋根から落ちて大変な事故を起こす危険性もあるため、すぐアンテナ修理が必要になります。
デザインアンテナの場合は、明らかにテレビアンテナ工事をした際より位置がずれている、アンテナ線の接続が緩んでいる、などと見て確認できる場合もありますが、アンテナ内部の故障では、素人目では外見から判断できないこともあります。
またアンテナの設置場所やご自宅の環境にもよりますが、屋根の上の八木式アンテナや、壁面の高所に設置されたデザインアンテナの場合は、ご自宅での調整や修理は困難な上、転落事故の危険も伴います。必ず専門のアンテナ工事業者に修理や交換を依頼してください。
周辺環境の変化によるテレビの映像トラブル
地デジ工事をして以来、ずっときれいに映っていた地デジ放送に、ある日突然、ノイズなどが入るようになった。テレビ本体やアンテナ、アンテナ線や機器をチェックしてもトラブルの形跡が見当たらない、という場合は、ご自宅のテレビやアンテナではなく、ご自宅の周辺環境の変化が原因である可能性もあります。
具体的には、ご自宅に向かって電波が送られてくる方向に、高層マンションなどの障害物が建設された場合、電波状態が低下することがあります。対策としては、アンテナを適切な位置や角度に設置しなおす、ブースターを設置するといった方法があります。
この作業にもチェッカーによる電波状態のチェックと、それを踏まえたアンテナの再設置、ブースターの設置などが必要になるので、専門のアンテナ工事業者にお任せください。
画像の乱れを予防できる地デジアンテナ工事とは?
アンテナのトラブルによる地デジ放送の受信不良を避けるためには、地デジ工事の段階で、トラブルが起こるリスクを軽減できる場所にアンテナを設置するという方法があります。もしアンテナトラブルからアンテナ修理の必要が出た場合は、より故障しにくいタイプにアンテナ交換を行うのも有効です。
受信感度などに問題がなければ、やはり八木式アンテナよりはデザインアンテナをお勧めします。八木式アンテナに比べるとアンテナ工事費用はやや高くなりますが、その分、アンテナの寿命が延び、故障のリスクが軽減される可能性が高まるため、コストパフォーマンスは高いと言えます。特にデザインアンテナでは、風雨などの影響を受けない屋根裏に設置するという方法もあります。この場合、自然環境の影響による経年劣化や故障のリスクはほぼ皆無になりますが、屋内に設置する分、受信感度が低くなり、別料金でブースターの設置が必要になる場合も多くなります。
また電波状態などの問題で、ご自宅にどうしてもデザインアンテナが設置できない場合は、八木式アンテナでも、ベランダや壁面に設置する、または雨や雪を避けるカバーや屋根を設置することで、故障のリスクを低減させるといった方法もあります。
当あさひアンテナでは、アンテナ本体の価格にアンテナ工事費用を含め、基本価格として八木式アンテナは15000円、デザインアンテナは20000円で施工をお引き受けしております。またデザインアンテナを屋根裏へ設置する工事も、基本価格のみで施工いたします。
普段、目に付くことのない屋根裏へのアンテナ設置であっても、弊社では見た目がよく、メンテナンスも簡単になる、きれいで丁寧な設置を心がけております。ただ受信感度などの条件から、屋根裏では十分な電波が受信できないため設置できない、または別料金でブースターが必要になるケースもございます。その点はどうかご了承いただきたく思います。