混合器・分波器・分配器の違いとは?テレビ配線の悩みを自力で解決!【プロが解説】
部屋にあるアンテナコンセントからのアンテナケーブルを2台以上のテレビやレコーダーなどにつなぎたい、またアンテナコンセントのユニットそのものを交換したいなど、テレビの配線やアンテナ端子の増設を、ご自分でやってみようとお考えではありませんか。
ただ、その作業には各種の機材と、ケーブル配線に関する正確な知識が必要になります。
そして、いざ家電量販店やネット通販などで必要な機器を探すと、似たような名前の製品が多くて迷ってしまうことはないでしょうか。
例えば「混合器」「分波器」「分配器」、さらには「分岐器」など、名前だけでなく製品の見た目や説明も似ていて、どれを買えばいいか分からずお悩みではないでしょうか。
専門知識がないまま間違った機器を購入してしまうと、目的通りに使うことができず、お金や作業の時間を無駄にしてしまう可能性があります。
最悪のケースでは、テレビが正しく映らなくなるトラブルにもつながりかねません。
そこで本記事では、アンテナ工事の専門家である「あさひアンテナ」の監修のもと、アンテナケーブルからの電波をさまざまな形に分ける、上記した各機器の違いを解説します。
記事の執筆は、「あさひアンテナ」への取材も担当したアンテナ機材に詳しい専門ライターによるもので、難しい専門用語を極力避け、図解なども交えながら、一般の方が直感的に理解できるようまとめました。
この記事を一通りお読みいただければ、上記した「混合器」「分配器」「分波器」など、それぞれの機器の明確な役割と、ご自身の環境や必要な状況に最適な機器の選び方が分かります。
室内のケーブル配線やアンテナコンセントに関する作業で、アンテナ工事業者に頼らず、安価に問題を解決したい方は、ぜひ最後までお読みください。
本記事の情報を参考に、必要な作業に対して適切な機器をお選びになり、快適なテレビ視聴環境を自力で構築してください。
混合器・分波器・分配器の「決定的な違い」とそれぞれの役割
まずは、「混合器」「分配器」「分波器」の3種類の機器に加え、これらと混同されやすい「分岐器」も含めて、各機器の決定的な違いについて理解しましょう。
結論から申し上げると、どれもアンテナケーブルに接続する機材ですが、テレビ電波に対する「作用の仕方」が全く異なります。
各機器の役割は、電波を「まとめる」のか、「分ける」のか、「均等に分ける」または「一部のみ分ける」のかというシンプルな違いです。
本記事を参考に、分配器と分波器、混合器の違いとそれぞれの役割を把握すれば、ご自身の目的に合った機器が自然と見えてきます。
まずは以下の比較表で、基本的な機能と用途の違いを確認してください。
※上記は各機器の基本的な役割の違いになります。
混合器(ミキサー):異なる電波を1本のケーブルに「まとめる」
「混合器(こんごうき)」とは、異なる種類の電波、または複数のアンテナケーブルから送られる電波を、1本のケーブルにまとめるための機器です。
一般住宅では主に、地デジ用アンテナとBS/CS用アンテナ(現場によっては地方局用の地デジアンテナも)から伸びる別々のケーブル(ケーブル内を伝わる電波)を統合する際に使われます。
複数のアンテナの付近で2本以上のケーブルを1本にまとめることにより、壁の中を通すケーブル配線や機器を簡素化できます。
配線の見た目がスッキリし、必要なケーブルの長さも短くなる上、ケーブル途中に接続する機器の数も減らせることで、工事の全体的なコストが抑えられるというメリットがあります。電波の種類ごとに重ね合わせる仕組みのため、信号品質への悪影響はほとんどありません。
その形状は主に、2個以上の入力端子と、電波をまとめて送り出す1個の出力端子からなる箱状の機器です。ただ屋外のアンテナなどの付近に設置されることが多いため、風雨に耐えうるようやや大型で頑丈な造りの製品が多くなります。
また、地デジとBS/CSの電波を混合する場合、現在では後述する「ブースター」と混合器の機能が一体化した「UHF/BSCS混合ブースター」を利用することが多くなります。
混合器の主な特徴は以下の通りです。
- 複数の電波(地デジとBS/CSなど)を1本に統合する。
- 屋外のアンテナ近くや屋根裏に設置されることが多い。
- 配線ルートをシンプルにし、部材コストを削減できる。
- 電波を重ねるだけなので、信号の減衰(ロス)が非常に少ない。
※上記は混合器の基本的な特徴になります。
混合器は地デジ・BS/CSアンテナ工事の際に、アンテナ工事業者が適切な機器を選んで設置してくれるので、一般の方が選ぶ機会は少なくなります。
ただ、衛星放送で、従来の2K(右旋)放送より周波数帯が高くなる4K8K(左旋)放送を視聴する場合は、混合器、そして後述する分波器とも「4K8K(3224MHz)対応」の機器であることが必要です。
分波器(セパレーター):まとまった電波を地デジとBS/CSに「分ける」
「分波器(ぶんぱき)」は上記した混合器により、1本のケーブルに混合された別種類の電波(主に地デジのUHFとBS/CSの電波)を、ふたたび別々のケーブルに分ける機器です。
壁のアンテナコンセント端子から出てきた、地デジとBS/CSの電波を、テレビ裏の「地デジ入力」と「BS/CS入力」の端子につなぐために使います。
それぞれの電波が混合されたままで地デジ・BS/CSの各端子に接続すると、機器側は電波レベルが強い側の電波しか受信できなくなります。そのため、テレビの前であらためて地デジ・BS/CSを別々のケーブルに分けて正しく接続する必要があるのです。
混合器が複数の電波の「入口」であれば、分波器はテレビへ届ける前に正しく分ける「出口」の役割を果たします。
したがって「混合器」「分配器」の2つは、セットで運用されるのが一般的なアンテナ配線の基本です。
分波器の形状は、主に室内で使われるため、アンテナコンセントからの入力端子が1個と、地デジ・BS/CSそれぞれの出力端子が1個ずつの2個になります。
また端子の抵抗による電波の減衰を抑えるため、分波器とケーブルが一体化している製品もあります。
他にもアンテナコンセントユニットに分波器の機能がある製品もあり、このような製品ではアンテナコンセントの時点で地デジとBS/CSの出力端子が別々になっています。
分波器の具体的な役割は以下の通りです。
- 混合器で一本のケーブルにまとめられた地デジ、BS/CSの電波を、ふたたび2本のケーブルに分離する。
- 周波数フィルターを使って、周波数帯別に電波を選別する。
- テレビやレコーダーの直前に設置されることが多い。
- 適切に設計された製品なら、端子部の抵抗を除き、信号品質の劣化はほぼ起こらない。
※上記は分波器の基本的な特徴になります。
分波器は、混合器に対応する機器であるため、地デジ・BS/CS双方のアンテナが設置されていて、アンテナコンセントで分配されないお住まいでは、各部屋(各テレビの前)に必須の機器となります。
製品を選ぶ際の注意点としては、上記の通り4K8K衛星放送を視聴する場合は対応製品が必要なことと、ケーブル一体型を購入する際は、アンテナコンセントからテレビまでの距離に応じた製品を購入することになります。
分配器(スプリッター):1つの電波を複数の部屋やテレビに「均等に分ける」
「分配器(ぶんぱいき)」は、ケーブルを伝送される電波を、複数の出力端子へ「均等に」分割するための機器です。
リビングや寝室など、複数の部屋で同時にテレビを見たい場合に使用されます。
戸建て住宅では一般的に、屋根裏や天井裏、マルチメディアボックスなどに分配器が事前に設置されています。
屋内の分配器は、アンテナからの入力端子が1個、出力端子が2個から8個(7個除く)までの種類があり、アンテナから混合器やブースターを経た一本のケーブル(電波)を、複数の端子に分け、各部屋のアンテナコンセントやテレビに送る役割を持っています。
また室内のアンテナコンセントの先で、テレビと録画用レコーダーなど、複数の受信機器に電波を送りたい場合にも、2、3分配の分配器が使われることがあります。
ただ、分配器を使う際に注意すべき重要なポイントは、分配器を通すと、個々の分配先の電波レベルが弱まるという点です。
例えば、分配器に入力された電波が100%として、4分配する場合、各出力端子からの電波レベルは、当然ながら25%ずつになります。またこれとは別に、電波が分配器や端子を通る際には、抵抗による若干の減衰も起こります。
これを「分配損失」と呼び、分配する数が増えるほど各テレビに届く電波は弱くなります。そのため必要以上の分配は避けることが重要です。
分配器を使用する際の注意点は以下の通りです。
- 分ける数(2分配、4分配など)によって、分配損失の大きさが変わる。
- 元の電波が弱い場合、分配することで個々の分配先の電波が弱まり、テレビが映らなくなる恐れがある。
- 一般家庭でテレビを増設する際に、もっともよく使われる機器である。
- 端子が余った場合は、ノイズを防ぐための終端処理が必要になる。
※上記は分配器の基本的な特徴です。
分配器の製品を選ぶ際の注意点として、まず住宅の中心として各部屋に電波を送る製品の場合は、部屋数(必要な分配数)に予備の1端子を含めた分配数の製品を選ぶこと、また地デジ、BS/CS、4K8Kなど視聴するテレビ放送に対応する製品を選ぶことになります。
他にも、普段は使用しない予備の出力端子には電波のフタとなる「ダミー抵抗器」を設置しておく(特に4K8K放送では必須)こと、テレビ機器からBS/CSアンテナに給電する場合には、給電方法に応じた「一端子通電型」「全端子通電型」モデルを選ぶこと(詳細は後述)になります。
また、分配数(分配損失)に応じて、ブースターのゲイン(増幅量)を調整し、すべての部屋に十分な電波が届くようにすることも重要です。
室内用の分配器には、分波器と同じくケーブル一体型の製品や、分配損失を補完する小型ブースターと一体化の製品もあります。室内の環境や電波レベルに応じた製品を選ぶことがおすすめです。
分岐器:1つの電波を90%と10%など「一部分だけ分ける」
ご参考までに、基本的に一般住宅では使用されない機器ながら、分配器と名前や見た目がよく似ている「分岐器(ぶんきき)」についても解説します。
分岐器は、メインのテレビ電波を大きく減らさずに、その一部分だけを分けて送信する機器です。
その形状は1個の入力端子と、1個の出力端子、そして1個から数個の分岐端子と、分配器によく似ていますが、分岐器は主にマンションなどの集合住宅で、各階や各部屋へと電波を送るために使われます。
集合住宅では一般的に、各棟の屋上に大型のテレビアンテナを設置し、棟内の配線で各階の各部屋に電波を送っています。
そのため各階・各部屋に電波を分ける際に、メインのケーブルを送られる電波のうち、例えば全体の10%など一部だけを分けることができる「分岐器」が必要となるのです。
したがって分岐器は分配器と似た機能ながら、一般住宅で使われることはありません。
一般家庭でテレビを増設する、分配器と同じ目的で分岐器を買ってしまうと、分岐される側の電波レベルが低すぎるためテレビが正しく映りません。
分配器と間違えて分岐器を購入しないよう、注意しましょう。
分配器と分岐器の違いは以下の通りです。
- 分配器はすべての出力端子に「均等」に電波を分ける。
- 分岐器はメイン経路(OUT端子)と分岐経路(BR端子)に「不均等」に分ける。
- 分岐器のBR端子から出る電波は非常に弱く設定されている。
- 一般家庭の配線で分岐器が出番となるケースはほぼ存在しない。
※上記は分配器と分岐器の基本的な違いです。
目的別!あなたの環境に必要な混合器・分波器・分配器の違いと具体的なつなぎ方
上記の項目にて、分配器や分波器などそれぞれの機器の違いが分かったところで、ここからは具体的な使用例を見ていきましょう。
この項目では「自分の家では結局どれを買って、どうつなげばいいの?」という疑問にお答えします。多くの方がご自宅で直面する代表的な2つのケースを取り上げ、必要な機器と手順をまとめました。
ご自身の目的に当てはまるケースを確認し、正しい配線イメージを掴んでください。
必要な部材をまとめた以下の表も参考にしながら、準備を進めましょう。
※上記はケース別に必要な機材の一般的な具体例です。
【ケース1】壁の端子が1つで、地デジもBS/CSも両方見たい場合
一般のお住まいでもっともよくあるケースが、ご自宅に地デジアンテナとBS/CSがあり、壁のアンテナ端子は1個しかないのに、地デジとBS/CSの両方を見たいというケースです。
この場合、アンテナの付近で混合器(混合ブースター)が使用され、壁のアンテナコンセント端子まで来ている1本のケーブルには、すでに地デジとBS/CS、2種類の電波が混ざっていると考えられます。
そのため、アンテナコンセントからテレビまで接続する際に、あらかじめ地デジ・BS/CSの電波を2本のケーブルに分けるための「分波器」が必要になります。
ここで誤って「分配器」を使ってしまうと、混合されたままの電波を2分の1ずつの強さに分けるだけになり、テレビ側に接続しても、地デジやBS/CSの映像が正常に映らないことになります。
このケースでは、必ず「分波器」を用意し、以下の手順で正しく配線を行いましょう。
- 配線の具体的な手順は以下の通りです。
- 壁のアンテナコンセント端子と、分波器の「入力端子」を同軸ケーブルで接続する。
- 分波器の「地デジ出力端子」からのケーブルを、テレビの「地デジ(UHF)入力」に接続する。
- 分波器の「BS/CS出力端子」からのケーブルを、テレビの「BS/CS入力」に接続する。
- 新しいテレビの場合は初期設定画面で、チャンネルスキャンを実行する。
※上記は分波器を設置する際の基本的な手順です。
【ケース2】リビングと寝室など、複数の部屋でテレビを見たい場合
次に、ご自宅で他の部屋にもテレビを増設したい場合や、室内にレコーダーなどの受信機器を追加したいケースです。
この場合は、1カ所からのテレビ電波を複数の機器へと等しく分ける「分配器」が必要になります。
具体的には、壁のアンテナコンセント端子からのケーブルに分配器をつなぎ、そこから各部屋のテレビ(または室内のレコーダーなど各機器)へケーブルを延ばします。
さらに、増設した各テレビで地デジとBS/CSの双方を見たい場合は注意が必要です。
分配器で分けた後のケーブルの先に、それぞれ前述のやり方で「分波器」を取り付ける複合的な配線となるためです。
分配器を使って複数の部屋へとケーブル配線する手順は、以下の通りです。
- 大元となる壁のアンテナ端子に、分配器の「入力端子」をつなぐ。
- 分配器の「出力端子」から、各部屋のテレビに向けて長い同軸ケーブルを配線する。
- 各部屋のテレビ直前で、ケーブルの先に「分波器」を接続する。(地デジ/BS両方見る場合)
- 分波器から、テレビの「地デジ入力」と「BS/CS入力」へそれぞれ接続する。
※上記は分配器を設置する際の基本的な手順です。
お住まいの屋根裏やマルチメディアボックスなどにあり、各部屋に電波を送る分配器を交換する、アンテナコンセントを増設してテレビの台数を増やすなどの作業は一般の方には難しいため、アンテナ工事の専門家へとお任せになることをおすすめします。
失敗しない機器の選び方!無駄な出費を防ぐ3つのポイント
「混合器」「分波器」「分配器」の違いと、お住まいの目的に合った機器が分かっても、実際の商品選びで失敗するリスクはまだ残っています。
各機器の解説でも少し触れましたが、機器別に対応できるテレビ電波や、環境別のタイプによっても商品の違いがあるためです。家電量販店やネット通販には、価格もそれらの性能も異なる製品が溢れています。
したがってただ安さだけで選んでしまうと、製品の性能が現在の放送規格やお住まいのアンテナ環境などの状況に対応しておらず、後悔することになります。
この項目では、間違った製品を購入するリスクを避け、将来性も含めて長く安心して使える機器を選ぶためのポイント、状況別におすすめの分波器や分配器について解説します。
以下のチェックポイントも含めて、パッケージや商品説明の「どこをチェックすべきか」を確実に押さえておきましょう。
分配器や混合器、分波器の製品選びでチェックすべき3つのポイントは、以下の通りです。
- 新4K8K衛星放送(3224 MHz)に対応しているか。
- ノイズに強い高シールド構造になっているか。
- 電流通過型(通電機能)の仕様がご自身の環境に合っているか。
※上記は主に分配器の製品を選ぶ上での重要なポイントです。
新4K8K放送対応と「全端子電流通過型」がおすすめな理由
上記でも少し述べた通り、一般の方が混合器の機器について選ぶ機会はあまりなく、分波器の機器選びについては、ケーブル一体化型か否か、4K8K対応かどうかといった点のみになります。
ただ、分配器を選ぶ場合、もう少し複雑な条件が出てきます。
分配器の製品を選ぶ際の最重要ポイントは、新4K8K放送への対応と通電機能の2点です。
まずは、新4K8K衛星放送についてもう少し詳しく解説します。
2018年(平成30年)にスタートした新4K8K衛星放送は、多くのチャンネルで、従来の2K衛星放送(右旋:1032MHzから2072MHz)よりも高い周波数帯(左旋:2224MHzから3224MHz)を使っています。
アンテナからケーブルや機器を経てテレビまで伝送される電波は、周波数帯が高いほど、途中での減衰や漏洩などが生じやすくなります。
そのため、地デジ(UHF:470MHzから710MHz)の他に衛星放送や4K8K放送を見る場合には、それぞれの電波の周波数帯に対応するケーブルや分配器など配線部の機器が必要になるのです。
地デジにしか対応できない古い規格の安い分配器などを購入すると、高周波の映像信号が漏洩してしまい、4K8Kチャンネルが映らない可能性があります。
また分配器の場合、4K8Kの電波は外部からのノイズの影響を受けやすいため、外部ノイズを遮断する金属ケースで覆われた「高シールド型」の機器が必要です。
分配器であれば、「4K8K」「3224MHz対応」などの表記のほか、一般社団法人「電子情報技術産業協会(JEITA)」の審査により、4K8K対応の性能を持つ機器として認定された製品に付与される「SHマーク(スーパーハイビジョン受信マーク)」がついた製品を選べば間違いありません。
参考情報として、4K8K対応製品でもアンテナケーブルなどシールド性能だけが問題になる製品については、「SHマーク」の代わりに、同じくJEITAの審査で一定以上のシールド性能を認定された「HSマーク(ハイシールドマーク)」が付与されています。
もうひとつ、分配器を選ぶ上での重要なポイントは、BS/CSアンテナへ電源を送るための「通電機能」です。
衛星放送を受信するBS/CSアンテナは、静止衛星から長距離を送られてくる12GHz帯という非常に周波数帯の高い電波を受信し、本体に付属する「コンバーター」という機器で、上記した周波数帯に変換した後、ケーブルへと送信しています。
このコンバーターを作動させるためには、屋内にあるテレビ側で「BS電源設定」を行い、BS端子からケーブル経由でアンテナ側に電気(DC15V)を送る必要があります。(ブースター電源部を使う電源供給方法もあり)
しかし、テレビからケーブルを通じてBS/CSアンテナに電源を供給する際には、途中で分配器を経由します。
ここで分配器が「1端子通電型」か「全端子通電型」かが大きな問題になります。
「1端子通電型(1端子電流通過型)」とは、複数の出力端子のうち1個のみが通電する機器で、ここにアンテナへと電源を送るテレビを接続して使用することになります。
この場合は、特定のテレビから常にアンテナへと給電することになりますが、この方法では節電の問題のほか、給電するテレビの主電源が切れているとアンテナ(コンバーター)が動作せず、住宅内にあるすべてのテレビで衛星放送が映らなくなります。
対して、「全端子通電型(全端子電流通過型)」は、すべての出力端子からアンテナ側へと通電する分配器です。このタイプであれば、接続されているすべてのテレビや受信機器で衛星放送を見る際のみアンテナ側に通電する「随時給電」が可能になります。
そのため衛星放送を視聴しない際は通電しないことで節電につながるだけでなく、どのテレビでも問題なく衛星放送を視聴できる利便性が高まります。
価格面では、同じ分配数でも1端子通電型に比べ、全端子通電型はやや割高な傾向がありますが、特に複数台のテレビで衛星放送を視聴する環境では、全端子通電型の分配器を強く推奨します。
以下は、分配器における通電機能の種類とメリット・デメリットをまとめた一覧です。
- 全端子通電型:どのテレビからも給電でき、配線を気にしなくて良い。(おすすめ)
- 1端子通電型:給電用テレビがオフになると、他のテレビでBSが映らなくなる恐れがある。
※上記は分配器の通電機能別の主なチェックポイントです。
テレビ電波が弱い・テレビが映らない時の解決策と注意点
分配器や分波器の正しい機器を選び、本記事の手順通り、すべて正しい端子に接続してもテレビが映らない、またはテレビの映像が乱れることがあります。
その最大の原因は、分配器を通したことによる「分配損失」で、テレビの電波レベルが弱い状態になっているためです。
現在のデジタルテレビ放送を快適に見るためには、気候などによる電波レベルの変動も踏まえて、地デジ放送で47dB以上、BS/CS放送で50dB以上の電波の強さが必要です。(テレビのチューナーに届く時点での電波レベル)
しかし、アンテナコンセントから供給される元のテレビ電波がギリギリの強さだった場合、室内で2分配しただけで必要なレベルを下回ってしまいます。
まずは、テレビのメニュー画面にある「アンテナレベル確認」機能で現在の電波レベルの数値を調べてみましょう。
もし電波レベルが足りないことが判明したら、電波を増幅する「ブースター(増幅器)」の導入が必要です。
ブースターをアンテナと分配器の間に設置(屋外用ブースターの場合)することで、アンテナから届く電波を、お住まいのすべての部屋で十分なレベルに達するよう、強力に増幅できます。
ただし、屋外用ブースターの設置には電源の確保や適切な増幅の数値調整など、少し専門的な作業が伴います。
またアンテナからの距離などの影響で、特定の部屋でのみ電波レベルが低くなる場合には、増幅性能はやや低いぶん設置が簡単な室内用ブースターやラインブースターを使うことで、不足した電波レベルを補填できます。
また、分配器の出力端子に未使用の予備がある場合は、前述の通り端子のフタともいえる「終端抵抗器(ダミーロード・ダミー抵抗器)」を必ず取り付けてください。
抵抗器がない状態では、空き端子からノイズが入り込んだり、漏洩したりして映像が乱れる、その他電波障害の原因になります。
以下は、分配器の使用などでテレビが映らない時のセルフチェックリストです。
- テレビのアンテナレベル(受信強度)は基準値を満たしているか。
- ケーブルの芯線が曲がったり、端子の緩みが発生したりしていないか。
- 分配器の余った出力端子に、終端抵抗器(ダミーロード)を取り付けているか。
- BS/CSアンテナへの電源供給設定(テレビ側の設定)は「オン」になっているか。
- 「全端子通電型」「1端子通電型」の分配器を適切に使用しているか。
※上記は主に分配器の問題でテレビが正常に映らないケースとその対処法です。電波障害やアンテナトラブルなどの要因でテレビが映らないケースとその対処については、本コラム内のその他の関連記事をご確認ください。
記事まとめ:混合器・分波器・分配器の違いを理解して正しい機器の適切な設置を
本記事では、お住まいのアンテナケーブル配線で重要な役割を果たす機器、混合器・分波器・分配器の違いや、正しい機器の選び方について解説しました。
それぞれの機器の役割や特徴、お住まいの環境に応じた選び方を理解すれば、ご自身のテレビ環境に最適な配線が可能です。
特に、屋内でテレビ電波を均等に分ける「分配器」と、地デジとBS/CSの電波を分ける「分波器」の違いは非常に重要です。
現在、戸建て住宅でこれらの機器をご購入になる際は、将来性を見越して「4K8K対応」や「全端子通電型」を選ぶと失敗を防げます。
以下のまとめ表で、最後にもう一度、本記事のポイントをおさらいしておきましょう。
※上記は本記事でご紹介した各機器についての簡単なまとめです。
もしご自身での配線や機器選びにご不安がある場合は、無理をせずプロの業者へとご相談になるのもひとつの手です。
配線の見直しや機材選び、ブースターの設置など、アンテナ工事のことなら、本記事にもご協力いただいた「あさひアンテナ」にお任せください。
専門知識と高い技術を持った同社の社員スタッフが、お客様の環境に最適なテレビ視聴環境をご提案します。
お客様が快適なテレビライフを送るために、この記事がお役に立てたなら幸いです。
なお「あさひアンテナ」へとアンテナ工事をご依頼になるメリットは、以下の通りです。
- アンテナ工事の専門家として、最適な機器選定と配線を迅速に行います。
- 電波レベルを専用の測定器で正確に測り、確実な視聴環境を構築します。
- ブースターの追加や隠蔽配線など、難しい工事にも柔軟に対応可能です。
- 完全自社施工で熟練スタッフによる高品質な工事を適正価格でご提供します。
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- 即日工事や他業者との相見積もりにも対応できます。
- 見積もり内容は詳細で、ご提示後の追加料金が加算されることはありません。
- 工事後には業界最長クラスの10年保証をご用意しています。
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