奈良県生駒郡平群町でテレビアンテナ工事をお考えの方へ

平群町 てどんなところ？？

奈良県生駒郡平群町は、県の北西部に位置し、西端に接する町です。町域の西に生駒山地、東に矢田丘陵が位置し、その間には「小倉百人一首」で名高い竜田川が北から南へと流れ、川沿いの平地に市街地が形成された、盆地状の地形です。町域内の山の起伏は、倭建命（ヤマトタケルノミコト）が「命の 全またけむ人は たたみこも 平群の山の くま白檮（かし）が葉を うずに挿せ その子」と詠んだとされるなど、緑深い自然環境が美しい町です。
平群町の気候は年の平均気温が約14.4度と、一年を通して穏やかですが、盆地型の内陸性気候ということもあり寒暖の差が激しい面もあります。年間総雨量は1,354.6ミリと少なくなっています。
平栗庁は古代の大和国平群郡平群郷の地にあたり、その歴史は古く、古墳時代、奈良時代には人々が住んでいたと見られています。町域は武内宿禰を祖とする古代の有力豪族、平群氏の本拠地であり、平群神社や平群坐紀氏神社、平群石床神社、また古墳などの旧跡が町内に数多く残っています。聖徳太子の創建と伝えられる国宝、信貴山縁起絵巻で有名な信貴山朝護孫子寺も町域に属しています。
戦国時代の1536年（天文5年）には木沢長政が信貴山に信貴山城を築城します。
その後、大和国（今日の奈良県）は、土豪勢力の戦国大名、筒井氏が制覇します。しかし筒井氏の最盛期を築いた筒井順昭の死後、筒井藤勝（順慶）が幼くして家督を継ぎ、その機を見た畿内の覇者、三好氏の家臣で、梟雄として知られる武将、松永久秀が大和に攻め入り、順慶を追放して大和を制圧、信貴山城および多聞山城に本拠を置きます。
松永久秀は主君への裏切りを繰り返した奸雄として悪名高い半面、軍事、政治の他、茶の湯にも通じた教養人として知られるなど、多才な名将でもあり、久秀が大きく改修した信貴山城には、日本の城郭では2番目となる天守が建造され、のちに織田信長も安土城の建造において、その天守を参考にしたといわれています。
その後、久秀は室町幕府将軍、足利義昭を奉じて畿内に進出した織田信長に降伏。正式に大和一国の支配を認められますが、のちに信長に反逆。信貴山上に籠城し、天守に火を放って嫡男の久通と共に自決したことが知られて、信貴山城は廃城になったと考えられています。
なお久秀は自決の際、信長が所望した茶器、古天明平蜘蛛に火薬を詰め、天守もろとも自爆したとの話が知られていますが、これは後世の創作といわれています。またその後の大和は、同じく信長の傘下に入った筒井順慶が支配権を回復しています。
明治維新以降、今日の平群町にいたる歴史としては。1889年（明治22年）4月1日の町村制施行により、現在の町域に平群郡明治村が発足します。1896年（明治29年）9月1日 には明治村が改称して平群村となり、1897年（明治30年）4月1日には所属郡が生駒郡に変更されます。そして1971年（昭和46年）2月1日に、生駒郡平群村が町制施行を行い、現在の平群町となりました。
町名および旧郡名の下となった地名「平群」の由来には、古代に都が位置した桜井や飛鳥方面から見て、奈良盆地の北西で対角にあることから「辺の国（へのくに）」が「平群」に変化したとの説があります。
なお今日の生駒郡平群町は、名前の如く地方自治体の中では「町」になります。地方自治法における普通地方公共団体（地方自治体）の「市」「町」「村」とは、まず市は基本的に人口が5万人以上で、中心となる市街地に全戸数の6割以上が集中する。商工業その他の都市的な業態に従事する者や、それと同一世帯に属する者の数が全人口の6割以上。その他、各都道府県における条例で定められた施設などの都市的要件を備えているなどの条件を満たす自治体になります。
町は都道府県によって条件が異なってきますが、奈良県の場合はまず8,000人以上の人口を有し、一定の建築物の連なりを占めす連坦戸数や連坦率、一定の官公署の存在、産業別就業人口割合など、各都道府県の条例で定められる「町」の要件を満たす自治体になります。
村には特に法的な要件はなく、市や町の要件を満たさない自治体は、自動的に村となります。
また平群町が属する生駒郡の「郡」ですが、これは明治以降の制度における「郡」は、複数の町村を編成した行政区画を意味し、それぞれ市や町と同じく郡役所や郡長の役職などが置かれていました。この制度は第二次世界大戦後の地方自治法によって改正され、現在では群といえば住所表記や広域連合、選挙区の区画割りなどに使われる程度で、重要な意味はなくなっています。
さらに市や区は郡に含まれないため、合併や市制施行により村や町から市になると、それまで属していた郡から外れます。2022年現在、奈良県で生駒郡に属するのは、平群町と三郷町、斑鳩町、安堵町の4町になっています。
現在の平群町の基幹産業は農業になります。北部地域の上庄、梨本地区はイチゴ（苺）の産地として知られ、半促成・促成栽培を中心にして、特にクリスマス直前には多く出荷されます。奈良県産のイチゴの品種「古都華（ことか）」の栽培においては、県内でも随一の生産面積を有し、平群町のイチゴは香りも高く、艶やかな赤い実と高い糖度による濃厚な味わいなど、消費者からも高い評価を得ています。
中部地域ではバラ（薔薇）やコギク（小菊）などの花卉栽培が盛んに行われており、特にコギクについては夏季と秋季では日本一の生産量を誇っています。このことからキク（菊）は町の花にも制定されています。南部地域ではデラウェアを中心とするブドウ（葡萄）が栽培されており、平群町は奈良県でも最大のブドウの産地となっています。品種としては種なしブドウの栽培が盛んですが、巨峰やベリーAなどの品種も生産されています。
平群町には、その古い歴史から前述のように40寺院、22神社、古墳64基など多くの名所・旧跡が残されています。
信貴山朝護孫子寺（しぎさんちょうごそんじじ）は生駒山地の南端付近、奈良県側の信貴山の山腹に位置する寺院です。伝承では582年（敏達天皇11年）の寅の年、寅の月、寅の日、寅の刻に聖徳太子が、仏教における四天王の一尊とされる武神、毘沙門天を感得し、その加護によって物部守屋に勝利したことから587年（用明天皇2年）に、自ら刻んだ毘沙門天を本尊として創建した寺院とされています。
またその際に、聖徳太子は「信ずべき貴ぶべき山」から、寺を創建した山を信貴山と名付けたと伝えられています。現在、朝護孫子寺のいたるところに虎の張り子が置かれているのも、この逸話に由来しています。
910年（延喜10年）には命蓮上人によって伽藍が整備されており、また命蓮上人の祈祷により醍醐天皇の病が治癒したことから「朝廟安穏」「守護国土」「子孫長久」の祈願寺とされ、醍醐天皇より「朝護孫子寺」の勅号を賜ったと伝えられます。
戦国時代には前述の信貴山城が築かれ、1577年（天正5年）に、織田信長に反旗を翻した松永久秀と、明智光秀、筒井順慶など信長軍との間で行われた信貴山城の戦いにより、朝護孫子寺の堂塔六十余宇が全焼しています。1602年（慶長7年）には豊臣秀吉によって本堂が再建され、1610年（慶長15年）に伽藍の再興が完成しています。
現在でも本尊の毘沙門天が戦いの神であること、戦勝祈願の故事があること、虎が守り神であることなどから、プロ野球セリーグ、阪神タイガースの選手やファンも必勝祈願のために多く訪れています。
また朝護孫子寺が所蔵する国宝、信貴山縁起絵巻は、日本の絵巻物における最高傑作と名高く、日本上代の世俗画の到達点ともいわれています。その内容は命蓮上人の事績を物語風に描いた絵巻物であり、「飛倉ノ巻」「延喜加持ノ巻」「尼公ノ巻」の三巻からなり、建築史や風俗史の研究資料としても高く評価されています。現在、同国宝は奈良国立博物館に委託されていますが、毎年の秋、一部が里帰りして、霊宝館にて展示されています。
千光寺（せんこうじ）は真言宗醍醐派の寺院で山号は鳴川山。通称は元山上千光寺とも呼ばれます。660年（斉明天皇6年）頃、修験道の開祖といわれる役行者が、生駒明神に参拝した際に、ご神託によって鳴川の里に入り、小さな草堂を建ててウルシ（漆）の木で千手観音を刻み安置しました。その後、天武天皇によって国家鎮護を願うために伽藍が建立され、千光寺と命名されたことが発祥といわれています。
また役小角が千光寺で修業を重ねたあと大峯山寺を建立したため、千光寺は元山上とも呼ばれる他、女性の修行者を受け入れたことから、女人山上とも呼ばれています。
千光寺の境内には本堂や観音堂、十三重塔、宝塔などの堂塔が並び、観音堂、行者堂を見守るように、平群町の文化財に指定される役行者の像が立っています。現在では崖に彫られた貝ふき地蔵や五尊磨崖仏などの行場めぐりができる他、宿坊もあり、滝修行などの修行も行うことができます。千光寺が所有する文化財には、前述する役行者・前鬼・後鬼像の他、梵鐘、磨崖石仏群、錫杖などがあります。
金勝寺（きんしょうじ）は竜田川に迫る薬師山の麓に位置する寺です。一帯は古くから竜田川に住む龍神信仰が伝わる地域です。寺伝によると、行基菩薩が春日神祠参籠の際にお告げを受け、746年（天平18年）に、聖武天皇の勅命によって境内四丁四方、三重塔、寺領七百石、大講堂、阿弥陀堂、金堂、護摩堂、食堂、塔頭坊舎三十六ヶ坊等の伽藍が建立されたと伝えられます。しかし戦国時代の1559年（永禄2年）には大和を制圧し、信貴山城に入城した松永久秀の焼き討ちに遭い、ほぼすべての建造物を焼失し、寺領も没収されています。
その後、信仰厚い村の人々や、大和の覇権を取り戻した筒井順慶や、順慶の重臣であった戦国武将、島左近（清興）の一族などの協力によって本堂、坊舎六ヶ坊、阿弥陀堂などが復興されるも、江戸時代の文政年間には五ヶ坊が廃絶し、現在は真言院桜の坊のみが残っています。また本堂は何度か焼失していますが、1902年（明治35年）に無量寿殿(阿弥陀堂)、護摩堂、解体移転、東門、南門、檀信徒研修道場などを新築して、今日にいたっています。
遺跡、古墳では、長屋王墓は直径15メートル、高さ約1.5メートルの円墳状の塚で、1901年（明治34年）に宮内庁より奈良時代初期の皇親政治家、長屋王の墳墓とされました。「続日本紀」には、長屋王は729年（神亀6年）に正妻である吉備内親王と共に「生駒山に葬る」と記載されていますが、明確な場所は示されていませんでした。その約1000年後、江戸時代中期にまとめられた「大和志」に「双墓梨本村にあり一は長墓と称し左大臣正二位長屋王、一は宇司墓と称し二品吉備内親王」と記載されていたことから、長屋王夫婦の墓であると判明しました。
吉備内親王墓は長屋王墓から北西に150メートル離れた丘陵斜面の中段にある直径20メートル、高さ約2メートルの円墳です。1901年（明治34年）に宮内庁によって長屋王正妻、吉備内親王の墳墓とされました。
烏土塚古墳（うどづかこふん）は全長60.5メートル、後円部径35メートル、高さ約9メートル、前方部幅31メートルの前方後円墳で、平群谷でも最大規模の古墳です。墳頂寄りに1.5メートルから2メートル間隔で円筒埴輪を並べていたと考えられ、墳丘の西裾では幅約2メートルの小規模な周溝が確認されています。同古墳の保存問題が平群町文化財保護条例の制定や、平群史蹟を守る会創設の契機にもなっています。その保存整備についても、町の文化財保護行政の原点となりました。
前述の信貴山城跡は信貴山雄嶽を中心とした城跡で、町指定史跡になっています。その規模は東西に約550メートル、南北に約700メートルで、奈良県では最大規模の中世城郭です。今日では建築物は残されていませんが、南都の北方に築城された多聞山城の記録により、雄嶽山頂に小規模な天守が存在したと考えられています。また近世に描かれた古城図には松永屋敷と記載されていたことから、城主である松永久秀の居館施設が存在したとも推測されています。
現代の町の施設には、道の駅大和路へぐりくまがしステーションがあります。これは国道168号線平群バイパス沿いにある道の駅で、農産物の産地直売や平群・奈良ブランド商品の販売、地元の新鮮な野菜を使ったレストランなど、平群町の観光情報を発信する主要拠点となっています。同施設では町の特産品であるイチゴ「古都華」を加工した「古都華ジャム」をはじめ、期間限定の「古都華パフェ」「古都華かき氷」が高い人気を集めています。土日祝日にはボランティアによる無料案内「道の駅発着ガイドと歩く歴史探訪問」が行われ、平群町の見どころを案内してもらえます。
また町のイベントとして、毎年4月下旬に、同施設の周辺で「へぐり時代祭り」が開催されます。春の暖かい日差しの中、地域の人々が松永弾正久秀や島左近、筒井順慶など、平群町ゆかりの歴史上の人物に扮して、約1.3キロの道のりを練り歩く時代行列が行われます。他にも数多くの模擬店が立ち並び、地域の人々が一丸となって取り組むイベントとなっており、近隣からも多くの観光客が訪れるなど人気を集める、活気のあるイベントになっています。

平群町 の場所

奈良県生駒郡平群町は県の北西、西端部に位置する町で、東に矢田丘陵、西には生駒山地と信貴山が位置し、中央に竜田川が流れる、豊かな自然と歴史に恵まれた山間の小平野です。町域の北側を奈良県生駒市に、東側を生駒郡斑鳩町に、南側を同郡三郷町に面しています。また西側では北寄りを大阪府東大阪市に、南寄りを八尾市に接しています。
平群町は鉄道路線、道路網など、交通網にも非常に恵まれており、鉄道を利用すれば大阪市や奈良市の中心部へ1時間程度でアクセスできます。また道路網によって大阪府、京都府、奈良県内の要所とも結ばれています。町内は山間部や山麓の平地にニュータウンなどが形成されており、自然に囲まれて史跡も豊富と、利便性に加えて環境と文化にも恵まれている、非常に暮らしやすい町といえます。
平群町の町章は「平」を勘亭流の文字にデザインしたもので、先端が丸くなった上下の横線の上に、ほぼ同形の右上から左下への2本線を重ねた、全体的には緑の長方形をしています。中央の2本の太い線により、大阪と奈良を結ぶ道路を表して、上下の矢印によって行き交う様子を表現しています。1970年（昭和45年）12月1日に旧平群村章として制定されたものが、町制の施行後にもそのまま町章として継承されました。
平群町の町歌は1982年（昭和57年）11月27日に制定されたもので、作詞は殿坂宗古さん、作曲は牧野英三さんです。
平群町の花はキク、町の木はカシ（樫）です。どちらも1983年（昭和58年）に制定されました。
キクはキク科キク属の植物で、狭義にはイエギク（家菊）、栽培ギク（栽培菊）を示します。キクは観賞用としても古くから愛されている花です。日本で観賞用の多年草植物として園芸で発展してきた品種を和菊、西ヨーロッパで育種されて生まれた品種群を洋菊と呼びます。日本では奈良時代の末か平安時代のはじめに中国から導入されたと考えられており、平安時代に入ってから「古今和歌集」などで歌にも詠まれるようになりました。鎌倉時代のはじめには後鳥羽上皇が菊の花の意匠を好み「菊紋」を皇室の家紋としたことから、日本の秋の花として広まりました。また江戸時代には園芸植物として品種改良も進んでいます。
カシは、ブナ科の常緑高木の一群の総称ですが、クスノキ科の一部にも葉などが似ていることからカシと呼ばれるものがあります。カシは常緑性の木で、主に春の終わりからから初夏に花を咲かせます。実はいわゆるドングリ（団栗）になります。庭木として民家の垣根などに植えられることが多く、防音、防風、また比較的、燃えにくいことから防火のための木として好まれます。また漢字の「樫」の通り木質が堅いことから材木としても使われますが、ただ乾燥しにくく加工もしにくいという難点もあります。
平群町のイメージマスコットには平群出身といわれる戦国武将「島左近」をモチーフにした「左近くん」と、奈良時代の皇親政治家「長屋王」をモチーフとした「長屋くん」がいます。
左近くんは十文字槍を手にしてあごひげがはえた、勇ましい戦国武将を、愛嬌ある画風で描いたキャラクターです。その名前は、公募により集まった案の中から、戦国武将の硬派さと親しみやすさを表現したものが選ばれました。
誕生日は2008年（平成20年）7月1日で、身長は193センチです。性格は正義感が強くて行動的、趣味は武道と舞だそうです。好きな食べ物は平群産のブドウで、好きなお酒は、へぐりの芋焼酎と里の恵、好きな花はへぐりローズだといいます。左近くんは平群郡が大好きで、勇ましい甲冑姿で長屋くん共に日々、平群町のPRに奮闘しています。
長屋くんは平群町職員の有志により、デザインと名前が考案されて誕生した、紫の衣装に刀を佩いた奈良時代の貴人姿ながら、くりっとした目が愛らしいキャラクターです。誕生日は2000年（平成12年）3月1日で、身長は191センチ、性格はおだやかで心が清らかです。好きな食べ物は平群産のイチゴで、好きなお酒はへぐりの完熟梅幸福梅酒。好きな花は平群のコギクだそうです。
左近くんと長屋くんは各種イベントや行事、また町の広報やホームページなどに登場して町のイメージアップとPRに活躍しています。

平群町 の鉄道路線

奈良県生駒郡平群町の鉄道路線
近畿日本鉄道（近鉄）
生駒線
・元山上口駅
・平群駅
・竜田川駅

奈良県生駒郡平群町のバス路線
路線バス
・エヌシーバス
・平群町コミュニティバス

平群町 の主要道路

奈良県生駒郡平群町の主要道路
・国道168号：道の駅大和路へぐり
・奈良県道194号椿井王寺線
・奈良県道250号平群信貴山線
・信貴生駒スカイライン

平群町 出身の芸能人

奈良県生駒郡平群町出身の著名人には、大阪府枚方市生まれ、平群町の一帯で育った元朝日放送（ABC）、朝日放送テレビアナウンサーで、現在はフリーアナウンサーとして関西を中心に活躍する三代澤康司さん。京都大学工学部の元准教授で、現在は公立鳥取環境大学教授である工学者の東樋口護教授。平群町生まれ、京都市育ちの画家で、東京藝術大学の講師を務める東樋口徹さん。ガンバ大阪などに所属した元プロサッカー選手で、現在はさいたま市議会議員として政治家を務める都築龍太さん。千葉ロッテマリーンズで外野手を務めた元プロ野球選手で、現在は高校野球部の監督を務める喜多隆志さん。自転車競技（ロードレース）選手としてさまざまな大会で活躍する山本元喜さんなどがいます。
平群町域出身とされる歴史上の人物では、町のキャラクターのモデルでもある戦国時代から安土桃山時代の武将、島清興（左近）がいます。一般には島左近の名で知られ、実名は勝猛ともされますが、正しくは清興で、また当時の資料では苗字は「嶋」と記されています。
島左近の生地は対馬国（長崎県）、近江国（滋賀県）などの説がありますが、大和国（奈良県）の出である可能性が高いとされています。
島左近はもともと大和の戦国武将、筒井氏の順昭、順慶の重臣だったといわれ、同じく筒井氏の家臣、松倉重信（右近）と共に「右近左近」と称されたともいわれます。しかし順慶の死後、甥の定次の代になると、左近は筒井家を辞しています。
その後、左近は蒲生氏郷、豊臣秀長などに仕えますが、やがて豊臣政権の五奉行の一人であった石田三成に、2万石という破格の待遇で召し抱えられます。諸説はありますが、当時の三成は4万石の身代で、その半分を左近のために割いたともいわれています。
そして豊臣秀吉の死後、三成率いる西軍と、徳川家康率いる東軍が激突した、1600年（慶長5年）の関ヶ原の戦いで、左近は東軍勢を圧倒する奮戦を見せるも、家康の調略による小早川秀秋の寝返りなどから徐々に東軍が優勢となり、ついに激闘の中、討ち死にしたとされています。ただ左近の遺体は発見されておらず、その後も生き延びていたという説もあります。
また隆慶一郎さんの時代小説「影武者徳川家康」では、島左近は関ヶ原の戦いの最中、配下の忍、甲斐の六郎を使って徳川家康の暗殺に成功するも、家康として采配を振るった影武者、世良田二郎三郎によって西軍は敗北。合戦後も生き延びた左近は、その後も家康の身代わりに仕立てられた二郎三郎に協力し、平和を維持するため歴史の裏で活躍するという設定になっており、二郎三郎や配下の六郎と共に、主人公の一人ともいえる活躍を見せています。
また町域の豪族、平郡氏の一人である奈良時代の貴族で、遣唐使の判官として唐に渡るも、帰国の途中に船が遭難し、現在のベトナム中部沿海地方である崑崙国（チャンパ王国）に漂流した後、日本へ帰りついた平群広成は、古代の日本人ではもっとも広い世界を見た人物とされています。