テレビのアンテナ受信レベルを上げるには? レベルが下がる原因と確認の方法、自力での対処法をアンテナ工事のプロが解説
地上デジタル放送や衛星放送のテレビ放送と言えば、現在でももっとも身近な情報源、そして日常のお楽しみと言えるでしょう。
特に戸建て住宅のマイホームであれば、地デジアンテナを設置して、無料で視聴できる地デジ放送をご視聴になっているお住まいが多いことでしょう。
さらに現在では、地デジアンテナだけでなくBS/CSアンテナも設置して、より多くの無料チャンネルや、趣味の有料チャンネルをご覧になってる方も多くおられます。
お住まいに地デジ・BS/CSのテレビアンテナを設置すれば、長年にわたって地デジやBS放送のチャンネルを無料で楽しめます。BS放送、CS放送の有料チャンネルでは、月単位で契約してお好みの番組をご覧になる楽しみ方もあります。
ただ、テレビアンテナも長年の使用による劣化をはじめ、自然環境の影響や周辺環境の影響による電波レベルの変化などで、ある日、急に電波の受信状態が悪くなることもあります。
「テレビの映りが突然悪くなった」
「特定のチャンネルだけ、E202エラーが表示されて見られない」
それまで普段通りにテレビ放送を楽しんでいたお住まいで、突然、このようなトラブルが発生すると、テレビやアンテナが壊れたのではないかというご不安から、観たいテレビ番組が見られないという問題まで、たいへんお困りになることでしょう。
なんとかご自分で原因を突き止めようと、テレビの説明書や画面の表示を確認し、インターネットの検索で情報を集めるなどして「アンテナ受信レベル」という言葉を知り、これが原因ではないかと思われる方も多いかと思われます。
テレビ画面や受信のトラブルについて、専門業者に頼むと費用や手間がかかりそうだし、できれば自分で原因を調べて早急に直したい、と思われるのは当然のことでしょう。
この記事では、そのような皆様のために、地デジ放送、衛星放送の仕組みやアンテナ受信レベルの基礎知識から、ご自身でもできる確認方法、そして具体的な対処法までを、現場経験の豊富なアンテナ工事のプロが分かりやすく解説していきます。
皆様にテレビ電波やアンテナの専門知識がなくても大丈夫です。
この記事をお読みいただければ、まずはご自宅でテレビが正常に映らなくなった原因を特定し、お金をかけずに解決するための具体的なステップをご理解いただけます。
トラブルが再発することなく、安心して快適にテレビを見ることができる日常を取り戻すために、ぜひ最後までお付き合いください。
テレビ電波の受信レベルが下がる要因とは?
お住まいでテレビの映りが悪くなる主な原因は、アンテナが受け取るテレビ電波の強さ、つまり「受信レベル」の低下です。
この受信レベルは普段、私たちが視聴している「地上デジタル放送(地デジ放送)」と「衛星放送(BS放送、CS放送)」で、その低下の要因が少し異なります。
それぞれの放送の仕組みと電波の性質を知ることで、なぜ受信レベルが下がってしまうのかを理解しやすくなります。
ここでは、それぞれのテレビ放送で受信レベルが下がる主な要因について解説していきます。
地上デジタル放送の仕組みと受信レベルが下がる要因
地上デジタル放送(地デジ放送)は、日本の主要な地域にある地デジの電波塔から、UHF(極超短波)という種類の電波のうち、470MHzから710MHzまでの周波数帯に、テレビのデジタル映像信号を乗せて送信することで、電波塔の周辺エリアにある各ご家庭まで届けられています。
しかしこのUHFの電波は、電波塔からご自宅のアンテナに届くまでの間に、さまざまな要因の影響を受けて弱まることがあります。そのため日本各地に多くの電波塔を設置して、地域の中心的な電波塔(送信所・基幹局・親局)から、中継局(サテライト局)まで、リレー形式で電波を送信することで、日本全域をカバーしているのです。
この電波塔からの地デジ電波を、各お住まいなどに設置された、現場の電界地域に適した地デジアンテナでキャッチし、同軸ケーブルの配線を通じて、お住まいにある各テレビのチューナーまで届けることで、地デジ放送が視聴できるのです。
お住まいのテレビで地デジ放送を安定して映すためには、基本的にチューナーに届く時点で、34dBから89dBの地デジ電波レベルが必要です。ただアンテナで受信できる地デジ電波レベル(㏈)は、以下のような要因で大きく変動します。
※上記は地デジの受信レベルに影響を与える主な要因になります。
以上のような要因で、地デジアンテナで受信できる電波レベルそのものが変動することもあるため、実際に住宅の各テレビ機器で受信レベルを調整する場合には、テレビに届く時点で、一般的に47㏈から81㏈程度、最低でも40㏈以上の電波レベルが必要とされます。
衛星放送の仕組みと受信レベルが下がる要因
衛星放送(BS放送、CS放送)は、宇宙に浮かび、地上から見れば常に空の同じ位置に見える人工衛星「静止衛星」から、日本全域に向けて、マイクロ波の中のセンチメートル波(SHF)のうち、周波数帯が12GHz帯前後で「12GHz帯」と呼ばれる、非常に周波数の高い電波で送られています。
この電波は地デジのUHF波に比べて、波長の短さから直進性が強く、静止衛星から日本全域を照らすスポットライトのようなイメージで送信されています。この直進性の強さは、長距離を送信される衛星放送に適している半面、地上で物にぶつかると影ができる日光のように、ごくわずかな障害物にも影響を受けやすいという特徴があります。
なお12GHz帯の電波は、そのままでは周波数帯が高すぎてケーブルでの送信が難しいため、BS/CSアンテナで受信された後、アンテナに付随するコンバーター(変換器)で、従来の2K衛星放送(右旋円偏波)は1032MHzから2072MHzまで、2018年(平成30年)に導入された4K8K衛星放送に使われる左旋円偏波では2224MHzから3224MHzまでの周波数帯に変換されます。
この変換されたMHz帯の電波が、地デジ放送と同じくケーブルを通してテレビのBS/CSチューナーに届くことで、衛星放送が受信できるのです。BS放送、CS放送とも、衛星放送を安定して視聴するためには、一般的に、チューナーに届く時点で50dB以上の受信レベルが推奨されています。
衛星放送の場合、放送の仕組みから、BS/CSアンテナで受信できる電波レベルが大きく変動することはありませんが、それでも以下のような要因で、電波レベルの変動が生じやすくなります。
※上記は衛星放送の電波レベルに影響を与える主な要因になります。
降雨減衰や降雪減衰は、基本的に天候の回復を待つことが対策になります。また一般の戸建て住宅では、通常の45型よりややディッシュ(放物面反射器)が大きく、キャッチできる電波レベルが高いBS/CSアンテナを使うことが、降雨・降雪減衰や受信レベルがやや低い地域での受信対策になります。
またBS/CSアンテナでキャッチされた12GHz帯の電波は、上記の通り、コンバーターでMHz帯の電波に変換されますが、同じMHz帯でも周波数帯が高い電波は、ケーブルなどの送信中にも減衰が生じやすくなります。そのため配線部のケーブルや機器も、衛星放送や4K8K放送の周波数帯に対応できる品質の製品が必要となります。
なお、衛星放送用のアンテナは、南西方向上空(東経110度)にある静止衛星に向けて、電波をキャッチする円盤状のディッシュ部を、上下、左右とも、ミリ単位で正確に角度調整を行うことが必要です。この角度が、アンテナ本体の老朽化や、台風や強風、積雪や地震などの衝撃で、ミリ単位でもズレてしまうと、受信レベルが大きく低下することがあります。
他にも、BS/CSアンテナには、コンバーターを作動させるため、テレビ側のBS電源設定やブースター電源部の利用で、アンテナに電源を供給する必要があります。この電源供給が正常に行われていない場合にも、受信レベルの低下が生じますのでご注意ください。
まずは現状把握!テレビのアンテナ受信レベルを確認する方法
テレビの映りが悪くなっている原因を探る第一歩は、現状のアンテナ受信レベルを確認することです。
これは、いわば「電波の健康診断」のようなものといえます。
この数値を見ることで、実際にテレビへと届いている電波が十分なレベルなのか、それとも不足しているのかを客観的に判断できます。
このアンテナ受信レベルは、ご自宅のテレビリモコンを操作すれば、誰でも簡単に確認できますので、まずは試してみてください。
【メーカー別】リモコンで簡単!アンテナレベルの表示方法一覧
テレビなど受信機器におけるアンテナレベル画面の確認方法は、基本的にはリモコンを使ってテレビの設定画面などから、アンテナレベル画面を表示します。ただ主要なテレビメーカーのモデルごとに、具体的なアンテナレベルの確認手順は異なります。
以下に代表的な家電メーカー、モデルにおけるアンテナレベル画面の操作方法をまとめましたので、ご自宅のテレビに合わせて操作してみてください。
※テレビのモデルや年式によっても操作方法が異なる場合があります。詳しくはテレビの取扱説明書やメーカー公式サイトなどをご確認ください。
あなたの家の受信レベルは大丈夫?数値の目安と状況診断
無事にアンテナ受信レベルの数値を確認できたら、次はその数値がどのような状態を意味するのかを知る必要があります。
テレビの電波レベルは、専門的には、前述した「dB(デシベル)」という単位で表されますが、アンテナレベル画面の上ではメーカー独自の尺度(数値など)で表示されることがほとんどです。
ここでは、一般的なアンテナレベル数値の目安と、そのレベルに応じた状況診断について解説します。
地デジ放送・衛星放送のアンテナ受信レベル「正常値」の目安
地デジ放送と衛星放送(BS/CS放送)では、安定した視聴に必要な受信レベルの目安が異なります。
また、メーカーによっても表示される数値の基準が違うため、注意が必要です。
以下の表は、あくまで一般的なアンテナレベルの目安として参考にしてください。
【重要】 上記はあくまで目安です。パナソニック製品など一部のメーカーでは、44以上が推奨値とされている場合もあります。やはりお使いのテレビの取扱説明書、またはメーカー公式サイトで推奨レベルを確認されることをおすすめいたします。
【レベル別】状況診断チャート!今すぐやるべきことはコレ
アンテナレベル画面で測定した受信レベルの数値から、ご自宅での電波の受信状況を診断して、次に取るべきアクションを見つけてください。
レベルが正常値(例:60以上):原因は他にあるかも?
受信レベルの数値が十分に高いにもかかわらずテレビが映らない場合、原因はアンテナや電波以外にある可能性が高くなります。
その場合は、以下のポイントをご確認ください。
- B-CASカードの接触不良:テレビ本体に挿入されているB-CASカードを一度抜いて、ICチップの汚れを乾いたソフトな布で丁寧に拭いてから、正しい向きでしっかり挿し直してみてください。
- テレビ本体の一時的な不具合:テレビ本体の不具合でテレビが正常に映らない場合もあります。このような場合は、テレビの主電源を切り、電源プラグをコンセントから抜いて数分待ってから再度、接続して電源を入れる「再起動(リセット)」を試してください。
- ケーブルの接続不良:テレビと壁のアンテナコンセント端子を繋ぐケーブルについて、コンセント側とテレビ側、どちらもしっかり奥まで差し込まれているか確認してください。
レベルが少し低い(例:40~50台):自分で対処できる可能性大
受信レベルが推奨値をわずかに下回っている場合、ご自宅でできる簡単な対処法で改善する可能性があります。
天候による一時的な電波レベルへの影響や、ケーブルのちょっとした接触不良などで、アンテナやテレビに届く電波レベルがやや下がっていることが原因かもしれません。
まずは次の「アンテナ受信レベルが低い原因は?まずはお金のかからない方法から試そう」の章で紹介する方法を試してください。
受信トラブルへの対処は、焦らずに簡単なチェックから始めることが解決への近道です。
レベルが極端に低い・0:機器の故障や専門的な問題の可能性
受信レベルが「0」になっている、また推奨値から大きく下回っている場合は、より専門的な問題が考えられます。
例えば、以下のような状況が疑われます。
- アンテナの向きが強風などで大きくズレてしまった。
- アンテナ本体や、電波を増幅する「ブースター」という機器が故障した。
- アンテナケーブルが断線している。
このような場合は、ご自身での対処が難しいため、専門業者へご相談を検討されるのが賢明です。
無理に自分で直そうとせず、まずはプロの診断を仰ぐことをおすすめいたします。
アンテナ受信レベルが低い原因は?まずはお金のかからない方法から試そう
テレビの受信トラブルでは、専門業者を呼ぶ前に、ご自身でもできる対処がいくつかあります。
ここでは、費用をかけずに、誰でも安全に試せる対処法をステップごとにご紹介してゆきます。
アンテナレベル画面を確認して、受信レベルが推奨値よりやや低い程度であれば、これらの方法で改善することも少なくありません。
基準値よりアンテナレベルが低い場合は、ぜひ以下のステップを、順番に試してみてください。
【ステップ1】まずは屋内から!誰でもできる5つのチェックポイント
アンテナのある高所や屋外での作業は不要です。まずは安全な屋内から、以下の5つのポイントを確認してください。
- テレビを再起動(リセット)する
テレビ本体の基盤やプログラムに一時的なエラーが発生している可能性があります。リモコンで電源を切るだけでなく、本体の主電源を落とし、電源プラグをコンセントから抜いて2、3分待ってください。その後、再度、電源を入れて映りを確認します。なおテレビなど受信機器のモデルによっては独自のリセット方法を持つ場合もあるため、やはり取扱説明書やメーカー公式サイトもご確認ください。 - B-CASカードを挿し直す
デジタル放送の暗号化を解除するキーでもある、B-CASカード(またはminiB-CASカード、本体内蔵のACASチップ)がテレビ側で正しく認識されていないと、テレビが映らず「E100」「E101」「E102」などのエラーコードが表示されることがあります。この場合は本体からB-CASカードをいったん抜き、ICチップ部分を乾いた柔らかい布で優しく拭いてから、奥までしっかり挿し直してください。本体にACASチップを内蔵しているテレビの場合は、前項目の「再起動(リセット)」を試してください。 - アンテナケーブルを接続し直す
テレビの裏側と、壁のアンテナ端子に接続されているケーブルが緩んでいることがあります。両方のプラグを一度抜き、ホコリなどを取り除いてから、再度しっかりと差し込んでください。またケーブルの極端な折り曲げや、家具などの下敷きになるなどの状態も、受信不良や断線の原因になるため、このような問題があれば解消して、適切な配線を行ってください。 - レコーダーなどの周辺機器を外してみる
Blu-ray/DVDレコーダーなどの機器を介してテレビにアンテナ線(ケーブル)を接続している場合、レコーダーが原因の可能性もあります。機器などを経由することや、そのためにケーブル配線が長くなることで、電波レベルの減衰が大きくなるのです。この場合は一度レコーダーへの配線を外し、壁のアンテナコンセント端子から、テレビのチューナー端子へと直接ケーブルを接続してみて、映りが改善するかを確認してください。 - チャンネルを再設定(再スキャン)する
お引っ越し後をはじめ、受信する地デジ電波塔が変わるなど、周辺の電波環境に変化があった際に、特に有効です。テレビの設定メニューから「チャンネル設定」「チャンネルスキャン」などの項目を選び、現在の状況で受信できるテレビ放送のチャンネルを自動でチェック、設定するように操作します。スキャンには数分かかることもありますが、適切なチャンネル設定が行われれば、映らなかったチャンネルが映るようになる場合もあります。
【ステップ2】天候や周辺環境が原因ではないか確認する
上記した屋内のチェックで問題が改善しない場合、原因は屋外にあるかもしれません。
- 悪天候の影響:大雨や大雪、強風の日に映りが悪くなった場合は、天候が原因である可能性が高くなります。天候が地デジや衛星放送の電波に悪影響を与えているのであれば、天候が回復すれば問題も解消されることが多いため、しばらく様子を見てください。またこれら天候の影響で、テレビアンテナの角度がズレて、受信感度が低下していることも考えられます。
- 周辺環境の変化:自宅の近くで高層ビルの建設工事が始まった、大きなクレーン車が停まっている、またアンテナの前に樹木が伸びているなど、周辺環境に変化はないでしょうか。このような障害物によって電波が遮られている場合もあります。特にBS/CSアンテナはこのような障害物の影響に弱いものです。この場合は、庭木など可能であれば遮蔽物を撤去することが対策です。難しい場合は、アンテナの移設などが必要になります。
これらの外部要因はご自身で対処することが難しいため、状況が変わることを待つか、頻繁に発生するようであれば、アンテナ工事の専門業者にご相談されることがおすすめになります。
【注意】屋根上のアンテナ調整は危険!ご自分での対処には限界も
屋根の上にアンテナが設置されているお住まいで、アンテナの向きがズレているなどのトラブルが想定される場合、ご自分で屋根に登って角度を直そうと思われる方もいるかもしれません。
しかし、屋根の上での作業は絶対にやめてください。
専門の技術や知識、装備のない一般の方が慣れない高所での作業を行うと、転落して大怪我をする事故に繋がる可能性が非常に高く、大変に危険です。
また、アンテナの方向調整は、非常に手間がかかる作業です。
特に電波塔の方向だけでなく、さまざまな方向から、反射、回折した地デジ電波や、無関係のノイズなども飛んでくる地デジアンテナの角度調整は、専門の測定器(レベルチェッカー)がなければ、最適な調整を行うことは難しくなります。
ご自分でアンテナの確認、調整を行えるのは、テレビアンテナが屋上フロアやベランダの手すり、またその周辺に設置されていて、作業の安全が確保できるケースのみになります。
またその場合も、アンテナの角度調整は、専用のレベルチェッカーなどがない限り、微調整と受信レベルの確認を繰り返す、非常に手間がかかる作業になります。
自分でできる範囲は、あくまで安全な屋内での確認作業までと心得て、無理なDIYは避けましょう。
自力で改善しない…プロが突き止める専門的な原因と解決策
ご自身でできる対処法を試してもテレビの映りが改善しない場合は、原因はより専門的な部分にある可能性が高くなります。
アンテナ工事のプロは、専門の知識と技術、そして測定器などの機材をもちいて、一般の方では特定が難しい原因を突き止め、的確に解決します。
ここでは、当「あさひアンテナ」の専門スタッフ(アンテナ職人)が、実際の現場で遭遇することの多い専門的な原因と、その解決策についてご紹介していきます。
【年間6000件の実績】アンテナのプロが教える原因トップ5
当あさひアンテナは年間6,000件以上のアンテナ工事を行っています。
その豊富な経験から見えてきた、受信レベル低下の主な専門的な原因は以下の通りです。
※上記は受信トラブルの主な原因と対処法になります。
戸建て住宅と集合住宅(マンション)で異なる原因と対処法
お住まいが戸建て住宅か集合住宅(マンション・アパート)かによって、原因の切り分け方や対処法が異なってきます。詳細は以下の通りです。
※上記は主なポイントになります。
集合住宅にお住まいでテレビが正常に映らなくなった場合、ご自宅だけの問題ではなく、建物全体の共用設備が原因である可能性も十分に考えられます。
まずはマンションなどの管理会社にご連絡の上で、建物のアンテナ設備に問題がないか、点検を依頼されるのが最初のステップとなります。
4K/8K放送だけ映らない場合に考えられる原因
「地デジ放送や通常のBS放送、CS放送は映るのに、新しい4K、8K衛星放送のチャンネルだけ正常に映らない」というケースもあります。
これは、2018年に導入された4K、8K放送の一部のチャンネルで使われている「左旋円偏波(させんえんへんぱ)」という新しい種類の電波が原因です。
この左旋円偏波は、衛星放送に4K8Kチャンネルが追加される際、従来の2K衛星放送に使われていた「右旋円偏波(うせんえんへんぱ)」では使用できる周波数帯が不足したために、新しく追加された電波です。
前述の通り左旋の電波は、コンバーターでMHz帯に変換される際も、従来より高い周波数帯になるため、ケーブル配線部での減衰、漏洩が生じやすくなります。お住まいのBS/CSアンテナでこの左旋の電波を受信するためには、ご自宅のアンテナおよび配線部の設備が、2K4K8K(右旋・左旋)対応BS/CSアンテナなど、すべて4K/8K放送(3442MHz)に対応している必要があります。
ご自宅のアンテナ設備で、以下の機器が古い(2018年以前のもの)ままだと、左旋の電波や変換された周波数帯に対応できず、4K/8K放送を正常に受信できません。
- BS/CSアンテナ(2K(右旋)対応)
- ブースター
- 分配器
- アンテナコンセントの端子ユニット
- アンテナケーブル
上記の機器部に、ひとつでも4K8K(3224MHz)に未対応の機器があると、それがボトルネックとなってテレビ側で左旋の受信レベルが不足し、4K/8K放送が正常に映らなくなってしまいます。
アンテナ受信レベルの調整・修理はプロに相談が確実!業者選びと費用相場
テレビ画面トラブルについて、ご自身での対処が難しいと思われる場合は、決してご無理をせずアンテナ工事の専門業者へと相談されることが、もっとも安全かつ確実な解決策です。
しかし、いざ業者を探すにあたって「具体的にどのような業者に頼めばいいのか分からない」「料金はいくらかかるのか不安」と思われる方も多いことでしょう。
この項目では、安心して修理などの対処を任せることができるアンテナ工事業者を選ぶためのポイントと、アンテナの修理や交換にかかる費用の目安をご紹介していきます。
失敗しないアンテナ工事業者の選び方:3つのポイント
不当に高額な料金を請求する悪質な業者、技術力が低く十分な修理ができない業者などを避けるためには、以下の3つのポイントを必ずチェックしてください。
- 料金体系が明確か
見積もり時に、工事内容の内訳や、見積もり外の追加料金が発生する可能性について、きちんと説明してくれる業者を選びましょう。「工事費一式」としか書かれていない大雑把な見積もりを出す業者は要注意です。また業者の公式サイトに明確な価格体系(使用機材のメーカー、型番など含む)の料金表が明記されているかも重要な判断基準です。 - 実績と技術力があるか
年間の施工件数など、具体的な実績が豊富な業者は、さまざまな現場に対応できる高い技術力とノウハウを持っていると考えられます。また、施工を下請け業者に丸投げせず、「完全自社施工」を行っている業者は、品質管理が徹底されており、責任の所在も明確で安心です。また中間マージンなどが発生しない分、施工品質は高くとも工事費用が割安になる傾向もあります。 - 保証やアフターサポートが手厚いか
アンテナは設置から長年にわたって使うものですから、工事後の保証は非常に重要です。万が一、工事後に不具合が発生した場合でも、迅速に対応してくれる長期保証(8年~10年が目安)が付いている業者を選ぶことがおすすめです。
あさひアンテナが選ばれる3つの理由【年間6000件の実績】
手前味噌ではございますが、当「あさひアンテナ」が、多くのお客様から選ばれている理由を、以下でご紹介させていただきます。
- 経験豊富な自社職人による確かな技術力
年間6,000件を超える施工は、すべて経験豊富な自社スタッフのアンテナ職人が行います。下請けを使わない完全自社施工だからこそ、高い技術力と安定した品質、そして業界最安に挑む価格をお約束できます。 - 明朗会計とリーズナブルな価格設定
お住まいでは緻密な現地調査(電波調査)の上で、お住まいで可能な施工方法の中から、お客様のご要望に最適の施工法をご提案し、必ず作業前に工事内容と料金を詳細にご説明いたします。お客様にご納得いただき、ご契約をいただけない限り、決して作業を開始することはありません。また、アンテナ工事やブースターなどの機材設置についても、高品質な国産大手メーカー製の機材、部材をセットにした、業界最安値クラスの明確な価格設定でご案内しております。 - 業界最長クラスの10年保証による安心
工事完了後、10年間の長期保証をお付けしています。万が一のトラブルにも迅速に対応し、お客様の快適なテレビライフを末永くサポートします。
その他のサービスでは、アンテナ工事前の電波調査、お見積もりのご依頼は、出張費、キャンセル費などを含めた完全無料でご対応。もちろん他業者との相見積もりから、急なトラブルなどで工事をお急ぎの場合の即日工事にも対応しております。
また工事完了後のお支払いについても、各種クレジットカード、電子マネーにもご対応しています。もし自然災害などでアンテナが破損した場合には、アンテナに修理費用に火災保険を適用するご相談についても、保険の専門知識をもつスタッフがご対応し、必要な写真、書類のご用意から、保険会社への申請のサポートまで、万全の態勢でお手伝いいたします。
急にテレビが正常に映らなくなった際のご相談から、各種アンテナ工事のお問い合せまで、まずは当あさひアンテナのフリーダイヤル、または本サイトのメールフォーム、弊社LINEアカウントまで、どうかお気軽にご連絡くださいませ。
アンテナの種類別|修理・交換にかかる費用相場
アンテナの修理や交換にかかる費用は、アンテナの種類や工事の内容によって異なります。
以下に一般的な費用相場をまとめましたので、業者に見積もりを依頼する際の参考にしてください。
※上記はあくまで目安です。高所作業費や部材費などが別途かかる場合があります。
なお、当あさひアンテナでは、的確なアンテナ角度の調整作業については、8,000円(税込み8,800円)から。素子やケーブル接続部など、軽微な故障に対する修理は5,000円(税込み5,500円)から。アンテナ交換に伴う既設アンテナ撤去(古いアンテナの持ち帰り処分込み)も5,000円(税込み5,500円)からでお引き受けしております。
アンテナ交換に伴う新しいアンテナの設置工事についても、弊社では国産大手メーカー製の高品質アンテナ本体、基本設置具、同軸ケーブルをセットにした基本設置工事を、業界最安に挑む価格でご提供しています。
一例として、地デジの八木式アンテナでは、DXアンテナ製20素子モデル「UA20」による工事を22,000円(税込み24,200円)から。デザインアンテナは、DXアンテナ製20素子相当モデル「UAH201」による工事を22,000円(税込み24,200円)からでお引き受けしております。
もちろんアンテナブースター、分配器などケーブル配線部やシステム機器の設置、交換にもご対応しております。例えばブースターについても、国産大手メーカーの高品質機材をセットにして、地デジ用UHFブースター設置は20,000円(税込み22,000円)から、地デジ、衛星放送対応で混合器の機能も持つUHF/BSCS混合ブースターの設置は25,000円(税込み27,500円)からでお引き受けいたします。
アンテナ受信レベルに関するQ&A
最後に、アンテナ受信レベルに関してよく寄せられる質問にお答えします。
Q1. アンテナレベルは高すぎてもダメって本当?
はい、本当です。
テレビ電波は弱すぎても映りませんが、逆に強すぎても電波の映像信号をテレビのチューナーが処理しきれず、ノイズが発生する、映像が乱れるなどの原因になります。
これを「過入力」と呼びます。地デジ放送の場合、チューナーに入力される電波レベルが90㏈以上になると、この過入力による問題が発生します。
主に、電波塔のすぐ近くにある「強電界地域」で、高性能なアンテナやブースターを使用した場合に起こりやすい現象です。
この場合は、ブースターの出力を調整する。または「アッテネーター(減衰器)」という機器をケーブル配線部に取り付ける、またテレビなどの本体にアッテネーター機能がある場合は、その機能をオンにして、入力される電波を適切なレベルまで弱めることで解決します。
Q2. 特定のチャンネルだけ受信レベルが低いのはなぜ?
いくつかの原因が考えられます。
一つは、テレビチャンネルごとに使用されている電波の周波数帯(チャンネル帯)が異なるためです。
前述のように電波は周波数帯が高いほど減衰しやすくなるため、同じ電波塔から発信される地デジ電波でも、アンテナで受信する際にはチャンネルごとの電波レベルが変わってくることもあります。
そのため、地デジアンテナの設置では、その現場における各チャンネルの受信レベルを確認して、アンテナの向きや高さを、すべてのチャンネルがバランスよく受信できるよう調整する必要があります。この調整が最適でない場合に、特定のチャンネルだけ受信レベルが低くなることがあります。
また、お住まいの地域で、NHK、広域民放と、その都府県内で放送される地方チャンネル(地方局、ローカル局)の電波の出力レベル、または送信される電波塔そのものが異なる場合も、地方チャンネルの電波レベルだけが低下するケースもよく見られます。
この場合、アンテナの再調整や、より高性能なアンテナへの交換、または地方チャンネル用の地デジアンテナんを別個に設置するなどの対処で受信状況が改善することもあります。
Q3. アンテナレベルを測る無料アプリや専用の測定器(レベルチェッカー)は有効?
スマートフォンで利用できるアンテナ関連のアプリは、主に地デジ電波塔や放送用の人工衛星の方角を調べるためのもので、正確な電波強度(受信レベル)を測定することはできません。
あくまで、大まかな方向を知るための補助ツールと考えるのが良いでしょう。
一方、プロが使用する「レベルチェッカー」は、正確な電波強度や品質を測定できる専用の機器ですが、非常に高価(数万円~十数万円)です。また、測定値を正しく読み解き、適切な対処法を判断するには専門知識が必要なため、一般の方が購入して使いこなすのは現実的ではありません。
もっとも、お住まいの屋上フロアやベランダの手すりなど、安全にアンテナを調整できる環境のお住まいであれば、簡易的なレベルチェッカーが角度調整などに役立つこともあります。
これは、アンテナとテレビを結ぶケーブルの途中に接続することで、アンテナが受信している電波レベルを、インジケーターなどで即座に確認できるものです。
シンプルに受信レベルを確認できるだけの機器なので、一般の方でも扱いやすく、価格も1,000円台からで購入できるため、特にBS/CSアンテナの角度調整などで、作業の手間を省くために役立ちます。
ただ繰り返しになりますが、アンテナの角度調整などの作業をDIYで行うことは、アンテナの設置場所によっては大変な危険を伴います。DIYでのアンテナ調整作業は、ベランダの手すりなど安全な位置にあるアンテナの場合のみに限り、少しでも難しいと思われる場合は、プロの業者へとお任せください。
まとめ:アンテナ受信レベルの問題は原因の切り分けが解決のカギ
今回の記事では、テレビのアンテナ受信レベルが低くなる原因と、アンテナレベルの確認方法、ご自身でできる対処法について詳しく解説してきました。
ご自宅で突然テレビが映らなくなると、テレビやアンテナの故障かと慌ててしまうお気持ちはわかります。ただ、まずは落ち着いて、この記事で紹介したステップに沿って原因を切り分けていってください。
以下で、あらためて記事でご紹介した流れを簡単にまとめます。
- まずは現状把握: リモコン操作で現在のアンテナ受信レベルを確認する。
- 自分で対処: 屋内でできる簡単なチェックポイント(再起動、ケーブル接続など)を試してみる。
- プロに相談: それでも改善しない場合は、アンテナ本体や配線など専門的な問題の可能性が高い。無理せず専門業者に調査を依頼する。
この手順を踏むことで、原因を正しく特定し、最適な解決策を見つけることができます。
もし、ご自宅で原因の特定が難しい、また屋根の上のあんて名の故障などで対処が難しい場合には、まずは当あさひアンテナまでお気軽にご相談くださいませ。
弊社では、フリーダイヤルへのお電話一本、またはメールフォーム、LINEを通じたご相談で、経験豊富な弊社スタッフのアンテナ職人が迅速にお住まいまで駆けつけ、原因の調査、特定から、アンテナ修理や交換まで、責任を持って完全復旧まで必ず対応いたします。
テレビアンテナに関するお悩みから、各種アンテナ工事まで、アンテナに関するご相談は、どうぞ当あさひアンテナにお任せください。