【自分で解決】地デジのアンテナレベルが低い?テレビが映らない原因と今すぐ試せる改善・対処法から業者の工事までプロが解説
お住まいにあるテレビで、急に画面が真っ暗になったり、画面に「E202」という見慣れないエラーコードが表示されたりすると、誰もが驚いてしまうことでしょう。
エラーコードと同時に出るメッセージに「アンテナレベルが低い」と表示されても、それが何を意味し、どうすれば良いのか分からずお困りの方も多いのではないでしょうか。
専門業者を呼ぶと費用もかかりそうだし、できれば自分で直したい、と思われるのは、一般の方にとっては当然のことです。
この記事では、そのようなお客様のために、地デジのアンテナレベルに関するあらゆる疑問にお答えします。
専門知識がなくても原因を切り分け、ご自身で今すぐ試せる簡単な対処法から、専門家でなければ解決できないことの見極め方まで、プロが分かりやすく解説します。
本記事は、アンテナ工事の専門業者「あさひアンテナ」の専門スタッフに取材を行った内容を、技術系の知識をプロのライターが的確に要約しています。
アンテナのプロによる専門知識と実地の経験に基づいた内容を、専門用語を避けてわかりやすくまとめる文章のプロが解説していますので、一般の方でも問題なくお読みいただけます。
この記事を最後のまとめまでお読みいただければ、確かな情報とわかりやすい対処法により、お住まいで突然、テレビ画面のトラブルが起きても落ち着いて対応できるようになり、無駄な出費を抑えて問題を解決できるはずです。
まずは現状把握から。地デジの「アンテナレベル」とは?
テレビの映りが悪くなったとき、まず確認すべきなのが「アンテナレベル」です。
しかし、この言葉自体に馴染みがない方も多いかもしれません。
ここでは、アンテナレベルが何を示しているのか、どのくらいの数値が正常なのかを分かりやすく解説します。
アンテナレベルはテレビが受信する「電波の品質」を示す指標
アンテナレベルとは、ご自宅の地デジアンテナからテレビまで届いている地デジ電波の「強さ」や「品質」を数値やグラフで示す指標です。
テレビメーカーによっては「受信レベル」や「受信強度」とも呼ばれます。
この数値がテレビメーカーの定める基準より低いと、映像にノイズが入ったり、音声が途切れたり、最悪の場合はまったく映らなくなってしまいます。
以下、アンテナレベルが示すテレビの状態について、一覧でまとめます。
※上記は主なアンテナレベル状態の例になります。
アンテナレベルは、いわばテレビ放送の「生命線」ともいえる重要な指標です。
高ければ高いほど良いというわけではなく、逆に強すぎてもテレビのチューナーが正常に処理できず、映像が乱れる原因になります。
まずはご自宅のテレビの基準値を知り、適切な範囲に収まっているかを確認することが大切です。
【メーカー別】地デジアンテナレベルの正常値(目安)一覧
アンテナレベルの画面や正常値は、テレビのメーカーや機種によって基準(数値や表示の方法)が異なります。
そのため、ご自宅にあるテレビ(メーカー)の基準値を知っておくことが重要です。
以下に、主要メーカーの地デジとBS/CS放送におけるアンテナレベルの目安を、一覧表でまとめました。
※上記はあくまで一般的なモデルの目安です。各メーカーでもモデルや年式によって基準の数値や表示方法が異なる場合もあります。
正確なアンテナレベルの数値は、お使いのテレビの取扱説明書やメーカーの公式サイトでご確認ください。
ソニーのブラビアのように具体的な数値を公表していないメーカーもありますが、その場合は画面の色(緑が良好、黄色が注意、赤が不足)などで判断できます。
自宅のテレビでアンテナレベルを確認する方法
それでは実際に、リモコンを操作してアンテナレベルを確認してみましょう。
メーカーによって操作手順や選択する項目の名称などは少し異なりますが、基本的な流れは同じです。
- リモコンの「メニュー」や「設定」ボタンを押します。
- 「本体設定」「放送受信設定」などの項目を選びます。
- 「アンテナ設定」や「受信設定」といった項目に進みます。
- 「アンテナレベル」や「受信強度表示」を選択すると、現在のレベルが表示されます。
詳しい手順は、お使いのテレビの取扱説明書で確認するのがもっとも確実です。
地デジだけでなく、衛星放送をご覧になっている場合は、そちらのアンテナレベルも合わせて確認しておくと良いでしょう。
テレビ機器には地デジとは別に「BSアンテナレベル画面(CSも兼用)」などの項目があり、上記と同じ手順で適切に項目を選んで行くことで、BSのアンテナレベル画面を表示することができます。
業者を呼ぶ前に!自分で今すぐ試せるアンテナレベル改善6ステップ
アンテナレベル画面を確認して、低下していることが分かっても、すぐに業者に修理などのご依頼を行う必要はありません。
アンテナレベルが低下する原因は、テレビ本体やその周辺のごく単純な問題であるケースも多く、専門的な工具や知識がなくても、ご自身で試せる簡単な改善策がいくつかあります。
原因によっては、ご自宅でも費用をかけずに簡単に解決できる可能性もありますので、まずは以下の6つのステップを順番にお試しください。
ステップ1:テレビ本体の再起動(電源リセット)
まず最初に試していただきたいのが、テレビの再起動です。
スマートフォンなどと同じで、テレビも一時的な内部基盤やプログラムの不具合で誤動作を起こすことがあります。
そのような場合は、以下の手順でテレビ本体をリセット(初期化)してください。
- テレビ本体の主電源ボタンを押して、電源を切ります。
- テレビに接続されている電源コードを、壁のコンセントから抜きます。
- そのまま2〜3分ほど待ちます。
- 再び電源コードをコンセントに差し込み、テレビの電源を入れます。
この簡単な操作だけで、通電を断つことにより内部のシステムがリセットされ、テレビの問題が解消されることがあります。
まずはこの方法で、テレビの映りが改善するかどうかを確認してみてください。
ステップ2:B-CASカードを抜き差しする
次に確認すべき点が、テレビ本体にスロットに挿入されている「B-CASカード」です。
このカードは現在のデジタルテレビ放送で、暗号化された映像信号を解読するために不可欠なものです。したがってカードが接触不良などを起こしていると、地デジや衛星放送が正常に映りません。
B-CASカードの不具合の場合は、主にテレビ画面に「E100」「E101」「E102」などのエラーコードが表示されます。このような場合は以下のような対処を取ってください。
- テレビの電源を切り、電源コードを抜きます。
- B-CASカードが挿入されている場所を確認し、カードをゆっくりと引き抜きます。
- カードの裏面にある金色のICチップ部分を、乾いた柔らかい布で優しく拭きます。
- カードを正しい向きで、奥までしっかりと差し直します。
なお、最近の4K/8Kテレビでは、B-CASカードではなく、本体に「ACASチップ」が内蔵されているモデルもあります。
その場合はこの手順は不要で、トラブルが発生した場合には、前述のリセットが有効になります。ただB-CASカード式のテレビで不具合が出た場合は、この手順もお試しください。
ステップ3:アンテナケーブルの接続を確認する
テレビ画面が乱れるケースで意外と多い原因が、アンテナケーブルの接続不良です。
掃除の際に動かしたり、ペットがじゃれたりして、知らないうちに接続部分が緩んでいることがあります。
注意すべき主なアンテナケーブルの接続部は、以下の各ポイントです。
- 壁のアンテナ端子
- テレビのアンテナ入力端子
- レコーダーや分配器などの周辺機器
これらの接続部分をすべて、一度ケーブルを抜いてから、奥までしっかりと差し直してみてください。
また、ケーブルが家具の下敷きになっていたり、極端に折れ曲がっていたりしないかも確認しましょう。このような状態では、映像信号の送信不良や内部断線などが生じることもあります。
さらに、ケーブル自体が古くなって劣化している可能性も考えられます。
ステップ4:レコーダーなどの周辺機器を一旦外して直結する
もし壁のアンテナ端子とテレビの間に、ブルーレイレコーダーや分配器などを接続している場合は、それらが不具合の原因になっている可能性があります。
問題の切り分けのために、一度これらの周辺機器をすべて取り外してみましょう。
そして、壁のアンテナ端子から出ているアンテナケーブルを、テレビのアンテナ入力端子に直接、接続します。
この「直結」の状態でテレビが正常に映れば、原因は取り外した周辺機器のいずれかにあると特定できます。
その場合は、機器の故障や接続ケーブルの問題を疑ってください。
ステップ5:チャンネルの再設定(再スキャン)を行う
テレビは最初に設置する際、テレビ本体がアンテナから届いているテレビ電波をチェックし、チャンネルに当てはめる「チャンネルスキャン(チャンネル設定)」を行う必要があります。
そしてお住まいの地域で放送局の電波送信状況に変更があった場合や、引っ越し直後などには、テレビのチャンネル設定が現状と合わなくなることがあります。
その場合は、チャンネルの再設定(再スキャン)を行い、現状の電波にあわせてチャンネル設定を修正することで改善する可能性があります。
操作方法はテレビのメーカーによって異なりますが、一般的にはリモコンの「設定」メニューから「放送受信設定」→「チャンネル設定」→「地上デジタル自動設定」といった手順で実行できます。
テレビが自動で受信可能なチャンネルを探し直してくれるので、そのまま数分待てば再設定は完了します。
ステップ6:他のテレビの映りも確認する(問題の切り分け)
ご自宅にテレビが2台以上ある場合は、問題が発生しているテレビ以外の映りも確認してみましょう。
もし他のテレビは問題なく映るのであれば、問題は特定のテレビ本体や、その部屋の配線にある可能性が高くなります。
また問題がB-CASカードにあると思われる場合は、機器同士でB-CASカードを差し替えてみることも、問題があるカードの切り分けに役立ちます。
逆に、家中のすべてのテレビが同じように映らないのであれば、アンテナ本体やブースターなど、家全体に関わるアンテナ設備に問題があると考えられます。
このように、他のテレビと比較することで、問題の箇所を絞り込む重要な手掛かりになります。
なぜ?地デジのアンテナレベルが低くなる7つの主な原因
上記のご自身で試せる6つのステップで問題が改善しなかった場合、アンテナ設備などのより専門的な原因であることが考えられます。
ここでは、アンテナレベルが低くなる代表的な7つの原因を解説します。
以下の解説をご自身の状況と照らし合わせながら、原因を探っていってください。
原因1:アンテナの向きのズレ(強風・積雪・鳥など)
地デジアンテナは、最寄りの電波塔に正面側(受信方向)を向けて正確に設置されています。
しかし、台風などの強風、屋根からの落雪、鳥がとまった衝撃などで、その向きがわずかにズレてしまうことがあります。
地デジアンテナは高い指向性を持つため、向きが少し変わるだけで、アンテナが受信できる電波の量は大きく低下してしまいます。
以下、地デジアンテナの角度がずれる主な要因について、一覧で解説します。
※上記の一覧は主要な原因となります。
特に屋根の上でマストに固定される八木式アンテナは、指向性や受信性能の高さもあって、角度のズレによる問題が生じやすい機種です。しかし屋根の上など高所での作業は非常に危険なため、アンテナの向き調整は必ず専門業者に依頼してください。
原因2:アンテナ本体や周辺機器の故障・寿命(約10年が目安)
屋外に設置されているアンテナや、電波を増幅する屋外用ブースター、屋外配線などの機器は、常に雨風にさらされています。
そのため、経年劣化は避けられず、これらの機器は一般的に10年から15年が寿命の目安と言われています。
特にブースターが故障すると、電波の増幅が止まってしまい、突然アンテナレベルが大きく低下してしまうこともあります。
以下、老朽化によりテレビ画面が乱れることがある機器と、その寿命を一覧で解説します。
※上記は各機器の平均的な寿命になります。
お住まいのテレビアンテナや配線部の設備が設置から10年以上経過している場合は、機器の寿命を疑ってみる必要があります。
原因3:周辺環境の変化(高層ビルの建設・樹木の成長)
以前は問題なく視聴できていたのに、最近になって映りが悪くなったという場合、周辺環境の変化が原因かもしれません。
電波は電波塔からご自宅のアンテナまで、空間を伝わって飛んできます。
その通り道に障害物ができてしまうと、電波が遮られてしまい、アンテナレベルが低下します。
- 近隣に高層マンションやビルが建設された
- 自宅や隣家の庭木が大きく成長した
- 静止衛星との間にクレーン車などが一時的に停まっている
地デジ電波の場合、波長の幅があるため、ビルなどの障害物に遮られても乗り越えて広がる性質があります。ただビルの陰に当たるすぐ近くの一帯などには、乗り越えた電波も届きにくくなり、受信レベルが低下することがあります。
また衛星放送の電波は非常に直進性が高く、静止衛星の位置からBS/CSアンテナまで一直線に届いているため、電波の経路にあるわずかな障害物の影響も受けやすいという特徴があります。
原因4:悪天候による影響(大雨・強風・大雪)
地デジの電波は比較的、天候の影響を受けにくいものですが、既設の影響で多少の電波レベル変動があるほか、豪雨や大雪の場合は電波レベルが弱まることがあります。
また衛星放送は、気候の変動や多少の悪天候には影響を受けません。ただ激しい雨や雪の場合は、細かな障害物が降り注ぐ状態になり、雨粒や雪に電波が吸収され、乱反射しててしまう「降雨減衰」「降雪減衰」という現象が起こりやすくなります。これにより一時的にアンテナレベルが大きく低下することもあります。
上記のような場合は、天候が回復すれば自然と元に戻ることがほとんどです。
原因5:お住まいの地域が「弱電界地域」である
ご自宅で受信できる地デジ電波の強さは、電波塔からの距離(距離による電波の弱まり)や、間に山など電波の障害物がないかによって決まります。
特定の電波塔の周辺で、周辺エリアに到達する電波の強さに応じて、地域は「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」の3つに分けられます。
この電界地域には統一された定義がないため、使われる場所によって種類や目安が違うこともありますが、一般的な電界地域は以下の一覧通りです。
※上記は一般的な電界地域の目安になります。
もともと電波が弱い「弱電界地域」にお住まいの場合、少しの環境変化(障害物や気候、天候など)や機器の劣化でも、すぐに視聴に必要なアンテナレベルを下回ってしまうことがあります。
ご自宅のエリアがどの電界地域に該当するかは「A-PAB(一般社団法人 放送サービス高度化推進協会)」のサイト(放送エリアのめやす)などで確認できます。
原因6:ケーブルの劣化や規格違い
見落としがちになるのが、アンテナケーブル自体の問題です。
室内用のアンテナケーブルについては上記でも少し触れましたが、屋外ケーブルについても、長年使用していると内部で劣化が進み、映像信号をうまく伝えられなくなっていることがあります。
また、特に新4K8K衛星放送を視聴する場合、古い規格のケーブル(2K衛星放送対応など)を使用していると、左旋の電波が変換された高周波数帯の電波に対応できず、アンテナレベルが大幅に低下する原因となります。
4K8K放送の特定のチャンネルだけ映りが悪いといった場合は、ご使用中のケーブルの規格が合っているかどうかを確認してみましょう。
ケーブルの品質は、側面に印字されている「S-4C-FB」などの記号で判断できます。
原因7:分配器の使いすぎによる電波の減衰
ご自宅でテレビを置く部屋の数が増えた際などに、一基のアンテナからの電波を分配器で分けて、複数の部屋に送ることがあります。
しかし、分配器は電波レベルを単純(等分)に、分配数に応じて何分の一ずつに分けるため、分ける数が増えるほど1部屋あたりのアンテナレベルは低下してしまいます。
例えば、2分配すれば元の半分に、4分配すれば4分の1になってしまいます。
分配数(住宅内に置かれるテレビの台数)が多すぎる場合は、電波を増幅するブースターの設置を検討する必要があります。
【状況別】こんな時はどうする?アンテナレベルのトラブルシューティング
ここまではアンテナレベル低下の一般的な原因を解説してきましたが、読者の皆様が直面しているアンテナトラブルの状況はもっと具体的かもしれません。
この項目では、特に多い以下の3つのケースに絞って、考えられる原因と具体的な対処法を解説します。
ケース1:アンテナレベルが「0」になり「E202」が表示される
テレビで確認できるアンテナレベルが「0」になり、画面に「E202」エラーが表示されるケースは、電波がテレビにまったく届いていないか、極端に弱まっている状態です。
この場合には、以下のような深刻な原因が考えられます。
- アンテナケーブルが完全に抜けている、または断線している。
- ブースターの電源がオフになっている、または故障している。
- アンテナが強風などで倒れたり、まったく違う方向を向いてしまったりしている。
- アンテナ本体や配線設備の重大な故障。
まずはブースターの電源が入っているか(通常は配線部の途中、屋根裏などに設置されている電源部にランプがあります)を確認し、ケーブルの抜けがないか再度チェックしてください。
それでも改善しない場合は、アンテナ設備に深刻なトラブルが発生している可能性が高いため、専門業者による点検が必要です。
ケース2:特定のチャンネルだけ映りが悪い・映らない
すべてのチャンネルではなく、特定のチャンネルだけが正常に映らない場合には、いくつかの原因が考えられます。
地デジ放送は、チャンネルごとに異なる周波数の電波を使っており、特にNHKや広域民放と、特定の都府県だけにある地方チャンネル(東京MXやちばテレビなど)の場合は、送信している電波塔の場所が違うこともあります。
また受信できる各チャンネルでも、周波数帯の高いチャンネルほど減衰しやすいため、同じ電波塔からの電波でも、一部のチャンネルの電波だけが弱まるケースもあります。
特定チャンネルだけ映りが悪くなる場合は、主に以下のような原因が考えられます。
- アンテナの向きが、そのチャンネルの電波塔の方向に合っていない。
- そのチャンネルの周波数を遮るような、特定の方向の障害物(建物や樹木)がある。
- そのチャンネルの電波だけが、お住まいの地域で特に弱い。
特にNHK、広域民放と地方チャンネルなど、別々の電波塔からの電波を受信している場合、地デジアンテナのより精密な角度調整が必要になります。また場合によってはもう一基、地方局用の地デジアンテナを設置する必要があります。
通常、一部のチャンネルのみ映りが悪い場合は、すべてのチャンネルがバランスよく受信できるようアンテナの方向を微調整したり、より受信性能の高いアンテナに交換したりすることで改善できる可能性があります。
これも専門的な作業となるため、プロへの相談をおすすめします。
ケース3:アパート・マンションなど集合住宅で映らない
アパートやマンションなどの集合住宅にお住まいでテレビが映らなくなった場合、ご自身の部屋だけの問題ではない可能性があります。
集合住宅では、各棟の屋上に設置された共同の大型アンテナから、各部屋へ電波が分配されています。
そのため、まず試していただきたいのは、ご近所の方にテレビが映るか尋ねてみることです。
もし他の部屋でも同様の症状が出ているなら、原因は建物の共聴設備にある可能性が非常に高いです。
その場合は、ご自身で業者を呼ぶのではなく、すぐに建物の管理会社や大家さんに連絡してください。
集合住宅の共用設備であるアンテナに関して独断で業者を呼ぶと、費用をすべて負担しなければならないだけでなく、集合住宅の規約・契約違反になるケースもあります。
ここからはプロの領域。専門業者によるアンテナレベル改善策
これまでにご紹介した方法で受信トラブルが解決しない場合、残念ながらご自身でできる対処の限界を超えている可能性が高くなります。
特に屋根の上での作業は、転落や機材を落とすなどで、住宅や家財の破損、人身事故などの重大な事故につながる危険があります。
ここからは、専門業者が主にどのような方法で問題を解決するのかをご紹介します。
専用測定器「レベルチェッカー」による正確な電波状況の診断
プロのアンテナ業者は、「アンテナレベルチェッカー(電波測定器)」という専用の測定器を使用します。
これは、テレビの簡易的なアンテナレベル表示とは異なり、電波の強度(dBμV)だけでなく、電波の品質(MER/BER)といった専門的なデータまで詳細に測定できる機器です。
専門知識を持つプロのアンテナ職人がこのレベルチェッカーを使うことで、トラブルの真の原因を正確に突き止め、もっとも効果的な解決策を導き出すことができます。
アンテナの向きの精密な調整・最適なアンテナへの交換
業者はレベルチェッカーでリアルタイムに数値を確認しながら、アンテナの方向(向き)や角度を1度単位で精密に調整します。
これにより、その場所で受信できる電波を最大限に引き出すことができます。
また、診断の結果、現在の地デジアンテナでは安定した受信が難しいと判断した場合は、その地域の電波状況や周辺環境に最適なアンテナ機種への交換を提案します。
以下、新築住宅などのテレビアンテナ工事に使用される、現在の地デジアンテナ主要機種の種類とその特徴の一覧です。
※上記は各アンテナ機種の主な特徴になります
また地デジアンテナには、各機種内でもモデル別の受信性能を示す「素子数・素子数相当」の目安があります。
一般的に強電界地域では8素子から14素子、中電界地域では14素子から20素子、弱電界地域では20素子かそれ以上の高性能モデルが必要にあります。
ただ受信性能は素子数だけでなく、アンテナの機種や設置位置にも大きく左右されるため、同じ現場に同じ素子数(相当)モデルを用意しても、機種や設置位置によっては設置できないこともあります。
電波を増幅する「ブースター」の設置・調整
弱電界地域であったり、複数の部屋に電波を分配していたりして、根本的に受信できる電波の量が不足している場合には、アンテナのすぐ近くの配線に「ブースター」という電波増幅器を設置します。
ブースターは単に取り付ければ良いというものではなく、現場の受信レベルに応じた調整が必要となり、電波を過度に増幅しすぎると、逆に電波に混じるノイズが増えて映りが悪くなることがあります。
アンテナ工事のプロはレベルチェッカーで電波の強さや質を測定しながら、そのお宅に最適な増幅度(利得)に調整します。
損しない!信頼できるアンテナ修理業者の選び方 5つのポイント
いざアンテナ工事の専門業者に依頼しようと思っても、一般のお客さまでは、具体的にどこの業者に頼めば良いのか、迷ってしまうこともあるかと思います。
アンテナ工事業者の中には、残念ながら手抜き工事や、見積もりにない料金の加算で不当な高額請求をする悪質な業者も存在します。
安心して任せられる優良な業者を見極めるために、以下の一覧にある5つのポイントを必ずチェックしてください。
※上記は優良なアンテナ工事業者の主なチェックポイントになります。
これらのポイントを押さえて慎重に業者をお選びになることで、アンテナのトラブルを適正な価格で、かつ安心して解決することができます。
例えば、この記事にもご協力いただいたアンテナ工事業者「あさひアンテナ」は、このポイントをすべて高いレベルでクリアする業界屈指の優良業者です。
あさひアンテナの特徴としては、主に以下のような点が挙げられます。
- 電波調査とお見積もりは、出張費・キャンセル費など関連費用を含む完全無料。
- 緻密な電波調査でお住まいに対応可能なアンテナ機種や設置位置を割り出し、ご希望に最適な工事をご提案。
- 即日工事や相見積もりにも対応し、業界最安に挑む見積もり価格でご提案。
- お問い合わせ時やお見積もり時など、自社スタッフがマナーを守って丁寧にご対応。お客様からのご質問にはすべてわかりやすくご回答。
- お見積もりのご提示後には決して追加工事・費用を加算しない方針を徹底。
- 工事は完全自社施工で、自社スタッフによる高品質な工事を、中間マージンなどを廃した適正価格でご提供。
- 工事費用のお支払いは、各種クレジットカード、電子マネーなどにもご対応。
- 工事完了後には、業界最長クラスの「10年保証」で長期にわたって安心。
このように、あさひアンテナではすべてにおいて他業者に引けを取らない、総合的に高品質なサービスをご提供しています。
相見積もりの業者に「あさひアンテナ」をお加えになるだけで、お客様が十分にご満足いただけるアンテナ工事を実現できる可能性が非常に高くなります。
アンテナレベルに関するよくある質問(FAQ)
最後に、アンテナレベルに関して多くの方が抱く疑問について、プロのアンテナ工事業者のお話に基づき、Q&A形式でお答えします。
Q. アンテナレベルは高すぎてもダメなのですか?
A. はい、その通りです。
アンテナレベルがテレビメーカーの定める基準値を大幅に超える「過入力」という状態になると、テレビのチューナーが信号を正常に処理できず、かえってブロックノイズが発生するなど映像が乱れる原因になります。
強電界地域、また特に過度に高性能なアンテナやブースターを使用している場合に起こりやすく、その際は信号を適切なレベルまで弱める「アッテネーター(減衰器)」という機器が必要になります。
近年のテレビなど受信機器には、入力された電波が強すぎる場合に、その時点で適切なレベルに弱める「アッテネーター機能」がついている機種もあり、必要に応じてこの機能をオンにすることで対処できます。
Q. 室内アンテナでアンテナレベルは改善できますか?
A. 改善できる可能性はありますが、条件が非常に限定されます。
室内アンテナは設置が簡単な反面、受信性能が低いため、電波塔がすぐ近くに見えるような「強電界地域」で、なおかつ窓際など電波を遮るものがない場所でしか安定した受信は期待できません。
室内アンテナでのアンテナレベル改善には、設置位置を変更するか、より高性能なモデル(ブースター内蔵型や屋内外兼用モデル)に交換するなどの対処がありますが、改善できるレベルには限界もあります。
多くの場合、屋外に設置する本格的なアンテナでないと、アンテナレベルの根本的な解決には至りません。
Q. アンテナから受信した地デジ電波を無線で飛ばすのは違法ですか?
A. はい、地デジアンテナで受信した地デジの電波を、正式な許可なくそのまま無線で再送信する行為は、有限な公共資源である電波の用途を規定する「電波法」で禁止されており、違法行為となります。
ただし、市販されている「ワイヤレステレビチューナー」などの製品は、受信した電波から映像信号のデータを抽出し、それをWi-Fiなどの一般的な無線LAN規格で送信しています。
これは映像信号を送信しているだけで、電波の再送信には当たらないため合法であり、アンテナ端子がない部屋でテレビを視聴するための便利な方法として利用できます。
まとめ:アンテナレベルを正しく理解してテレビの不調を解決しよう
今回は、主に地デジのアンテナレベルが低くなる原因と、その対処法について詳しく解説しました。
以下、本記事でご説明した主なポイントをあらためてまとめています。
必要な情報を手早く確認するためのチェックリストなどにご活用ください。
- アンテナレベルは「電波の品質」を示す指標で、メーカーごとに正常値の目安がある。
- テレビが映らないときは、まずは「再起動」や「配線確認」など、自分でできる6つのステップを試してみる。
- それでも直らない場合、アンテナの向きのズレや機器の寿命など、専門的な原因が考えられる。
- 高所での作業は危険なため、アンテナ本体に関わる問題は無理せずプロの業者に相談する。
- アンテナ工事の業者を選ぶ際は、料金の明確さや実績、保証などをしっかり確認することが重要です。
お住まいにて突然テレビが映らなくなると、どうしてもあわててしまうものですが、原因をひとつずつ切り分けていけば、落ち着いて対処することができます。
ご自身での解決が難しいと感じたときは、決して無理をせず、「あさひアンテナ」をはじめとする、信頼できる専門業者にご相談ください。
この記事が、お客様の快適なテレビライフを取り戻すための一助となれば、筆者としても幸いです。




