地デジとBS/CS一体型のアンテナはない?二つのアンテナから電波を混合してテレビ放送を見る最新ランキング
地デジとBS/CSアンテナの一体型はある?実質的にアンテナを一体化するためのおすすめ製品や工事を紹介!
2026年(令和8年)現在、テレビ放送の世界も多様化が進んでいます。
日本国内でのテレビ放送の歴史として、昭和期にスタートした地上波のアナログ放送から、平成期には衛星放送(BS放送、CS放送)もスタートしています。
2000年代初頭には地上波放送や衛星放送がデジタル放送化され、2018年(平成30年)には衛星放送の4K8K放送がスタートするなど、時代につれてテレビ放送も進化を続けています。
それにより、お住まいに設置するテレビアンテナやテレビ機器などの受信設備も、新しい放送へと対応できるよう進歩し続けています。
そんな令和の現在、新居へのお引っ越しや、お住まいで古くなったアンテナを交換する際などを機に、あらためてアンテナ本体をはじめ、テレビの受信環境を整えようと考えている方も多いのではないでしょうか。
例えば、
「どうせなら地デジ放送だけでなく、映画やスポーツ、アニメなどの専門チャンネルが楽しめるBS放送、CS放送も見たい」
「自宅のアンテナは地デジ、BS/CSともかなり古いものなので、これを機に最新機種や4K8K放送も見られるアンテナ設備へ交換したい」
「でも、地デジとBS/CSアンテナのどちらも設置するとなると、家の見た目や費用が気になるし、工事や個別の管理も面倒になりそう」
そのようなお考えから「地デジとBS/CSを一基のアンテナでまとめて受信できないのか?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、そのようなお客様の疑問に、アンテナ工事の専門家がお答えします。
本記事は技術系に強いプロのライターが執筆を担当し、さらに執筆にあたって、顧客からの評価も高い優良なアンテナ工事業者「あさひアンテナ」所属のアンテナ職人に、アンテナ工事に関する取材を行っています。
専門知識だけでなく現場経験も豊富なプロの知見や、関連する新着の情報を基に、専門ライターが難しい用語や解説を避け、一般の方にもわかりやすい形で記事をまとめています。
まず結論からお伝えすると、一基で地デジと衛星放送をまとめて受信できる、厳密な意味での「地デジ・BS/CS一体型アンテナ」は存在しません。
しかし、地デジと衛星放送のアンテナについて、各アンテナ機種や設置方法を工夫することで、まるで1本のようにスッキリとした見た目で設置し、配線もシンプルにまとめて両方の放送を見る方法は確かにあります。
また工事の方法によっては、総額の設置費用を抑えた上で、トラブルの危険性を抑え、メンテナンスも簡単になる取り付け方法も存在します。
この記事をお読みいただければ、地デジアンテナとBS/CSアンテナを一体型のようにまとめて設置する、その具体的な方法から費用、業者選びのポイントまでが判明し、アンテナ工事に関するお悩みもすべて解決するでしょう。
結論:地デジとBSを1台で受信できる「一体型アンテナ」は存在しない
多くの方が期待される、地デジと衛星放送(BS/CS)を一基ですべて受信できる「一体型アンテナ」ですが、残念ながら現在の家庭用アンテナ市場にはそのような商品は存在しません。
なぜなら、地デジ放送とBS放送、CS放送では、そもそもの放送の仕組みや、特に受信する電波の性質がまったく異なるからです。
そのため、それぞれのテレビ放送の電波を効率よく受信するには、地デジと衛星放送で別個に、専用のアンテナが必要になるのです。
しかし、すぐに失望される必要はありません。
多くの方が地デジとBS/CS一体型のアンテナを求められる理由は、第一に2基のアンテナと配線設備を設置することで発生する費用面です。次に2基のアンテナを設置することで考えられる、住宅の外観性の問題や、メンテナンスなどの手間が倍増するといった点でしょう。
現在では、地デジと衛星放送、あわせて2基のアンテナを設置しながらも、住宅の見た目をスッキリさせ、配線もシンプルにまとめて設置費用も抑える方法は確立されています。
次の章から、その具体的な方法を詳しく見ていきましょう。
なぜ一体型がないの?地デジとBSの根本的な違いを解説
地デジとBS/CSのアンテナを一体化できない理由は、両者がアンテナで電波を受信する仕組みに根本的な違いがあるためです。
専門知識がない方にも分かりやすいように、その違いを以下の一覧表にまとめました。
※上記は地デジ放送と衛星放送(電波)の主な比較ポイントになります。
このように、地デジ放送や衛星放送では、電波の発信元や性質からアンテナの形まで、すべてが異なります。
テレビアンテナに限らず、アンテナは受信(もしくは送信)する電波の周波数帯に合わせた設計や、受信の際にはアンテナの向きを電波の方向に合わせることが必要です。
そのため地デジアンテナで衛星放送の電波を受信することや、その逆を行うことはもちろん、一基で地デジと衛星放送の双方を受信できる仕様のアンテナを開発することも、原理的には不可能なのです。
【参考情報】地デジ放送と受信の仕組み
この項目では、地デジアンテナとBS/CSアンテナをまとめて設置する方法について、より深くご理解いただくための基礎知識として、まずは地デジ放送の基本的な仕組みについて解説します。
地デジ放送(地上デジタル放送)は、日本各地に設置された電波塔の先端から送信される「UHF(極超短波)」という電波に、デジタル化された映像信号を乗せて送信しています。
この電波は40センチから60センチ程度の波長の幅があり、比較的、障害物に強い性質がありますが、お住まいの地デジアンテナで安定して受信するためには、以下のようないくつかのポイントがあります。
- 電波塔との距離が重要
- UHFは波長の幅があって広がりやすい半面、電波塔から遠く離れるほど電波が拡散され、電波レベルが低下していきます。
- したがって電波塔の周辺エリアでは、距離や電波を遮る山地などの影響によって地域別に受信できる電波の強さが異なり、これらを受信レベル別に「電界地域」として分類します。
- 地デジアンテナは、ご自宅の電界地域に合った性能(素子数・素子数相当)のアンテナ機種と設置位置を選ぶ必要があります。
- 障害物や気候、天候の影響
- 地デジ電波はある程度、障害物を乗り越えて広がることができますが、高いビルや山などの障害物の裏側の一帯では、電波が遮られてしまい、受信が不安定になることがあります。
- また地デジ電波は伝達される空間の状態にも影響を受け、一年を通して6㏈程度の変動が起こるほか、雨や雪などの悪天候では受信レベルが大きく低下します。
- 地デジアンテナの設置には、周辺環境の影響による現場での受信レベルの確認と、気候や天候の影響を踏まえた余裕ある受信レベルの確保が重要になります。
- アンテナの向きと高さ
- 地デジアンテナには正面側で受診性能が集中する「指向性」があるため、アンテナ正面を近隣の電波塔の方向へと正確に向ける必要があります。
- 基本的には、地デジアンテナをより高い位置に設置するほど、電波塔の先端に近く、障害物に影響されにくくなり、受信感度は向上します。
- 比較的、電波塔に近いエリアで、電波塔の方向に障害物が少ないエリアであれば、壁面などの低い位置にアンテナを設置しても十分な受信が可能になります。
- 電波塔から近距離で電波レベルが強く、住宅の屋根材や建材、断熱材が電波を通しやすい、屋内に設置スペースが確保できるなどの条件が整っていれば、屋根裏や天井裏への地デジアンテナ設置や、室内アンテナの利用が可能になるケースもあります。
以下、戸建住宅における一般的な地デジアンテナの設置位置と、それぞれのメリット、デメリットを一覧でご紹介します。
※上記は各設置位置の一般的な特徴になります。
【参考情報】衛星放送(BS/CS)と受信の仕組み
続いてこの項目では、衛星放送(BS放送、CS放送)の仕組みや電波、受信方法について解説していきます。
衛星放送では、地球の周りを自転に合わせて周回し、地上からは空の同じ位置に止まっているように見える人工衛星「静止衛星」から、日本全域など地上の広範囲に、12GHz帯と呼ばれる非常に高い周波数帯の電波を送っています。
12GHz帯は非常に直進性が高く、静止衛星から日本全域にライトを当てるようなイメージで送信されています。一方で地上のわずかな障害物にも遮られやすく、障害物の向こう側には届かなくなる弱点もあります。
ちなみにBS放送は「放送衛星(Broadcast Satellite)」を、CS放送は 「通信衛星(Communication Satellite)」を使用する衛星放送になります。
これらは主に日本の放送法に基づく、放送区分による区別になります。またBS放送の放送衛星、主要なCS放送の通信衛星とも、東経110度の上空に位置するため、一基のBS/CSアンテナ(BS/110度CSアンテナ)どちらも受信することが可能です。
地上ではこの直進性の強い12GHz帯の電波を、皿状のディッシュ(放物面反射器)をもつパラボラアンテナでキャッチし、反射させて一点に集める形で受信しています。
このような電波の性質や受信の形式から、衛星放送のBS/CSアンテナは、地デジ放送とは異なって、非常にデリケートな調整が求められます。
以下、衛星放送の受信やBS/CSアンテナ設置の際の主な注意点を解説します。
- 正確な角度調整が必須
- 12GHz帯の電波を正確に受け止めて反射させるため、BS/CSアンテナのディッシュを南西方向(東経110度)にある静止衛星へ向けて、仰角、方位角とも、1度のズレもなく正確に角度調整する必要があります。
- わずかな障害物もNG
- BS/CSアンテナと静止衛星の間に、建物、木、電線、さらには洗濯物など、わずかな障害物があっても電波が遮られてしまい、受信できなくなります。
- 電源設定が必要
- 12GHz帯の電波は周波数帯が高すぎるため、そのままではアンテナケーブルで送信できず、BS/CSアンテナに内蔵されるコンバーターでMHz帯に変換された後、ケーブルでテレビまで送られます。
- このコンバーターを作動させるため、テレビなどの受信機器で「BS電源設定」を行ってチューナー端子からアンテナまで電源を供給するか、ブースター電源部からの通電を行う設定を行わないと、衛星放送は受信できません。
- 天候の影響
- 大雨や大雪の際には、大粒の雨や雪が降り注ぐ細かな障害物のような状態になり、12GHz帯の電波が遮られて一時的に衛星放送が映らなくなる「降雨減衰」「降雪減衰」などの電波障害が起こることがあります。
- 対処法は基本的に天候の回復を待つことですが、より多くの電波をキャッチできる大型のBS/CSアンテナを使うことで、天候の影響を抑えることもできます。
- 4K8K放送について
- 現在のBS放送には、従来の2K放送と、高画質な4K8K放送があります。
- これは2018年にスタートした新4K8K衛星放送になります。
- 4K8Kチャンネルを追加する際、従来使われていた12GHz帯である「右旋円偏波」では使用できる周波数帯が足りなかったため、多くの4K8Kチャンネルのために、新しく「左旋円偏波」が導入されました。
- そのため右旋と左旋、すべての4K8Kチャンネルを視聴するには、4K8K(右旋左旋)に対応するBS/CSアンテナや、配線部の周辺機器(ケーブルやブースター、分配器など)が必要となります。
- ただ2026年現在、民間放送局の4K放送からの撤退や、周波数帯の再編により、左旋の4K8Kチャンネルは少なくなっており、左旋放送で観たいチャンネルがない限り、左旋に対応できないBS/CSアンテナや設備であっても、すぐに交換する必要性は低くなっています。
以下、2K衛星放送(右旋放送)と新4K8K衛星放送(左旋)の主な違いを、一覧でまとめました。
※2026年1月現在、4Kチャンネルはすべて右旋放送に再編されており、左旋放送はBS放送「NHK BS8K」1チャンネルのみになっています。
アンテナ1本に見える!地デジとBSを両方見るための「実質的な一体化」とは
「地デジとBS/CSの一体型アンテナはない」と聞くと、やはり地デジアンテナとパラボラアンテナが2つ並んで家の外観を損ねる、さらに同軸ケーブル配線などを含めた設置費用やメンテナンスなどの手間がかかるのでは、とご心配になることでしょう。
しかし、どうかご安心ください。
現在のテレビアンテナ工事では、地デジとBS/CS、2基のアンテナをスマートに設置し、まるで一体型の受信システムのように見せる「実質的な一体化」が主流です。
この方法は、大きく分けて2つの要素で成り立っています。
- アンテナの併設:デザイン性の高い地デジアンテナを選び、BS/CSアンテナと近接させて設置することで、外観への影響を最小限に抑えます。
- 配線の統合:2基のアンテナの近くで「混合器」という機器を使い、2本のアンテナケーブルを1本にまとめることで、宅内への引き込みや配線、配線部の機器設置をシンプルにします。
ここからは、ご自宅の見た目や予算の希望に合わせて選べる、アンテナ種類の組み合わせによる3つの「実質的な一体化」のパターンをご紹介します。
【見た目重視派】デザインアンテナ+BS/CSアンテナ
デザインアンテナ(平面アンテナ)とは、主に住宅の壁面に設置する、薄いパネルのような箱型のスタイリッシュな地デジアンテナです。
現在ではDXアンテナやマスプロ電工、日本アンテナやサン電子など、大手メーカーからさまざまな製品モデルが販売されており、外壁の色に合わせてカラーバリエーションも選べるため、住宅のデザインに溶け込ませることができます。
このデザインアンテナの近くにBS/CSアンテナを設置すれば、アンテナの存在感を最小限に抑えることができます。
以下、デザインアンテナ設置の主なメリット・デメリットを一覧で解説します。
※上記はデザインアンテナの主な特性になります。
デザインアンテナは外観性、対候性などのメリットが豊富な半面、設置位置の低さから、他のアンテナに比べて受信感度が低くなりやすいのが最大の弱点です。
特に周辺に高層建築や隣家など、電波の遮蔽物が多い環境では、電波状態がいい地域でも電波が遮られて設置できないケースがあります。
そのためデザインアンテナの設置には、事前の電波調査で十分な受診を確保できるかどうか、綿密にチェックすることが重要になります。
【性能・デザイン両立派】ユニコーンアンテナ+BS/CSアンテナ
ユニコーンアンテナとは、ポール(棒)状の最新型地デジアンテナ(マスプロ電工製「U2CN」)です。
マストの先に固定され、屋根の上や破風板など高い位置に設置できるため、デザインアンテナに比べて受信感度を確保しやすいのが特徴です。
360°どこから見てもスッキリとしたデザインで、風雨なども受け流せるため、設置の見た目、自然環境への強さとも、デザインアンテナと同等のメリットを確保できます。
さらに、マストの下部にBS/CSアンテナを固定することもできるため、アンテナを一本にまとめることで、家の見た目や景観もい損ないません。
以下、ユニコーンアンテナの主なメリット・デメリットを一覧で紹介します。
※上記はユニコーンアンテナの主な特性になります。
基本的にユニコーンアンテナは、デザインアンテナをご希望の現場で、周辺環境の影響により設置できない場合の代案に適しているモデルです。
またBS/CSアンテナも同じ一本のマストにまとめることができるため、セットで設置する場合のモデルにも適しています。
【コスト重視派】八木式アンテナ+BS/CSアンテナ
八木式アンテナは、アナログ放送の時代から使われている、昔ながらの魚の骨のような形をしたアンテナです。
主に屋根の上に立てられたマスト(支柱、ポール)の先に固定されるため、見た目は少し目立ちますが、現在でも受信性能がもっとも高く、価格が安いという大きなメリットがあります。
同じマストにBS/CSアンテナを一緒に取り付けることで、設置場所を一箇所にまとめることが可能です。八木式アンテナ、BS/CSアンテナとも、高所に設置することで角度調整も行いやすく、障害物を避けて受信感度が安定しやすくなる特性もあります。
※上記は八木式アンテナの主な特徴になります。
八木式アンテナの主な弱点は、現在では他の地デジアンテナ機種に比べて住宅の見た目や景観に悪影響を及ぼしやすい、また風雨などの影響をうけて経年劣化が進みやすいという点になります。
対策として、外観性については屋根の上の死角や破風板、可能であれば壁面やベランダなど目立たない位置に設置するという選択肢が考えられます。
また対候性については、塩害用や雪害用、ステンレスモデルなど気候に強いモデルを利用するほか、やはり風雨を避けてメンテナンスも行いやすい設置位置を工夫するという方法があります。
【参考情報】BS/CSアンテナで家の見た目や耐風性を高める方法は?
上記では地デジアンテナの各機種別の特性を解説してきましたが、同じ場所に設置するBS/CSアンテナは、基本的にパラボラアンテナの一種類のみになります。
ただそのBS/CSアンテナも、機種や設置方法を少し工夫することで、見た目や耐久性を向上させることができます。
BS/CSアンテナは障害物のない位置で東経110度に向けて設置されるため、基本色は太陽光に強い白色系になります。
ただ最近では、太陽光に強い塗装を施して、外壁の色に合わせて本体色を選べるブラックなどのカラーモデルも登場しています。
またBS/CSアンテナは、ディッシュ(お皿)部分に風の影響を受けやすく、緻密な角度調整が狂いやすいという弱点もあります。
この弱点を克服するため、近年ではディッシュに風を通すパンチングホール加工が施されたほか、各接合部分の強化による、台風などの強風でも影響を受けにくい高耐風モデルも人気を集めています。
以下、BS/CSアンテナの機種や設置の工夫について、一覧で解説します。
※上記はBS/CSアンテナ設置で主な外観、強風などへの対策となります。
【工事不要?】室内用の一体型アンテナはある?メリットと注意点
「屋外のアンテナ工事は避けたい」「もっと手軽にアンテナを設置したい」という方の中には、室内アンテナを検討している方もいるかもしれません。
室内アンテナは、屋外アンテナに比べて低価格で、なおかつ工事不要で設置できる手軽さが大きな魅力です。
しかし地デジとBS/CSの両方を室内アンテナで安定して視聴するのは、残念ながら非常に難しいのが現実です。
以下の項目で、室内アンテナの使い方、および衛星放送の受信に実用的かどうかを具体的に解説していきます。
室内アンテナで地デジとBS/CSの両方を見るのは現実的か?
アンテナの市場には、地デジとBS/CSの両方に対応した室内アンテナはほとんど存在しません。基本的に室内アンテナは、どれも地デジ専用のアンテナになります。
そもそも衛星放送の12GHz帯は障害物に弱いため、住宅の屋根や壁に遮られてしまい、屋内に届くことはほとんどありません。そのため屋内で衛星放送を受信することは不可能に近く、BS/CS対応の室内アンテナも存在しないのです。
唯一の例外として、東経110度の方向に障害物がなく、12GHz帯の電波が差し込む透明な一枚板の窓ガラスがあれば、その前にBS/CSアンテナを据え置き設置することで、BS/CSアンテナの室内設置が可能になるケースもあります。
ただこの方法も、基本的な条件が難しい上に、窓ガラスを透過する際に12GHz帯の減衰が起こるため、室内での安定受信は難しいと考えてよいでしょう。
また衛星放送用のアンテナには、一般的なBS/CSパラボラアンテナの他、アウトドア用で持ち運びも可能なボックス型モデルなどの特殊なモデルも存在します。
このようなモデルを住宅のベランダなどにおいて、室内アンテナに近い形で利用することも不可能ではありません。ただこのような機器は価格も数万円台と高価で、4K8K(左旋)には対応していないなど、その受信性能は非常に限定的です。
地デジ用の室内アンテナに関しても、屋外用アンテナに比べると受信感度が大幅に劣ります。したがって電波の強い地域で、住宅の建材や周辺環境などの条件が整った場合にのみ使用できる、限定的な選択肢であり、簡易的な地デジアンテナであるとご理解になることが重要です。
室内アンテナが使える条件と失敗しないためのチェックリスト
もし地デジの室内アンテナ、もしくはBS/CSアンテナの室内設置を試すのであれば、購入前にご自宅の環境が適しているか、ご確認になることが重要です。
以下のチェックリストにひとつでも当てはまらない項目がある場合、室内アンテナでの視聴は難しい可能性が高くなります。
※上記は主なチェックポイントになります。
室内アンテナやBS/CSアンテナの屋内設置は、安易に試してみて「結局まったく映らなかった」という失敗を避けるためにも、事前の慎重な判断が求められます。
アンテナからテレビまで!地デジ・BS両方見るための接続・配線ガイド
屋外に設置した地デジと衛星放送のアンテナからの二種類の電波を、住宅内のすべてのテレビで視聴できるようにするためには、いくつかの周辺機器を使って適切な配線を行う必要があります。
この項目の解説は、少し専門的に聞こえるかもしれませんが、各機器の役割さえ理解すれば、全体の流れは決して難しくありません。
ここでは、初心者の方でも分かるように、2基のアンテナから屋内のテレビまでを結ぶ配線部の仕組みを、図解とともに解説します。
これだけは揃えたい!4つの重要周辺機器
地デジとBS/CSのアンテナ配線を「実質的に一体化」するためには、以下の4つの機器が重要な役割を果たします。
それぞれの役割を理解することが、配線全体を理解する近道です。
※上記は各機器の基本的な解説になります。
以下、各機器や部品について詳しく解説していきます。
混合器:2本のケーブルを1本にまとめる
地デジアンテナとBS/CSアンテナから伸びる2本のケーブルを、この混合器で1本にまとめます。
これにより、壁に穴を開けて屋内に引き込むケーブルが1本で済むため、配線や機材設置などの工事がシンプルになり、全体的なコストを軽減できるうえ、見た目もスッキリします。
近年では、後述するブースターにこの混合機能が内蔵されている製品が主流です。
ブースター:弱い電波を増幅する
地デジやBS/CSアンテナで受信した電波は、ケーブルを長く引き回したり、複数のテレビに分配したりすると、どうしても個々のテレビに届くレベルは弱くなってしまいます。
ブースターは、アンテナで受信した電波を適切なレベルまで増幅(ブースト)し、すべてのテレビでノイズのないクリアな映像を保つための重要な機器です。
特に、テレビを3台以上設置するご家庭では必須と言えます。
なお、地デジとBS/CSアンテナを設置する場合には、双方の電波を増幅し、上記した混合器の機能も持つ「混合ブースター」を利用することが一般的です。
分配器:複数の部屋でテレビを見るために電波を分ける
アンテナから混合器(混合ブースター)でまとめられた1本のケーブルを、リビング、寝室、子供部屋など、住宅内の各部屋にあるアンテナコンセント端子へと分岐させるのが分配器の役割です。
2分配、3分配、4分配など、住宅内に設置するテレビの台数に応じた製品を選びます。
ただし、分配数だけ電波レベルが等分に分配され、個々のテレビに届く電波のレベルが下がるため、ブースターとの併用が基本となります。
分波器:1本にまとめたケーブルを地デジとBSに再度分ける
壁のアンテナコンセント端子からテレビ本体まで、ケーブルで接続する最後のステップで登場するのが分波器です。
混合器によって1本のケーブルにまとめられていた地デジとBS/CSの電波を、ふたたび「地デジの信号」と「BS/CSの信号」の2つに分離します。
分離された2本のケーブルを、テレビの背面にあるそれぞれの入力端子(「地上デジタル」と「BS/CS」)に接続することで、双方の放送が視聴できるようになります。
なお分波器は、アンテナコンセントの先に設置される場合もありますが、アンテナコンセント端子のユニットが分波器の機能をもち、地デジとBS/CSの端子が別になっていることもあります。
以下、特に名称や形状が似ているため、混同されやすい「分配器」と「分波器」の違いについて、一覧で詳しく解説します。
※上記は分配器と分波器の基本的な違いになります。
【図解】アンテナからテレビまでの正しい配線ルート
ここまでの内容を、実際の配線の流れに沿って整理してみましょう。
- 地デジ / BS/CSアンテナ
- 屋根上などに「地デジアンテナ」と「BS/CSアンテナ」を設置します。
- 混合器 / ブースター
- 2つのアンテナからのケーブルを1本にまとめ、必要に応じて電波レベルを増幅します。
- 分配器
- 1本にまとまったケーブル(テレビ電波)を、各部屋のテレビ端子の数だけ分岐させ、電波レベルを等分に分けます。
- 壁のアンテナコンセント端子
- 分岐されたケーブルが、各部屋の壁にあるアンテナコンセント端子まで配線されます。
- 分波器
- アンテナコンセント端子から来たケーブルを、テレビに接続する直前で地デジとBS/CSに分離します。(アンテナコンセントに内蔵される場合もあり)
- テレビ
- 地デジとBS/CSに分離された2本のケーブルを、テレビのそれぞれの入力端子に接続して配線完了です。
地デジ・BSアンテナ設置の費用相場|工事費を安く抑える3つのコツ
お客様がテレビアンテナ設置を検討する上で、もっとも気になるポイントと言えば、やはり工事の費用ではないでしょうか。
ここでは、地デジとBS/CSのアンテナをセットで設置する場合の費用内訳と相場、そして少しでも費用を安く抑えるためのポイントを解説します。
アンテナ工事費用の内訳と料金相場
アンテナ工事の費用は、主に「アンテナ本体代金」「基本工事費」「周辺機器代」で構成されます。
特にアンテナ工事費用は、使用する地デジアンテナの種類によって、総額が大きく変わってきます。
以下、一般的な地デジアンテナ機種とBS/CSアンテナの組み合わせ別に、業者に依頼した場合の費用相場の目安をご紹介します。
※上記はあくまで一般的な費用の目安であり、住宅の構造や電波状況、使用する部材によって実際の費用は変動します。
基本的に、地デジアンテナとBS/CSアンテナをセットで同時に設置した場合、別々に設置する場合に比べて、作業にかかる手間や機材などをまとめて簡略ができる分、工事費用が割安になるケースが多くなります。
費用を安く抑えるためのポイント
少しでもアンテナ工事の費用を抑えたい場合、以下の3つのポイントを意識してみてください。
- 複数の業者から相見積もりを取る
- 複数の業者に見積もりを依頼し、料金と工事の内容、サービス内容を比較検討しましょう。
- 同じ内容の工事に対する平均的な価格相場から、不当に高額な請求をする業者や、逆に安すぎて手抜き工事の恐れがある業者を見抜くことができます。
- 不要なオプションをつけない
- 見積もり内容をよく確認し、本当に必要な工事かどうかを判断しましょう。
- 例えば、電波が十分に強いのに高性能なブースターを勧められるケースなど、不要なオプションを省くことで費用を削減できます。
- 火災保険の適用を検討する
- 台風や大雪などの自然災害で既存のアンテナが破損した場合、火災保険が適用されて工事費用が補償されることがあります。
- アンテナの交換や修理の際には、ご加入の保険内容を確認してみましょう。
失敗しない!アンテナ工事業者の選び方5つのポイント
地デジやBS/CSのアンテナ工事は、高所での作業や専門的な電波測定が必要となるため、DIYでの設置は非常に困難かつ危険です。
感電や落下など事故のリスクだけでなく、適切に設置できずに結局、業者に依頼することになれば、二度手間と余計な費用がかかってしまいます。
長期的に安心してテレビを視聴するためにも、アンテナ工事は信頼できる専門業者に依頼することが不可欠です。
では、テレビアンテナ工事はどこに頼むべきなのか、何を基準にアンテナ工事業者を選べば良いのでしょうか。
ここでは、優良な業者を見極めるための5つのチェックポイントをご紹介します。
- 明確な料金体系
- 工事の前に、詳細な見積もりを提示してくれるか確認しましょう。
- 「工事費一式」などと曖昧に記載するのではなく、部材費や作業費の内訳が明記されている業者は信頼できます。
- 見積もり後の追加料金が発生しないことを明言しているかも重要なポイントです。
- 豊富な施工実績
- 公式サイトなどで、年間の施工件数や過去の事例が公開されているかチェックしましょう。
- 実績が豊富な業者は、様々な住宅構造や電波状況に対応できる高い技術力とノウハウを持っています。
- 長期の工事保証
- 工事後の保証制度が充実しているかを確認しましょう。
- 最低でも5年以上の長期保証が付いていると安心です。
- 台風などの自然災害による故障に対応する保証があるかも確認しておくと、万が一の際に助かります。
- 事前の電波調査
- 契約前に、専用の測定器を使ってしっかりと電波状況を調査してくれる業者を選びましょう。
- 現地調査を丁寧に行い、最適なアンテナの種類や設置場所を提案してくれる業者は信頼できます。
- 口コミ・評判
- 実際にその業者を利用した人の口コミや評判を、インターネットなどで調べてみましょう。
- スタッフの対応や工事の質など、公式サイトだけでは分からないリアルな情報を得ることができます。
アンテナ工事専門業者「あさひアンテナ」の強みとは?
本記事の執筆にもご協力いただいた「あさひアンテナ」は、上記の優良業者の条件をすべて満たしており、お客様に安心と満足をお届けするアンテナ工事の専門業者です。
ここではあさひアンテナの強みを、上記した選び方のポイントに沿ってご紹介します。
※上記は「あさひアンテナ」が提供するサービスの主な特徴になります。
上記の他にも「あさひアンテナ」では、相見積もりや即日工事へのご対応、アンテナ修理に火災保険を適用する場合の、必要書類や写真のご用意その他の万全なサポートなど、お客様目線でのさまざまなサービスをご用意しております。
テレビアンテナ工事に関するお悩みは、どんなに些細なことでも、まずは「あさひアンテナ」のフリーダイヤル、またはメールフォーム、LINEアカウントまで、お気軽にご相談ください。
アンテナ設置が難しい場合の代替案|光回線・ケーブルテレビという選択肢
建物の構造や周辺環境、地域の気候や条例などによっては、テレビアンテナの設置が難しい、あるいは最適でないケースもあります。
そのような場合には、アンテナを使わずにテレビを視聴する方法もご検討ください。
その代表的な選択肢としては「光回線テレビ」と「ケーブルテレビ」が挙げられます。
光回線テレビ・ケーブルテレビのメリット・デメリット
これらのサービスは、インターネット回線に使われる光ファイバー網や、ご自宅まで敷設されたケーブルテレビ(CATV)網を利用してテレビ放送(地デジやBS/CSの映像信号)を届けるため、テレビアンテナ設置が不要です。
したがって天候や周辺環境に左右されず安定した視聴が可能で、家の外観を損なわないという大きなメリットがあります。
一方で、アンテナ設置であれば、テレビの視聴にかかる費用は、工事の初期費用のみで済む(NHK受信料や有料チャンネルを除く)のに対し、これらのサービスはテレビの視聴で月額利用料が継続的に発生します。
長期的にはアンテナ設置よりも総費用が高くなる傾向があるため、コスト面を重視する方は注意が必要です。
以下、アンテナ設置と光回線TV・ケーブルテレビの特性をそれぞれ一覧で比較しました。
※上記は各テレビ視聴方法の主なメリット・デメリットになります。
インターネットテレビ(VOD)はリアルタイム視聴の代わりになるか?
近年では、インターネットを利用して「TVer」「ABEMA」「Netflix」などの動画配信サービス(VOD)をテレビ(チューナーレステレビ)で楽しむ方も増えています。
これらのサービスは、リアルタイムのテレビ放送にこだわらず、好きな番組や映画などの映像コンテンツを、好きなときに見たいという方にとっては最適です。
ただし、これらのサービスは、すべての地上波・BS/CS放送がリアルタイムで配信されているわけではないため、従来のテレビ視聴を完全に代替するのは難しい側面もあります。
特にローカル番組やニュース、再放送など、一部の番組コンテンツは、ネット配信に対応していないケースもあります。
このようなサービスは、ご自身の視聴スタイルに合わせて、アンテナや光回線テレビと組み合わせるのが賢い利用方法と言えるでしょう。
まとめ:あなたの家に最適な視聴環境を見つけよう
本記事では、「地デジとBS/CSの一体型アンテナは存在するのか?」という一般的な疑問をスタート地点として、テレビアンテナ設置の現実的な方法から費用、最適な業者選びまでを網羅的に解説してきました。
最後に、この記事の重要なポイントを振り返りましょう。
- 結論:厳密な意味での「地デジ・BS/CS一体型アンテナ」は存在しない。
- 解決策:デザインアンテナなどを活用し、配線などを統合することで「実質的な一体化」は可能。
- 選択肢:見た目、性能、コストの何を重視するかで、最適なアンテナ機種の組み合わせは変わる。
- 配線:配線部の「混合器」「ブースター」「分配器」「分波器」の4つの機器が重要な役割を担う。
- 業者選び:料金や実績、長期保証などを基準に、全般的に信頼できる専門業者を選ぶことが成功の鍵。
- 代替案:アンテナ設置が難しい場合は、光回線テレビやケーブルテレビなどの選択肢も検討する。
テレビアンテナの設置は、一度行えば10年以上にわたって地デジやBS/CSの快適なテレビライフを支えてくれる重要な設備投資です。
この記事で得た知識を元に、ぜひ皆様のライフスタイルやご自宅の環境に最適となる視聴方法を見つけてください。
もし判断に迷われたり、専門的なアドバイスが必要な場合は、本記事でもご紹介した「あさひアンテナ」をはじめ、信頼できるアンテナ工事の専門家へとご相談になることを、本記事の筆者からもおすすめします。




