テレビの映りが悪い時の対処法は?映らない原因とアンテナのチェックなど自分でも簡単にできる対処法を症状別にプロが徹底解説!
お住まいにて長い間、問題なく視聴できていたテレビで、急にテレビ画面がモザイク状に乱れる、または「E201」などのエラーコードが表示されて映らなくなったという経験はないでしょうか?
ある日突然、テレビの映りが悪くなると、本当に困ってしまうものです。
楽しみにしていた番組が見られないことはもちろん、テレビやアンテナが故障したのではないか、修理はどこに相談するのか、いくらかかるのかと、不安になることも数多くあるでしょう。
しかし、この記事をお読みいただければ、アンテナやテレビの専門知識がなくても、テレビの映りが悪い原因を早急にご自分で切り分けることができます。
さらに、テレビの前ですぐに試せる簡単な対処法から、専門業者に頼むべきかどうかの判断基準も解説します。
本記事はテレビやアンテナなどの仕組みに詳しいプロのライターが執筆しています。
さらに記事内容はアンテナ工事の専門業者「あさひアンテナ」所属のアンテナ工事スタッフへの取材に基づいており、同スタッフからの監修を受けています。
経験豊富なアンテナ職人の実経験に基づく知見から、テレビ画面が乱れる原因とその対処について、2025年(令和7年)度の最新情報でもある確かな知識を、わかりやすく記事にまとめました。
もしお住まいで急にテレビ画面が乱れたときは、まずは落ち着いて、この記事で紹介する方法をひとつずつ試してみてください。
まず試して!テレビの映りが悪いときに5分でできる初期対処法5選
テレビ画面にノイズが入るなど正しく映らないときは、アンテナやテレビの不具合といった専門的な原因を探る前に、まずは誰でも簡単に試せる5つの基本的な対処法を確認してみてください。
テレビが映らなくなる原因は、テレビ本体や周辺のごく初歩的な不具合であるケースも多く、驚くほど簡単なことで、あっさり問題が解決することも少なくありません。
専門業者を呼んで確認してもらうのは、これらの方法を試してからでも遅くはありません。
対処法1:テレビ本体の再起動(電源リセット)
スマートフォンやパソコンの動作が悪い、反応が重いときなどは、再起動すれば直ることがよくあります。
テレビも同じで、長時間使用による内部基盤の不具合やシステムの一時的なエラーが原因で、動作がおかしくなる、または映りが悪くなることがあります。
そのようなときに、もっとも簡単で効果が期待できる方法が、この「再起動」です。
正しい手順は、まずテレビ本体の主電源スイッチ(リモコンの電源ボタンではない)を切り、本体の電源プラグをコンセントから抜くことです。
そのまま2分から3分ほど待ってから、再びコンセントを差して、主電源スイッチを入れ直してください。
この手順によりテレビへの通電が完全に断たれることで、内部の基盤やシステムがリセットされ、一時的な不具合であれば解消されることがあります。
対処法2:B-CASカードの抜き差しと清掃
「E100」「E101」「E102」といったエラーコードが表示される場合、テレビなど受信機器に挿入される「B-CASカード」の接触不良が原因かもしれません。
B-CASカードとは、デジタルテレビ放送(現在の地デジ放送・衛星放送)の著作権保護のため、暗号化されて送信される映像信号を解読する、いわばテレビなど受信機器の「IDカード」ともいうべきものです。
このカードは、テレビなど本体にあるスロットに挿入されており、機器側でこのカードが正しく認識されていないと暗号化が解除されないため、テレビは正常に映りません。
このB-CASカードの不具合や接触不良などで、挿入されているテレビなどの機器側がカードを認識できない場合は、一度テレビ本体の電源を切り、本体の側面や裏側にあるB-CASカードを抜いてください。
そして、カード裏面の金色のICチップ部分を、精密機器専用などの乾いた柔らかい布で優しく拭いてください。
その後、カードの向きを間違えないように、あらためて奥までしっかりと差し直してからテレビの電源を入れ直します。
B-CASカードの接触不良などでテレビが映らない場合は、この手順で問題が解消され、映るようになるケースが多くなります。
なお最近の4K、8Kテレビでは、B-CASカードが使われておらず、同等の機能を持つ「ACASチップ」が内蔵されているモデルもあります。
このような機種の場合、カードの抜き差しはできませんので、前述したテレビの再起動を試してください。
対処法3:アンテナケーブルの接続確認
意外と見落としがちなのが、壁のアンテナコンセントからテレビなど機器までを結ぶアンテナケーブルの接続不良です。
掃除や家具の移動などの際に、気づかないうちにケーブルを引っ張ってしまい、接続端子の部分が緩んだり抜けかかったりすることがあります。
また、ケーブル本体が家具の下敷きになっていたり、強く折り曲げられていたりすると、ケーブルの歪みで電波の送信不良が起きる、内部で芯線が断線しかけるなどの問題も考えられます。
まず、壁のアンテナコンセント端子とテレビ本体に接続されている各ケーブル端子部が、すべてしっかりと差し込まれているか確認してください。
ケーブル配線がレコーダーなどその他の受信機器を経由している場合は、それらの機器との接続部分もすべて確認してください。
ケーブルの先端、中心部にあり、映像信号を伝える芯線とつながるピンが曲がっていないかも、チェックすべき重要なポイントです。
対処法4:チャンネルの再スキャン(再設定)
引っ越しをした後や、お住まいの地域で放送局の周波数帯調整があった後、テレビが正しく映らなくなった場合に有効となるのが「チャンネルの再スキャン」です。
テレビなどの受信機器は、最初に設置する際に、その地域で受信できるテレビ電波をチェックしてチャンネル情報を割り当てる「チャンネルスキャン(チャンネル設定、チャンネルサーチ)」を行う必要があります。
チャンネルスキャン後、テレビなどの機器は最初のチャンネル設定情報を記憶しているため、前述のような理由で受信できる電波のチャンネル情報が変わってしまうと、正常に映らなくなります。
またテレビそのものの不具合でチャンネル設定が変わってしまうというケースもあり、そのような場合は、あらためてチャンネルスキャン(再スキャン)によって、受信できているチャンネル(周波数帯)に応じたチャンネル設定を行う必要があります。
チャンネルスキャンの方法はテレビのメーカーやモデルによって多少の差はありますが、基本的にテレビのリモコンの「設定」ボタンからメニュー画面を開き、「チャンネル設定」や「放送受信設定」といった項目を選びます。
そこから「地上デジタル自動設定」や「チャンネルスキャン」「チャンネルサーチ」などの項目を選択して実行してください。
スキャンの完了には5分から10分程度かかることもありますが、これにより、テレビが現在の受信環境に合わせたチャンネル情報を自動で取得し直して、正しいチャンネル設定で映りが改善されるケースもあります。
対処法5:周辺機器(レコーダーなど)を外して接続してみる
ブルーレイレコーダーやDVDレコーダーなどの機器をテレビに接続している場合、その機器自体や接続ケーブルが不具合の原因となっている可能性があります。
問題を切り分けるために、一度これらの周辺機器をすべて取り外してみてください。
壁のアンテナ端子から出ているアンテナケーブルを、レコーダーなどを介さずに、直接テレビのアンテナ入力端子に接続します。
この状態でテレビが正常に映るようであれば、原因はレコーダー本体や、レコーダーとテレビをつなぐケーブルにあると特定できます。
【症状別】あなたのテレビの映りが悪い原因はこれかも?原因特定チェックリスト
上記の初期対処法でトラブルが改善されない場合には、もう少し詳しく原因を探る必要があります。
ご自宅のテレビの症状にもっとも近いものから、考えられる原因を確認してみましょう。
以下、症状に応じた考えられる原因と、対策を開設する関連記事を一覧でご紹介します。
以下、各症状別の対処法を詳しく解説していきます。
ケース1:「E202」などエラーが表示され、まったく映らない・全チャンネル映らない
画面に「E202」のエラーコードが表示される場合は、テレビに電波がまったく届いていない状態を示します。
これは、アンテナの向きが大きくズレているか、強風などでアンテナ自体が倒れたり故障したりしている可能性があります。
また、電波を増幅するブースターの電源が抜けている、アンテナケーブルが完全に断線しているなどのケースも考えられます。
またごくまれな例ですが、近隣の広範囲で電波障害が発生しているケースもあります。
ケース2:特定のチャンネルだけ映りが悪い・ノイズが入る
すべてのチャンネルは同じ電波塔から同じ強さで送られてくるわけではありません。
場合によっては、方向の違う複数の電波塔からの電波を一基の地デジアンテナで受信しているケースもあります。
またテレビ電波はチャンネルごとに周波数帯が違うため、アンテナに届くまでの減衰量の差から、受信する段階で電波レベルに差が出ることもあります。
そのため、地デジアンテナは、すべてのチャンネルの電波レベルがバランスよく受信できるよう、精密に角度が調整されています。そしてアンテナの向き(方向)が少しズレるだけで、特定の放送局の電波だけをうまく受信できなくなることがあります。
また、アナログ放送時代のUHFアンテナを地デジアンテナとして使用している現場では、アンテナが地デジ電波以外の周波数帯(700MHz帯)も受信してしまい、ブースターで増幅されノイズとして広がることで、周辺一帯にテレビなどの電波障害を引き起こす「700MHz帯電波障害」の可能性も考えられます。
ケース3:ブロックノイズやフリーズが頻発する
テレビ画面の映像が四角いモザイク状に崩れるブロックノイズや、映像がカクカクして止まるフリーズは、デジタル放送特有の症状です。
これは、テレビに届く電波(映像信号)の強度が、安定して視聴できる基準値をわずかに下回っているときに、映像を正しく再生できなくなることで発生します。
これもアンテナの向きの微妙なズレや、アンテナケーブルの劣化、複数のテレビに電波を分ける「分配器」による信号の減衰などが主な原因です。
ケース4:雨や風など、天気が悪い日だけ映りが悪化する
強風でアンテナの向きが微妙にズレたり、アンテナの固定が緩んでいたりすると、天候によって受信状態が不安定になります。
また、アンテナケーブルの接続部分に雨水が浸入すると、電波を正常に伝送できなくなります。
電波そのものも天候に影響を受けることがあり、特に衛星放送(BS放送/CS放送)の12GHz帯は、大雨や大雪によって電波が吸収され、散乱する「降雨減衰」「降雪減衰」という現象が起きやすく、一時的に映りが悪化することがあります。
地デジ電波も気候によって多少の電波レベル変動や、悪天候による電波レベルの低下が起こります。そのためアンテナでの受信レベルに余裕がない場合には、特定の季節や悪天候時にテレビ画面が乱れることも考えられます。
原因をさらに深掘り!一歩進んだ確認方法と原因の解説
上記した初期対処法や症状別の原因特定でも問題を解決できない場合、もう少し専門的な視点で原因を探る必要があります。
この項目では、電波の受信状態を数値で確認する「アンテナレベル」の確認方法から、考えられる原因を3つのカテゴリーに分けて詳しく解説します。
【メーカー別】アンテナレベル(受信強度)を確認する方法
アンテナレベルとは、ケーブルを通じて実際にテレビへと届いている電波の強さ(電波レベル)を数値化してテレビ画面に表示するものです。
この数値を確認することで、アンテナで受信した電波がテレビまで十分に届いているか、どの程度の電波レベルなのかを客観的に判断できます。
多くのテレビメーカーでは、リモコンの「設定」や「メニュー」ボタンから順次、操作することで簡単にアンテナレベル画面を表示できます。
以下に国内主要テレビメーカーのアンテナレベル確認手順と基準値の目安を一覧でまとめました。
※アンテナレベル画面を表示する手順や画面の構成、基準値は、同じメーカーでも年代やモデルによって異なるケースもあります。
以下、各メーカー別のアンテナレベル確認方法をより詳しく紹介していき、続いてアンテナレベルが低下する主な原因と対処法も解説します。
パナソニック (VIERA)
リモコンの「メニュー」ボタンを押し、画面の指示に従って「設定」→「放送受信設定」と進みます。
「アンテナレベル」を選択すると、チャンネルごとの受信レベルが表示されます。
地デジの場合、レベルが44以上で、表示が緑色になっていれば良好な状態です。
シャープ (AQUOS)
リモコンの「ホーム」ボタンを押し、「設定」画面を開きます。
「視聴準備」から「アンテナ設定」を選び、「受信強度表示」を選択します。
レベルが60以上であれば問題ありません。
ソニー (BRAVIA)
リモコンの「ホーム」ボタンから「設定」に進み、「放送受信設定」を選択します。
「アンテナ設定」から「受信レベル」を選ぶと、レベルが色分けされたバーで表示されます。
バーが緑色の範囲にあれば、十分に受信できている証拠です。
東芝 (REGZA)
リモコンの「設定」ボタンを押し、「放送受信設定」→「地上デジタル設定」と進みます。
「アンテナレベル」を選択すると、受信レベルを確認できます。
一般的に、レベルが50以上あることが推奨されています。
その他メーカーの確認方法
上記以外のメーカー(三菱/REAL、日立/Woooなど)でも、同様に設定メニューからアンテナレベルを確認できます。
詳しい操作方法は、お使いのテレビの取扱説明書や、各メーカーの公式サイトでご確認ください。
取扱説明書が見当たらない場合は、「(お使いのテレビの型番) アンテナレベル 確認」などで検索すると、情報が見つかることが多くなります。
以下、アンテナレベルが下がる原因について、主な要因別にご紹介していきます。
アンテナレベルが下がる原因①:アンテナ・受信設備の不具合や劣化
アンテナやその周辺機器は、屋外に設置されて、常に雨風や紫外線に晒されています。
そのため、時間が経つにつれてアンテナ本体が老朽化し、不具合を起こしたりすることがあります。
特にアンテナが設置から10年以上経過している場合は、アンテナ本体が寿命に近づくため、これらの設備が原因である可能性が高まります。
アンテナの向きのズレ・角度の変化
地デジアンテナやBS/CSアンテナは、電波が来る方向(電波塔や静止衛星の方向)へと正確に向いていないと、十分にテレビ電波を受信できません。
アンテナ本体の老朽化に加え、台風などの強風、屋根に積もった雪の重み、鳥がとまった影響などで、アンテナの向きがわずかにズレてしまうことがあります。
特にBS/CSアンテナは指向性が非常に高く、ディッシュの上下、左右の角度を東経110度の上空へと正確に合わせる必要があるため、数ミリのズレが致命的な受信不良につながることもあります。
アンテナ本体の劣化・故障(寿命は約10年)
アンテナの寿命は、使用する機種や設置場所の環境にもよりますが、一般的に10年から15年程度と言われています。
長年の使用で本体がサビたり、受信部の部品(素子)が折れたり、ケーブルとの接続部分が腐食したりすると、受信性能が著しく低下します。
特に潮風に当たる沿岸部や、積雪の多い地域では、劣化の進行が早まり、寿命が短くなる傾向があります。
ブースター(増幅器)の不具合・故障
地デジ電波レベルが弱い地域や、複数の部屋でテレビを視聴する場合には、アンテナが受信した電波レベルを増幅するための「ブースター」という機器が設置されていることがあります。
このブースターに故障、不具合が生じると、増幅機能が失われ、家中のテレビの映りが一斉に悪くなることがあります。
また、ブースターにはアンテナの近くに設置される本体の増幅部と、屋根裏などに設置されケーブルを通じて増幅部に電源を送る電源部があり、電源部のコンセントが抜けているだけ、という単純な原因も考えられます。
分配器やケーブルの劣化・接続不良
アンテナで受信した電波を各部屋に分けるための「分配器」や、電波の通り道であるアンテナケーブルも、時間とともに劣化します。
特に屋外に設置されている分配器やケーブルは、雨水の浸入や紫外線による被覆の劣化で、内部が腐食したり断線したりすることがあります。
これが原因で、特定の部屋だけテレビの映りが悪い、といった症状が出ることもあります。
アンテナレベルが下がる原因②:周辺環境の変化や電波障害
ご自宅のテレビ設備にまったく問題がなくても、周囲の環境による原因で映りが悪くなることもあります。
これらの原因はご自身で対処することが難しく、専門機関への相談が必要になるケースが多い傾向があります。
近隣の高層ビル建設による電波の遮蔽・反射
ご自宅と電波塔の間に高層マンションやビルが建設されると、電波が遮られて受信できなくなることがあります。
地デジ電波はある程度、障害物を乗り越えて広がる性質もありますが、高層マンションなどがお住まいのすぐ近くにできると電波が遮られる場合もあります。
また衛星放送の電波は特に障害物に弱く、BS/CSアンテナを向ける静止衛星の方向に山や建物だけでなく、伸びた樹木の枝葉や洗濯物など、わずかな障害物があっても十分に受信できなくなることがあります。
受信不良の原因が新しく建てられた建物の場合、原因となった建物の建築主が対策費用を負担する義務があると法律(民法)で定められており、お住まいの自治体の部署などを通じて、建築主に共同アンテナの設置などの対策を求めることができます。
携帯電話の電波干渉(700MHz帯電波障害)
前の項目でも少し触れましたが、現在では「700MHz帯電波障害」という問題が起こるケースも考えられます。
これは、現在の地デジ用UHFアンテナではなく、アナログ放送時代に地方チャンネル用として使われていたUHFアンテナを地デジ用に流用している現場で考えられる問題です。
現在の地デジ電波(UHF)には470MHzから710MHzまでの周波数帯が使われており、地デジアンテナもこの周波数帯に特化しています。
ただアナログ放送時代のUHFアンテナは、当時の地方チャンネル用に使われていた470MHzから770MHzまでの周波数帯に対応しています。
そのため近年、携帯電話などで利用されるようになった700MHz帯の電波が、アナログ放送時代のUHFアンテナに受信されてしまい、ブースターで増幅された700MHz帯の電波がまたアンテナで受信され、増幅されることを繰り返す「電波のハウリング」が生じて、周辺一帯に電波障害を引き起こす事例が報告されています。
この影響により、周辺一帯の地デジ放送でブロックノイズが発生する、映らなくなるなどの不具合が生じることもあります。
この問題については、民法の規定により、700MHz帯の電波を使用する携帯電話キャリア会社(通信事業者)が解決の責任を負うことになります。
そのため、各キャリア会社が共同で設立した「一般社団法人700MHz利用推進協会」が、電波障害が発生する可能背うのあるお住まいに完全無償で対策工事(フィルターの取り付けやアンテナ交換など)を行っていますので、心当たりのある方は下記のコールセンターに相談してみてください。
- 700MHzテレビ受信障害対策コールセンター:0120-700-012
家庭内の他の家電製品からのノイズ干渉
電波ノイズ(雑音となる不要な電波)は屋外の電波だけでなく、テレビの近くで使っている他の家電製品が原因になることもあります。
電気製品は作動する際、必ず電磁波を発生します。特に、電子レンジ、Wi-Fiルーター、コードレス電話、モーターを使用する機器(ドライヤー、掃除機など)は、動作中に強い電磁波を発生させ、アンテナケーブルなどに干渉することがあります。
特定の家電を使っているときだけ映りが悪くなる場合は、その家電をテレビやアンテナケーブルから離して設置するなどの対策が有効です。
弱電界地域である
お住まいの地域が、電波塔から遠いエリアであったり、山などの障害物に囲まれていたりして、もともと受信できる地デジ電波レベルが弱い「弱電界地域」である場合があります。
このような地域では、天候の変化などわずかな要因でアンテナレベル(電波レベル)が基準値を下回りやすく、地デジ放送の映りが不安定になりがちです。
高性能なアンテナをできるだけ高い位置に設置することや、性能の良いブースターを設置することで改善が期待できます。
アンテナレベルが下がる原因③:テレビ本体や設定の問題
アンテナレベルが低下する要因が、アンテナ本体やケーブル配線部、また周辺環境ではなく、テレビ本体やその設定が原因であるケースも考えられます。
このような場合は、比較的ご自身で解決できる可能性が高くなります。
テレビ本体の一時的な不具合・フリーズ
近年のテレビは、録画機能やインターネット接続、動画サイトの閲覧など多機能化が進み、スマートフォンやタブレットのように、コンピューターが組み込まれた内部基盤やOSなど、複雑なシステムで動いています。
そのため長時間使用していると、内部の基盤の動作やプログラムが一時的に不安定になり、動作に不具合が出ることがあります。
このような場合は、最初の対処法で紹介した「テレビ本体の再起動」がもっとも有効となります。
チャンネル設定が合っていない
引っ越しをした、または地域の放送局でチャンネルの周波数変更があったなど、受信できる電波のチャンネル情報が変わったにもかかわらず、テレビの設定が古いチャンネル情報のままになっていると、主に特定のチャンネルが映らなくなります。
この場合も前述したように、設定メニューから「チャンネルの再スキャン」を行うことで、現在の放送チャンネル情報に更新され、映らない問題が解決します。
テレビ本体のチューナー故障・寿命
これまで紹介したすべての対処法を試しても改善せず、もしご自宅に別のテレビがあれば、そちらにアンテナケーブルを接続してみてください。
別のテレビでは問題なく映る場合、原因は元のテレビ本体のチューナー(電波を受信する部分)の故障である可能性が高いです。
テレビの寿命は一般的に8年から10年程度と言われており、修理費用が高額になる場合は、買い替えも検討する必要があるでしょう。
【住居別】マンション・アパートでテレビの映りが悪い場合の対処法
お客様がマンションやアパートなどの集合住宅にお住まいの場合、戸建て住宅とは確認すべきポイントが異なります。
多くの集合住宅では、各棟の屋上に設置された大型の共同アンテナから、棟内の各部屋に電波が分配されています。
そのため、トラブルの原因が自分の部屋の中にあるのか、建物全体の設備にあるのかを切り分けることが非常に重要です。
まずは他の部屋でも映らないか確認する
室内でテレビの映りが悪くなったとき、まずはお隣の住人に話を聞いたり、マンションの掲示板を確認したりして、他の部屋でも同じような問題が起きていないかを調べてみましょう。
もし他の部屋でも同様の症状が出ているなら、原因は共用アンテナなど建物の共同設備にある可能性が高いです。
逆に自分の部屋だけの問題であれば、原因は室内にあると考えられます。
建物全体で映りが悪い場合:管理会社や大家さんに連絡
建物全体で映りが悪い場合、屋上の共同アンテナやブースター、分配器といった共有部分の設備に不具合が発生していると考えられます。
このような場合は、個人でアンテナ工事業者を呼ばずに、必ず先にマンションの管理会社や大家さんに連絡してください。
共有部分の設備の点検や修理は、管理側の責任で行うのが一般的で、費用も管理費などから支払われます。
自分の部屋だけ映りが悪い場合:室内の配線やテレビ本体を確認
他の部屋では問題なく映っているのに、自分の部屋だけ映りが悪い場合は、原因が室内にある可能性が高くなります。
壁のアンテナ端子からテレビまでのケーブルが抜けていないか、レコーダーなどの周辺機器に問題はないか、テレビ本体の設定は正しいかなど、この記事の前半で紹介した「5分でできる初期対処法」や「原因の確認方法」を、室内でもう一度試してみてください。
自力での解決はここまで!専門業者に相談すべきケースと費用相場
さまざまな対処法を試してもテレビの映りが改善しない場合や、原因が屋外のアンテナにあると推測される場合は、無理をせず専門のアンテナ工事業者にご相談ください。
屋根の上のアンテナを確認・調整するなど高所での作業は大変な危険を伴います。また専門的な知識や測定器がなければ原因の特定や確実な修理は困難です。
業者依頼を検討すべき症状・状況
以下のような状況に当てはまる場合は、自力での解決は難しいと考え、プロに依頼することをおすすめします。
- アンテナレベルを確認しても、数値が0または極端に低い。
- 屋根の上にあるアンテナが、明らかに傾いたり倒れたりしているのが見える。
- アンテナやケーブルの点検・修理に、屋根に登るなどの高所作業が必要。
- ここまで紹介した対処法をすべて試したが、原因がまったく特定できない。
- ブースターや分配器など、専門的な機器の交換が必要だと考えられる。
アンテナ修理・交換にかかる費用相場
テレビのアンテナ工事(修理)にかかる費用は、作業内容や現場の条件によっても大きく異なります。
以下に具体的な作業内容別の一般的な費用相場をまとめましたが、あくまで目安として参考にしてください。
実際に発生する正確な料金は、必ず業者に現地調査をしてもらった上で、見積もり価格を確認してください。
また台風や落雷などの自然災害、または爆発や落下物の影響など予想外の事故が原因の場合は、お住まいで加入している火災保険が適用できるケースもありますので、加入している保険の内容を確認してみてください。
※上記は一般的なアンテナ工事業者における費用の目安です。
失敗しない!信頼できるアンテナ工事業者の選び方5つのポイント
いざアンテナ工事業者に依頼しようと思っても、一般の方にとっては、どの業者に頼めば良いのか迷ってしまうこともあるかと思います。
現在でもアンテナ工事業者も数が多く、残念ながら、中には不要な工事を加算して高額な請求をしたり、ずさんな工事をしたりする質の低い業者も存在します。
安心して工事を任せられる信頼できる業者を選ぶためには、以下の5つのポイントをチェックしてください。
ポイント1:豊富な施工実績と専門性
アンテナ工事は、一件一件の家の構造や周辺の電波環境が異なるため、豊富な現場経験が非常に重要です。
年間の施工件数が多く、長年の実績がある業者を選びましょう。
例えば、本記事の執筆にもご協力いただいたあさひアンテナは年間6,000件以上の豊富な施工実績があり、さまざまな現場に対応してきたノウハウが蓄積されています。
ポイント2:明確な料金体系と事前の見積もり
工事が終わってから、見積もり段階では聞いていなかった追加料金を請求されるといったトラブルを避けるため、工事の料金体系が明確であることは必須条件です。
必ず作業前に現地調査を行い、工事内容と費用の詳細が記載された見積もりを提示してくれる業者を選びましょう。
あさひアンテナでは、下請け業者を使わない完全自社施工により、中間マージンをカットした適正価格と専門スタッフによる高品質の施工、分かりやすい明朗会計をお約束しています。
またあさひアンテナでは、原則としてご提示した見積もりの後に、工事や料金を追加することはないので、料金面でも安心していただけます。
ポイント3:長期的な工事保証の有無
テレビアンテナは一度設置した後、10年以上の長年にわたって使うものです。
施工後の万が一のトラブルに備え、長期的な保証制度がある業者を選ぶと安心です。
保証期間は、その業者の技術力に対する自信の表れでもあります。
あさひアンテナでは、業界最長クラスとなる10年間の長期保証をご用意しており、施工後もお客様の快適なテレビ視聴をサポートします。
ポイント4:地域密着で迅速な対応力
急なトラブルの際に、すぐに駆けつけてくれるフットワークの軽さも重要です。
対応エリアを限定している地域密着型の業者は、その地域の電波状況にも詳しいため、より的確な提案が期待できます。
あさひアンテナは関東・関西エリアに特化し、その地域を熟知したスタッフが迅速に対応します。お電話一本で即日工事も可能です。
ポイント5:丁寧な説明と顧客対応
問い合わせの電話対応や、現地調査でのスタッフの態度も重要な判断材料です。
専門用語ばかりで説明が分かりにくかったり、質問にきちんと答えてくれなかったりする業者は避けた方が良いでしょう。
あさひアンテナは、顧客満足度調査で5年連続No.1を獲得しており、お客様一人ひとりに寄り添った丁寧な対応を心がけています。
テレビの映りが悪いとき:よくある質問と回答(Q&A)
最後に、テレビの映りが悪い場合に、お客様からアンテナ業者へとよく寄せられる質問とその回答を、一覧でまとめました。
まずは各Q&Aの概要をまとめた、以下の一覧をご確認ください。
※上記は各Q&Aの概要です。詳しい解説は以下の本文をご確認ください。
Q1. レコーダーを通すとテレビは映らないが、テレビに直接つなぐと映るのはなぜですか?
この場合、原因はテレビ本体ではなく、レコーダー側にあると考えられます。
具体的には、レコーダー内部のチューナーが故障している、またはレコーダーとテレビをつなぐHDMIケーブルや、壁の端子とレコーダーをつなぐアンテナケーブルの不具合が考えられます。
まずはレコーダーにテレビ電波を送るケーブルの状態を確認し、場合によってはケーブルを交換してみて、それでも改善しない場合はレコーダーの故障を疑ってください。
Q2. 引っ越ししてから特定のチャンネルだけ映りません。
引っ越し先では多くの場合、地デジ放送で受信する電波塔や、各チャンネルの電波の周波数が変わるため、テレビ内部のチャンネル設定との齟齬が生じます。まずは必ず「チャンネルスキャン(再スキャン)」を行ってください。
それでも映りが改善しない場合は、新居の電波環境に対してアンテナの性能が不足している、またはアンテナの向きが最適化されていない可能性があります。
特に、以前お住まいだった場所より電波が弱い地域に引っ越した場合に起こりやすい症状といえます。詳しくはアンテナ工事の専門業者にご相談ください。
Q3. 「E203」というエラーメッセージが出ます。故障ですか?
「E203」エラーは、「現在、このチャンネルは放送を休止しています」という意味のメッセージです。
放送局が深夜の放送を休止している時間帯や、メンテナンスなどで一時的に電波を停止している場合に表示されます。
そのため、テレビやアンテナの故障ではありませんのでご安心ください。
ただし、すべてのチャンネルでこのエラーが出る、時間帯に関係なく表示されるといった場合は、チャンネル設定ミスの可能性も考えられます。
またアンテナや電波環境のトラブルで、特定のチャンネルの電波が受信できなくなっている場合に、テレビの診断ミスによりこのエラーコードが出るケースもありますのでご注意ください。
Q4. アンテナ修理に火災保険は使えますか?
台風によるアンテナの倒壊、大雪の重みによる破損、落雷によるブースターの故障など、自然災害や、場合によっては近隣の爆発や落下物などの事故が原因でアンテナが故障した場合は、住宅の設備としてご加入の火災保険(付帯する風災・雪災・雹災・雷災補償)が適用され、修理費用が保証される可能性があります。
ただし、アンテナ本体の経年劣化による故障は対象外となります。
保険が適用できるかどうか、まずはご契約の保険会社にお問い合わせください。
なお「あさひアンテナ」では、アンテナ修理に伴い、火災保険のご相談もいただければ、保険申請に必要な書類(見積書や写真など)のご用意、およびお客様による申請書類の作成や保険会社との交渉も、専門のスタッフがサポートしております。
Q5. 地デジアンテナで地デジ放送を視聴する仕組みとは?
地上デジタル放送(地デジ放送)は、日本各地に設置された電波塔から周辺エリアに送信されるUHF(極超短波)という電波によって放送が行われています。
このUHFにはある程度の波長の幅があり、電波塔の先端から下方向へと広がるようにして送られています。
また地デジ電波は広がりやすい分、電波塔から離れるほど拡散して電波レベルが弱まる、高層ビルなど障害物を乗り越えて広がる性質もあるが、ビルなどのすぐ背後には届きにくくなる、季節や気候の影響でも電波レベルが下がるなどの性質もあります。
ご家庭では、屋根の上などに設置した地デジアンテナ(UHFアンテナ:八木式アンテナ、デザインアンテナ、ユニコーンアンテナなど)で地デジ電波を受信し、ケーブルを通してテレビまで送っています。
地デジアンテナにはアンテナの正面方向で受信感度が高まる「指向性」があり、電波塔のある方向に正確に向ける必要があります。
またアンテナを向ける方向のすぐ近くに高層建築などの障害物があると地デジ電波が届きにくくなるため、基本的に屋根の上など高い位置に設置することで受信感度が安定します。ただ電波塔に比較的近く、電波塔の方向が開けた現場であれば、壁面などにデザインアンテナを設置しても問題なく受信できます。
なお季節や悪天候による地デジ電波レベルの変動や低下に備えて、地デジアンテナでは余裕のある受信レベルを確保する必要もあります。
なお地デジアンテナの設置後、地デジ放送はNHK受信料を除けば誰でも無料で視聴できますが、アンテナが老朽化したり向きがズレたりすると、受信レベルが低下して映りが悪くなることがあります。
その場合には、アンテナの修理や角度調整、場合によっては交換が必要となります。
Q6. BS/CSアンテナで衛星放送(BS/CS)を視聴する仕組みとは?
衛星放送(BS放送/CS放送)は、宇宙空間の赤道上空約36,000kmに浮かぶ人工衛星から、12GHz帯という非常に高い周波数の電波を使って、地上の広範囲に送られています。
この人工衛星(BSの放送衛星、CSの通信衛星)は、地上から見れば空の一点に静止して見えるため、静止衛星とも呼ばれます。また送信される12GHz帯は、光のように直進性が高く、静止衛星から日本全域を照らすようにして送られています。
地上ではこの12GHz帯の電波を、お皿のような形をしたパラボラアンテナ(BS/CSアンテナ)で受信します。
BS/CSアンテナでは、ディッシュ・放物面反射器(お皿のような部分)の内側で12GHz帯の電波を反射させ、固定されたコンバーター、一次放射器の一点に集め、コンバーターにてテレビで受信できる周波数帯(MHz帯)に変換してから、ケーブルで室内へと送る仕組みです。
このような受信の仕組みと電波の性質から、BS/CSアンテナは、静止衛星のある南西方向(東経110度)に向けて、ディッシュの仰角と方位角を正確に合わせる必要があります。
また12GHz帯は直進性が強い分、障害物に遮られやすいため、BS/CSアンテナと静止衛星の間に建物や木などのわずかな障害物でもあると、電波が遮断されてしまい十分に受信できなくなります。
他にも、上記したコンバーターを作動させるため、BS/CSアンテナには、テレビのチューナーやブースター電源部からケーブルを通じてアンテナの電源設定を行う必要があり、この電源設定に問題があると衛星放送が視聴できなくなります。
また衛星放送には、大雨や大雪の影響で細かな障害物が降り注ぐような状態となり、12GHz帯が吸収される、乱反射するなどにより衛星放送の映りが悪くなる「降雨減衰」「降雪減衰」が起こることがあります。この対策には大型のBS/CSアンテナを使用する方法もありますが、一般的には天候の回復を待つことが基本になります。
まとめ:テレビの映りを改善し、快適な視聴環境を取り戻そう
お住まいで地デジや衛星放送のテレビ映りが悪くなる問題は、さまざまな原因が複雑に絡み合っていることがあります。
しかし、本記事の情報を参考に、正しい手順で確認していけば、原因を特定し、適切な対処を行うことが可能です。
まずはこの記事で紹介した行動ステップを参考に、ご自身でできることから試してみてください。以下、行動ステップをあらためて簡単にまとめます。
- 【STEP1】 5分でできる初期対処法を試す
- テレビの再起動、B-CASカードの抜き差し、ケーブル接続の確認など、簡単なことから始めましょう。
- 【STEP2】 症状から原因を推測し、詳しく調べる
- アンテナレベルの確認や、周辺環境のチェックを行い、原因の切り分けを進めます。
- 【STEP3】 専門業者に相談する
- 屋外のアンテナが原因の場合や、自力での解決が難しい場合は、無理せず信頼できるプロに依頼しましょう。
快適なテレビ視聴は、日々の暮らしの楽しみや安心につながります。
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本記事の情報をご参考に、お客様が余計な費用をかけることなく、ご自宅でのテレビ画面トラブルを早急に解決していただければ、筆者としても幸いに思います。




