【2025年総合情報】4K8Kテレビ用に最適!プロに聞くアンテナケーブルのおすすめ人気ランキング製品と失敗しない選び方

2025年12月20日

「新しい4Kテレビを買ったのに、なんだか画質が期待したほどじゃない」
「引っ越し先でテレビをアンテナコンセントと接続しようと思ったら、アンテナケーブルの種類が多すぎて選べない」
「自宅のテレビに適したアンテナコンセントの種類や長さがわからない」

この記事をお読みの皆様は、そのようなお悩みをお持ちではないでしょうか。
せっかく4K8K対応のアンテナを設置し、高性能な4K8Kテレビを用意しても、その間を接続するアンテナケーブルが適切な製品でなければ、高画質の放送やテレビの本来の性能(画質)を十分に引き出すことはできません。
特に、データ量の多い4K/8K放送では、ケーブル1本で画質が大きく左右されることもあります。

しかし、どうかご安心ください。
この記事では、アンテナ工事の専門家である「あさひアンテナ」の専門家に取材を実施し、プロの知識と経験を参考に、誰でも簡単に最適なアンテナケーブルを選べるよう、徹底的に解説します。
記事の執筆は技術系の知識が豊富なライターが担当しており、プロのアンテナ職人による解説を、的確かつ一般の方にもわかりやすくまとめています。

この記事を一通りお読みいただいた頃には、皆様はご自宅のテレビ環境にぴったりの1本を見つけ出し、最高の画質でテレビ放送を楽しめるようになっているはずです。

地デジ電波の性質と受信、ケーブル送信のポイント

テレビ放送用のケーブル選びでは、まず現在の主なテレビ放送である地デジ放送(地上デジタル放送)に適したケーブルを選ぶことが基本になります。
そのためには、まず地デジ放送や地デジ電波の基本的な性質を理解することが大切です。
地デジ放送では、「UHF(極超短波)」と呼ばれる電波のうち、470MHzから710MHzの周波数帯が使われています。
このUHFの地デジ電波は、40センチから60センチ程度の波長の幅があるため、ビルなどの障害物もある程度は乗り越えて広がる性質がある反面、送信元から離れるほど拡散されて電波レベル(強さ)が弱まり、ついには受信できなくなります。
地デジ放送では、日本各地に設置された電波塔の先端から、周辺の一帯に地デジ電波を送信しています。さらに到達する地デジ電波が弱まるエリアでは、弱い地デジ電波を受信して増幅し、周辺に送信し直す中継局が設置されており、このリレー方式により、地デジ放送は日本のほぼ全域をカバーしています。
一般の住宅では、地デジアンテナ(UHFアンテナ)を設置して、UHFの電波をキャッチし、ケーブルを通じてテレビなどのチューナーまで届けることで、地デジ放送を視聴しています。
そしてアンテナで地デジ電波を受信し、ケーブルで安定して届けるためには、以下のようないくつかのポイントがあります。

項目 ポイント 詳細
電波の強さ 電波塔からの距離で決まる お住まいの地域が、電波塔に近く障害物も少ないため電波レベルが強い「強・中電界地域」か、遠いか障害物の影響で電波が弱まる「弱電界地域」かによって、必要なアンテナの性能(素子数・素子数相当)や適した設置位置が変わります。
障害物の影響 直進性が高く、障害物に弱い 地デジアンテナは指向性から正面側の受信感度がもっとも高く、また地デジ電波はビルや山などの障害物によって遮られやすい性質があります。そのため、安定した受信にはアンテナの設置場所や向きが非常に重要になります。
天候の影響 雨や雪で電波が弱まることがある 地デジ電波は気候の影響を受けてレベルが変動するほか、大雨や大雪の際には、電波が吸収されて受信レベルが低下し、地デジ映像が乱れることがあります。
アンテナの設置 高い場所ほど有利 基本的にアンテナは、屋根の上など高い位置に設置するほど障害物を避け、角度調整も行いやすいため、受信感度が高まります。壁などの低い位置に設置する場合は、電波塔の方向に障害物がないなど、周辺環境に注意する必要があります。
屋内設置の条件 電波強度や建材による 電波が十分に強いエリアで、電波を通しやすい建材の家であれば、外観を損なわない屋根裏や室内への地デジアンテナ設置も可能です。

※上記は地デジ受信の主なポイントになります。

これらのポイントを理解することで、アンテナからテレビまでの最後の通り道であるアンテナケーブルの重要性も見えてきます。
地デジアンテナが良い性能であっても、ケーブルが信号を劣化させてしまっては意味がありません。逆にケーブルの品質は十分でも、アンテナの機種や設置方法が不適切であると、アンテナが十分な電波を受信できなくなり、やはり意味がなくなります。

衛星放送の電波の性質と受信、ケーブル送信のポイント

地デジアンテナの他に、BS/CSアンテナを設置してBS放送、CS放送などの衛星放送、特に4K/8K放送を視聴する場合には、地デジ電波とは大きく異なる、衛星放送特有の電波の性質を理解する必要があります。
衛星放送では、宇宙空間で赤道軌道上を周回し、常に地球の同じ半球側を補足する静止衛星から、地上の広範囲(日本全域など)に向けて、12GHz帯という非常に周波数帯の高い電波を送信しています。
この12GHz帯は波長の短さから光のように直進性が高く、静止衛星から地上の遠距離まで到達する半面、障害物に遮断されやすいという弱点もあります。
この直進的な電波を、パラボラアンテナであるBS/CSアンテナがもつ皿状のディッシュ(放物面反射器)でキャッチして、ディッシュ前方にある一次放射器の一点に集める形で反射させて受信します。
また12GHz帯は周波数帯が高すぎて、そのままではケーブルでは送信できないため、一次放射器と一体化したコンバーター(変換器)で、周波数帯をMHz帯に変換した後、ケーブルでテレビまで送信されます。

また現在、静止衛星から送られる12GHz帯の電波には「右旋円偏波(うせんえんへんぱ)」と「左旋円偏波(させんえんへんぱ)」の2種類があります。
従来の2K放送では右旋の電波を使っていましたが、2018年(平成30年)から始まった新4K8K衛星放送では、右旋で空いている周波数帯が不足したため、一部の4K8Kチャンネルのために、新しく左旋の電波を導入したのです。

そのため現在、すべての4K8K放送のチャンネルを受信するには、右旋と左旋の電波に対応した2K4K8K対応のBS/CSアンテナが必要です。なお現在、市販されるBS/CSアンテナはほぼすべてが2K4K8K対応モデルです。
また右旋と左旋の電波は、コンバーターで変換される際、右旋は1032MHzから2072MHzまでの周波数帯になりますが、、左旋は2224MHzから3224MHzまでと、従来より高い周波数帯になるのです。
この右旋と左旋の周波数帯の違いは、現在のテレビ用アンテナケーブル選びでも重要なポイントになります。

衛星放送(BS/CS)の受信で重要となるポイントは、以下の一覧の通りです。

項目 ポイント 詳細
周波数変換 12GHz帯をMHz帯に変換 12GHz帯の電波は高周波すぎるため、そのままケーブルで伝送できません。アンテナの「コンバーター」という部分で、ケーブルで送信できるMHz帯の周波数に変換します。
4K8Kの周波数 右旋:~2072MHz / 左旋:~3224MHz 変換後の周波数が、4K8K放送(左旋)では従来の放送より格段に高くなります。
信号の減衰 高い周波数ほど減衰しやすい 電波は周波数が高いほど、ケーブルを伝わる際に信号が弱くなりやすい(減衰しやすい)性質があります。
ケーブルの重要性 4K8K(3224MHz)対応が必須 このため、新4K8K衛星放送の高い周波数の信号を劣化させずにテレビまで届けるには、3224MHzまで対応した高品質なケーブルが必要不可欠となるのです。
アンテナの設置 角度調整と障害物が重要 アンテナを静止衛星の方向(東経110度)へ正確に向け、その方向に建物や木などの障害物がない場所に設置する必要があります。

※上記は衛星放送受信の主なポイントになります。

周波数帯が高い電波ほど、ケーブルで送信する際に減衰やノイズの混入が起こりやすくなります。
そして地デジ電波に比べると、2K衛星放送(右旋)の電波や、さらに追加された4K8K衛星放送(左旋)の電波は、ケーブルで送られる際の周波数帯がより高くなります。
したがって、特に近年になって追加された4K/8K放送(左旋)を最高の画質で楽しむためには、電波の特性(周波数帯)に適した品質のアンテナケーブルを選ぶことが極めて重要になるのです。

なぜ重要?アンテナケーブル1本で4Kテレビの画質が変わる理由

お客様の中には「アンテナケーブルなんて電波を送るだけのものだから、テレビが映ればどれも同じじゃないの?」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、特に4K/8K放送の視聴においては、その考えは大きな間違いといえます。
前述の通り、4K/8K放送は、地デジ放送や従来の2K放送に比べて、はるかに高い周波数帯のテレビ電波を使用しています。

この高周波数帯の映像信号は、非常にデリケートなものです。
例えるなら、細く流れの速い水路のようなものです。この水路が少しでも汚れていたり、曲がりくねっていたりすると、水の勢いが弱まってしまいます。
それと同様に、アンテナケーブルの品質が低いと、高周波のテレビ信号はケーブル内を伝わるうちに弱まったり(信号減衰)、外部からの余計な電波の干渉を受けたり(ノイズ混入)してしまうのです。

その結果、テレビに届く信号の質が低下し、

  • ブロックノイズ(映像がモザイク状になる)が発生する。
  • 映像が一瞬止まる(フリーズ)。
  • 特定のチャンネルだけ映らない。

といったトラブルの原因になります。
せっかく4Kテレビを用意しても、元となる映像信号が劣化していては、その美しい映像を再現することはできません。
つまり高品質なアンテナケーブルを選ぶことは、4Kテレビの性能を最大限に引き出すための重要な「投資」なのです。
他にも、ケーブルの途中に設置するブースター、分配器、アンテナコンセントユニットなどの機材も、4K8K(3224MHz)に対応している製品を使うようにしてください。

【5ステップで簡単】失敗しないアンテナケーブルの選び方

お住まいで視聴するテレビ放送の種類や、環境に応じたアンテナケーブル選びは、専門用語が多くて難しく感じるかもしれません。
しかし、ポイントさえ押さえれば、誰でも簡単に、ご自宅に最適なケーブル製品を見つけることができます。
ここでは、アンテナケーブル購入で失敗しないための選び方を、5つのステップに分けて解説します。
この記事の順番に確認していくだけで、お客様のお住まいのテレビ環境にぴったりのケーブルが必ず見つかります。

  1. 視聴する放送で選ぶ(4K/8K対応は必須)。
  2. ケーブルの太さで選ぶ(4Cと5Cの違いと使い分け)。
  3. プラグの形状で選ぶ(L型/S型/F型の特徴)。
  4. 最適な長さで選ぶ(短いほど信号劣化は少ない)。
  5. 品質で迷ったら(高シールド構造と金メッキ端子)。

それでは、各ステップを詳しく見ていきましょう。

① 視聴する放送で選ぶ(4K/8K対応は必須)

アンテナケーブルを選ぶ上で、もっとも重要となる点が「視聴したい放送に対応しているか」です。
特に4Kテレビをお持ちの場合、将来的に新4K8K衛星放送を視聴する可能性を考慮して「4K/8K対応」と明記されたケーブルを選ぶことが絶対条件と言えます。

製品のパッケージや説明欄に、「新4K8K衛星放送対応」「3224MHz対応」、または「SHマーク(スーパーハイビジョンマーク)」「HSマーク(ハイシールドマーク)」といった表記があるか必ず確認してください。
これは、新4K8K衛星放送で使われるもっとも高い周波数(3224MHz)の電波まで、信号を劣化させることなく安定して伝送できる性能を持っている証です。
従来の地デジや2K対応のケーブルではこの周波数帯に対応しておらず、4K放送の一部チャンネルが映らなかったり、映像が乱れたりする原因となります。
地デジ放送しか見ないという場合でも、将来の拡張性を考え、4K/8K対応ケーブルを選んでおけば間違いありません。

② ケーブルの太さで選ぶ(4Cと5Cの違いと使い分け)

ケーブル製品のパッケージやケーブル本体の側面には、例えば「S-5C-FB」などの記号が印刷されています。これはケーブル各部の品質を表す記号であり、ケーブルの品質によって記号の内容が変わってきます。
記号の詳細は後の項で詳しく説明しますが、中央部の「4」や「5」などの数字の表記は、ケーブルの太さ(外部導体までの太さ)を表しています。
ケーブルの太さは「4C」「5C」などの単位で表されます。ただしケーブルの記号にある「C」はケーブルの太さではなく、インピーダンス(後述)を表しています。
この数字が大きいほどケーブルは太くなり、太さに応じてメリットとデメリットがあります。
一般家庭で主に使用されるアンテナケーブルは「4C」と「5C」になります。

以下、それぞれのアンテナケーブルの特徴を解説します。

太さ(C表記) 特徴 メリット デメリット 主な用途
4C 直径約6mm 信号減衰と柔軟性のバランスが良い。取り回しがしやすい。 5Cに比べると信号減衰が大きい。 室内でのメイン配線(5m~10m程度)
壁の端子からテレビまでなど
5C 直径約7.7mm 信号減衰が非常に少ない。耐久性が高い。 太くて硬いため、曲げにくく取り回しが難しい。 長距離配線(10m以上)
屋外のアンテナから屋内への引き込み、別室への配線など

※上記のケーブルの太さは外部導体までの太さになり、表層の被膜は含まれないため、実際のケーブルは上記の数値よりやや太くなります。

どちらを選べば良いか迷った場合、基本的な基準は「ケーブルの長さ」です。
壁のアンテナ端子からテレビまでなど、室内で5mから10m程度の距離であれば、取り回しのしやすい
「4C」がおすすめです。
一方で、アンテナから直接部屋に引き込んだり、隣の部屋まで配線したりするなど、10m以上の長さが必要な場合は、信号の劣化を最小限に抑える
「5C」を選びましょう。

他にもアンテナケーブルには「2C(4ミリ)」「3C(5.4ミリ)」のものがあります。
アンテナケーブルは強く曲げると、映像信号の狂いや内部断線のおそれがあるため、ケーブルごとの「曲げ半径(90度曲げるときの曲線に一致する円の半径)」に合わせる必要があります。そして太いケーブルほど曲げ半径が大きくなり、取り扱いに注意が必要です。
細いケーブルは電波の減衰量は大きくなるものの、曲げ半径が小さいため、テレビとレコーダーなど、狭くて短い場所での接続に適しています。

③ プラグの形状で選ぶ(L型/S型/F型の特徴)

アンテナケーブルの両端にある接続部分を「プラグ」と呼びます。
プラグには主に以下の一覧のような3種類の形状があり、設置場所や接続する機器に合わせて選ぶことが重要です。

プラグ形状 特徴 メリット デメリット こんな時におすすめ
S型(ストレート) 端子部がまっすぐな形状で、もっとも一般的。 抜き差しが簡単で、汎用性が高い。 狭い場所ではケーブルが無理に曲がり、断線の原因になることがある。 テレビとレコーダーの間など、機器の背面にスペースがある場所。
L型 端子部が90度に曲がった形状。 壁際や家具の裏など、狭い場所でもスッキリ配線できる。ケーブルの根元に負担がかかりにくい。 接続端子の向きによっては使えない場合がある。 テレビを壁にぴったり寄せたい時。壁のアンテナ端子が家具の裏などにある時。
F型(ねじ込み式) 端子をねじのように回して固定する形状。 ケーブルが抜けにくく、接続が非常に安定する。接触不良による映像の乱れを防ぐ。 頻繁に抜き差しするには手間がかかる。 壁のアンテナ端子への接続。小さなお子様やペットがいて、ケーブルが抜ける心配がある場合。

※上記は現在の主要な端子に対応する基本的なプラグの種類になります。

ケーブルによっては、片方がL型、もう片方がS型といった組み合わせの製品もあります。
壁の端子側は抜けにくい「F型」や省スペースの「L型」を、テレビ側は抜き差ししやすい「S型」を選ぶなど、接続する場所の状況をよく確認して、最適な形状の組み合わせを選びましょう。

④ 最適な長さで選ぶ(短いほど信号劣化は少ない)

アンテナケーブルを選ぶ際、「大は小を兼ねる」と考えて、つい長めのものを買ってしまいがちです。
しかし、これは信号品質の観点からは逆効果になる可能性があります。
アンテナケーブルは、長ければ長いほど送信される電波レベルが弱くなる(減衰する)という性質を持っています。

したがって、お住まいで必要以上に長いアンテナケーブルを使うと、

  • 映像信号が弱まり、ノイズの発生や受信不良の原因になる。
  • 余ったケーブルが他のケーブルと絡まったり、見栄えが悪くなったりする。
  • ケーブルを束ねる際に曲げ半径を越えて曲げてしまう。

などのデメリットが考えられます。
ケーブルを購入する前には、テレビとアンテナ端子の間の距離をメジャーなどで正確に測りましょう。
その上で、ケーブルが突っ張らない程度の少しの余裕(20cm~30cm程度)を持たせた、「必要最小限」の長さのケーブルを選ぶのがベストです。

この一手間が、安定した高画質を保つための重要なポイントになります。

⑤ 品質で迷ったら(高シールド構造と金メッキ端子)

多くの製品の中からどれかひとつに絞りきれない場合は、ケーブルの「品質」に注目してみましょう。
特に以下の2つのポイントは、長期的に安定した画質を保つ上で非常に重要です。

  • 高シールド構造
    ケーブルは外部からの電波干渉(ノイズ)に弱いという弱点があります。特に、Wi-Fiルーターやスマートフォン、電子レンジなど、家の中にはノイズ源がたくさんあります。このノイズを防ぐのが「シールド」という部分です。4K/8K対応ケーブルでは、このシールドを2層、3層に重ねた「二重シールド」「三重シールド」構造のものが多く、ノイズに強いのが特徴です。
  • 金メッキ端子
    プラグの金属部分が金色に加工されているものが「金メッキ端子」です。金は電気を通しやすく、サビや腐食に強い性質があります。そのため、長期間使用しても接触不良が起きにくく、信号の劣化を防いでくれます。ニッケルメッキのプラグに比べてやや高価ですが、画質にこだわるなら金メッキ端子の製品を選ぶ価値は十分にあります。

少し価格が高くても、これらの品質にこだわった製品を選ぶことで、将来的なトラブルのリスクを減らし、長く安心して使い続けることができます。

アンテナケーブルの「S-5C-FB」などの意味は?

すでに少し触れましたが、アンテナケーブル本体やパッケージには、例えば「S-5C-FB」のようなアルファベットと数字が並んだ型番が記載されています。
これはケーブルの性能や構造を示すJIS規格(日本産業規格)の記号で、意味を知っておくと製品選びの際に非常に役立ちます。
これらの記号の各文字「S」「5」「C」「F」「B」にはそれぞれケーブル各部の品質を示す、個別の意味があります。
以下、それぞれの記号の意味を、一覧で解説していきます。

記号 意味 解説
S BS/CS衛星放送対応 この「S」が付いているものが衛星放送(BS/CS・2K放送)に対応していることを示します。現在、市販されているほとんどのテレビ用ケーブルにはこの記号が付いています。
5 ケーブルの太さ 「4」「5」など、数字が大きいほどケーブルが太く、信号の減衰が少ないことを表します。逆に「2」などの細いケーブルは性能は低いものの扱いやすく、機器と機器の間などの短い接続に適しています。
C インピーダンス ケーブルの電気抵抗値(インピーダンス)を示します。テレビ用は75Ω(オーム)と決まっており、「C」はその記号です。
F 絶縁体の材質 中心導体を覆う絶縁体に、発泡ポリエチレン(Foamed Polyethylene)が使われていることを示します。信号の損失が少ない高品質な材質です。なお「2」は一般的なポリエチレン製。「HF」はより高品質な高発泡ポリエチレン製になります。
B 外部導体の構造 外部導体(シールド)が「アルミ箔テープ+編組」の二重構造になっていることを示します。シールド性能が高いことを意味します。他にも「V」は編組一重、「W」は編組二重、「T」は編組三重を表します。

※上記は「S-5C-FB」を元にした基本的な解説です。

つまり、「S-5C-FB」という型番は、「衛星放送に対応した、太さ5(約7.7ミリ)で、高品質な絶縁体と二重シールド構造を持つ75Ωのケーブル」という意味になります。
特に4K/8K放送を安定して視聴するためには、シールド性能が高い「FB」タイプや、さらに強化された「BL」タイプを選ぶのがおすすめです。
この型番の見方や記号の意味を覚えておけば、パッケージの宣伝文句だけでなく、客観的な性能でケーブルを比較検討できるようになります。

【用途・長さ別】プロが厳選!おすすめアンテナケーブル4選

ここまで解説してきた選び方のポイントを踏まえ、アンテナ工事のプロが具体的な利用シーンに合わせて厳選した、おすすめのアンテナケーブルを4つご紹介します。
どれを選べば良いか迷っている方は、ぜひ以下の一覧の中から、ご自身の環境に合ったものを選んでみてください。

用途 おすすめ製品カテゴリ 太さ プラグ形状例 長さの目安 特徴
壁際・省スペース配線 国内メーカー製 L型プラグケーブル 4C L型 – S型 1m~5m テレビを壁に寄せてもケーブルが邪魔にならない。根元の断線リスクが低い。金メッキ仕様が多く品質も安心。
コスパ重視の万能タイプ DXアンテナ/マスプロ電工 4K8K対応ケーブル 4C S型 – S型 3m~7m 性能と価格のバランスが非常に良い。三重シールド構造でノイズに強く、ほとんどの室内配線で十分な性能を発揮する。
長距離・別室への配線 日本アンテナ 高性能5Cケーブル 5C F型 – F型 or L型 10m~20m 信号減衰がもっとも少なく、長距離でも画質の劣化を最小限に抑える。しっかり固定できるF型プラグがおすすめ。
画質最優先・ノイズ対策 ホーリック プレミアムアンテナケーブル 4C/5C F型 – L型(金メッキ) 2m~10m 高シールド構造はもちろん、ケーブルの材質やプラグの品質に徹底的にこだわったモデル。ノイズが多い環境でも安定した視聴が期待できる。

※上記はおすすめアンテナケーブルの主な製品です。

これらの製品カテゴリは、家電量販店やオンラインストアで広く取り扱われています。
上記でご紹介したメーカーは、長年アンテナ関連機器を製造している信頼性の高い国内メーカーです。
ご自身の「部屋の環境」「接続距離」「こだわりたいポイント」に合わせて、最適な一本を選びましょう。

アンテナケーブルに関するQ&A|交換・接続トラブル解決

ここでは、アンテナケーブルに関してよく寄せられる質問や、トラブルの解決法についてお答えします。

Q1. ケーブルを交換すると画質は良くなりますか?

A1. デジタル放送の場合、ケーブルを高品質なものに交換したからといって、画質が劇的に向上するというよりは、「本来の画質を安定して表示できるようになる」または「画質の劣化を防ぐ」と考えるのが正確です。
もし現在、古いケーブルや細すぎるケーブルを使っていて、ブロックノイズなどが発生してテレビの映りが悪い場合は、4K/8K対応の適切なケーブルに交換することで、症状が改善され、結果的に画質が良くなったと感じられます。

Q2. テレビの映りが悪い場合、ケーブル以外に考えられる原因は?

A2. ケーブルを交換しても映りが改善しない場合、以下のような原因が考えられます。

  • 接続の緩み:テレビ側と壁側のプラグがしっかり奥まで差し込まれているか、F型の場合はねじが緩んでいないか確認してください。
  • ケーブルの劣化・断線:ケーブルが家具の下敷きになっていたり、強く折り曲げられていたりしないか確認しましょう。寿命は一般的に5年から10年です。
  • 分配器やブースターの問題:複数のテレビに電波を分けている「分配器」や、電波を増幅する「ブースター」が古い場合、4K/8K放送の周波数に対応していない可能性があります。
  • アンテナ本体の問題:強風などでアンテナの向きがずれていたり、アンテナ自体が劣化していたりする可能性もあります。

これらをチェックしても原因が分からない場合は、電波障害やアンテナ、周辺機器の故障などが考えられるため、アンテナ専門業者に調査を依頼することをおすすめします。

Q3. 「フラットケーブル」とは何ですか?

A3. フラットケーブルは、エアコンのダクトや壁に穴を開けずに、窓のサッシの隙間を通して屋外から屋内にアンテナ線を引き込むための薄型ケーブルです。
シートのように非常に薄く、窓の開閉を妨げずに配線できるのが大きなメリットです。
同様の役割を果たす製品として、通常より細いケーブルもあります。ただし、通常の丸いケーブルに比べると信号の減衰が大きく、耐久性も低いため、あくまで冊子を通す部分的な使用や、どうしても穴を開けられない場合の最終手段と考えるのが良いでしょう。

使用する際は、できるだけ短いものを選ぶことが重要です。

まとめ:最適なアンテナケーブルで最高の視聴体験を

今回は、4K/8Kテレビの性能を最大限に引き出すための、アンテナケーブルの選び方について詳しく解説しました。
アンテナケーブルには多くの種類や製品があって難しく感じるかもしれませんが、ポイントは以下の通り非常にシンプルです。

  • ① 放送で選ぶ:まずは「4K/8K(3224MHz)対応」の製品を選ぶ。
  • ② 太さで選ぶ:室内で10m以内なら「4C」、10m以上なら「5C」が基本。
  • ③ プラグで選ぶ:壁際は「L型」、しっかり固定したいなら「F型」など場所に合わせて選ぶ。
  • ④ 長さで選ぶ:距離を測り、「必要最低限」の長さを選ぶ。
  • ⑤ 品質で選ぶ:迷ったら「高シールド」「金メッキ」仕様で安心。

この5つのステップを踏むだけで、誰でも簡単に自分の環境に最適なアンテナケーブルを選ぶことができます。
適切なケーブルは、快適で安定したテレビ視聴環境の基盤です。
この記事を参考に、ぜひあなたにぴったりの一本を見つけ出し、最高の画質でテレビライフを満喫してください。

もし適切なアンテナケーブルを選んでもテレビ画面が乱れるなどの問題が生じて、ご自宅では原因の特定や解決が難しい場合は、本記事にもご協力いただいた「あさひアンテナ」のフリーダイヤル、または公式サイトおメールフォームやLINEアカウントまでお問い合わせください。
現場経験も豊富なオペレーターが、まずはお客様の状況や受信環境などをお伺いして、考えられる原因とその対処法をご紹介します。お電話などの解説で問題が解決できた場合は、料金は1円もいただきません。
また、アンテナや配線部の問題など、ご自宅での対処が難しい問題とみられる場合には、ご依頼いただければ、あさひアンテナの優秀なアンテナ職人がご自宅まで急行し、早急に原因を確かめて、対処となる工事のご説明とお見積もりを、業界最安に挑む価格でご提案します。

本記事の解説で、皆様がお住まいに最適のアンテナケーブルをお選びの上、快適なテレビ視聴環境を実現していただければ、筆者としても幸いです。

アンテナ本体 型番
  • デザインアンテナ

    デザインアンテナUAH201
    型番:UAH201(最新モデル)
    (同軸ケーブル:白か黒の2色のうち、おすすめは外壁になじむ色)

    工事費込み 25,000円(27,500円税込)

    カラーバリエーションはオフホワイトライトブラウンスーパーブラックブラックブラウンの4色から現場で選択することが可能です。同じUHF20素子相当のデザインアンテナを比較した場合、業界トップクラスの受信性能、高利得を誇る大手DXアンテナ社製。本体の厚みはわずか119mm、サイズは高さ590mm×幅220mmで業界最小クラス。コンパクトサイズのため狭い屋根裏や天井裏などへの取り付けも最適。壁面に取り付けの場合は、極細のビスを6箇所打ち込んで金具を取り付け、金具にガチャンと本体をはめ込みボルトを締めるだけの簡単施工が可能なため建物へのダメージを極力軽減できます。ブースターが必要な場合はUAH201の背面にスッキリ取り付けられる構造になっており、表にブースターが露出しないので外観もキレイに保てます(弊社では電波状況が悪くない限り、なるべくブースターも屋内の、分配器の近くに隠してしております)。修理の場合、ブースター内蔵タイプのデザインアンテナとは異なり、ブースターだけの交換をできるメリットがあります。太陽光発電システムや片流れ屋根で屋根上に屋根馬を立てられず昔ながらの八木アンテナを設置できない住宅にも最適。耐風速(破戒風速)50m/sですが、屋内や外壁など、強風の影響を受けにくい取り付け位置と形状をしているため、災害にも強いアンテナとなっております。当店人気ナンバー1の地デジアンテナでございます。

  • 八木式アンテナ

    八木式アンテナUA20
    型番:UA20(最新モデル)
    工事費込み 22,000円(24,200円税込)

    その昔、八木秀次博士が発明した形状(魚の骨のような形状)からマイナーチェンジを繰り返し洗練されたフォルムとなり、中・弱電界エリアにも対応可能な安心のDXアンテナ社製。UHF20素子アンテナの性能で、吹きさらしで障害物の少ない屋根上に設置することが多いため利得が高くなっております。万が一、壁面や屋内でデザインアンテナを取り付けられない物件 にも最適。従来の鉄製の太いワイヤーとは異なり、ステンレス製の丈夫で錆びにくいワイヤー(支線)を採用。アンテナマストから屋根の四隅に向けて4本の支線を張り巡らせ、さらに張り巡らせた支線の途中からも屋根馬に向けて4本の支線をバランスよく張り、合計8本の支線で頑丈に設置しております。サイズは51.8cm×34cm×101.4cmとなっており、VHF(アナログアンテナ)と比較して、大幅なサイズダウンと軽量化がなされています。しかも耐風速(破壊風速)50m/s。地デジ放送が始まる前の時代より、屋根上に設置するアンテナは災害に強くなっていると言えるでしょう。当店で人気ナンバー2の地デジアンテナでございます。

  • 2K4K8K対応 BS/CS110度アンテナ

    2K4K8K対応BS/CS110度アンテナ
    型番:BC45AS(最新モデル)
    工事費込み 18,000円(19,800円税込)

    2018年12月1日以降、実用放送開始予定の4K8K衛星放送(NHKのみ4K&8Kを同時配信)に備えてオールマイティーなDXアンテナ社製のBC453をBS放送、CS放送をご覧になりたいすべての方へ提供しております(大規模な集合住宅は例外)。従来の2K専用BS/CS110 度アンテナと同じでサイズで円盤の直径は45センチ。そうでありながら、電送周波数の帯域が広いため、従来のフルハイビジョン(2K放送・約200万画素)からスーパーハイビジョン(4K放送・約800万画素/8K放送・約3,300万画素)まで受信可能です。「大は小を兼ねる」と言えます。2020年のオリンピックに向けて4K8Kの実用放送がますます拡充されるということが総務省より発表され、各メーカーの4K8Kテレビは増産がはじまり、その価格も落ち着いてきました。そのような状況のなか、あさひアンテナにも2K4K8K対応BS/CS110度アンテナの問合せが数多く寄せられております。最新式のアンテナでも、大量仕入れでコストをおさえて仕入れておりますので、低価格を実現できました。