地デジアンテナはUHF用アンテナで決まり!初心者もわかる適切なアンテナの選び方・費用・設置方法をプロが解説する完全ガイド

2025年12月31日

戸建て住宅などに設置されるテレビアンテナの基本は、現在の地上デジタル放送を受信するための「地デジアンテナ」です。
お住まいの環境やご要望に適した地デジアンテナを決めた後、さらにご希望の場合は衛星放送用のBS/CSアンテナなどを設置することになります。
つまり戸建て住宅に設置されるテレビアンテナは、第一に地デジアンテナということになります。
それだけに、一般の方がテレビアンテナについて、設置やトラブルなどでお悩みになるケースも、やはり地デジアンテナについての問題がもっとも多くなります。
例えば、いまこの記事をお読みの方の中にも、

「最近、地デジ放送の映りが悪くなった」
「新築したけど、地デジアンテナってどれを選べばいいんだろう?」
「地デジアンテナとUHFアンテナという種類を聞くけど、どう違うの?」

などのお悩みや疑問をお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか。

現在では、地デジアンテナも現場環境やニーズに応じたさまざまな商品があり、専門用語も多いため、一般の方には分かりにくい点もあるでしょう。
しかし、基本的な知識さえ押さえれば、ご自宅の状況にやご希望にぴったりの地デジアンテナを見つけることは決して難しくありません。

この記事では、地デジアンテナの主役である「UHFアンテナ」について、基礎の基礎から徹底的に解説します。
本記事は、技術系の基礎知識を持つプロのライターが、アンテナ工事の専門業者「あさひアンテナ」に取材を行い、プロの知見と実際の経験に基づく確かなお話を伺って、一般の方にもわかりやすいよう執筆しています。

記事内では、UHFアンテナとは何か、地デジアンテナとはどう違うのかといった基礎知識から、地デジアンテナの種類ごとの特徴や費用、ご自身での選び方のステップ、さらには設置後のトラブル対処法まで、お客様がお知りになりたい関連の情報をすべて網羅しました。

この記事をすべてお読みいただく頃には、ご家庭向けテレビアンテナ選びのお客様のご不安は解消され、自信を持って最適な選択ができるようになっているはずです。
快適なテレビライフを実現するための第一歩を、この記事から始めてください。

まずは基本から!地デジとUHFアンテナの関係

地デジ放送を視聴するために、なぜUHFアンテナが必要なのでしょうか。
それは、テレビ放送が「電波」に映像信号を乗せる形で送信されているためです。
この電波は、周波数帯に応じてさまざまな性質を持っており、性質(周波数帯)別に区分されています。
そして電波を受信するアンテナ側も、その周波数帯ごとの性質に適したアンテナを用いる必要があるからです。
ここでは、現在の地デジアンテナ選びの前提となる、もっとも基本的な知識を解説します。

地デジ放送はUHF、アナログ放送はVHF【決定的な違い】

テレビ放送で使われる電波は、放送の性質に応じた周波数帯が使われています。
現在の日本におけるもっとも基本的なテレビ放送は、地上にある数多くの電波塔から周辺地域に送られる「地上波放送」です。
この地上波放送は、昭和の時代にアナログ放送としてはじまりました。

しかし21世紀初頭、アナログ放送からの転換を目指して、2003年(平成15年)より同じ地上波放送で、映像信号をデジタル信号に変換して送信する地デジ放送が開始しました。
地デジ放送とアナログ放送は、移行期間としてしばらく同時に放送された後、2011年(平成23年)にアナログ放送が終了し、完全に地デジへと移行しました。

そして、以前のアナログ放送では、映像信号をそのまま電波の強弱に変換して送信する電波として、主に「VHF(Very High Frequency・超短波)」という周波数帯が使われていました。
一方、現在の地上デジタル放送(地デジ)では、デジタル営巣信号を乗せる電波として、より周波数帯の高い「UHF(Ultra High Frequency・極超短波)」の周波数帯が使われています。

アナログ放送時代のVHFと、地デジ放送のUHFを比較すると、以下の一覧の通りになります。

項目 UHF(地デジ) VHF(アナログ放送)
正式名称 極超短波 超短波
主な用途 地上デジタル放送 アナログ放送(終了)、FMラジオ
使われる周波数帯 470 MHz 〜 710 MHz 90 MHz 〜 108 MHz / 170 MHz 〜 222 MHz
特徴 ある程度は障害物を乗り越えられ、多くの情報を送れる 障害物にやや強いが、送信できる情報量は少ない

※上記は各電波の主な特徴になります。

このように、過去と現在の地上波テレビ放送で使われてきたUHFとVHFは、まったく異なる周波数帯を利用しています。
そのため地デジ放送を見るためには、かつてのVHFに対応するアナログ放送用のアンテナではなく、UHFの電波を受信できる専用のアンテナ(地デジアンテナ)が必須となるのです。

「VHFアンテナ」「UHFアンテナ」とは、大きく言えばそれぞれVHF、UHFの送受信に特化したアンテナということになります。
VHF、UHFといっても、実際にはVHFは30MHzから300MHz、UHFは300MHzから3GHzという幅広い周波数帯を含みます。しかし、地デジ電波に使われるのはUHFでも上記のごく一部の周波数帯のみです。

そして地デジアンテナとは、UHFアンテナの中でも、地デジ電波の周波数帯にのみ対応するアンテナになります。
つまり正確には、地デジアンテナは、UHFの一部周波数帯のみに特化したUHFアンテナの一種ということになります。ただ地デジアンテナの解説などで「UHFアンテナ」と呼ばれる場合は、ほぼ「UHFアンテナ=地デジアンテナ」と考えても問題はありません。

古いVHFアンテナは地デジに使えない?撤去すべき?

20世紀の頃からある古いお住まいの場合、ご自宅の屋根に、魚の骨のような形をしたやや大型の古いアンテナが残っているかもしれません。
それはほとんどの場合、アナログ放送時代のテレビアンテナとして使われていた「VHFアンテナ」かもしれません。
前述の通り、VHFアンテナは現在の地デジの周波数帯(UHF)には対応していないため、地デジ放送の受信には利用できません。

そして古いVHFアンテナを放置しておくと、以下のようなリスクがあります。

  • 倒壊のリスク:経年劣化でサビや破損が進み、台風や強風で倒壊して屋根を傷つけたり、落下して事故につながる恐れがあります。
  • 景観の問題:使われていないアンテナが屋根にあると、建物の外観を損ねてしまいます。
  • 鳥害の発生:アンテナに鳥がとまり、フンなどで屋根やベランダが汚れる原因になることもあります。

アナログ放送時代のVHFアンテナは、FMラジオ用のアンテナとしても再利用できるケースもあります。
しかしかなり老朽化が考えられることもあり、安全面や景観を考慮すると、不要になったVHFアンテナは専門業者に依頼して撤去することをおすすめします。
アンテナ撤去にかかる費用は、お住まいの形状や状況などによる作業の難易度にもよりますが、おおむね7,000 円から30,000円程度が目安です。

アナログ時代のUHFアンテナは地デジアンテナになる?そのリスクも解説

アナログ放送時代の主要なテレビ電波(NHK、広域民放)はVHFでしたが、実は東京MXや千葉テレビ、サンテレビ(兵庫)など、一部都府県で視聴できる独立放送局の地方チャンネル(地方局)の電波にはUHFの電波が使われていました。
そしてアナログ放送当時、これら地方チャンネルのUHFを受信するためには、VHFアンテナの他に、やや小型のUHFアンテナを設置する必要がありました。
そのため、お住まいにアナログ放送のUHFアンテナが残っている住宅では、このUHFアンテナをそのまま地デジアンテナに転用しているケースも見られます。
しかしこの場合には、いくつか注意すべき点とリスクが伴います。

アナログ放送時代、地方局のUHFは、現在の地デジ電波よりも広い周波数帯(470 MHz〜770MHz)を送信しており、当時のUHFアンテナもこの周波数帯に対応していました。
一方、地デジで実際に使われているのは470MHzから710MHzまでです。
この差分である710MHz以上の周波数帯は、現在、携帯電話の電波などに利用されています。
そのため、特に携帯電話の基地局付近では、アナログ時代の古いUHFアンテナが携帯電話の電波(700MHz帯)まで拾ってしまうことがあります。さらにブースターで増幅された700MHz帯をアンテナが受信して増幅を繰り返す、いわば電波のハウリングにより妨害電波が周辺にまき散らされる「700MHz 帯電波障害」が発生するリスクがあるのです。

以下、700MHz帯電波障害について、一覧表で解説します。

障害の名称 700MHz帯電波障害
原因 アナログ時代に設置された古いUHFアンテナやブースターが、携帯電話の電波(700MHz帯)を拾い、増幅して広めてしまうこと。
症状 – テレビ画面にブロックノイズが出る
– 映像が固まる(フリーズする)
– 「E202」などのエラーが表示され映らなくなる
– 周辺一帯に上記のような電波障害を引き起こす
対策機関 一般社団法人700MHz利用推進協会
対策内容 協会が無料で調査を行い、必要に応じてノイズを除去するフィルターの取り付けや、ブースターの交換などを行ってくれます。

※上記は700MHz帯電波障害の主な特徴です。

この問題については、民法の「原因者負担の原則」に基づき、700MHz帯を使用する携帯電話事業者による一般社団法人「700MHz利用推進協会」が、電波障害の恐れがあるエリアにて、無料で対策工事を行っています。
なお同協会は決して怪しい団体ではありませんが、同協会の調査員を名乗る人物が個人宅を訪問し、対策工事を勧めて工事費用の一部負担を求める詐欺の事例もあります。
本物の「700MHz利用推進協会」は、一般の方に費用を請求することは決してありませんのでどうかご注意ください。

ただし、アナログ放送時代のUHFアンテナは、VHFアンテナと同様、アンテナ自体の老朽化が進んでいる可能性が高くなります。
アナログ時代から設置されているアンテナは、2025年(令和7年)現在では、少なくとも設置から20年以上、場合によっては数十年も経過していることも考えられ、いつ故障や倒壊が起こっておかしくはありません。
地デジの安定した視聴やお住まいの安全のためにも、アナログ放送時代のUHFアンテナをお使いのお住まいでは、早めに最新の地デジ専用UHFアンテナへと交換されることをおすすめします。

UHFアンテナで地デジ電波を受信するための基礎知識とは?

快適に地デジ放送を視聴するためには、UHFの電波の性質を理解し、適切な機種や位置にアンテナを設置することが重要です。
ここでは、アンテナによる地デジ受信で知っておきたい基本的なポイントを解説します。

  1. 電波塔からの距離が重要
    UHFは遠くまで送信されるほど電波が減衰するため。ご自宅が電波塔から近いか遠いか、また山地など障害物の影響によって、電波塔周辺の各エリアに届く電波の強さが変わります。
    この電波レベルの違いは、主に強・中・弱などの「電界地域」で表され、この電波の強さに合わせて、適切な受信性能(素子数・素子数相当)を持つ地デジアンテナを選ぶ必要があります。
    電波が弱い地域で受信性能の低いアンテナを使っても、きれいに映りません。逆に電波が強い地域で高性能すぎるアンテナを使用すると、ノイズまで拾ってしまって、かえってテレビ画面が乱れることもあります。
  2. 障害物の影響を受けやすい
    地デジに使われるUHFの電波は、40センチから60センチ程度の波長の幅を持つため、ある程度は障害物を乗り越えて広がる特徴があります。
    ただ、障害物の裏側、すぐ近くに当たる一帯には電波が届かないこともあります。
    そのため、地デジアンテナのすぐ近く、電波塔の方向に高層ビルや山、樹木などの障害物があると地デジ電波が遮られ、受信感度が低下する原因になります。
  3. アンテナの高さが受信感度を左右する
    上記の理由から、一般的に地デジアンテナは高い位置に設置するほど、障害物の影響を受けにくくなり、受信感度が向上します。
    ただし、必ずしももっとも高い場所が最適とは限らず、専門業者は電波を測定しながら最適な高さを探します。
    壁面などの低い位置でも比較的、電波塔に近く、周辺に障害物のない位置であれば、外観性に配慮できるデザインアンテナなどを設置できます。
    ただ壁面への地デジアンテナ設置では、事前に綿密な電波調査を行い、十分な受信レベルを確保できるか確認することが必須と言えます。
  4. 電波塔の方向に向ける必要がある
    地デジアンテナには、機種によってやや差はあるものの、どの機種にも指向性(アンテナ正面側でもっとも強く電波を受信できる性質)があります。
    そのため基本的には、最寄りの電波塔の方向へと、アンテナ正面側の向きを正確に合わせて設置する必要があります。
  5. 気候や天候の影響にも注意する
    地デジ電波は送信される空間の気候にも影響を受けて、同じ場所でも一年の間に若干の変動が生じます。
    また悪天候の際には、電波が吸収されてレベルが大きく低下するため、これらの点も考慮した上でアンテナの受信レベルを確保することが重要です。

これらのポイントから、アンテナ設置には「電波の強さ」「障害物の有無」「高さ」「方角」という 4 つの要素が大きく関わることがわかります。
また地デジ電波レベルの変動を想定して、余裕ある受信レベルの確保も重要です。

【4種類を徹底比較】あなたに最適な地デジUHFアンテナの選び方

この項目は、新築などのお住まいでテレビアンテナ工事のため、実際にUHFアンテナを選ぶための具体的なステップをご紹介します。ご自身のお住まいの状況やご希望と照らし合わせながら、最適なアンテナを見つけていきましょう。
アンテナ選びは、以下の3つのステップで進めるのがおすすめです。

ステップ1:最重要!自宅の電波環境「電界地域」を確認しよう

アンテナ選びでもっとも重要となるのが、お住まいの地域がどの「電界地域」に属するかを把握することです。
電界地域とは、上記でも少し触れた通り、電波塔から届く電波の強さに応じて分けられたエリアのことで、主に以下の3種類に分類されます。

電界地域 電波の強さ(目安) 特徴 推奨アンテナ
強電界地域 80 dBμV/m 以上 電波塔からの距離が近く、電波が非常に強いエリア。 室内アンテナ、デザインアンテナなど選択肢が豊富。
中電界地域 80 dBμV/m ~ 60 dBμV/m 電波塔からある程度の距離がある、一般的なエリア。 デザインアンテナ、八木式アンテナ(中素子数)。
弱電界地域 60 dBμV/m 未満 電波塔から遠い、または山間部などで電波が弱いエリア。 高性能な八木式アンテナ(多素子数)が必要。

※上記は一般的な電界地域の例です。電界地域には正式な定義がなく、使われる場所によって分類や基準がやや異なることもあるためご注意ください。

地デジアンテナを購入する際には、基本的にこの電界地域に応じた受信性能(素子数や素子数相当、動作利得)を持つ機種を選ぶことになります。

ご自宅の電界地域は、一般社団法人放送サービス高度化推進協会(A-PAB)のウェブサイト(地デジ受信の目安)で、お住まいの住所や郵便番号、都道府県や電波塔の名称などを入力することで、大まかな電界地域の目安を地図上で確認できます。
ただし、これはあくまで広域の目安にすぎません。
例えば強電界地域でも、高層ビルの陰に当たる場所では受信レベルが極端に下がるなど、地形や遮蔽物などの影響で受信レベルが大きく変動する場合もあるため、最終的には専門業者による正確な電波測定が不可欠です。

ステップ2:【性能・見た目・費用で比較】4大UHFアンテナの特徴

お住まいエリアの電界地域を把握したら、次は設置する地デジアンテナの種類を選びます。
現在主流の地デジ用UHFアンテナは、主に以下の4種類になります。
それぞれの特徴や機能を比較し、ご自身の希望に合ったものを見つけましょう。

種類 画像イメージ 特徴・メリット デメリット 推奨電界地域 費用相場(工事費込)
八木式アンテナ (魚の骨のような形状) – 受信性能がもっとも高い
– 弱電界地域にも対応可能
– 費用が比較的安い
– 見た目が目立ちやすい
– 風雨や鳥害の影響を受けやすい
– 寿命がやや短い(約 10 年〜 15 年)
全地域対応 22,000 円 ~ 50,000 円
デザインアンテナ (箱型の形状) – 住宅の外観を損なわない
– 風雨に強く、寿命が長い(約 15 年〜 20 年)
– 壁面や屋根裏にも設置可能
– 八木式より受信性能が劣る
– 弱電界地域には不向きな場合がある
– 壁面設置には穴あけが必要
強・中電界地域 25,000 円 ~ 60,000 円
ユニコーンアンテナ (ポール型の形状) – デザイン性と受信性能のバランスが良い
– 風雨や鳥害に強い
– 高さを出して設置できる
– 費用が比較的高価
– 八木式の高性能モデルには及ばない
– 弱電界地域には不向き
強・中電界地域 33,000 円 ~ 68,000 円
室内アンテナ (卓上型の形状) – 工事不要で手軽
– 住宅の外観にまったく影響しない
– 費用がもっとも安い
– 受信性能がもっとも低い
– 電波状況に大きく左右される
– 使える場所が限定される
強電界地域のみ 2,000 円 ~ 8,000 円(本体価格)

※上記は各アンテナの主な特徴です。

このように、受信性能を最優先するなら「八木式アンテナ」、外観や耐久性を重視するなら「デザインアンテナ(平面アンテナ)」や「ユニコーンアンテナ」が主な選択肢となります。
室内アンテナは、電波塔がすぐ近くに見えるような、非常に電波環境が良い場所でのみ使用できる限定的な選択肢、簡易的な地デジアンテナと考えるのが良いでしょう。

なお各機種ともアンテナ本体は、DXアンテナやマスプロ電工、日本アンテナ、サン電子など国産大手メーカーの製品が、性能や品質面で信頼できます。

ステップ3:アンテナ選びで失敗しないための3つのチェックポイント

電界地域と地デジアンテナの種類が決まったら、最後に以下の3つのポイントを確認しましょう。
よりご自身の状況に合った、後悔のない選択ができます。

  1. デザイン性と設置場所
    アンテナをどこに設置したいか、外観をどの程度重視するかを考えましょう。

    • とにかく目立たせたくない:デザインアンテナを外壁やベランダへ取付する、また条件が合えば屋根裏に設置するのが最適です。
    • 安定した受信のため高さが必要だが景観も気になる:ユニコーンアンテナが候補になります。
    • 受信性能最優先で見た目は気にしない:八木式アンテナを屋根上のマスト(ポール、支柱)に設置するのがもっとも確実です。塩害用や雪害用、ステンレス製などで対候性の高い八木式アンテナ機種も存在します。
  2. 地域の電波の向き(偏波)
    地デジの電波には、電波塔別に「水平偏波」と「垂直偏波」の、波長の角度が違う2種類の電波があり、地域によってどちらで送信されているかが異なります。
    これは、周波数帯の近い携帯電話の電波や通信用の電波、他の電波塔の地デジ電波が混ざって干渉し合う「混信」を防ぐ目的です。波長の角度が違う電波同士は混信しにくいのです。
    ほとんどの地域にある電波塔では水平偏波が使われていますが、混信の恐れがある一部地域では垂直偏波が採用されています。
    そして地デジアンテナは、その地域の偏波に合わせて設置する必要があります。
    八木式アンテナは設置角度の調整によって両方に対応できますが、形状が重視されるデザインアンテナでは水平偏波用と垂直偏波用の機種を使い分けるため、事前に確認が必要です。
  3. BS/CS放送も見るか
    もし、4Kや8Kチャンネルを含むBS放送やCS放送、スカパー!や WOWOW などの衛星放送も見たい場合は、地デジ用のUHFアンテナとは別に、コンバーターを内蔵した円盤型のパラボラアンテナ「BS/CSアンテナ」を設置することが必要です。
    地デジとBS/CS、両方のアンテナを設置する場合、同時に工事を依頼することで、高所作業や配線などが一度で済み、工事費用を安く抑えられる可能性があります。
    将来的に衛星放送を視聴する可能性があるなら、双方のアンテナをセットでの工事を検討してください。

地デジUHFアンテナ設置の費用相場|業者依頼とDIYを比較

テレビアンテナ選びと並行して気になるのは、やはり設置にかかる費用です。
ここでは、アンテナ工事の専門業者に依頼した場合の料金相場や、DIYとの比較について詳しく解説します。

アンテナ種類別の工事費込み料金と追加費用の内訳

アンテナ工事の費用は、アンテナ本体の価格と基本的な工事費、そして必要に応じた追加工事費で構成されます。
以下に、一般的な費用相場をまとめました。

基本工事費用(アンテナ本体+標準工事)

アンテナの種類 費用相場
八木式アンテナ 22,000 円 ~ 50,000 円
デザインアンテナ 25,000 円 ~ 60,000 円
ユニコーンアンテナ 33,000 円 ~ 68,000 円
BS/CSアンテナセット工事 40,000 円 ~ 90,000 円

※上記は各アンテナ本体や設置具、ケーブルなどをセットにした一般的な設置費用相場です。

追加工事費用の目安

追加工事の内容 費用相場 どのような時に必要か
ブースター設置 15,000 円 ~ 40,000 円 電波が弱い地域や、戸建て住宅内にテレビを3台以上設置する場合。
高所作業費 7,000 円 ~ 12,000 円 3 階建ての屋根など、特殊な足場が必要となる危険な作業の場合。
ケーブル延長・配線 5,000 円 ~ 15,000 円 付属するケーブルの長さより、アンテナからテレビまでの距離が長い、複雑な配線が必要な場合。
既存アンテナ撤去 10,000 円 ~ 30,000 円 古い不要なアンテナを取り外して処分する場合。
分配器交換 5,000 円 ~ 15,000 円 複数の部屋でテレビを見るために、各部屋に電波を分ける機器の交換。

※上記はアンテナ工事に伴って必要となる主な工事の種類になります。

これらシステム周辺機器などの費用はあくまで目安であり、必要な工事や費用は、業者や建物の状況、使用する機器によっても変動します。
正確な費用や、適正な費用相場を知るためには、複数の業者から見積もりを取り、工事の内容や費用などを比較する「相見積もり」をおすすめします。

DIYは可能?業者に依頼すべき理由と失敗しない選び方

アンテナ工事をご検討になる方には「工事費を節約するために、自分でアンテナを設置(DIY工事)できないだろうか?」と考える方もいるかもしれません。
室内アンテナの設置はご自身で簡単にできます。
しかし、八木式アンテナやデザインアンテナなどの屋外設置は、専門的な知識と技術が必要な上、高所での作業は大変危険なため、一般の方にはおすすめできません。

以下、専門業者への依頼と、DIY設置の特徴を一覧で比較します。

比較項目 専門業者への依頼 DIY(自己設置)
安全性 ◎ 高所作業に慣れており安全 × 転落などの重大事故のリスク
確実性 ◎ 専用測定器で最適な位置に設置 △ 正確な方向調整が難しく、映らない可能性
仕上がり ◎ 配線もきれいで外観を損なわない △ 配線処理が雑になりがち
費用 △ 工事費用がかかる ◎ 部材費のみで済む
保証 ○ 多くの場合、長期保証が付く × すべて自己責任

※上記は主な比較ポイントになります。

DIYのアンテナ設置が可能となるのは、室内アンテナの他、ベランダなど安全な位置にアンテナを設置し、室内で一台のテレビと接続するだけなど、安全でシンプルな工事に限られます。またその場合も、十分な受信感度が確保できるとはかぎりません。

安全と確実性、また長期保証などのメリットを考えれば、配線や周辺機器を含めた屋外アンテナの設置は、専門業者に依頼するのが最善の選択です。
テレビアンテナ工事はどこに頼むことがベストなのか、信頼できるアンテナ工事業者を選ぶためには、以下の点をチェックしましょう。

  • 無料で見積もりをしてくれるか
  • 料金体系が明確で、追加料金の説明があるか
  • 工事後の長期保証(8年〜10年など)があるか
  • 施工実績が豊富で、ウェブサイトなどで公開されているか
  • 問い合わせ時の対応が丁寧か

これらのポイントを確認し、納得のいく業者に依頼しましょう。
なお本記事にご協力いただいたアンテナ工事の専門業者「あさひアンテナ」は、上記のポイントをすべて高い水準でクリアしています。
あさひアンテナは年間6,000件以上の施工実績を誇り、公式サイトに写真入り施工ブログを多数掲載しています。実際の施工は完全自社施工により優秀な自社スタッフが、中間マージンなどをカットした適正価格で、熟練のプロによる高品質な工事を行ってくれます。
事前の電波調査やお見積もりも、出張料やキャンセル料など各種費用を含めた完全無料で、相見積もり即日工事にも対応できます。
電波調査はご自宅のさまざまな位置で綿密に行い、お住まいで可能な工事の中から、ご要望に最適な工事を、業界でも最安に挑戦するお見積もりでご提案します。
あさひアンテナでは施工品質はもちろん、お客様へのご対応も最高品質を追求しており、お問い合わせからお見積もりの際も、自社スタッフがお客様にご納得いただけるよう、どのようなご質問に対しても、丁寧にご説明いたします。
工事完了後は、業界最長クラスの10年保証もご用意しており、アンテナ設置から末永く安心してご利用いただけます。

アンテナ工事をお考えの際には、あさひアンテナを相見積もりにお加えいただくことで、最安の価格で最高品質の工事を実現できる可能性が非常に高くなります。

テレビの映りが悪い?UHFアンテナの受信品質を改善する方法

テレビアンテナを設置した後、長年使用しているうちに「テレビの映りが悪くなった」というトラブルが起きることもあります。
テレビ画面に「E202」などのエラーコードが表示されたら、それは電波を正常に受信できていないサインです。
この項目では、その原因とご自分でも可能な対処法を解説します。
まずは以下の一覧表をご確認ください。

主なトラブルの原因 自分でできる対処法 専門業者による改善策
アンテナの向きのズレ (危険なため推奨しない) アンテナの方向を再調整する。
電波が弱い・不足している テレビやレコーダーの配線を確認する。 – 高性能アンテナに交換する。
– 電波を増幅する「ブースター」を設置する。
周辺環境の変化 – 付近に高層ビルが建ったか確認する。
– 庭木の枝が伸びていないか確認する。
障害物の影響を受けにくい位置にアンテナを移設する。
機器の故障・劣化 アンテナケーブルの接続が緩んでいないか確認する。 – アンテナ本体やケーブルを交換する。
– ブースターや分配器を交換する。

※上記は主なテレビやアンテナのトラブル例と基本的な対策になります。

強風や大雪、金具の経年劣化などでテレビアンテナの向きがわずかにズレることは、テレビ映りが悪くなる原因で、もっとも多いケースのひとつです。
なおご自身で屋根に登って、アンテナを確認・調整することは非常に危険なため、絶対に行わないでください。
まずは同軸ケーブルの接続など、屋内で安全に確認できるポイントから試してみてください。
それでも改善しない場合は、速やかに専門業者へと点検をご依頼になるのが賢明です。
業者は専用の測定器(レベルチェッカー)を使い、電波の品質(CN 比、BER、MER など)を詳細に分析し、早急な原因の特定と最適な改善策を提案してくれます。

アンテナ以外の選択肢も検討|光テレビ・ケーブルテレビとの比較

テレビアンテナの設置に当たって、お住まいの外観を重視する方や、気候が厳しいなどでアンテナ設置に向かない環境にお住まいの方もいるでしょう。
そのような場合は、アンテナを使わずに地デジ放送や衛星放送のチャンネルを視聴する方法もあります。
そのような方法の中でも代表的なのが「光テレビ」と「ケーブルテレビ(CATV)」です。

以下、UHFアンテナ設置と光テレビ、ケーブルテレビの特徴やメリット・デメリットについて、一覧で解説します。

視聴方法 UHFアンテナ 光テレビ ケーブルテレビ
仕組み 電波塔からの電波を受信 光ファイバー回線を利用 専用のケーブル網を利用
初期費用 22,000 円 ~(工事費のみ) ネット回線工事費+テレビ接続費用 引き込み工事費+テレビ接続費用
月額料金 0 円 825 円 ~ + ネット料金 1,000 円 ~ 5,000 円程度
メリット – 月額料金がかからない
– 一度設置すれば長く使える
– 天候の影響を受けない
– 専門チャンネルが豊富
– ネットとセットでお得
– 地域密着の情報が得られる
– 天候の影響を受けない
– ネットとセットでお得
デメリット – 初期費用がかかる
– 天候の影響を受けることがある
– 外観を損ねる場合がある
– 月額料金が継続的にかかる
– ネット回線の契約が必須
– 月額料金が継続的にかかる
– 視聴できるチャンネルが限定的な場合がある

※上記は各テレビ視聴方法でも主なポイントの比較になります。

戸建て住宅にお住まいの場合、長期的なコストを考えると、月額料金のかからないUHFアンテナ設置がもっとも経済的です。
一方、インターネット回線とセットで契約し、豊富な専門チャンネルを楽しみたい場合や、その他のサービスもまとめて契約する場合などは、光テレビやケーブルテレビも魅力的な選択肢となります。
ご自身のライフスタイルや視聴スタイルに合わせて、最適な方法をお選びください。

まとめ:最適なUHFアンテナで快適なテレビライフを

今回は、地デジ視聴のために欠かせないUHFアンテナ(地デジアンテナ)について、その基本から選び方、費用、トラブル対処法までを詳しく解説しました。
最後に、テレビアンテナ選びで後悔しないための重要なポイントをもう一度振り返りましょう。

  • 地デジ視聴には地デジ用UHFアンテナが必須:アナログ時代のVHFアンテナは使えません。
  • 選び方の第一歩は「電界地域」の確認:お住まいの電波環境に合った性能のアンテナを選びましょう。
  • アンテナは主に4種類:受信性能の「八木式アンテナ」、外観性と耐久性の「デザインアンテナ」、外観性と対候性、受信性能の全体に優れる「ユニコーンアンテナ」、お手軽な「室内アンテナ」から、優先順位に合わせてお選びください。
  • 費用と安全性を考慮しよう:屋外アンテナの設置は、安全で確実な専門業者への依頼がおすすめです。
  • テレビアンテナ以外の選択肢もある:光テレビやケーブルテレビも比較検討し、自分に合った視聴方法を見つけてください。

テレビアンテナ選びは、一見難しそうに思えるかもしれません。
しかし、この記事でご紹介したステップに沿ってひとつひとつ確認していけば、きっとご自宅に最適な機種や設置方法が見つかるはずです。
正しい知識を身につけ、信頼できる業者に相談しながら、受信性能、設置の見た目や耐久性などすべてにご満足いただき、快適でクリアな映像を安定して楽しめるテレビ環境を整えてください。

もしアンテナ工事業者へとご相談になる場合は、まずは優良業者の条件を高いレベルで満たしている「あさひアンテナ」のフリーダイヤル、またはメールフォーム、LINEアカウントへとお問い合わせになることを、本記事の筆者からもおすすめいたします。

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アンテナ本体 型番
  • デザインアンテナ

    デザインアンテナUAH201
    型番:UAH201(最新モデル)
    (同軸ケーブル:白か黒の2色のうち、おすすめは外壁になじむ色)

    工事費込み 25,000円(27,500円税込)

    カラーバリエーションはオフホワイトライトブラウンスーパーブラックブラックブラウンの4色から現場で選択することが可能です。同じUHF20素子相当のデザインアンテナを比較した場合、業界トップクラスの受信性能、高利得を誇る大手DXアンテナ社製。本体の厚みはわずか119mm、サイズは高さ590mm×幅220mmで業界最小クラス。コンパクトサイズのため狭い屋根裏や天井裏などへの取り付けも最適。壁面に取り付けの場合は、極細のビスを6箇所打ち込んで金具を取り付け、金具にガチャンと本体をはめ込みボルトを締めるだけの簡単施工が可能なため建物へのダメージを極力軽減できます。ブースターが必要な場合はUAH201の背面にスッキリ取り付けられる構造になっており、表にブースターが露出しないので外観もキレイに保てます(弊社では電波状況が悪くない限り、なるべくブースターも屋内の、分配器の近くに隠してしております)。修理の場合、ブースター内蔵タイプのデザインアンテナとは異なり、ブースターだけの交換をできるメリットがあります。太陽光発電システムや片流れ屋根で屋根上に屋根馬を立てられず昔ながらの八木アンテナを設置できない住宅にも最適。耐風速(破戒風速)50m/sですが、屋内や外壁など、強風の影響を受けにくい取り付け位置と形状をしているため、災害にも強いアンテナとなっております。当店人気ナンバー1の地デジアンテナでございます。

  • 八木式アンテナ

    八木式アンテナUA20
    型番:UA20(最新モデル)
    工事費込み 22,000円(24,200円税込)

    その昔、八木秀次博士が発明した形状(魚の骨のような形状)からマイナーチェンジを繰り返し洗練されたフォルムとなり、中・弱電界エリアにも対応可能な安心のDXアンテナ社製。UHF20素子アンテナの性能で、吹きさらしで障害物の少ない屋根上に設置することが多いため利得が高くなっております。万が一、壁面や屋内でデザインアンテナを取り付けられない物件 にも最適。従来の鉄製の太いワイヤーとは異なり、ステンレス製の丈夫で錆びにくいワイヤー(支線)を採用。アンテナマストから屋根の四隅に向けて4本の支線を張り巡らせ、さらに張り巡らせた支線の途中からも屋根馬に向けて4本の支線をバランスよく張り、合計8本の支線で頑丈に設置しております。サイズは51.8cm×34cm×101.4cmとなっており、VHF(アナログアンテナ)と比較して、大幅なサイズダウンと軽量化がなされています。しかも耐風速(破壊風速)50m/s。地デジ放送が始まる前の時代より、屋根上に設置するアンテナは災害に強くなっていると言えるでしょう。当店で人気ナンバー2の地デジアンテナでございます。

  • 2K4K8K対応 BS/CS110度アンテナ

    2K4K8K対応BS/CS110度アンテナ
    型番:BC45AS(最新モデル)
    工事費込み 18,000円(19,800円税込)

    2018年12月1日以降、実用放送開始予定の4K8K衛星放送(NHKのみ4K&8Kを同時配信)に備えてオールマイティーなDXアンテナ社製のBC453をBS放送、CS放送をご覧になりたいすべての方へ提供しております(大規模な集合住宅は例外)。従来の2K専用BS/CS110 度アンテナと同じでサイズで円盤の直径は45センチ。そうでありながら、電送周波数の帯域が広いため、従来のフルハイビジョン(2K放送・約200万画素)からスーパーハイビジョン(4K放送・約800万画素/8K放送・約3,300万画素)まで受信可能です。「大は小を兼ねる」と言えます。2020年のオリンピックに向けて4K8Kの実用放送がますます拡充されるということが総務省より発表され、各メーカーの4K8Kテレビは増産がはじまり、その価格も落ち着いてきました。そのような状況のなか、あさひアンテナにも2K4K8K対応BS/CS110度アンテナの問合せが数多く寄せられております。最新式のアンテナでも、大量仕入れでコストをおさえて仕入れておりますので、低価格を実現できました。