屋根に古いテレビアンテナが何本もある原因は?複数台設置の理由と放置リスク・撤去費用をプロが解説
読者の皆様がお住まいの住宅地で家並みの屋根を見上げると、屋根の上に複数のアンテナマストが立っていたり、一本のマストに複数のアンテナが取り付けられていたりする光景は珍しくありません。
ご自宅がまさにそのような状態で、設置した当時のこともわからなくなり「なぜこんなにたくさんアンテナが必要なのか」「古いアンテナを立てたままでいいのか」と疑問に思われながらも、そのままにしている方も多いでしょう。
しかし、その素朴な疑問の背景には、日本のテレビ放送における放送方式やアンテナ機種、工事方法の変化、そして見落とされやすい危険性が隠れているのです。
お住まいの屋根に古いアンテナが放置されている状況は、単に「見た目の問題」だけではなく、老朽化から倒壊による落下事故、サビの流れによる屋根の腐食、また太陽光パネルがあるお住まいでは発電効率低下、さらには放置された配線からのノイズ混入によるテレビ映像の不良など、複数の深刻なリスクを引き起こす可能性があります。
そこで本記事では、お住まいの屋根に複数のアンテナがある主な理由から解説し、不要なアンテナを統合・撤去する方法、そして撤去後の最適な選択肢まで、プロの視点から詳しく解説します。
この記事は、アンテナ工事の専門業者「あさひアンテナ」の営業担当で、現場の職人経験も豊富な本田祐一氏に、プロのライターがインタビューを行い、その経験と知識に基づく正確な情報を、第三者の目線で客観的にご紹介します。
この記事では、お住まいで古いアンテナを放置することのリスク、1基のアンテナで複数のテレビを視聴する仕組み、そして撤去にかかる費用相場、さらに光回線やケーブルテレビへの切り替えの検討まで、読者の皆様が直面されている「屋根の上に複数のアンテナが立っている問題」を完全に解決するための知識を、集約してご紹介します。
お住まいの屋根をスッキリさせたい、倒壊などのリスクをなくして安心できる暮らしを手に入れたいと考えている方にとって、信頼できる判断材料が手に入るはずです。
なぜテレビアンテナが何本もあるのか?考えられる4つの主な理由
前書きでも述べた通り、お住まいの屋根の上に複数のアンテナが立っている光景は、珍しいものではありません。しかし、その理由を正確に理解している人は意外と少ないものです。
何本ものアンテナがある状況は、一見すると「アンテナが故障している」「何か問題があるのでは?」と思われるかもしれませんが、実際にはいくつかの明確な理由が存在します。
以下、「あさひアンテナ」本田氏の解説により、主な理由を見ていきましょう。
アナログ放送時代の遺産としての古いアンテナ
現在、住宅の屋根に複数のアンテナがあるもっとも一般的な原因は、アナログ放送時代の遺産である、古いアンテナです。
2011年(平成23年)、かつての地上波放送だったアナログ放送から地上デジタル放送への完全移行(東日本大震災の影響を受けた東北の一部の県を除く)前、テレビを受信するためにはVHFアンテナ(アナログ放送用)や、UHFアンテナ(当時の地方チャンネル用)のアンテナが必要でした。
しかし地デジ化に伴い、新しく地デジ放送に対応するUHFアンテナを設置するにあたり、多くの家庭が古いアンテナをそのまま放置してしまったのです。
また、アナログ地方チャンネル用のUHFアンテナは、地デジ放送の周波数帯とほぼ重なっているため、設置状況や性能、劣化の度合いによっては、そのまま地デジアンテナとして転用されているケースもあります。
そして、アナログ放送時代のテレビアンテナと言えば、ほぼすべてが、屋根の上に立てる魚型の「八木式アンテナ(八木アンテナ)」でした。
屋根の上に取り付けられた古いVHF八木式アンテナは、撤去作業が高所作業となるため、その費用や手間を理由に、アナログ放送時代から「そのまま」になっているケースが非常に多いのが実情です。
さらに問題を複雑にしているのが、アナログ放送時代のVHFアンテナの形状です。このアンテナは、現在の地デジ用UHF八木式アンテナに比べると、骨組みを並べた形はほぼ同じながら、全体的に平べったい形状をしており、全体像が魚の骨のような形のUHF八木式アンテナとは見た目が異なります。
そのため、現在ではお住まいの方にとっても、この古いアンテナの役割が何であるかさえ判然としないまま、屋根に残されているケースも多々あります。
新しいアンテナへの交換時に古いものを撤去しないケース
第二の理由として、新しいテレビアンテナへの交換時に、古いアンテナを撤去しないというケースが挙げられます。
たとえば、お住まいのアンテナを、平面状のデザインアンテナや最新の4K8K対応BS/CSアンテナに変更した際、以前使っていた、古い八木式アンテナや旧式のBS/CSアンテナが屋根に残されたままになることがあります。
見た目の美しさを求めてデザインアンテナを壁面に新設しながら、屋根上の古い八木式アンテナはそのまま、という状況も決して珍しくありません。
工事業者の視点から見ると、こうした「古いアンテナの放置」は、後々に大きなトラブルの種になります。ただ、撤去にも当然、一定の費用がかかるため、アンテナ交換工事の見積もり時に「今は撤去しない」と判断されがちな傾向があるのです。
ラジオ用やアマチュア無線用のアンテナ
上記の2つの理由に比べると珍しいケースですが、主にFMラジオ用のアンテナや、アマチュア無線用のアンテナが屋根の上に放置されていることもあります。
FMラジオ用のアンテナは、専用アンテナを使うことでより音質が向上するため、ご家庭によっては屋根の上に設置されていることがあります。
また、趣味でいわゆるミニFM局(マイクロFM局)を開設した人が、放送用のFMアンテナを屋根の上に設置している場合もあります。
FMラジオ用のアンテナは、八木式アンテナとほぼ同じ形のものや、ポールの先にリング状の金具を横にして固定したような無指向性アンテナがあります。
またやはり趣味としてアマチュア無線を行っている人が、屋根の上に無線用の八木式アンテナやその他のアンテナを設置したというケースもあります。
これらの趣味はインターネットの進歩により、近年では必要性が薄れていますが、アンテナだけは屋根の上で放置され、経年劣化を進めながらいまも立っていることがあります。
複数の地デジアンテナが意図的に設置されている場合
屋根の上に複数の地デジアンテナ(現行のモデル)が設置されている場合は、異なる方向にある電波塔からテレビ放送を受信するためという技術的な理由がもっとも一般的です。
現在の地デジ放送には、主にNHK、各広域民放と、一部の都府県を放送エリアとする東京MXなどの地方チャンネルがあります。
そして、特に全国的な放送であるNHK、広域民放と、その都府県のみの電波塔から発信される地方チャンネルでは、電波塔が別個であることも珍しくありません。
地デジアンテナは真正面(受信方向)を電波の発信元である電波塔に向けて角度を微調整することが必要ですが、現場から見て複数の電波塔の方向が違いすぎる場合は、一基の地デジアンテナですべてのチャンネルを受信することは難しくなります。
屋根の上に複数の地デジアンテナが設置されている場合は、これら方向の異なる電波塔から各チャンネルを受信するためという、技術的な理由がもっとも一般的です。
この場合は意図的なアンテナの複数設置であり、屋根の上にアンテナが何本もあるからといって、問題があるとは限りません。
問題は、こうした意図的な複数のアンテナ設置と、単に使わなくなったアンテナの放置が、現場によって混在していることです。
一般の方が屋根を見上げただけでは、どのアンテナが「必要」で、どのアンテナが「不要」なのか判断がつきません。だからこそ、アンテナ工事のプロなど、専門家による確認が不可欠なのです。
古いアンテナを放置することの危険性と、適切な整理・統合の必要性については、後の項目で詳しく解説します。
地デジ用から4K8K対応まで!アンテナの種類とそれぞれの役割を整理
屋根の上に複数のアンテナがある場合、前述のように必要性のある設置から、使わなくなったアンテナが放置されている状況まで、さまざまなケースが想定されます。
そのため、それぞれのアンテナがいったい何の役割を果たしているのかを、まず理解することが重要です。
現在ではテレビアンテナの種類は、受信できる電波からアンテナ本体の機能性まで多岐にわたります。現在のテレビアンテナの種類は、大きく分けると地デジ放送を受信するための地デジアンテナ(UHFアンテナ)と、衛星放送(BS/CS)を受信するためのパラボラアンテナ(BS/CSアンテナ)にわけられます。
現在では地デジアンテナにはさまざまなモデルがあり、大きな皿状のディッシュを持つパラボラアンテナのBS/CSアンテナにもいくつかのバリエーションが出ています。
この項目では、一般的な家庭で見かけられる主なアンテナの種類と、その特徴と役割を整理していきます。
地上デジタル放送用アンテナの代表格は「八木式アンテナ」
八木式アンテナは、発明者の名前をとった、百年近い歴史を持つ古典的なアンテナです。八木アンテナ、また共同開発者の名前を入れた八木宇田アンテナとも呼ばれます。
このアンテナは中央の支柱に短い横棒(素子)を並べた魚の骨を連想させる形をしており、一般住宅では、屋根の上のマストに固定されることが多くなっています。
現在の地デジ用UHF八木式アンテナは、中央の支柱が矢印のような形をしていますが、矢印の先に見える側とは反対側の先端がアンテナの正面に当たり、そちらの向きで電波をキャッチします。
並べられた短い横棒は電波をキャッチする素子(エレメント)という部品で、この素子数によって受信性能と本体の大きさが異なり、電波が弱いエリアや現場ほど、素子数の多いモデルが必要になります。
八木式アンテナの主なモデルは、素子数別の8素子、14素子、20素子モデルで、主に現場の受信レベル(電界地域)によって使い分けられます。
八木式アンテナは、指向性が高く正面の受信範囲が狭い分、他の機種に比べて受信性能に優れるのが特徴ですが、屋外に設置されるため風雨や雪、潮風、鳥など環境の影響を受けやすく、経年劣化が進みやすいため、定期的なメンテナンスが欠かせません。
また、昔ながらの八木式アンテナを屋根の上に立てると、家の見た目や景観に影響するため、近年ではこのモデルを避けるお客様も多くなっています。
八木式アンテナのバリエーションには、一ヵ所の上下左右に素子を並べる(高性能素子)ことで、隣の都府県の地方チャンネルなど微弱な電波もキャッチできる高性能アンテナ(パラスタックアンテナ)や、地デジ電波でも多くの電波塔で優先的に使われる低い周波数帯に特化することで、対応エリアであれば受信感度がより高まる、ローチャンネル用モデルがあります。
また、素材や設計の工夫により現場の環境に応じた耐久力を高めて、寿命の長期化を図った塩害用、雪害用、ステンレス製などのモデルもあります。
古いアンテナの代表例である「アナログVHFアンテナ」
一方、現在では使われないアンテナの代表格が、アナログ放送時代の主なアンテナだったVHFアンテナです。
アナログ時代のVHFアンテナはほとんどが八木式アンテナですが、現在の地デジ電波として使われるUHF(極超短波)に比べて、アナログ放送当時のVHF(超短波)は波長の幅が広いため、形状が現在のUHF八木式アンテナとは異なります。
VHF八木式アンテナは地デジUHF用よりやや大型で、全体的に平べったい形状をしています。
アナログ放送より地デジへの完全移行から10年以上が経過した今、こうした古いVHFアンテナは、FMラジオの受信用以外には用途がありません。
そのため古い住宅の中には、実際には使用されていないにもかかわらず、当時のVHFアンテナが屋根の上に残されているケースも多くみられます。
このようなアンテナは現状でかなりの老朽化が予想されるため、早急な対処が必要です。
外観重視なら地デジ用「デザインアンテナ」がおすすめ
ふたたび地デジアンテナ機種として、近年、人気が高まっているのがデザインアンテナ(平面アンテナ)です。
これは、地デジ化で使われる電波がUHFになったために実現した、薄い箱型のコンパクトなUHFアンテナです。
機器部にカバーをかぶせた形状から壁面やベランダの手すりへの設置を前提としていて、カラーバリエーションも豊富で、住宅の外観を損なわないという大きな特徴があります。
主なモデルには20素子相当の通常モデル、やや大型で受信性能が高い26素子相当モデル、強電界地域向けのコンパクトモデルなど、現場に応じた複数の選び方が可能です。
デザインアンテナは現在、新築のテレビアンテナ工事や外壁のリフォーム時に選ばれることが増えています。現場の条件によっては、感度のいい屋根の上のマストや、アンテナを完全に隠して風雨なども避けられる屋根裏空間に設置されることもあり、設置の自由度が高いのが利点です。
一方で、デザインアンテナは設置位置の低さから受信感度が低くなりやすく、現場の電波レベルや周辺に建物などがある環境によっては、設置できないこともあります。
そのため、デザインアンテナの設置にあたっては、事前に綿密な電波調査を行い、設置して安定した受信が可能かどうかを確認することが重要です。
美しさと実用性を兼ね備えた地デジの「ユニコーンアンテナ」
2017年(平成29年)に、国内大手アンテナメーカー・マスプロ電工から登場した、新しい地デジUHFアンテナが、ユニコーンアンテナ・U2CNです。
このモデルは円筒形のポール型で、八木式アンテナと同様に屋根の上や破風板、外壁の最上部などに固定されたマストの先に設置されるモデルです。本体色はマットな質感の白と黒の二色になります。
デザインアンテナとほぼ同等の外観性および、風雨などを受け流すことでの耐久性を備えながら、高所への設置による安定した受信の実現も可能になります。
現在では、主に現場の条件からデザインアンテナが設置できないお住まいを中心に、住宅の美観と受信の安定を両立させたい方に適した選択肢として注目されています。
衛星放送の受信に必要なパラボラアンテナ(BS/CSアンテナ)
上記の各モデルは地デジやかつてのアナログ放送など、どれも地上波用のアンテナです。
そしてBS放送やCS放送など、衛星放送の受信には、上記とは別にパラボラアンテナが使われます。
一般的には、BS放送と110度CS放送の両方を一基で受信できることから「BS/110度CSアンテナ」と呼ばれるこのアンテナは、宇宙空間の静止衛星(空の一点に静止して見える人工衛星)から直進的に送られる電波をキャッチするための、皿状の部分(ディッシュ・放物面反射器)が特徴です。
BS/CSアンテナの基本的構造はどれも同じですが、受信性能につながるディッシュの有効直径でさまざまなモデルがあります。
一般家庭用では45型(有効直径45センチ)が標準的ですが、受信感度を重視する場合は50型や60型といった大型モデルが選ばれることもあります。大型モデルは一般的に、集合住宅での共同受信用に使われます。
なお衛星放送の4K8K放送がスタートした2018年(平成30年)以降のBS/CSアンテナは、従来の2K放送に使われる右旋の電波に加え、4K8K用に導入された左旋の電波も受信できる2K4K8K(右旋左旋)対応のモデルが主流になっています。
ただ、それ以前の古いBS/CSアンテナは右旋にしか対応していないため、左旋放送にあたる4K8K放送を視聴したい場合は、4K8K対応のBS/CSアンテナに加え、配線部も左旋に対応できるケーブル、ブースターなどの機器にすべて交換する必要があります。
また家庭用のBS/CSアンテナには、日光に強い一般的な白色系の他、日光に耐性を持つ塗装を施したカラーバリエーションや、ディッシュ部分のパンチングメタル仕様などで、台風などにも耐える高耐風モデルも存在し、設置環境に応じた機器の選び方が可能になっています。
複数のアンテナが果たす異なる役割を理解する
ここまででもご紹介したように、現在でも住宅の屋根に見られるテレビアンテナでも、その用途によってその形状と役割は大きく異なります。
屋根の上に複数のアンテナがある場合、それぞれが「地デジ用」「地デジの地方チャンネル用」「衛星放送BS/CS用」など、異なる役割を担っている可能性が高くなります。
したがって、古いアンテナを放置するのではなく、その役割を確認して不要なものは撤去し、必要なものでも老朽化が進んでいる場合が最新の機器に更新するなど、適切な対応を行うことで、お住まいの美観やトラブルの防止、そして受信性能の両立を実現できます。
お住まいにあるアンテナの種類や特徴を理解することは、ご自宅の電波環境を把握する第一歩です。次のステップでは、こうした古いアンテナを放置することの具体的なリスクについて見ていきます。
古いアンテナを放置するリスクとは?「何本もある」状態を解消すべき理由
いまのお住まいが築年数の古い家の場合、上記したアナログ放送時代のアンテナや、デザインアンテナ・4K8K対応のアンテナに交換した後の旧モデルが屋根の上に放置されている状態の問題点は、単に「見た目の悪さ」だけではありません。
このような古いアンテナには、他にも複数の深刻なリスクが潜んでいます。
以下では、本田氏の解説により、古いアンテナの放置がもたらす主なリスクについて解説します。
アンテナの倒壊と落下による危険性
屋根の上にある古いアンテナがはらむ、もっとも危険なリスクは、老朽化による倒壊と落下です。経年劣化によって錆が進行したアンテナやマストは、固定金具の強度が低下します。その結果、強風が吹いた時や地震が発生した際、マストごと倒壊する危険性が高まります。
そのような事態になると、屋根の上で倒れたり、屋根から落下したりしたアンテナがご自宅の屋根材を傷つけるだけでなく、隣家や通行人に被害を与える可能性も否定できません。こうした事態になれば、多大な修理費用や、最悪のケースでは損害賠償請求の対象となるリスクもあります。
サビによる屋根材の腐食
アンテナの倒壊だけではなく、進行するサビも大きな問題です。放置されたアンテナから流れ落ちる金属のサビが屋根材に付着すると、そこから素材の腐食が進行します。
瓦やスレート、金属屋根など、どの素材であっても例外ではありません。いったん屋根材の腐食が始まると、その修復には高額な屋根工事が必要になる場合もあります。
古いアンテナの放置による経済的な負担は想像以上に大きいものなのです。
太陽光パネルの発電効率への影響
お住まいに太陽光発電システムの導入をご検討になっている家庭にとって、古いアンテナは別の懸念材料になります。
屋根の上に太陽光パネルを敷設した場合、立っているアンテナが太陽光パネルに影を落とすことで、発電効率が低下してしまいます。せっかく太陽光発電を導入しても、期待した発電量が得られないという事態を招きかねません。
さらにその状態で古いアンテナが倒壊してしまえば、太陽光パネルの破損で大きな損害が生じるリスクもでてきます。
電波・配線の問題
放置されたアンテナ設備だけでなく、電波や配線の問題も軽視できません。
現在では使用していない古い配線やミキサー(混合器)が残されていると、そこから電波ノイズが混入する可能性があります。
結果として、お住まいのテレビの映像が乱れたり、特定のチャンネルだけ映らなくなるといった不具合が生じることもあります。
さらに問題なのは、お住まいで急にテレビが映らなくなった場合、その原因が現在、使用しているアンテナなのか、古い配線の問題なのか、あるいは別の機器なのかを特定するのが極めて困難になるという点です。
業者へとご相談になる際にも、作業の手間と原因の究明に時間がかかり、修理費用が割高になる可能性が高まります。
鳥害による汚染と建物被害
野生の鳥による「鳥害」も現実的な問題です。屋根の上にある不要なアンテナは、鳥にとって絶好の止まり木や巣を造る場所になります。
結果、酸性を帯びた鳥のフンが屋根やベランダに付着し、汚れや臭いの原因になるだけでなく、アンテナの金属部を腐食させる、また樋が詰まるなどの原因にもなります。
これらは一見すると軽微な問題に見えるかもしれませんが、放置すると上記したアンテナの倒壊や雨漏りなど、深刻な建物被害につながる可能性もあります。
建物の美観と資産価値への影響
放置されたテレビアンテナの問題については、建物全体の美観という観点も見落とせません。
屋根の上に複数の古いアンテナが立っているだけで、建物全体が古く、メンテナンスが不十分という印象を与えてしまいます。お住まいを中古物件として売却する場合、こうした外観は大きなマイナスポイントになり、資産価値の低下につながります。
買い手がお住まいを見学に訪れた時点で「この家は大丈夫か」という不安感を与えてしまうのです。
古いアンテナに早急な対処が必要な理由
上記したようなリスクを考えると、古いアンテナを放置することは「後回しにできる問題」ではなく、「今すぐ対処が必要な課題」といえます。
アンテナの撤去や統合にはもちろん費用がかかりますが、放置によりトラブルが発生した場合の被害の方がはるかに大きくなる可能性が高いのです。
次の項目では、1基のアンテナで複数台のテレビをご視聴になる仕組みと、その際に必要となる機器について、本田氏の説明を元に詳しく解説し、古いアンテナを統合・撤去する際の判断材料となる重要な情報をお届けします。
1本のアンテナで家中のテレビを見る仕組み:分配器とブースターの役割
「複数あるアンテナを一基に統合したい」「古いアンテナを撤去したい」と考えている方にとって、心配となるポイントのひとつが、はたして1基のアンテナで家の中にあるすべてのテレビを映すことができるのか、という疑問ではないでしょうか。
しかし本田氏によると、アンテナとは別に、適切に電波を増幅し、分配する機器を使えば十分に可能だといいます。
この項目では、それらの重要な役割を果たす機器とその仕組みについて詳しく解説します。
分配器の役割と信号配信
1本のアンテナから複数台のテレビへ信号を送る場合「分配器」という機器が重要な役割を担います。分配器とは、アンテナから一本の同軸ケーブルで送られる映像信号(電波)を、複数の経路に分ける機器です。
アンテナから送られる一本のケーブル(映像信号)は、この分配器を経由して、複数のケーブルへと分けられます。
分けられたケーブルは、例えばリビングと寝室、子ども部屋など、異なる部屋のアンテナコンセントを通じて、室内のテレビに同じ映像信号を送るために使われます。
つまり一基のアンテナが受信した電波は、分配器を通すことで、複数の部屋にあるテレビへと同時に送られ、各部屋でテレビ放送を視聴できるようになるのです。
信号減衰とデジタル放送の特性
しかし、ここで重要な注意点があります。信号を分配する際、避けられない現象が発生するのです。それが「信号減衰」です。
ケーブルから送られる電波はエネルギーであるため、一本のケーブルに送られる電波を、分配器を通じて複数のケーブルに分けると、個々の分配先の電波レベルは、文字通り等分に分配される形で低下します。
電波レベルは、常用対数による「㏈(デシベル)」の数値で表されますが、電波が分配器を通ると、2分配で約4dB、4分配で約8dB低下するという具合に、分配数が増えるほど、分配先の電波レベルが弱くなっていきます。
そしてデジタル放送は、アナログ放送と異なる特性を持っています。アナログ放送では、映像信号のレベルが弱くなり、電波ノイズが入ると、徐々にテレビ画面にチリ状のノイズが目立つようになり、いわゆる「砂嵐(スノーノイズ)」の状態に近づいていきました。
一方、デジタル放送は異なります。デジタル放送は受信時にノイズを修復する機能があるため、一定の受信レベルを確保できていれば、常にクリアな映像を視聴できる特性があります。
しかし受信レベルが一定レベルを下回ると、修復機能が追い付かなくなり、テレビ画面がモザイク状に乱れる「ブロックノイズ」や、画面が固まる「フリーズ」のようなノイズが画面に現れます。
さらに映像信号が弱くなると、映像が完全に途絶える「ブラックアウト」が発生し、「E201」「E202」など不具合の原因を示すエラーコードが表示されます。
つまりデジタル放送では、受信状況により画面が乱れることはほとんどありませんが、電波が一定レベル以下になると「急にテレビが映らなくなる」という特性があるのです。
ブースターによる信号増幅
この受信レベルの問題を解決するために使用されるのが、「ブースター(電波増幅器)」です。
テレビアンテナ用のブースターは、アンテナで受信した電波(微弱な電気的エネルギー)を、電力により増幅する機器です。
このブースターをアンテナの付近に設置して電波レベル(㏈)を増幅することにより、もともと受信レベルが弱いエリアや、分配器で複数の部屋に電波を分ける場合でも、各テレビのチューナーで正常にテレビを視聴できる電波レベルまで引き上げることができるのです。
一般的にデジタル放送の受信には、電波がチューナーに届く時点で、34㏈以上、90㏈以下の電波レベルが必要とされています。実際の受信レベルは気候などによっても変動するため若干の余裕が必要ですが、特に分配器を通して電波レベルが弱くなる場合、ブースターを使って、各テレビに届く電波がこの範囲内に収まるよう調整することが不可欠なのです。
ミキサー(混合器)と混合ブースターの機能
地デジアンテナとBS/CSアンテナ、または主な地デジアンテナと地方局用のアンテナなど、2基以上の異なるアンテナからの映像信号(電波)を1本のケーブルにまとめるためには、「ミキサー(混合器)」という機器が必須です。
周波数帯が大きく異なる地デジと衛星放送(BS/CS)の電波を一本のケーブルにまとめる場合は、「混合ブースター」という、地デジ・BS/CS電波のブースター(増幅器)と、双方の電波を一本のケーブルにまとめる混合器の機能を兼ね備えた機器が使われることが多くなります。
複数基のアンテナからの信号レベル調整
NHK、広域民放の地デジアンテナと地方局用の地デジアンテナなど、複数の地デジアンテナからの電波を一本にまとめる場合は、簡単なようで、実は難しい問題が発生します。
例えば、上記の場合は、2基のアンテナが別々に受信した、異なるレベルの電波がケーブルに送られてきます。
この電波のレベル差が大きい場合、単純に2種類の電波を混ぜるだけでは、強い電波が弱い電波を圧倒してしまい、電波の弱いチャンネルが映らなくなることもあります。
特に同じ地デジ電波のチャンネルでも、周波数帯が低いチャンネルに比べ、高いチャンネルは弱まりやすい傾向があります。
こうしたチャンネル間の電波レベル差による不具合を回避するために、アンテナからのケーブルにアッテネーター(減衰器)という機器を接続し、強すぎる側の信号を意図的に弱めたり、ブースターがもつイコライザー機能を使ってチャンネル間の電波レベルを平均化したりする調整が必要になるのです。
DIY施工の課題と専門業者への相談
一般の方がDIYにより、アンテナ配線部にこれらの機器を取り付けることは、一見、簡単に思えるかもしれません。しかし、実際には大きな課題があります。
上記のような適切な電波レベルの調整には、「レベルチェッカー」という測定器が必要です。この機器を使うことで、各チャンネルの信号強度を正確に測定し、テレビに届く時点で最適な状態に調整することができます。
しかし、レベルチェッカーは数万円の投資が必要な専門機器であり、また電波レベルや品質の表示を読み取るには専門知識も必要なことがあり、一般家庭がこれを購入してまで自分で調整することは現実的ではありません。
古いアンテナの撤去と統合をご検討になる際には、単に「古いアンテナを外せばいい」という簡単な話ではなく、アンテナ統合による複雑な信号調整が伴うことを理解する必要があります。
専門のアンテナ工事業者へとご相談になることで、ご自宅の電波環境に合わせた最適な機器の組み合わせと、正確な調整を実現することができます。
次の項目では、より複雑な状況として、ご自宅にアンテナのある母屋から、離れへのケーブル配線を延ばす場合の課題について見ていきます。
母屋と離れでアンテナを共有したい!配線を延ばす際の注意点と限界
母屋と離れがあるお住まいで、一基のアンテナを共有したいというニーズは珍しくありません。両方の建物でテレビを視聴したいのに、それぞれにアンテナを設置すると工事費などのコストがかかり、建物の美観も損なわれます。
そこで多くの方が考えつくことが「母屋のアンテナからケーブル配線を延ばして、離れに電波を送ってテレビを映すことはできないか」という発想です。
これは理論的には可能ですが、実際には多くの課題があります。
この項目でも本田氏の現場経験に基づく解説により、母屋から離れまでアンテナケーブルを伸ばす際の注意点についてご説明していきます。
配線延長の可能性と信号減衰の課題
同軸ケーブルを母屋のアンテナから離れのテレビまで、30メートル以上も延ばすことは、理論上は不可能ではありません。
しかし、実行するにはいくつかの重要な条件が必要になります。中でももっとも大きな課題は「信号減衰」です。
前の項目で触れたように、電波は電気的なエネルギーであるため、ケーブルを伝達されるにつれて、電波は確実に弱まっていきます。この減衰は、ケーブルの長さに比例して進行するのです。
高品質ケーブルと追加コストの必要性
この電波の減衰を最小化するためには、ノイズ混入や電波の漏洩を抑える絶縁体や内部導体の品質が高い、高シールド・高品質で太いケーブルを使用することが必須です。
安価な細いケーブルを使えば、その分さらに大きな信号低下が発生します。
また業者に工事を依頼する場合は、ケーブルの長さごとに追加料金が発生することも考慮が必要です。
専門業者による通常のアンテナ設置工事では、料金にアンテナ本体や通常の設置具と、一般的な工事で必要な長さ(10メートル程度)のケーブル代金がセットで含まれています。
ただ、これ以上のケーブルが必要な場合は、メートル単位など長さに応じた追加費用が加算されます。そして30メートル以上のケーブル延長となると、そのコストも一定の額になります。
屋外ケーブル配線の劣化対策
ケーブル本体の劣化対策も重要な要素です。特に屋外空間にケーブルを通す場合、架空配線(空中に張る)で引き回すケースが多くなります。
その場合、強風による揺れや紫外線による被覆の劣化、積雪の重みなどが配線に加わります。
こうした物理的なストレスは、ケーブルの絶縁性能を低下させ、断線やノイズの原因になるのです。雨水の侵入も防ぐ必要があり、接続部の防水処理が不十分だと、数年で映像が映らなくなる事態も想定されるため注意が必要です。
地デジ周波数と減衰の関係性
地デジ放送の周波数特性も影響します。前述の通り、同じチャンネルでも周波数帯が高いほど減衰しやすいという特性があります。
つまり、現場で受信できるチャンネルの周波数帯(物理チャンネル)を事前に確認し、それに応じた減衰対策を施すことが重要なのです。
単に「長いケーブルをつなぐ」というだけでは、主に高い周波数帯のチャンネルで大きな減衰が生じて、離れのテレビで特定のチャンネルだけ映らなくなる、といった不安定な状況が生じかねません。
ブースター設置の必須性と限界
アンテナ近くにブースターを設置し、電波を増幅することは必須の対策です。しかし、ブースターだけでは不十分な場合もあります。長距離配線特有の減衰に対応するため、複数段階のブースター設置が必要になることもあります。
ただ、ブースターはケーブルを送られるテレビ電波だけでなく、混入したノイズも増幅してしまう性質があります。
特に長い配線ではノイズが混入しやすいため、ノイズを抑えてテレビ電波だけを増幅するためには、ブースターの設置位置や増幅量などに現場ごとの精密な工夫が必要になります。
コスト面での比較検討
アンテナ工事費のコスト面での比較検討も欠かせません。
ここまででもご説明した通り、母屋からケーブルを延長するためのブースターや高品質ケーブル、防水処理など、全体的な工事費は思いのほか高額になります。
結果として、離れに専用アンテナを新設する場合とのコストパフォーマンスを比較してみると、実は新設の方が割安になるケースも少なくはありません。
長期的なメンテナンスの困難性
長期的なメンテナンスの観点からも注意が必要です。
離れでテレビ映像が映らなくなった場合、原因が母屋のアンテナなのか、長く延びたケーブルなのか、接続部の接触不良なのか、特定するのが極めて困難になります。
素人による切り分けはほぼ不可能であり、専門業者による調査が必須となり、その分の修理費も割高になりやすい傾向があります。
雷対策の重要性
万が一の雷対策も重要です。母屋から離れなど、長距離にわたってケーブルが引き回されている場合、もし近隣に落雷があった時には、その電流がケーブル配線を伝わってお住まいの家電機器に流れ込む「雷サージ」が起こり、母屋と離れの両方のテレビ機器や、接続された録画機器など多くの家電製品が、一瞬ですべて故障するリスクも想定されます。
結論と専門家への相談
母屋と離れでテレビアンテナを共有するという選択肢は、一見経済的に見えるかもしれません。
しかし、実際には多くの技術的課題と、長期的なメンテナンスの負担が伴うものです。
新築時や大規模なリフォームを機に、離れに専用アンテナを新設することを検討する価値は十分にあります。専門業者に相談することで、自宅の状況に最適なソリューションを提案してもらえるでしょう。
不要なアンテナの撤去と統合:スッキリさせるための工事費用相場
屋根の上に何本も複数立っているアンテナをスッキリと整理したいと考える際、もっとも気になるのはやはり撤去・統合にかかる工事の費用です。
古いアンテナを撤去して、最新のモデルに統合・交換する場合、総額でいくらかかるのか、その内訳はどうなっているのかを詳細に理解することが重要です。
以下は、やはり本田氏の解説に基づき、アンテナを撤去・統合する工事の一般的な費用相場についてご紹介します。
アンテナ工事費用の基本構成
基本的にアンテナの交換工事費は、大きく2つの要素から成り立っています。一つは「新しいアンテナの基本設置費用」であり、もう一つが「古いアンテナの撤去・処分費」です。これら両方がセットで見積もられるのが一般的です。
新しいアンテナ設置費用の相場
新しいアンテナの設置費用は、選ぶアンテナの種類やモデルによって大きく異なります。
地デジアンテナの場合、八木式アンテナは比較的、安価な部類に入りますが、デザインアンテナはやや割高で、最新モデルであるユニコーンアンテナになるとさらに価格が上がります。
さらにBS/CSアンテナを追加する場合は、それぞれに設置費用が加算されます。
以下は、アンテナ工事業者に一般的な取り付けを依頼した場合の、各種アンテナ機種別の工事費用相場(アンテナ本体、設置具、一定の長さのケーブル込み)の目安です。
古いアンテナ撤去・処分費と追加料金
古いアンテナから新しいアンテナへと更新する場合には、新しいアンテナの設置費用だけでなく、古いアンテナの撤去・処分費が必要です。
ここまでの記事で解説してきた通り、古いアンテナを屋根の上に放置したままだと、さまざまなトラブルが予想されます。
古いアンテナの撤去・処分費は、業者が不要なアンテナを持ち帰ってくれる処分費込みで5,000円から10,000円程度が相場です。
ただし、この金額は「標準的な条件」での相場であり、いくつかの要因で追加費用が発生する可能性があります。
例えば、撤去対象のアンテナが通常より大型である場合、費用は増加します。
大型の衛星放送用パラボラアンテナや、素子数が多い地デジアンテナ、古い大型VHFアンテナなどの撤去は、手間と労力が増すため、追加料金が発生することもあります。
また複数基のアンテナを同時に撤去する場合も、1基ずつ撤去するよりも追加費用が必要になることがあります。
さらに、設置場所の高さも費用を左右する要因です。3階建ての屋根や急勾配の屋根など、通常より高所にあるアンテナの撤去には、特殊な安全装備や足場の設営が必要になり、その分、撤去のコストが増えます。
見積もり時に確認すべきポイント
アンテナ統合・撤去の工事を行う際の重要なポイントとして、業者による見積もりの段階で「処分費が含まれているか」を確認することが不可欠です。
業者によっては「撤去費」と「処分費」を別立てにしている業者もあり、後から「処分は別料金です」と追加請求されるトラブルが発生するケースもあります。あらかじめ透明性のある見積もりを取ることが何より大事なのです。
優良な業者の選び方については後の項目で解説しますが、見積もりの項目が詳細に記されているかを確認して、不明な点は業者にきちんと事前に質問するようにしましょう。
周辺機器と高所作業費の確認
既存のアンテナ配線部など周辺機器の流用可否も、アンテナ交換の費用に大きく影響します。
ブースターや同軸ケーブルがまだ使用に耐える状態であれば、それらを流用することで、アンテナ工事の費用を大きく削減できます。
しかし、例えば4K8K対応のBS/CSアンテナを設置するなど、新しいアンテナに合わせて受信環境を改善する必要がある場合は、こうした機器も4K8K対応のものへと交換する必要があり、その分の費用が加算されます。
また、高所作業費や特殊作業費が見積もりに含まれているかも確認が必要です。
屋根の形状や高さによって、当日になって「特殊なハシゴが必要」「足場が必要」といった理由で追加料金を請求されるトラブルを防ぐため、業者による事前の詳細な現地調査と、見積もりの確認が重要になります。
アンテナ統合工事での効率化提案
地デジアンテナとBS/CSアンテナの両方を統合する場合、ブースターを一台の「混合ブースター」にまとめるほか、固定するマストや配線も一か所にまとめることで、将来的な故障箇所を減らしつつ、工事のコスト(総額費用)を抑えることができます。
BS/CSアンテナ追加工事の費用についてこのような提案があるかどうかは、業者の技術力を判断するポイントのひとつでもあります。
アンテナ交換工事費用の一般的な相場目安
一般的な相場としては、古いアンテナを1〜2本撤去し、新しいアンテナを同数設置する工事であれば、使用するアンテナなどによる変動はありますが、総額で3万円から8万円程度が目安になります。
ただし、これは「標準的な条件」での概算であり、実際の費用は、高所作業費など追加費用の必要性も含めて、現地調査に基づいた見積もりで初めて確定します。
アンテナ工事業者選びのコツ
アンテナ工事業者を選ぶ際には、複数の業者から見積もりを取る(相見積もり)ことで、お住まいの工事における相場感をつかむことができます。
その際、費用だけでなく、説明の丁寧さや、提案内容の詳しさなども併せて評価することが、信頼できる業者を選ぶコツになります。
また、事前にその業者が事前調査と見積もりを完全無料(出張費やキャンセル費なども含む)で行っており、相見積もりに対応しているかを確認することも重要です。
これらに対応していることは、その業者が自社の施工技術や見積もりの正しさに自信を持っている証拠と言えます。
アンテナを「ゼロ」にする選択肢も?光回線やケーブルテレビとの比較
屋根にあるアンテナをスッキリさせたいと考える人の中には、「いっそアンテナをなくしてしまえば、すべての問題が解決するのではないか」と考える方もいるでしょう。
実際にその選択肢として、テレビの視聴方法を光回線テレビやケーブルテレビ(CATV)に切り替えることで、アンテナを完全に撤去することが可能となります。
この項目では、アンテナ工事業者ながら、現場の条件やお客様のご要望に応じて、光回線テレビやケーブルテレビの選択肢も柔軟にご提案する「あさひアンテナ」本田氏の解説を基に、それぞれの視聴方法と、アンテナ工事と比較した費用相場を比較していきます。
アンテナ不要で美観も保たれる
光テレビやケーブルテレビの最大のメリットは、専用の回線からテレビの映像信号を送信する仕組みなので、お住まいにアンテナが不要になるという点です。
これにより、お住まいの美観が完全に保たれます。また電波障害やアンテナの老朽化による倒壊、落下など、アンテナに伴う心配もすべてなくなります。
豊富なコンテンツと高画質が魅力
光テレビやケーブルテレビは、サービスの内容も魅力的です。ケーブルテレビの場合、地域限定の独自チャンネルや、VODサービスなど、一般的なテレビ放送以外にも豊富なコンテンツが利用可能な場合があります。
光テレビも、インターネット回線とのセット契約により、高速通信と高画質(4K8K対応など)を同時に享受できます。
乗り換えに適した人たちの特徴
こうしたメリットから、アンテナを撤去して光テレビ・ケーブルテレビなど外部サービスへ切り替えるのに適した層が存在します。
例えば、お住まいの見た目を乱したくない方、自然環境や受信環境などによりアンテナの不具合や受信トラブルが生じやすい現場にいる方、一般的なテレビチャンネル以外も見たい方などが該当します。
月額視聴料金の長期的な負担
しかし、光テレビ、ケーブルテレビには大きなデメリットが存在することも認識する必要があります。
もっとも顕著な問題は、月額視聴料がかかるという点です。5年、10年と長く暮らすマイホームでは、この月額料金の積み重ねが莫大なコストになってしまいます。
以下は、テレビアンテナ設置と光回線テレビ、ケーブルテレビについて、5年間で発生するコストについてシミュレーションしてみた一覧です。
※上記はテレビアンテナ、光テレビ、ケーブルテレビを一般的な視聴料金で比較した一覧です。正確な費用はサービスや視聴プランによって変動します。
特に長く暮らすマイホームにおいては、長期的コストについて慎重な判断が必要です。
回線の安定性に関する課題
光テレビの場合、インターネット回線の速度や安定性がテレビの映りに直接影響します。
逆に、テレビのデータ通信がネットの速度を圧迫する可能性もあります。
そして光回線そのものやルーターなどの機器に問題が発生すれば、テレビもインターネットも同時に使えなくなるといったリスクが考えられます。
ケーブルテレビの地域的な制限
ケーブルテレビの場合、サービス提供エリアが限定されています。転居先によっては利用できない可能性もあります。
また、解約時には回線の撤去費用や、契約期間外の解約には違約金がかかることもあり、再度アンテナ視聴に戻したくなった場合、二重のコストが発生することになります。
NHK受信料の支払い義務は継続
もうひとつ見落としがちなのが、NHK受信料の問題です。
アンテナを撤去しても、光テレビやケーブルテレビで地上波、BSのNHKを視聴できる環境があれば、引き続きNHK受信料の支払い義務が生じます。
アンテナをなくせば受信料も払わなくて済むと考えるのは誤解です。
初期費用と月額維持費の比較
やはりこれらテレビ視聴方法に関しては、コスト面での長期的な比較を行うことが重要です。
アンテナ設置は初期費用がかかりますが、その後の月額維持費は0円です。
一方、光回線テレビやケーブルテレビは初期費用が安い場合もありますが、長期的には月額料金が積み重なります。
光テレビ・ケーブルテレビに関しては、テレビサービスとその他サービス(インターネットなど)のセット利用による割引制度なども考慮した、総合的な判断が必要なのです。
宅内配線の改修が必要な場合も
光回線テレビやケーブルテレビのご利用には、宅内配線の改修も課題です。アンテナからの映像信号を、光回線の回線終端装置(ONU)やケーブルテレビの信号に切り替える際、家のどこに信号を投入するかによって、宅内配線の切り替え工事とその費用が発生する可能性もあります。
テレビ視聴方法の選択には総合的な判断が欠かせない
アンテナを撤去して外部サービスに乗り換えるという選択肢は、確かに美観と手間の面では優れています。
しかし、実際には長期的なコスト、回線の安定性、解約時の負担などの課題も多く、これらを総合的に検討した上で、初めて判断すべき決断であるといえます。
ご自分のライフスタイルと、住宅の将来計画に合わせて、最適な選択を行うことが大切です。
失敗しないアンテナ業者選びのポイント:チェックリストで安心依頼
ここまででもご説明した通り、古いアンテナの撤去や新しいアンテナへの交換、あるいは統合といった判断や、必要な工事は非常に複雑なものです。
だからこそ、信頼できるプロに相談することが極めて重要となります。
しかし、数あるアンテナ工事業者の中から「ここなら安心」と言える業者を見つけることは、意外と難しいものです。
この項目では、やはり「あさひアンテナ」本田氏の解説により、テレビアンテナ工事はどこに頼むべきか、後悔しない業者選びのための、確かな5つのチェックリストを以下にご提示します。
会社の基本情報を確認する
まず確認すべきは、会社の基本情報です。
業者の公式サイトがあり、会社概要や所在地、また電話番号やメールアドレスなど連絡先が明確に記載されているか確認してください。
これらの情報が不透明な業者は、工事後にトラブルが発生した場合、連絡がつかなくなるリスクが高いのです。
たとえば「あさひアンテナ」では、公式サイトに明確な企業情報と、連絡先としてフリーダイヤルおよび、24時間受付のメールフォーム、LINEアカウントをご用意しています。
工事費用と価格表の透明性をチェック
公式サイトに工事費用(価格表)が明確に公開されているかも重要なポイントです。
「一式〇円」といった曖昧な表記ではなく、工事に含まれる機材の種類や使用する製品のメーカー、型番が詳細に分かるような価格表があるかどうかで、その業者の透明性が大きく変わります。
不正請求や質の低い機材を使用される危険性を回避するためにも、価格体系の明確さも必須事項と言えます。
「あさひアンテナ」では、各種アンテナ設置工事・オプション工事について、工事内容や含まれる機器も明記した明確な価格表を公式サイトでご提示しています。
また使用するアンテナ本体などの機材は、マスプロ電工、DXアンテナ、サン電子など、すべて国内一流メーカー製の高品質機材のみを厳選しています。
調査と見積もりの無料性と相見積もり対応
前述の通り、事前の電波調査や見積もりが「完全無料」であり、相見積もりにも対応しているかも確認することをおすすめします。
見積もり時にキャンセル料がかかる業者は、相見積もりを嫌がる傾向があります。
そうした業者からの依頼は避けるべきです。複数の業者から見積もりを取ることで、相場を把握でき、最適な選択ができるのです。
「あさひアンテナ」ではもちろん電波調査、見積もりは完全無料で、相見積もりや即日工事にもご対応しています。
電波調査の詳細さを確認
電波調査の詳しさも判断基準となります。設置予定の場所だけで簡易的に済ませるのではなく、お住まいのさまざまな位置で電波強度を測定し、その結果を詳しく説明してくれるかどうかです。正確な調査があってこそ、最適なアンテナ選定と機器配置が実現するのです。
「あさひアンテナ」では事前の電波調査も精密に行い、お住まいで可能となるアンテナの設置位置や、それに基づいた施工法をすべて割り出し、お客様のご要望にもっとも近いアンテナ工事をご提案します。
また、他業者では電波が取れずデザインアンテナが設置できないと判断した現場でも、「あさひアンテナ」の緻密な電波調査により、壁面で電波が取れるポイントを特定し、デザインアンテナ設置を問題なく実現した施工例も多数ございます。
見積もり内容の透明性と追加費用について
現地調査後の見積もりに関する透明性も確認が必須です。
「工事一式」といった不明確な表記ではなく、具体的にどのアンテナ製品を、どこに、どのような工法で取り付けるのか、周辺機器は何が必要なのか、料金と共に詳しく記載されているかのチェックが重要です。
また見積もり外の費用発生について、事前に明言しているかも重要です。
「追加費用なし」と明言してくれるか、また「発生の可能性がある場合は事前に説明」してくれるのか、あるいは詳しく説明することを避けるかなど、その姿勢で業者の信頼度が大きく変わります。
「あさひアンテナ」の場合は、事前の電波調査で必要な工事をすべて割り出し、詳細な見積もり票としてご提示します。そのため、見積もり外の追加料金はいっさい加算しないことをお約束いたします。
問い合わせ対応と説明の質
お客様からのお問い合わせやご質問に対する業者からの返答が、メールなどの場合は迅速かつ、丁寧でわかりやすいかどうかも判断材料です。
難しい専門用語を使ってごまかすような説明ではなく、一般の人にも理解でき、工事についてすべてご納得いただけるような丁寧な説明ができるかどうかで、その業者の質が見えてきます。
「あさひアンテナ」では、お客様へのご説明や、ご質問へのお答えが丁寧であることはもちろん、作業着などの身だしなみも整え、接客態度にも高品質を追求しています。
自社施工の確認
その業者の工事は、すべて自社の専門スタッフで行う「完全自社施工」であるかも確認してください。
実際の工事を下請け業者に依頼する場合、中間マージンが発生し、費用が割高になる傾向があります。また下請け業者によって施工品質に差が出る、責任の所在があいまいになるなどの問題も出てきます。
自社で一貫して施工する業者の方が、品質管理と費用削減の両面で有利なのです。
「あさひアンテナ」では自社の熟練スタッフによる完全自社施工を徹底しており、高品質な工事を適正価格でご提供しております。
工事後の保証内容
工事後の保証についても詳しく確認してください。5年以上の長期保証があるか、その保証の条件は明確か、自然災害によるトラブルなど広い範囲をカバーしているかなど、複数の観点から判断することが重要です。
保証について説明や規定が曖昧な業者は、工事後のトラブルで責任を回避する可能性がありますのでご注意ください。
「あさひアンテナ」では業界最長クラスである「10年保証」をご用意しており、会社側でもすべての工事データを保管し保証書の紛失に備えるなど、保証についても万全の態勢を整えております。
避けるべき業者の特徴
一方、悪質な業者の可能性が高い、避けるべき業者の特徴も認識しておくことが大切です。
主な具体例として、価格体系が不明確、相見積もりを嫌がる、電波調査が簡易的、見積もり内容が工事一式など不明確、見積もり外の費用発生について明言を避ける、説明が難しくごまかすような言い方をする、「今だけ割引」といった緊急性を吹き込んで強引に即時契約を勧める、工事後の保証について説明や規定が曖昧といった業者は、手抜き工事や不当な高額請求、工事後のトラブルで連絡がつかなくなるなど、問題が出るリスクが高いといえます。
複数業者の比較検討で信頼できるパートナーを見つける
複数の業者から相見積もりを取り、これらのチェックリストに基づいて比較検討することで、信頼できるパートナーを見つけることができます。
優良なアンテナ工事業者を選ぶことが、その先の安心した工事につながるのです。
まとめ:屋根の上のアンテナが気になる方は、優良な専門業者へとご相談ください
本記事でもご紹介した通り、屋根の上にテレビアンテナが何本も立っている状態には、アナログ放送時代の古いアンテナ、新しいアンテナへ交換した際に旧アンテナを撤去していない、地デジ用とBS/CS用、地方チャンネル用など複数のアンテナが必要である場合など、さまざまなケースが考えられます。
そして使われていないアンテナを放置していると、老朽化による倒壊や落下をはじめ、サビによる屋根材の傷みや配線からのノイズ混入など、思わぬトラブルにつながることがあります。
一方で、屋根にあるアンテナがすべて不要とは限りません。複数の電波塔から放送を受信しているケースや、地デジ・BS/CSアンテナを設置しているケースもあるため、見た目だけで「撤去してよい」と判断することは危険です。
アンテナの撤去や統合には、まずは電波レベルの測定、分配器・ブースター・混合器など周辺機器の確認、今後の視聴環境に合わせた施工方法の判断が欠かせません。
「あさひアンテナ」では、専門のスタッフがご自宅のアンテナ状況を丁寧に確認し、不要なアンテナの撤去や、新しいアンテナへの交換や統合まで、アンテナ機種の選択も含めて現場に最適の工事をご提案いたします。
記事内でもご紹介した通り、電波調査・お見積もりは無料で、相見積もりにも対応していますので、「このアンテナはまだ必要なのか」「撤去する費用はいくらかかるのか」「1本にまとめられるのか」といった疑問についても、まずは「あさひアンテナ」のフリーダイヤルなどへ、どうかお気軽にご相談ください。
屋根のアンテナは、普段なかなか確認しにくい設備だからこそ、気づいたときの早めの点検が大切です。
安全で見た目もすっきりした住まいを守り、長く安心してテレビを視聴するためにも、古いアンテナや複数アンテナでお悩みの方は、ぜひ「あさひアンテナ」の無料現地調査をご活用ください。
監修者:本田祐一(「あさひアンテナ」営業担当/元アンテナ工事スタッフ)
「あさひアンテナ」在籍十数年のベテランスタッフ。施工を担当した時期もあり、さまざまな地域や現場で豊富な経験もあります。
現在は知識と経験を活かして営業を担当。お客様からのアンテナ工事やトラブルなどのご相談、工事や費用に関するご質問に対して、現場の環境やご要望も踏まえて、わかりやすくご案内しています。
コラムではライターの取材に対し、実経験に基づく専門知識や施工のポイントを解説。また記事に間違いや不明確な部分がないかもチェックし、読者様のお役に立つ確実な情報元となるよう監修しています。
家庭では2児の父でもあり、ヤンチャな子供たちに手を焼きつつも、アンテナ設備の費用や安全性など、ファミリー層のお客様視点も大切にしています。
執筆者:山崎鉄(ライター/編集・構成担当)
雑誌やWebメディアにて多彩なジャンルの記事を執筆するライター。別名義で専門書や小説などの著作もあります。
数々の執筆経験から、正確な取材や資料集めに基づき、簡潔な解説からユーモラスな味わいまでさまざまな文体で、読者が求める情報を平易に伝えることに定評があります。
本コラムでは、アンテナ工事などの専門的なテーマについて、現場経験も豊富な担当者への取材や資料に基づき、一般読者にも理解しやすいよう整理し、読者によってアンテナ工事やトラブルの解決に活用できる記事として構成・執筆しています。
趣味は映画鑑賞と読書。広範な作品や資料に触れており、多ジャンルにまたがる知識も、記事の構成や表現に活かしています。
10月は秋の古書市が各地で開催されるため、できるだけ見に行けるようスケジュールを調整中。




